クロスボーダー決済を受け付ける方法: 事業者が知っておくべきこと

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成長中のスタートアップからグローバル企業まで、あらゆるビジネスに対応できる決済ソリューションを利用して、オンライン決済、対面支払いなど、世界中のあらゆる場所で決済を受け付けます。

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  1. はじめに
  2. クロスボーダー決済とは
  3. クロスボーダー決済で使用される決済手段のタイプ
  4. クロスボーダー決済を受け付ける必要がある業種
  5. クロスボーダー決済を受け付けるメリット
  6. クロスボーダー決済受け付けの始め方
    1. 1. ターゲット市場を調査する
    2. 2. ペイメントゲートウェイまたは決済代行業者を選ぶ
    3. 3. 複数通貨の口座を開設する
    4. 4. 現地通貨で価格を表示する
    5. 5. 税金と規制に注意する
    6. 6. 不正防止策を講じる
    7. 7. 顧客体験を最適化する
    8. 8. パフォーマンスをモニタリングして調整する
  7. クロスボーダー決済でのペイメントゲートウェイの役割

世界経済のグローバル化が進み、越境 EC を採用している事業者にとっては、成長につながるチャンスがかつてないほど大きく広がっています。2022 年だけでも、クロスボーダー決済の総額は 156 兆ドルに迫りました。しかし、クロスボーダー取引への対応は複雑になりかねません。通貨換算、購入者が好む決済手段、法令遵守、不正防止などさまざまな懸念に対処する必要があり、これらすべての取り組みに対応するために業務と戦略の検討も必要です。

多くの事業者にとって、クロスボーダー決済を受け付けるために必要になる取り組みは、やるだけの価値があるものです。結果的に、クロスボーダー決済を受け付けるプロセスを簡略化できるだけでなく、信頼度と顧客満足度も向上し、グローバル市場での長期的な成功につながります。

そこで、クロスボーダー決済の重要な要素の解説を交えながら、事業者がクロスボーダー取引に対応した堅牢で使いやすいシステムを構築する際に役立つ知見や実用的なガイダンスをご紹介します。クロスボーダー決済を受け付ける方法について事業者が知っておくべきことと、取り組みを始めるにあたって考慮する必要がある要素をまとめました。

この記事の内容

  • クロスボーダー決済とは
  • クロスボーダー決済で使用される決済手段のタイプ
  • クロスボーダー決済を受け付ける必要がある業種
  • クロスボーダー決済を受け付けるメリット
  • クロスボーダー決済受け付けの始め方
  • クロスボーダー決済でのペイメントゲートウェイの役割

クロスボーダー決済とは

クロスボーダー決済は、国際間決済や海外取引とも呼ばれており、別の国に所在する個人、事業者、金融機関の間で送金することを表します。このような取引では、通常は通貨を他の通貨に交換する必要があります。その際には、関係する国や利用した決済手段、送金を処理する金融機関に応じてさまざまな規制や手数料が適用され、処理に時間がかかる場合もあります。

クロスボーダー決済で使用される決済手段のタイプ

グローバル市場への参入を目指す事業者にとって、複数の決済オプションを提供すれば、顧客体験を向上できるだけでなく、取引の成功率を高めることもできます。各事業者は、コスト、スピード、利便性、セキュリティなどの要素を考慮しながら、各決済手段のメリットとデメリットをじっくりと比較する必要があります。

クロスボーダー決済では次のような決済手段がよく利用されています。

  • 銀行の電信送金
    電信送金は、外国の銀行口座との間で送金する際に広く利用されている決済手段です。一般的に安全で信頼性が高いものの、仕向銀行と被仕向銀行の両方や、関与する中継銀行から手数料が請求されることがあるため、コストが高額になる可能性があります。処理にかかる時間も、数時間から数日まで幅があります。

