クロスボーダー決済の基礎知識: 概要とその役割

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成長中のスタートアップからグローバル企業まで、あらゆるビジネスに対応できる決済ソリューションを利用して、オンライン決済、対面支払いなど、世界中のあらゆる場所で決済を受け付けます。

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  1. はじめに
  2. クロスボーダー決済とは
  3. クロスボーダー決済と国内決済の違い
  4. クロスボーダー決済の用途
  5. クロスボーダー決済の種類
  6. クロスボーダー決済システム
  7. クロスボーダー決済で送受金する際のベストプラクティス

クロスボーダー決済を効果的に管理できるようになれば、国内市場だけでなく国外にも事業を展開し、グローバルサプライチェーンを確保して、多様な人材プールを活用できます。

しかし、クロスボーダー決済での送受金は複雑になることがあります。金融規制、地政学的リスク、為替レートの変動によって大きな課題が生じかねません。グローバル市場で事業を展開して成功を収めることを目指している事業者は、クロスボーダー決済の微妙な差異を熟知しておくことが必要不可欠です。

一般的なクロスボーダー決済のタイプ、それらの決済を処理するネットワーク、問題なく対応する方法をご紹介します。

この記事の内容

  • クロスボーダー決済とは
  • クロスボーダー決済と国内決済の違い
  • クロスボーダー決済の用途
  • クロスボーダー決済の種類
  • クロスボーダー決済システム
  • クロスボーダー決済で送受金する際のベストプラクティス

クロスボーダー決済とは

クロスボーダー決済は国際決済とも呼ばれており、別の国に所在する支払人と受取人との間の取引を指します。このような決済は、国外にサプライヤー、請負業者、従業員、顧客、パートナーがいる事業者にとって重要になります。

また、多くの場合、通貨を別の通貨に換算して送金する必要があります。このような取引は国際的に行われるものであるため、クロスボーダー決済で送受金する事業者は、慎重に送金元の国と送金先の国それぞれの規制、銀行取引における慣行、為替レートに従わなくてはなりません。この記事では、クロスボーダー決済で送受金する際のベストプラクティスについてご紹介します。

クロスボーダー決済はグローバルな商取引に不可欠なものです。クロスボーダー決済によって異なる国との間の取引を円滑に行うことができ、事業者が外国にも事業を展開できるようになるためです。このような決済には、外国のサプライヤーへの商品代金の支払い、外国の従業員への給与の支払い、外国の購入者からの支払いの受領など、幅広い事業活動が含まれます。

クロスボーダー決済と国内決済の違い

クロスボーダー決済と国内決済の基本的な目的は同じで、ある者から別の者に送金することです。しかし、プロセス、複雑さ、影響する要素は大きく異なります。クロスボーダー決済と国内決済の主な違いをご紹介します。

  • 為替
    国内決済は 1 つの通貨しか関係しませんが、クロスボーダー決済ではほとんどの場合、通貨換算が発生します。そのため、取引を開始した時点と完了した時点で通貨の価値が変動する可能性があり、事業者は為替レートのリスクにさらされることになります。

  • 法令遵守
    一般に国内決済ではその国の銀行規制や金融規制に従うだけで済みます。一方、クロスボーダー決済では送金元と送金先の国それぞれの規則を遵守する必要があり、対応が複雑で難しくなるおそれがあります。

  • 処理時間
    国内決済は、銀行手続きが比較的単純なので、処理がスピーディーに行われる傾向があります。クロスボーダー決済は、通過するバンキングシステムとチェックポイントが多くなるため、さらに時間が必要です。

  • 取引コスト
    通常、国内決済は中間に介在する業者が少なく、処理コストが低額であるため、事業者にとっては低コストです。クロスボーダー決済は、通貨換算手数料、電信送金手数料、中継銀行や受理銀行から請求される手数料がかかるため、コストが高額になる傾向があります。

