銀行振込: 徹底ガイド

  1. はじめに
  2. 銀行振込の仕組み
  3. 銀行振込の利用の背景
  4. 銀行振込の利用者
  5. 銀行振込を受け付けるメリット
  6. 銀行振込のセキュリティ対策
  7. 銀行振込を決済手段として受け付ける
  8. 銀行振込に代わる選択肢

「振込」という用語は、日本では、銀行振込または電子資金送金を指します。振込では、個人または事業者が自身の銀行口座から別の個人または事業者の口座に直接送金することができます。日本では、請求書の支払い、商品の購入、個人口座間の送金などのさまざまな取引に銀行振込がよく利用されます。実際の現金や小切手を扱うことなく金融取引を処理できる便利な方法です。

このガイドでは、銀行振込について事業者が知っておくべき事項として、振込の仕組み、その利用者と利用する理由、関連するコストと手数料、決済手段として受け付けを開始する方法を取り上げています。

この記事の内容

  • 銀行振込の仕組み
  • 銀行振込の利用の背景
  • 銀行振込の利用者
  • 銀行振込を受け付けるメリット
  • 銀行振込のセキュリティ対策
  • 銀行振込を決済手段として受け付ける
  • 銀行振込に代わる選択肢

銀行振込の仕組み

日本の振込は、世界の他の国の銀行送金と同じです。振込という言葉は、単に日本国内の銀行間の送金を意味します。振込を完了するためのプロセスは以下のとおりです。

  • 開始: 送金者はオンラインバンキングプラットフォーム、モバイルバンキングアプリ、ATM、または銀行の支店で振込を開始します。取引を開始する際、送金者は必ず受取人の名前、銀行と支店、口座の種別、口座番号を入力します。受取人の名前は、銀行口座の名義と一致していなければなりません。送金者は送金額を指定する必要があります。任意で送金目的を示す参照情報を付けることもできます。

  • 手数料の通知: 選択されたプラットフォームから送金者に、関連する取引手数料が通知されます。手数料は、送金に関わる銀行や口座の種別によって異なります。異なる銀行間で送金される場合や、送金者が迅速な処理を求める場合は、手数料が高くなる可能性があります。

  • 決済の承認: 送金側の銀行は、送金者の口座の資金が利用可能かどうか、また、受取人の詳細情報が正確かどうかを確認します。その後、送金者がパスワード、PIN、生体認証などの安全な方法で取引を承認します。

  • 送金: 承認が完了すると、送金側の銀行が受取側の銀行に電子的に送金を行います。処理速度: 通常は 1 営業日以内に送金されますが、送金を開始した時刻や曜日などの要因によってさらに時間がかかる可能性があります。

  • 資金の受け取り: 受取側の銀行が資金を受け取り、それを受取人の口座に入金します。受取側の銀行は、入金先の口座が正しいかどうかも確認します。

  • 送金の確認: 送金者と受取人の双方が、銀行との選択した連絡方法に応じて、バンキングアプリ、メール、または書面の明細書で取引完了の確認を受け取ります。

銀行振込の利用の背景

銀行振込は、日本の金融環境に深く根付いた決済手段であり、伝統的な金融取引習慣と技術革新への強い傾向を併せ持つ日本独自の状況を反映しています。この決済手段の利用状況は、日本の文化的な嗜好、技術インフラ、規制方針によって形作られてきました。

日本は、ハイテク社会と評されているものの、現金取引が好まれる傾向が根強く残っています。2022 年には、依然として現金取引が POS 取引額の約 51% を占めていました。銀行振込は、信頼性の高い伝統的なバンキング構造と技術変革を統合することで、現金決済とデジタル決済との橋渡しとしての機能を果たしてきました。

しかし、現金決済が好まれる日本にも、世界的なデジタル決済の台頭の影響が及んでいます。日本のデジタル決済の総額は、2024 年に 3,970 億ドルを超えると予想されており、他の先進国と比べると比較的低水準にとどまるものの、現金離れが進んでいることを示しています。日本では、インターネット普及率が 2022年に 90% 超、モバイルスマートフォン普及率が 2023 年に 70% 超と高水準に達していることから、デジタル決済の支えとなる強固なインフラが整っています。銀行振込をはじめとする決済手段は、成長するデジタル決済業界で大きな役割を果たす見込みです。