  • クレジットカードとデビットカード
    クロスボーダー決済は、オンライン購入や実店舗の POS 端末でクレジットカードとデビットカードを使って行うこともできます。この方法は便利ですが、他のオプションと比べると手数料が高く、為替レートもあまり有利でない傾向があります。また、カード発行会社から外国取引手数料を請求される可能性もあります。

  • 国際小切手と銀行為替手形
    クロスボーダー決済では小切手と銀行為替手形を利用することもできますが、処理に時間がかかり、手数料も高額になるため、利用する人が減ってきています。また、受取人が現地の銀行で小切手や為替手形を預け入れる必要もあり、その際にも追加で手数料が発生することがあります。

  • 仮想通貨
    クロスボーダー決済にデジタル通貨が利用されるケースが増えてきました。仮想通貨は従来の手段よりも処理がスピーディーで、プライバシーも確保されます。しかし、交換レートの変動が激しく、規制の先行きも不透明であるため、利用者によっては懸念材料になる可能性があります。

  • モバイル決済アプリ
    Alipay や WeChat Pay などのモバイル決済アプリは、クロスボーダー決済にも対応するようにサービスを拡大しています。便利な方法ですぐに送金できますが、対応している国や通貨に制限がある場合があり、手数料も発生することがあります。

クロスボーダー決済を受け付ける必要がある業種

国境を越えて事業を行っている事業者は、多様な市場に参入して、世界中の購入者にリーチできます。このアプローチを取るには、クロスボーダー決済を受け付ける機能や、購入者が希望する通貨と決済手段に対応できることが必要になります。

一般的にクロスボーダー決済を受け付ける必要がある業種は次のとおりです。

  • EC ストア事業者
    商品やサービスを世界中の購入者に販売しているオンラインストアは、各国の購入者との取引をスムーズに進めるために、クロスボーダー決済を受け付ける必要があります。

  • 旅行・ホスピタリティ企業
    ホテル、航空会社、旅行代理店、ツアーオペレーターはさまざまな国の顧客に対応することが多く、複数の通貨で決済を受け付ける必要があります。

  • 国際サービスプロバイダー
    世界各国のクライアントにコンサルティング、ソフトウェア開発などのサービスの提供や、フリーランス契約での作業請負を行っている事業者は、サービスに対してクロスボーダー決済を受け付けることが必要になる場合があります。

  • 輸出業者と輸入業者
    製造業者、卸売業者、流通業者など、国際貿易に関係する企業は、売買する商品に対してクロスボーダー決済を受け付けることが必要になる場合があります。

  • 教育機関
    外国からの学生を受け入れている大学や学校は、学生本人や別の国に住む家族から別の通貨で決済を受け付けることが必要になる場合があります。

  • 非営利組織
    国際的に活動している、あるいは世界各国から寄付を募っている慈善団体や非営利団体は、寄付や資金調達の際にクロスボーダー決済を受け付けることが必要になる場合があります。

  • サブスクリプションベースのビジネス
    ストリーミングプラットフォーム、SaaS (サービスとしてのソフトウェア)、オンライン出版物などのサブスクリプションサービスを提供している企業は、さまざまな国に購入者がいる場合があり、クロスボーダー決済を受け付ける必要があります。

もちろん、ここに挙げた業者だけではありません。ここ数十年で決済テクノロジーが普及し、デジタル決済ネットワークが拡大したことで、世界中のますます多くの業種と企業が事業をグローバル展開できるようになりました。

クロスボーダー決済を受け付けるメリット

クロスボーダー決済を受け付けることは、特にグローバル市場でリーチを広げて事業を行いたいと考えている事業者に幅広いメリットをもたらします。たとえば次のようなものがあります。

  • 顧客基盤の拡大
    クロスボーダー決済を受け付けると、世界各国の購入者を対象として事業を行えるようになるため、潜在市場が一気に拡大し、販売機会が増えます。

  • 売上アップ
    新たな市場に参入して多様な顧客基盤に事業を提供することで、商品やサービスを幅広い購入者に販売し、購入者のさまざまな好みや需要に合わせて事業展開できるため、売上の向上につなげることができます。

