EC ストアでの決済手段: その概要と最適な決済手段の選び方

  1. はじめに
  2. EC ストアの概要
  3. EC ストアでの決済手段の種類
  4. EC ストアで提供する決済手段の決め方

EC ストアは直近の 10 年間にわたって B2B 領域の全体で拡大しましたが、特に拡大が目立ったのは過去 2 ~ 3 年間です。あるレポートでは、2025 年までにすべての販売の 23% がオンラインで行われるようになると言われています。結果として、購入者は、EC ストア体験のあらゆる部分により高い期待を抱くようになっています。

決済手段は EC ストア体験の中核的な部分です。複数の決済手段を受け付けることでメリットが得られるため、ビジネスでは、幅広い決済オプションを提供して、購入者の好みやニーズに対応することがますます重要になっています。ある調査では、スモールビジネスでさまざまな決済オプションを提供したところ、収益が 30% 近く伸びたことがわかっています。

EC ストアでの決済手段の設定は、初めは困難に思えるかもしれませんが、最適な決済インフラと処理ソリューションを見つけるうえで役立ちます。ここでは、購入完了に最適化されていて、安全で信頼性が高く、ユーザーフレンドリーな決済体験を実現するために、最適な決済手段の活用について知っておくべきことを紹介します。

この記事の内容

  • EC ストアの概要
  • EC ストアでの決済手段の種類
  • EC ストアで提供する決済手段の決め方

EC ストアの概要

EC ストアまたは E-コマースは、インターネット上での商品やサービスの購入および販売を指しています。これには、オンラインショッピング、電子決済、B2B 販売、ソフトウェアやサービス、消費財のサブスクリプション、オンラインオークションなど、さまざまなオンライン取引が含まれています。

EC ストアはビジネスの運営方法を変革し、あらゆる規模の企業が広範囲のオーディエンスにリーチして、世界規模で事業を運営するためのプラットフォームとなりました。また、24 時間 365 日の対応や世界各地へのリーチ、運用コストの低減など、従来の実店舗に勝る利点もいくつか備えています。

EC ストアのモデルには、ビジネス対消費者間 (B2C)、ビジネス間 (B2B)、消費者間 (C2C)、消費者対ビジネス間 (C2B) など、いくつかの種類があります。B2C の EC ストアではビジネスと個人の消費者間で取引が行われますが、B2B の EC ストアではビジネス間で取引が行われます。C2C の EC ストアでは個人の消費者間で取引が行われ、C2B の EC ストアでは個人の消費者がビジネスに商品やサービスを販売する取引が行われます。

EC ストアプラットフォームには、安全なオンライン決済処理のほか、商品選択や注文のフルフィルメント、配送の仕組みも必要になります。多くの EC ストアプラットフォームでは、購入者のレビューや商品のレコメンデーション、カスタマーサポートなどの追加機能も提供されています。

EC ストアでの決済手段の種類

EC ストアでの決済がインターネット上で行われるといっても、そのすべてが同一の手法で行われるわけではありません。EC ストアが急速に拡大したため、オンラインでの商品やサービスへの支払い方法は多様化しました。EC ストアでの決済手段に関する購入者の好みは、世界のさまざまな地域で大きく異なっており、この分野は常に進化しています。世界的には、クレジットカード、デビットカード、デジタルウォレットが EC ストアで特に好まれる決済手段となっていますが、一部の地域では、銀行振込や代金引換 (COD) など、その他の決済手段が今でもよく用いられています。また、特にスマートフォンの浸透率が高い市場おいて、モバイル決済の使用も増加しつつあります。

ここでは、現在世界各地で利用でき、EC ストアで特に好まれている決済手段を紹介します。

  • クレジットカードとデビットカード
    クレジットカードとデビットカードは、EC ストアでの取引に最もよく用いられている決済手段です。これらを使用すると、迅速かつ手軽に決済を行うことができます。

  • デジタルウォレット
    PayPal、Apple Pay、Google Pay などのデジタルウォレットは、ますます好んで使用されるようになりました。これらを使用すると、決済情報を安全に保存し、数回クリックするだけで決済を行うことができます。Statista によると、アメリカで特に好まれるオンライン決済手段として、2020 年に初めてデジタルウォレットはクレジットカードに追いつき始め、この傾向はその後も続いています。