日本の人口の約 29% が 65 歳以上であり、この年齢層では他のデジタル決済手段よりも銀行振込が好まれてきました。一般に、年齢層が高くなるほど、新しいデジタル決済が受け入れられにくい傾向があり、銀行振込は、アクセスしやすいこと、なじみがあること、安全性が認知されていることから恩恵を受けてきました。日本では、若年層でモバイル決済の普及がますます進んでいますが、銀行振込はデジタル決済環境でもその地位を確保しています。特に請求書の支払いや高額商品の購入など、急を要する高額決済については、消費者は銀行振込を信頼しています。

日本政府も、銀行振込などのデジタル決済へのシフトを支援しており、2025 年までにキャッシュレス決済比率を 40% に高めることを目指しています。電子決済サービス業界は主に日本の金融庁 (FSA) の規制を受けています。FSA は、セキュリティ、金融の安定性、不正防止とのバランスをとりながらイノベーションの促進を図ってきました。また、2017 年の銀行法の改正などの法律の変更により、さらに金融サービスの統合が進み、銀行振込に影響を及ぼしてきました。

銀行振込の利用者

  • 個人の顧客
    日本では、銀行振込は、安全性、正確性、即時の送金確認といった点が受け入れられ、あらゆる年齢層で高額決済に利用されています。

  • 中小企業 (SME)
    小売や製造などのさまざまな業種の中小企業で、サプライヤーへの支払いや給与の支払いなど、ビジネスに関連する取引に銀行振込が利用されています。

  • 大企業
    自動車業界、エレクトロニクス業界、金融業界の大企業で、多額の決済取引、会社間の送金、クロスボーダー決済に銀行振込が利用されています。この決済手段がよく利用される理由は、多額の決済を扱うことができ、企業のバンキングシステムと統合できるという点にあります。不動産セクターでも、不動産の販売、賃貸契約などの多額の決済取引や、不動産業者、買い手、売り手の間の送金に銀行振込がよく利用されます。

  • E コマースプラットフォーム
    クレジットカード決済に代わる安全な手段を好み、オンラインの不正リスクを軽減したいと考える購入者に対応するため、オンラインマーケットプレイスや E コマースのウェブサイトでは、多くの場合、支払い方法として銀行振込が含まれています。

  • 公益事業とサービスプロバイダー
    日本では、電気、水道、ガスなどの公益事業や、通信やインターネットなどのサービスを提供する事業者は、料金の請求に銀行振込を利用しています。振込のプロセスは直接的であり、自動的に行われることが多いため、定期的な請求を管理し、支払いの滞納を最小限に抑えるのに有効です。

  • 教育機関
    学校や大学は、授業料、寄付金、その他の関連費用の受け取りに銀行振込を利用しています。

  • 政府機関
    税務当局や地方自治体などの政府機関は、日本国民から税金や罰金、支払われるべきその他の料金を徴収するために銀行振込を利用します。

銀行振込を受け付けるメリット

銀行振込には、一般的な電子送金と共通するメリットもあれば、日本の金融システムやビジネス文化に固有のメリットもあります。銀行振込は日本の金融文化に深く根付いているため、それを受け付ける事業者は、使い慣れた信頼できる決済手段としての銀行振込の現状から恩恵を受けることができます。

決済手段として銀行振込を受け付ける事業者には、以下のようなメリットがあります。

  • 消費者の認知度: 日本の消費者は、安全性が高く、使い慣れているという理由で、銀行振込を好ましい決済手段と考えています。銀行振込を受け付ける事業者は、このような好みに対応することで、幅広い顧客層を引き付けることができます。

  • 最小限の取引エラー: 一部の電子送金システムとは異なり、銀行振込では、受取人の名前が銀行口座の名義と完全に一致している必要があります。このような厳密なやり方により、取引エラーと不正利用が最小限に抑えられます。

  • カスタマイズ可能なオプション: 事業者は、銀行振込を利用することで、定期的な送金や継続送金、1 回限りの支払いなど、さまざまな種類の決済取引をカスタマイズすることができます。このような柔軟性があることで、事業者はサプライヤーへの支払い、顧客への返金、サブスクリプションの管理などの幅広い決済プロセスをすべて 1 つの決済手段で処理することができます。

  • 円滑な取引: 日本の大半の消費者と事業者はすでに銀行振込の利用方法を熟知しているため、取引がスムーズに進みます。

  • 不審請求の申請の迅速な解決: 不審請求の申請や取引エラーが生じた場合でも、銀行振込取引は追跡可能であり、標準化されているため、迅速に解決に至ります。

  • 企業の信用の向上: 日本では、多くの場合、ビジネスの取引関係は相互の信用と長期的な提携に基づいています。銀行振込のような、信頼性が高く定着した決済手段を利用することは、企業の信用の向上につながり、伝統的な事業慣行を守る姿勢を示すことができます。これは、交渉やパートナーシップの構築において重要な点です。

