後払い (BNPL):日本の事業者が知っておくべきこと

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成長中のスタートアップからグローバル企業まで、あらゆるビジネスに対応できる決済ソリューションを利用して、オンライン決済、対面支払いなど、世界中のあらゆる場所で決済を受け付けます。

もっと知る 
  1. はじめに
  2. 後払い (BNPL) とは?
    1. 後払いの仕組み
  3. 後払いと従来の後払い決済との違い
    1. 返済スケジュール
    2. 未払いリスク
    3. 金利
    4. 事業者向けの取扱手数料
  4. 後払いはクレジットカードとどう違うのか?
    1. 金利
    2. 事業者向けの取扱手数料
    3. 申し込み後の待ち時間
    4. 顧客のスクリーニング方法
    5. クレジット限度額
  5. 後払い市場の規模は?
    1. 世界における後払いの市場規模と成長予測
    2. 日本における後払いの市場規模と成長予測
  6. 事業者にとっての後払いのメリット
    1. 顧客獲得の向上
    2. カゴ落ちの減少
    3. 平均注文額の増加
  7. 事業者にとっての後払いのデメリット
    1. 高い手数料
    2. 法的規制
  8. 顧客にとっての後払いのメリット
    1. 分割払いの無利息
    2. 即時購買力
    3. スクリーニングのハードルの低さ
  9. 顧客にとっての後払いのデメリット
    1. 延滞手数料
    2. 使いすぎのリスク
    3. 不統一なルール
  10. 日本の後払いプロバイダー
    1. Paidy
    2. atone
    3. Atokara
  11. 海外の後払いプロバイダー
    1. Klarna
    2. Affirm
    3. Afterpay
  12. 後払いに関する法的規制はあるか?
    1. 日本における後払いの法的規制
    2. 日本国外における後払いの法的規制
  13. 後払い導入時の注意点
    1. 新しい決済手段を顧客にわかりやすく説明する
    2. 後払いの手数料と返品ポリシーを把握する
    3. 突然の変更に備える
  14. 後払いを導入するには?
    1. 直接契約
    2. 決済代行業者
  15. 後払いは売上増加につながるか?

近年、後払い (BNPL) は、商品をすぐに購入して後から支払える代替決済手段として広く普及しています。BNPL プラットフォームは顧客に柔軟性を提供するとともに、事業者にもさまざまなメリットをもたらします。たとえば、後払いはカゴ落ちを防ぎ、平均注文金額を増加させる効果があります。

日本では、特にクレジットカードを持っていない人々を中心に、この決済手段の人気が高まっています。EC サイトでも後払いを導入する動きが広まっています。

この記事では、事業主が BNPL について知っておくべき実践的な知識を提供します。BNPL の基本、導入方法、主要な後払いプロバイダー、法務対策などを解説します。

目次

  • 後払い (BNPL) とは?
  • 後払いと従来の後払い決済との違い
  • 後払いはクレジットカードとどう違うのか?
  • 後払い市場の規模は?
  • 事業者にとっての後払いのメリット
  • 事業者にとっての後払いのデメリット
  • 顧客にとっての後払いのメリット
  • 顧客にとっての後払いのデメリット
  • 日本の後払いプロバイダー
  • 海外の後払いプロバイダー
  • 後払いに関する法的規制はあるか?
  • 後払い導入時の注意点
  • 後払いを導入するには?
  • 後払いは売上増加につながるか?

後払い (BNPL) とは?

後払い (BNPL) とは、商品をすぐに受け取り、後日支払いを行う決済手段です。大きな特徴の一つは、クレジットカードなしで分割払いが利用できる点です。多くの場合、利息は発生しません。そのため、他の決済手段と比べてメリットが大きいと感じる顧客が多く存在します。

後払いの仕組み

後払い取引の基本的な流れは以下のとおりです。

  • 顧客が決済時に後払いオプションを選択します。
  • 後払いプロバイダーが顧客に支払いプランの選択肢を提示します。
  • 顧客が希望するプランを選択し、商品を購入します。
  • 後払いプロバイダーが顧客に代わって事業者に支払いを行います。
  • 事業者が後払いプロバイダーに手数料を支払います。
  • 事業者が顧客に商品を発送します。
  • 顧客が後日、後払いプロバイダーに支払いを行います。

後払いを導入することで、事業者は未払いリスクを気にせず安心して商品を販売できます。

後払いと従来の後払い決済との違い

ネットプロテクションズ社の NP 後払いのような従来の後払い決済手段は、インターネットが普及する以前から日本で広く利用されてきました。この方式では、顧客が先に商品を受け取り、後から代金を支払います。従来の後払い決済は、主に EC、通販、アパレル業界を中心に、今でも多くの事業者に利用されています。

では、現代の後払いサービスは従来の後払い決済手段とどのように異なるのでしょうか?

