スタートアップ向け、市場調査の進め方

スタートアップにとって、マーケティング戦略の成功は、競合他社の動向を把握できるかどうかにかかっています。ここでは、市場調査について知っておくべきことをご紹介します。

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  1. はじめに
  2. 市場調査とは
  3. 市場調査を行う理由
    1. ターゲットとする市場は?
    2. 顧客層は?
    3. 競合他社は?
    4. ターゲット顧客は現在、何を使っているのか?
    5. 市場のどこにチャンスがあるのか?
  4. スタートアップのための市場調査の進め方
    1. 予算を立てる
    2. 調査目的を明確にする
    3. 計画を立てる
    4. 学んだことを生かす
  5. スタートアップにとって市場調査はなぜ重要か
    1. ロードマップを市場機会に合わせられる
    2. 時間と資源の浪費を防げる
    3. 市場に関する知識で投資家にアピールできる
  6. エンジェル投資家と他のタイプの投資家の相違点

スタートアップを立ち上げて間もない興奮冷めやらぬ時期に、市場調査に時間を割くことは、一気にペースを落としてしまうような気持ちになるかもしれません。新しく事業やスタートアップを立ち上げるということは、山積みの課題と常に格闘することでもあります。そのすべてを今すぐにでも達成しなければいけないと焦る気持ちになるでしょう。そうした混沌とした状況に明確な方向性を与えてくれるのが、市場調査です。戦略を立てて残りのやるべきことリストに取り組むために、市場調査ではじっくりと地道に、必ず把握しておかなければならないことを一つひとつ掘り起こします。ペースが落ちたとしても、時間を割く価値があるのです。

市場調査では、ある企業の市場での存在価値を決定づけるあらゆる要素を探っていきます。新規事業で何を行おうとしているのか、その背景となる情報をまとめ上げるのが市場調査です。スタートアップや中小企業が実施すべき、最も重要な作業といえます。市場を理解していなければ、実用的なビジネスプランを立てることは難しいでしょう。

市場調査は極めて重要である、ということを踏まえた上で、ここからは、市場調査とは何か、どのように行うのかを見ていきましょう。

市場調査とは

市場調査とは、事業のターゲットとなる顧客や事業を展開をする市場に関連したあらゆる情報を集め、分析することを指します。市場調査は幅広い活動を通して戦術的に行うことができます。詳細はのちほどご説明します。

市場調査を行う理由

市場調査を行うことで、事業にニーズがあるかどうかが分かります。具体的には、以下のような疑問への答えが得られます。

ターゲットとする市場は?

事業や商品、サービス、ブランドメッセージを作り上げる前に、事業を展開をする市場そのものを定義する必要があります。ここがすべての原点になります。

顧客層は?

見込み顧客を知ることは、プロダクトマーケットフィットの達成に欠かせない、最も有意義な試みです。新商品の発売を計画している段階や、成長分野を模索している段階など、ビジネスの初期には特に当てはまります。主要顧客のニーズ、ペインポイント、興味、きっかけをセグメント別にまとめたペルソナを作成することは、ビジネスのあらゆる部分を組み立てる際に役立ちます。

競合他社は?

市場調査では、「どの顧客に売ろうとしているのか」「同じ顧客に類似品を売ろうとしているのは誰か」「顧客が本当に求めているのは何か」の 3 点を詳細に把握します。市場における自社の立ち位置を見極めることで、競合他社とは異なる、その市場での差別化された立ち位置を切り拓くことができます。ブランドや他とは異なるサービスの構築は、その市場の既存の競合他社を知ることでのみ可能です。

ターゲット顧客は現在、何を使っているのか?

ターゲット顧客は現在、どの商品やサービスを好んで使っているのでしょうか。その理由は何でしょうか。特定の顧客層に人気のあるブランドはあるのでしょうか。そうしたブランドにはどのような特徴があるのでしょうか。こうした詳細を知れば知るほど、市場で起きていることの全体像が徐々にはっきりと見えてきます。

市場のどこにチャンスがあるのか?

市場調査とは、単に市場で何が起きているのかを把握することではなく、そこにあるギャップに気付くことです。ターゲット顧客の日常の中で、ニーズやペインポイントが十分に満たされていないエリアはどこでしょうか。あるいはもっと満たせるエリアはどこでしょうか。

スタートアップのための市場調査の進め方

市場調査がいかに重要であるかを理解したところで、具体的な進め方を見ていきます。

予算を立てる

市場調査のやり方や規模はさまざまです。労力とコストが少なくても、十分に有意義なインサイトを得られる調査もあれば、実施にかなりの時間とコストはかかるものの、特定のビジネス目標にとっては価値がある調査もあります。

ビジネスでは予算とのバランスで決めることがよくありますが、市場調査も同じです。ゴールを見定め、市場調査の種類とその成果を調べ、使える予算の範囲を確認したうえで、次に進みましょう。

調査目的を明確にする

自社の商品やサービスに市場ニーズがあるかどうかを判断するという、基本的な調査目的に加えて、自社にとって価値のある情報を得られるような具体的な調査目的を追加で挙げておくとよいでしょう。たとえば、ある競合他社の商品が特定の顧客層の間で飛ぶように売れていることが分かっているとします。その理由を市場調査を通して突き止めることもできるでしょう。

計画を立てる

市場調査は大きく分けて、一次調査と二次調査があります。それぞれはさらに細かい調査方法に分類できます。調査方法のなかには、実施に時間がかかったり、多額の投資が必要だったりするものもあるため、何を行うかは予算とスケジュールで決まります。

一次調査

一次調査では、顧客、主要な顧客セグメントに属する人々、その他の一次情報から直接、独自のインサイトを得ます。この種の調査は、定性調査と定量調査の 2 つに分類されます。