  • 予想可能な入金スケジュール: 銀行振込の処理にかかる時間は予想可能であるため、事業者は厳密に金融活動の計画を立てることができます。

  • デジタルアクセシビリティ: 銀行振込は、日本のデジタルインフラに適応しており、オンラインバンキングやモバイルバンキングのプラットフォームを通じて利用可能です。このため、E コマース事業、デジタルファースト企業、実際の銀行施設へのアクセスが限られている地域の事業者、物理的な移動や現金処理の必要性を抑えようとしている事業者に適した選択肢となります。

銀行振込のセキュリティ対策

信頼できる安全な決済を保証するため、銀行振込ではいくつかのセキュリティ対策を導入しています。このような対策の目的は、送金者と受取人を不正利用や取引エラーから守ることです。銀行振込の一般的なセキュリティ対策の概要は以下のとおりですが、詳細なセキュリティ対策は銀行ごとに異なります。

  • 暗号化: 銀行振込の取引では、通常、セキュアソケットレイヤー (SSL) またはその後継のトランスポート層セキュリティ (TLS) を利用して、ユーザーのデバイスと銀行のサーバーとの間で送信されるデータを暗号化します。これにより、権限のないユーザーが取引の詳細情報を傍受したり、解読したりすることが難しくなります。

  • 取引限度額: 銀行振込の取引限度額は、銀行と口座の種別によって異なる可能性があります。個人の口座の場合、1 日の限度額はたいてい 50 万円~ 1,000 万円です。ビジネスの銀行口座の場合は、限度額が高くなる可能性があります。一部の銀行では、顧客が自分自身の限度額を設定することもできます。

  • 2 段階認証 (2FA): 日本の多くの銀行は、銀行振込などのオンラインバンキングおよびモバイルバンキングの取引に 2FA を導入しています。つまり、ユーザーは、パスワードや PIN に加えて、SMS 経由で送信されるワンタイムパスコードやセキュリティデバイスが生成するトークンなど、2 つ目の認証情報を送信します。また、一部の銀行は、モバイルバンキングアプリに指紋認証や顔認証などの生体認証も導入し始めており、セキュリティ対策をさらに多層化しています。

  • リアルタイムモニタリング: 銀行は、多くの場合、高度なモニタリングシステムを利用して、不正利用を示唆する可能性がある、通常とは異なる取引パターンを検出します。疑わしい取引があれば、SMS またはメールによるアラートで直ちに顧客に通知されるため、潜在的なセキュリティの脅威に速やかに対応できます。

  • 規制遵守: 日本の銀行は、資金決済に関する法律を遵守しています。この法律では、顧客データを保護するための定期的な監査、データ保護法の遵守、サイバーセキュリティ基準の維持などのセキュリティ対策が義務付けられています。

  • 顧客教育の取り組み: 日本の銀行は、安全な銀行振込の方法について積極的に顧客に伝え、よくあるフィッシング詐欺の手口、パスワードや PIN の機密保持の重要性、安全な取引開始方法に関する助言を提供しています。

銀行振込を決済手段として受け付ける

銀行振込の導入を希望する事業者は、いくつかの要件を満たす必要があります。銀行振込を受け付けるプロセスを開始する前に、事業者は関連する手数料体系を理解し、この決済手段が自社のニーズと目標に合っているかどうか確認するべきです。事業者は、銀行振込の取引を記録して照合を行い、不一致や問題が生じた場合に対処するプロセスを導入する必要があります。また、銀行振込に伴う問い合わせや問題に対処するためのカスタマーサポートシステムの導入も計画する必要があります。

銀行振込の受け付けを認められるためには、以下の基本的な事業特性を備えている必要があります。

  • 事業の登録書類: 銀行振込を受け付けるには、会社の登記簿謄本の写しなど、日本における事業登録の証明が必要です。

  • セキュリティ対策: 事業者は、顧客データ、取引の詳細、機密性の高いその他の金融情報を保護するための十分なセキュリティ対策が導入されていることを保証しなければなりません。これには、適用されるデータ保護法の遵守が含まれます。

  • 日本の銀行口座: 銀行振込は、日本の銀行に固有の日本の銀行口座番号と経路選定情報を利用する国内の銀行送金システムです。事業者は、顧客からの銀行振込を受け取ることができる有効な銀行口座を所有している必要があります。

日本の銀行口座を所有していない事業者が銀行振込の受け付けを希望する場合は、以下のような代替手段があります。

  • 現地法人との提携: 日本の銀行口座を所有する日本の現地法人と提携する方法があります。この法人が海外の事業者に代わって銀行振込を受け付け、その後、国際銀行チャネルを通じて送金することができます。