  • 競争上の優位性
    越境 EC を導入して複数の決済オプションに対応した事業者は、限られた決済手段しか受け付けていない事業者よりも優位に立つことができます。柔軟性、利便性を備えた包括的なショッピング体験を重視する購入者を引き寄せてつなぎとめることにつながります。

  • ブランドの知名度と認知度のアップ
    クロスボーダー決済を受け付けて全世界の購入者にサービスを提供することで、ブランドの認知度・知名度が一段とアップし、さらなる成長の機会やパートナーシップにつながる可能性があります。

  • 収入源の多様化
    さまざまな市場に参入すると収入源を多様化できるため、1 つの市場への依存度が下がり、景気の変動や局所的な景気後退に関連するリスクが軽減されます。

  • 購入者の好みの把握
    世界各国の顧客基盤に事業を提供すると、購入者の好み、行動、傾向に関する貴重な知見が得られます。その知見を生かして商品やマーケティング戦略を調整すれば、顧客満足度や顧客のロイヤルティが向上します。

  • イノベーションの促進と適応能力の向上
    グローバル市場に参入してクロスボーダー決済を受け付けると、新たな課題やビジネスチャンスに対応する必要が生じるため、イノベーションと適応を進めるきっかけになります。そのため、新商品や新サービスの開発、社内プロセスの最適化につながる可能性があります。

クロスボーダー決済受け付けの始め方

事業者がリーチを拡大してますますグローバルな顧客基盤に事業を展開する際には、クロスボーダー決済を受け付けるための社内の業務プロセスの効率化を図り、良好な顧客体験を作り出すように取り組むことが重要です。

通貨換算、ターゲット市場でよく利用されている決済手段、法令遵守、納税義務、不正防止などの要素を考慮する必要があります。クロスボーダー取引を処理するための堅牢で使いやすいシステムを構築する際に行う主な手順をご紹介します。

1. ターゲット市場を調査する

クロスボーダー決済に対するアプローチは、事業展開先の地域によって大きく変わります。まずは各国の対象顧客の固有のニーズや好みを調査することをおすすめします。この調査には、よく利用されている決済手段、好まれる通貨、サービスを提供する予定の国に適用される特有の規制や要件の特定などが含まれます。

2. ペイメントゲートウェイまたは決済代行業者を選ぶ

複数の通貨に対応していて、ターゲット市場でよく利用されている決済手段に対応したペイメントゲートウェイまたは決済代行業者を選びます。たとえば、Stripe が提供するクロスボーダー決済処理サービスは 135 種類以上の通貨に対応しています。各決済代行業者が提示している手数料、為替レート、機能を比較して、自社に最適な業者を見つけましょう。

3. 複数通貨の口座を開設する

Stripe のように、クロスボーダー決済に合わせて最適化された動的なアプローチに総合的に対応しているペイメントプロバイダーを利用している場合、この手順は必要ありません。利用していない場合は、複数通貨の口座を開設するか、複数通貨に対応したサードパーティーサービスを利用して、通貨換算手数料を最小限に抑え、世界各国の購入者からの決済を受け付けるプロセスを簡略化する必要があります。

4. 現地通貨で価格を表示する

複数の国の購入者を対象とした EC ストアサイトでは、購入者の現地通貨で商品やサービスの価格が表示されるようにウェブサイト体験を構築します。そうすると、購入者が自分で通貨を換算しなくても費用を把握できるようになります。ほとんどの EC ストアプラットフォームでは、価格を表示する際に使用する通貨換算ツールやプラグインを提供しています。

5. 税金と規制に注意する

事業をグローバル展開している企業は、事業を行う各地域の税務要件と規制要件を把握して遵守する必要があります。たとえば、売上税、VAT、輸入・輸出規制などがその一例です。法的な問題や財務面での問題を避けるために、このような要件をしっかりと遵守しましょう。