  • 銀行振込
    銀行振込, または 電子資金移動 (EFT) では、購入者が各自の銀行口座からビジネスの銀行口座に資金を送金することができます。銀行振込は世界中で使用されていますが、ヨーロッパとアジアで特に好まれています。欧州中央銀行の調査によると、銀行振込は 2020 年に欧州連合における EC ストアの決済の 45% を占めていました。

  • 代金引換 (COD)
    COD は、購入者が購入したものを (受け取る前ではなく) 受け取るときに、支払いを行う決済手段です。この決済手段は、クレジットカードとデビットカードの使用率が低い国で一般的になっています。Nielsen の Global Connected Commerce Survey では、オンライン購入の支払いを行う際に、インドの購入者の 83% が COD を好んで使用していたことが指摘されました。

  • モバイル決済
    モバイル決済では、購入者がモバイルデバイスを使用して決済を行うことができます。モバイル決済は、2023 年に小売 EC ストアの総売上の 43% 超を占めることになる (2022 年の 42% から増加する) と予測されています。

  • 後払い
    後払いは、購入者が商品やサービスを前もって購入し、支払いを後日に遅らせることができる決済オプションです。利子や手数料を伴うことが多くなっています。

  • 仮想通貨
    Bitcoin や Ethereum などの仮想通貨は、EC ストアでの取引を行うために使用できるデジタル通貨です。この決済手段は、オンライン小売業者でより幅広く受け付けられるようになっています。

  • プリペイドカード
    プリペイドカードは、特定の金額が入金された一種のデビットカードです。購入者はこれを使用して、通常のデビットカードを使用するときと同じように、オンライン購入の支払いを行うことができます。

EC ストアで提供する決済手段の決め方

EC ストアで提供する決済手段を選択する際に、ビジネスで検討すべき要素がいくつかあります。

  • 購入者の好みと市場のスタンダード
    市場調査を活用して、提供する決済手段を決定しましょう。EC ストア体験を競争力のあるものにするには、ターゲットとする購入者が商品やサービスの支払いを行う際に好む手法や、競合他社が提供している決済手段を把握する必要があります。たとえば、購入者の大半がクレジットカードに加えてデジタルウォレットを使用している場合は、それらのオプションを提供することが求められます。

  • 取引手数料
    決済手段によって、生じるコストが異なる場合があります。意思決定のプロセスの一部として、各決済手段に関連した取引手数料について検討しましょう。たとえば、クレジットカードでは、一般的に他の決済手段と比べて取引手数料が高くなっています。ビジネスでは、こうした手数料と当該の決済手段を提供することで得られる潜在的なメリット (購入完了率や顧客満足度の向上など) を比較検討する必要があります。

  • セキュリティと不正防止
    EC ストアのビジネスでは、ビジネス自体と購入者を不正利用から保護する安全な決済手段の提供が求められます。2 段階認証、暗号化、不正検知が使用されている決済手段は、一般的に、セキュリティ機能がこれより少ない決済手段よりも適切な選択肢となっています。

  • EC ストアプラットフォームとの互換性
    EC ストアのビジネスでは、決済手段と EC ストアプラットフォームに互換性があることを確認する必要があります。一部の決済手段では追加の導入作業が必要になることがあり、それによってコストと時間がかかる場合があります。Stripe などの利用しやすいペイメントプロバイダーと連携することで、決済インフラの設定と維持に関する社内の負担を最小限に抑えることができます。

  • ターゲットオーディエンスのデモグラフィック
    EC ストアのビジネスでは、ターゲットオーディエンスのデモグラフィックや、それらの集団で好まれている決済手段を考慮する必要があります。年齢層の低いオーディエンスはデジタルウォレットを好むかもしれませんが、年齢層の高いオーディエンスはより伝統的な決済手段 (クレジットカードや銀行振込など) を好むかもしれません。繰り返しになりますが、こうした理由から、最適な決済代行業者の選択は非常に重要です。Stripe は、EC ストアのビジネスにおける一連の適切な決済手段の受け付けを支援しています。

  • 利用者の地理的な位置
    さまざまな市場にわたって決済に関する好みがどのように変化しうるのかを確認することは、重要です。購入者の地理的な位置を考慮して、その地域で幅広く使用され、受け付けられている決済手段を提供しましょう。一部の国では代金引換が決済手段として好まれるかもしれませんが、他の国では銀行振込の方が一般的かもしれません。Stripe は 135 以上の通貨と世界中の主要な決済手段に対応しています。

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