定性調査:
定性調査では、個人からのフィードバックを深く掘り下げることに重点を置きます。市場や事業に関する統計的なデータとはなりませんが、膨大なインサイトが得られる点がメリットです。方法は以下の通りです。

  • 個人へのインタビュー
  • フォーカスグループ
  • 既存顧客からのレビュー
  • エスノグラフィー調査

定量調査:
定量調査では、数値データを収集し、分析します。個々の事例を集める定性調査とは対象的に、この調査では統計から有意義なインサイトを得ることが目的です。以下が定量調査の例です。

  • 調査票
  • アンケート

二次調査

二次調査では、自社で独自に作成したり実施したりしていない過去の調査を分析します。たとえば、次のものがあります。

  • 公共のデータベース
  • 公開されている調査
  • 機関による調査

学んだことを生かす

どのような方法で市場調査を実施するにしろ、調査結果は必ず行動に結びつけていくべきです。調査結果は社内の全員に公開し、マーケティングや営業、商品戦略を策定するためのフレームワークとして積極的に生かせるようにします。

スタートアップにとって市場調査はなぜ重要か

スタートアップにとって、市場調査を行うのは早ければ早いほど効果的です。自社が狙う市場において、何が起きているのか (もしくは何が起きていないのか) を早い段階ですべて把握できれば、それだけ多くの強力なアドバンテージを得ることになります。

ロードマップを市場機会に合わせられる

市場機会を知ることで、それに合わせた商品やサービスを開発するためのロードマップを描くことができます。

時間と資源の浪費を防げる

市場調査を十分に行わなかったことで、本当のニーズに応えていなかったり、競合他社の商品とあまりにも類似したものをリリースしたりなど、商品開発が失敗してしまう可能性があります。事前に市場調査を行うことで、こうした失敗が起こる可能性を減らすことができます。

市場に関する知識で投資家にアピールできる

投資家は、市場についてよく把握している創業者を好むものです。創業して間もないスタートアップの場合、まだ業績や成長を投資家に提示できない代わりに、創業者は主に市場の状況や機会に対する鋭い洞察力を説得材料に、投資家から資金を募ることになります。創業者が自社の市場について熟知していればしているほど、投資家から投資を受けられる可能性は高まります。

エンジェル投資家と他のタイプの投資家の相違点

エンジェル投資家からの資金調達を追求する前に、他のタイプのスタートアップ投資家についてよく理解しておくことが重要です。投資オプションの概要は次のとおりです。

  • ベンチャーキャピタリスト: ベンチャーキャピタリスト (VC) は、多くの場合、株式と引き換えに、成長の可能性が高いスタートアップに投資する企業または個人です。エンジェル投資家とは異なり、通常、スタートアップの発展の後期、つまり企業が市場である程度のトラクションを示した後に投資します。VC はエンジェル投資家よりも多額の資金を投資し、会社の方向性により深く関与することもよくあります。VC は実質的な利益を求め、その多くは事業を拡大し、特定の期間内にイグジットを達成するために、より積極的なスタンスをとります。

  • シードファンド: シードファンドは、エンジェル投資や大規模な VC ラウンドの前などの初期段階の投資に焦点を当てた特殊な VC ファンドです。構想段階を過ぎて、MVP (Minimum Viable Product) またはある程度の初期牽引力を持つスタートアップに投資します。

  • インキュベーターとアクセラレーター: これらのプログラムは、教育、メンターシップ、資金調達を通じて初期段階の企業を支援します。インキュベーターは、ほとんどの場合、初期発展段階に焦点を当て、起業家がアイデアを実行可能なビジネスに変えるのを支援します。一方、アクセラレーターは、短期間で既存企業の成長を拡大することを目指しています。

  • 法人投資家: 一部の企業は、革新的な技術へのアクセス、新しい市場への参入、戦略的パートナーシップの育成を目的として、スタートアップに投資しています。これらの投資家は豊富なリソースを提供できますが、テクノロジーの所有権や会社の方向性のコントロールなど、金銭的な利益以上のものを求める場合があります。

  • クラウドファンディング: これには、通常はオンラインプラットフォームを通じて、多数の人々から少額の資金を調達することが含まれます。クラウドファンディングは、株式を手放すことや借金を負うことなく、幅広いオーディエンスで製品を検証し、潜在的な顧客と関わり、資金を調達したいスタートアップにとって良い選択肢となり得ます。

  • 政府の助成金と補助金: 一部のセクター、特に科学研究、クリーンテクノロジー、または社会的影響に関連するセクターでは、政府の助成金や補助金は株式を希薄化することなく資金を提供することができます。

  • ピアツーピア融資とデットファイナンス: デットファイナンスには、金融機関からの融資やピアツーピア融資プラットフォームが含まれます。このタイプの資金調達は、通常、初期段階のスタートアップにとって確保が難しく、スタートアップはローンを利息付きで返済する義務を負いますが、所有権が希薄化することはありません。

  • ファミリーオフィス: 富裕層は、ファミリーオフィスと呼ばれる民間の資産管理アドバイザリー会社を持ち、スタートアップに直接投資することがよくあります。これらの投資家は、多額の資金を提供することができ、従来の VC と比較して、長期的な投資に関心を持つ可能性があります。

  • エンジェルグループとシンジケート: 個人のエンジェル投資家とは異なり、エンジェルグループやシンジケートは、スタートアップに投資するためのリソースを共同出資します。これらのグループは、多額の資本を提供し、複数の投資家の専門知識と人脈を組み合わせることができます。

各タイプの投資家の利点、期待、および関与の程度は異なります。スタートアップは、どのタイプの投資家にアプローチするかを決定する前に、発展段階、業種、資金調達のニーズ、および育成したい戦略的関係の種類を慎重に検討する必要があります。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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