  • 国際的な決済サービスプロバイダーとの連携: 日本にある一部の国際的な決済サービスプロバイダーは、海外の事業者に代わって銀行振込を受け付けることをサポートします。このようなプロバイダーは銀行振込を日本の銀行口座で受け取ってから、別の国の事業者の口座に送金することができます。

  • クロスボーダー決済サービスの利用: 一部の金融機関はクロスボーダー決済サービスを提供します。ただし、このようなサービスには制限があることもあり、一般に手数料が高く、規制も複雑です。このようなサービスを提供する金融機関は、海外の事業者に代わって日本の銀行口座で振込を受け取り、通貨を換算して支払い額を事業者に送金することができます。

事業登録の適切な証明、セキュリティ対策、有効な日本の銀行口座 (または上記の代替手段のいずれかの利用) が揃えば、銀行振込を受け付けるプロセスを始めることができます。このプロセスは以下のとおりです。

  • 口座確認: 事業者はまず、銀行による口座確認プロセスを受ける必要があります。このプロセスには、事業の性質、予想取引額、会社の所有権の詳細など、事業に関する詳細情報を提供することが含まれます。

  • 本人確認 (KYC) 基準を満たす: 日本の銀行は KYC 規制の遵守を義務付けられており、銀行振込の受け付けを希望する事業者から詳細な情報を収集する必要があります。事業者は、主要なビジネスオーナーと取締役の本人確認書類のほか、所有権構造や事業の性質に関する情報の提出を求められることがあります。

  • 決済システムの導入: 事業者は、銀行振込を処理するためのシステムを導入する必要があります。その際、取引を処理し、事業者の会計システムに適切に記録できる特定のソフトウェアやプラットフォームの設定が必要になることもあります。

  • 顧客への通知の設定: 事業者は、受取人の銀行口座番号や口座名義人 (すなわち銀行に登録されたビジネス名) など、銀行振込の支払いの詳細について顧客に通知するシステムを確立する必要があります。

銀行振込に代わる選択肢

日本では銀行振込は標準的な決済手段ですが、事業者には以下のような代替の選択肢があります。

  • クレジットカード決済、デビットカード決済: クレジットカードとデビットカードでの決済は、世界中で受け入れられている便利な支払い方法であり、銀行振込に代わる手段として広く利用されています。事業者は、POS システムまたはオンラインペイメントゲートウェイを介してこれらのカード決済を処理することができます。特に小売り事業や E コマースビジネスに適しています。

  • 電子マネーとデジタルウォレット: デジタルウォレットは日本で普及が進んでいます。デジタルウォレット決済では、購入者は自分のスマートフォンから直接、非接触型決済をすばやく完了することができます。特に、テクノロジーに詳しい顧客を対象とするビジネスにとっては、この決済手段の受け付けがプラス要因となります。

  • 銀行手形と小切手: 銀行手形と小切手は、一般的ではなくなりましたが、日本の一部の商取引、特に 1 回限りの多額の決済に今でも利用されています。この方法は、処理にかかる時間が長く、紙の書類を取り扱う必要があるため、利便性は低いものの、一定水準のセキュリティが確保されます。

  • 口座引き落とし: 口座引き落としでは、事業者が顧客の銀行口座から継続支払いの料金を自動的に引き落とします。サブスクリプションベースのサービス、または公共料金の支払いや月額サービス料金などの定期的な請求モデルに最適な決済手段です。

  • 代金引換払い: 日本では、代金引換払いは E コマース取引でよく利用される決済手段です。商品の受け取り時に現金で支払えるため、オンライン決済に不安を感じる購入者にとっては安心感がある方法です。ただし、デジタル決済と比べて物流管理が複雑になります。

  • 電信送金: 電信送金は、日本で国際決済取引によく利用される決済手段です。ただし、このような送金は、銀行振込などの国内送金と比べて手数料が高く、処理に時間がかかる可能性があります。

  • 決済サービスプロバイダー (PSP): 事業者は、Stripe のような総合的な PSP を利用して、クレジットカード決済、モバイル決済、口座引き落としなどの幅広い決済手段を処理することができます。PSP は、1 つのプラットフォームで多数の決済手段を処理するための総合的なソリューションを提供します。

  • モバイル POS システム: モバイル POS システムにより、事業者はスマートフォンやタブレットを使用して移動先でも決済を処理することができます。これは、小規模企業やポップアップストア、特定の顧客の所在地でサービスを提供する事業者に特に役立ちます。

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