  • リスク要因
    クロスボーダー決済では、地政学的リスクや制裁のほか、不正利用が起こりやすいというリスクも伴います。規制状況が目まぐるしく変化する国もあるため、全体的なリスクがさらに高まります。国境を越えた取引になることで、うっかり法令違反を犯してしまう可能性もあります。

  • 仲介業者
    国内決済では仲介業者がほとんど関わらず、通常は送金側の銀行と受理側の銀行だけです。一方、クロスボーダー決済ではさまざまな国の複数の金融機関に加えて、決済ネットワークが関わることもあり、それぞれに固有の手続きと手数料があります。

どちらのタイプの決済も基本的な機能は同じですが、クロスボーダー決済では事業者が入念に計画と管理をする必要があるため複雑になります。

クロスボーダー決済の用途

クロスボーダー決済はグローバルな商取引のさまざまな用途に利用されています。

  • 商品やサービスの購入
    多くの事業者がコスト効率や品質の高さなどのメリットを得るために、外国のサプライヤーから商品、原材料、サービスを調達しています。たとえば、アメリカの自動車メーカーはドイツのサプライヤーから特定の自動車部品を購入することがあります。そのアメリカのメーカーがドイツのサプライヤーに代金を支払う際に、クロスボーダー決済が行われます。

  • 外国の従業員や請負業者への給与支払い
    リモートワークが普及したことで、事業者が外国に居住する従業員や独立請負業者と仕事をするケースが増えています。たとえば、イギリスに拠点を置くテクノロジー系スタートアップがインドのソフトウェアエンジニアを雇用する場合、スタートアップからの給与はクロスボーダー決済を利用して支払うことになります。

  • 配当または利息の支払い
    外国人投資家の支援を受けている企業や、クロスボーダーの貸金業者から借り入れしている企業は、クロスボーダー決済をする必要があります。たとえば、中国の企業がニューヨーク証券取引所に上場し、アメリカ人の株主が存在する場合、その株主への配当はクロスボーダー決済を利用して送金することになります。同様に、ブラジルの企業が日本の銀行から借り入れた場合は、クロスボーダー決済で利息を支払います。

  • 投資活動
    企業が外国の事業者、プロジェクト、不動産に投資することがあります。たとえば、オーストラリアのベンチャーキャピタル企業がシンガポールのテクノロジー系スタートアップに投資する場合は、クロスボーダー決済を通じて送金します。

  • 資産の取得
    企業が業務や事業拡大戦略の一環として外国の資産を購入することがあります。たとえば、カナダの鉱業会社が南アフリカの鉱山を購入した場合は、その代金をクロスボーダー取引で支払います。

  • 金融市場での取引
    外国の金融市場で取引する企業は、ほとんどの場合、クロスボーダー決済をする必要があります。ヨーロッパのヘッジファンドがアメリカの株式を購入する場合は、クロスボーダー決済を利用します。

  • 出張費や経費の支払い
    従業員が国外に出張し、その経費を会社が負担する必要がある場合、会社はクロスボーダー取引を利用してそれらの支払いを精算できます。たとえば、メキシコの企業の役員がフランスに出張した場合、会社からフランスのホテルに直接、クロスボーダー決済で代金を支払うことができます。

  • 慈善団体への寄付
    企業が CSR 活動の一環として外国の慈善団体に寄付することがよくあります。たとえば、フィリピンで自然災害が発生したときに、スウェーデンの企業が救援活動を行っている団体にクロスボーダー決済で寄付することがあります。

グローバル経済で相互の結びつきがますます深まっているため、クロスボーダー決済は今後も、幅広いビジネス取引を円滑にするという重要な役割を担い続けると考えられます。このような用途を理解しておくと、海外事業の計画やグローバルな財務戦略を立てやすくなり、将来の可能性を広い視野で考えることができます。

クロスボーダー決済の種類

クロスボーダー決済はさまざまな形で行われます。どれを選ぶかは、コスト、取引規模、送金にかかる時間、送金者と受取人の固有の要件など、さまざまな要素によって変わってきます。