6. 不正防止策を講じる

クロスボーダー取引は不正利用の温床になりやすいため、自社と購入者を保護するために堅牢なセキュリティ対策を講じることが重要です。

7. 顧客体験を最適化する

通貨換算は、世界各国の顧客セグメントの多様なニーズに対応する際の 1 つの要素に過ぎません。構築する顧客体験についてじっくりと考えてください。顧客セグメントによって何が違いますか?それぞれの顧客セグメントに合わせて直感的で柔軟性の高い体験を構築するとは、具体的にどういうことでしょうか?まずはウェブサイトと決済プロセスを使いやすくして、必要であれば複数の言語で利用できるようにすることから始めます。配送、返品、カスタマーサポートに関する情報を簡潔でわかりやすく提供すれば、世界各国の購入者から信頼を得ることができます。

8. パフォーマンスをモニタリングして調整する

クロスボーダー決済の仕組みを定期的に確認し、購入者からのフィードバックを分析して、業界のトレンドを注視しましょう。顧客体験の向上、規制への準拠、またはクロスボーダー決済受け付けに伴うコストの最適化を進められるように、必要に応じて調整してください。

クロスボーダー決済でのペイメントゲートウェイの役割

ペイメントゲートウェイは、事業をグローバル展開している企業や世界各国の利用者にサービスを提供している企業に対するクロスボーダー決済の処理において重要な役割を果たします。企業、顧客、金融機関の間の仲介者として、取引の処理とオーソリをリアルタイムで安全に行います。

ペイメントゲートウェイがクロスボーダー決済で果たす役割を大まかにご紹介します。

  • 多通貨対応
    複数通貨に対応しているペイメントゲートウェイを利用すると、事業者は世界中の購入者からさまざまな通貨で決済を受け付けることができるようになります。通貨換算プロセスの処理はペイメントゲートウェイが行います。為替レートも安く、売上は事業者が希望する通貨で口座に入金されます。

  • 決済手段の多様化
    クロスボーダー決済に対応しているペイメントプロバイダーはクレジットカードやデビットカード、デジタルウォレット、銀行振込など、各国の購入者が好む幅広い決済手段に対応しています。地域でよく利用されている決済オプションに対応すると、顧客体験が向上し、取引が成功する可能性が高まります。

  • 不正防止とセキュリティ
    ペイメントゲートウェイは取引時に機密データを保護するために、暗号化、トークン化、安全な顧客認証などの高度なセキュリティ対策を講じています。また、住所確認サービス (AVS) チェックやセキュリティコード (CVV) チェックなどの不正防止ツールも提供しており、クロスボーダー決済で不正取引が発生するリスクを最小限に抑えています。

  • 規制の遵守
    ペイメントゲートウェイはクロスボーダー決済に関連する、PCI データセキュリティ基準 (PCI DSS) などの規制や、事業展開する国固有の規制を遵守できる仕組みを提供しています。そのおかげで、事業者は複雑な規制状況に準拠し、購入者からの信頼を維持できます。

  • シームレスな導入
    ペイメントゲートウェイは EC ストアプラットフォームや EC サイトに簡単に導入でき、直感的で使いやすい決済体験を購入者に提供します。ほとんどのゲートウェイは、主要な EC ストアプラットフォームとスムーズに連携させることができる API やプラグインなどのツールを提供しています。

  • 高度なレポートや分析機能
    総合的なレポートや分析ツールを提供しているペイメントゲートウェイも多く、クロスボーダー取引の監視と分析、販売実績の追跡、各市場の購入者の行動に関するインサイトの把握を行える機能を事業者に提供しています。

ペイメントゲートウェイを利用すれば、クロスボーダー決済を受け付けるプロセスを効率化でき、世界各国の購入者の多様なニーズと好みに対応しながら安全で効率のよい取引を実現できます。これにより、売上アップ、市場でのリーチの拡大、競争力の向上などさまざまなメリットが得られ、グローバル市場での長期的な成長および成功に向けて態勢を整えることができます。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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