一般的なクロスボーダー決済のタイプをいくつかご紹介します。

  • 電信送金
    電信送金は多額の国際送金の場合に信頼性が高く安全な手段です。一般に、電信送金は資産の購入や外国のサプライヤーの支払いといった高額の取引で利用されています。銀行や金融機関は通常、これらの送金を銀行間の直接送金として処理します。

  • 国際小切手
    処理に時間がかかるためあまり一般的ではありませんが、クロスボーダー決済では国際小切手も利用できます。国際小切手とは、ある国の銀行から振り出して、別の国で換金できる小切手です。サプライヤーへの支払いや個人への送金などさまざまな用途に使用できます。

  • 外国為替仲介業者
    外国為替仲介業者は事業者や個人が競争力のある為替レートで資金を両替して国際送金できるように手助けします。多くの場合、このようなサービスは、従来の銀行振込よりもコスト削減になるため、外国のスタッフやサプライヤーへの支払いといった継続的な送金や多額の送金によく利用されています。

  • 国際郵便為替
    国際郵便為替は、前払いであるため他の決済オプションよりも安全性が高いと考えられており、外国に少額の送金 (個人的なプレゼントや少額の購入など) をする際によく利用されています。

  • オンライン決済プラットフォーム
    Stripe などのオンライン決済プラットフォームはクロスボーダー決済に広く利用されています。特に、EC ストアの取引で広く使用されています。これらのプラットフォームは使いやすく処理が早いので、少額な取引に利用されることが多いものの、規模の大きな取引も処理できます。

  • 仮想通貨の送金
    ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨は一般に広く受け入れられているわけではありませんが、従来のバンキングシステムを利用せずに低コストでスピーディーな国際送金が可能です。通常は、ピアツーピア取引や、支払い形式として仮想通貨に対応している事業者に利用されています。

どのタイプのクロスボーダー決済にもそれぞれメリットとデメリットがあります。最適なオプションは関係する事業者の具体的なニーズや状況によって変わります。取引の規模と頻度、関係する国、決済手段のコストとスピード、送金者と受取人の好みや要件などの要素を考慮する必要があります。

クロスボーダー決済システム

クロスボーダー決済を円滑に進めるには、クロスボーダー決済システムが必要です。これらのシステムは金融機関間で送金するためのインフラを提供しており、多くの場合、複数の国と通貨に対応しています。主要なクロスボーダー決済システムをご紹介します。

  • SWIFT (国際銀行間通信協会)
    SWIFT は加盟者が所有する共同組合であり、この組合が提供しているセキュアメッセージサービスを 200 カ国以上の 11,000 行を超える金融機関が利用しています。SWIFT 自体が送金するわけではなく、SWIFT が支払い指図を送信し、その指図は金融機関が送金専用として相互に保持している口座によって決済されます。SWIFT は送金、信用状、有価証券取引などさまざまなタイプのクロスボーダー決済で使用されています。

  • SEPA (単一ユーロ決済圏)
    SEPA は、ヨーロッパ全域で行われるキャッシュレス決済を効率化するものです。ヨーロッパの消費者、事業者、行政機関は、ヨーロッパ内のどこにいようと、同じ基本条件、権利、義務に従い、クレジットトランスファー、ダイレクトデビット決済、カード決済をやり取りできます。

  • Fedwire (Federal Reserve Wire Network)
    アメリカ合衆国連邦準備制度が運営する Fedwire電子資金移動用の即時グロス決済システムです。金融機関は、米ドル建てで緊急を要する高額な国内決済やクロスボーダー決済に Fedwire を利用します。

  • CHAPS (Clearing House Automated Payment System)
    CHAPS はイギリスを拠点とする決済システムであり、高額な取引の資金を即日送金できます。主に国内送金が対象ですが、英ポンドまたはユーロ建ての一部のタイプのクロスボーダー決済にも利用できます。

  • TARGET2 (Trans-European Automated Real-time Gross Settlement Express Transfer System)
    ユーロ版の即時グロス決済 (RTGS) システムです。EU 加盟国の銀行間での高額なユーロ取引に利用されています。

  • CLS (Continuous Linked Settlement)
    外貨決済リスクを解消するように設計された専門システムです。世界の主要な大規模経済圏の多くを網羅した 18 通貨であれば、外国為替取引の双方で同時決済します。

  • CIPS (人民元国際決済システム)
    中国人民銀行が人民元の国際化を目指して立ち上げた CIPS は、人民元 (RMB) でのクロスボーダー取引とオフショア取引の手形交換と決済を処理します。

これらのシステムはグローバル金融システムの運用の基盤であり、国境を越えてスピーディーに効率よく安全に送金できます。特定のタイプの取引 (SWIFT など) や特定の通貨 (ユーロ向けの TARGET2 など)、特定の地域 (ヨーロッパ向けの SEPA) に特化するなど、それぞれのシステムが重点を置いているポイントはさまざまです。

クロスボーダー決済で送受金する際のベストプラクティス

クロスボーダー決済の管理は複雑になることがあります。事業者はベストプラクティスを守り、安全で法令を遵守した効率的な取引を実現する必要があります。主なベストプラクティスをご紹介します。

  • コストを把握する
    クロスボーダー決済の手段を選ぶ前に、関連するすべてのコストを把握できているか確認してください。たとえば、取引手数料、通貨換算手数料のほか、中継銀行の手数料がかかる可能性もあります。

  • 最新の為替レートを把握する
    為替レートは常に変動しており、クロスボーダー決済のコストに大きく影響する可能性があります。これらのレートを定期的に確認して、取引に及ぼしている影響を把握し、為替レートリスクに対処できるようにリスクヘッジ戦略を検討してください。

  • 規制遵守を徹底する
    金融取引に対する規制は国によって異なります。法令に違反すると会社の評判に傷がつくだけでなく、法的措置や高額な罰金が科せられるおそれがあります。送金元と送金先の国それぞれの規制や、その他に関係する管轄区域があればその区域の規制も把握して確実に遵守することが重要です。

  • 正確な記録を残す
    監査への対応、規制遵守、効果的な財務管理を実現するには、正確で綿密な記録を残すことが重要です。すべてのクロスボーダー決済取引の日付、金額、為替レート、手数料、相手方の詳細などを含めた詳細な記録を残しましょう。

  • 受取人の詳細を確認する
    クロスボーダー決済で送金する前に、受取人の詳細を必ずダブルチェックしてください。口座番号、金融番号、住所のちょっとした間違いが原因で、遅延や追加の手数料が発生したり、別の違う口座に送金されたりするおそれがあります。

  • 安全で信頼性が高い決済手段を利用する
    クロスボーダー決済で送金するときは必ず、安全で信頼性が高い決済手段を利用しましょう。決済サービスプロバイダーの評判と信頼性、セキュリティ対策、問題発生時のカスタマーサポートを考慮してください。

  • 契約書で支払い条件を明確に定める
    外国のクライアントやサプライヤーと取引する場合は、契約書で支払い条件を明確に規定します。たとえば、支払い通貨、取引手数料を負担する側、支払い期限、支払い遅延時のペナルティを規定してください。

  • 不正利用の可能性があることに注意する
    クロスボーダー決済は不正利用の標的になる可能性があります。フィッシング攻撃や偽請求書詐欺など、よくある詐欺の手口に注意し、従業員がそれらの詐欺に気付いて対応できるように教育しましょう。決済情報が変更されたら必ず確認してください。不正防止機能を提供している安全な決済手段の利用を検討しましょう。

このようなベストプラクティスに従うと、法令に遵守した形でスムーズにクロスボーダー決済を実行でき、関連するリスクを軽減しながら、クロスボーダー決済がもたらす成長機会を存分に活用できます。購入者からクロスボーダー決済を受け付ける方法について、詳細はこちらから Stripe のガイドをお読みください。

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