日本の後払いは、柔軟な返済方法と高い利便性を特徴としており、EC サイトやデジタルサービスに適しています。一方、従来の後払い決済は紙の請求書と信頼関係を基盤としています。

後払い

従来の後払い決済

返済スケジュール

支払いは購入の数週間から数カ月後に行われます。分割払いも可能です。

商品到着後、指定期間内に一括払いが求められます。

未払いリスク

後払いプロバイダーが返済を保証します。

顧客が支払わなかった場合、事業者がすべてのリスクを負います。

金利

通常、顧客が利息を支払う必要はありません。

一括払いでない限り、顧客は通常、利息を支払います。

事業者向けの取扱手数料

手数料は比較的高めです。

手数料は比較的低めです。

返済スケジュール

日本における後払いの返済スケジュールは、購入した月の月末または翌月に商品やサービスの代金を支払うように設定されているのが一般的です。分割払いが可能な場合もあります。対照的に、従来の後払い決済では、商品が配達されたときに顧客に紙の請求書またはメールの支払い通知が届き、指定された期日までに支払いを行う必要があります。

未払いリスク

顧客が支払期日までに支払わなかった場合、通常は後払いプロバイダーがリスクを負います。従来の後払い決済では、保証が適用されていれば、決済代行業者が顧客の代わりに立て替え払いを行います。ただし、保証がない場合、支払いは回収不能とみなされ、事業者が損失を負担しなければなりません。

金利

日本では、分割払いを選択した場合でも、顧客にとって後払いは無利息であることが多いため、非常に魅力的な決済手段となっています。対照的に、従来の後払い決済では、一括払いでない限り通常は利息が発生します。

事業者向けの取扱手数料

日本の事業者が決済手段として後払いを提供するには、取扱手数料を支払う必要があります。これらの手数料は通常、従来の後払い決済に関連する手数料よりも高くなります。ただし、従来の後払い決済方法で使用される紙の伝票には、請求書の発行に追加のコストがかかる可能性があることに注意が必要です。

後払いはクレジットカードとどう違うのか?

後払いとクレジットカードはどちらも、顧客が商品をすぐに支払わずに購入できる仕組みです。しかし、日本においてはシステムと顧客体験が大きく異なります。具体的な違いを見てみましょう。

後払い

クレジットカード

金利

後払いは原則無料ですが、一部のサービスでは特定の分割払いプランに利息が発生する場合があります。

一括払いの場合は無料です。ただし、分割払いやリボ払いの場合は利息がかかります。

事業者向けの取扱手数料

手数料は一般的に、クレジットカードより高くなります。

これらの手数料は一般的に、後払いに関連する手数料よりも低くなります。

申し込み後の待ち時間

審査通過後、後払いはすぐに利用できます。

カード申し込みから利用開始まで、数日から数週間かかります。

顧客のスクリーニング方法

申込者の電話番号やメールアドレスなどを用いた簡易な信用審査が行われます。

スクリーニングは年収、職業、信用履歴に基づいて行われます。

クレジット限度額

限度額はクレジットカードより低いのが一般的です。

限度額は通常、後払いよりも高く設定されています。

金利

日本の多くの後払いサービスでは、無利息の支払いオプションが提供されています。利息がかかる場合でも、通常はごくわずかです。Paidy などの一部のプロバイダーでは、最大 3 回の分割払いまで無利息となる特別なプロモーションを提供しています。

対照的に、クレジットカードでは一括払いには通常手数料がかかりませんが、分割払いやリボ払いには通常約 15% の年利がかかります。そのため、返済期間が長くなるにつれて、返済総額が大幅に増加する可能性があります。

事業者向けの取扱手数料

顧客が後払いを利用する際の手数料はほとんど、あるいはまったくかかりませんが、事業者には取扱手数料または処理手数料がかかります。後払いを提供するための手数料は、通常、クレジットカードの手数料よりも高くなります。ただし、後払いプロバイダーが未払いのリスクを負うため、手数料が高くても費用対効果が期待できます。クレジットカードの場合、保証オプションがなければ、チャージバックのリスクは事業者が負うことになります。

申し込み後の待ち時間

後払いが魅力的なのは、電話番号とメールアドレスを入力し、簡単なスクリーニングに合格した後、顧客がすぐに使い始められる点です。一方、クレジットカードは完全な申し込み手続きが必要であり、実物のカードが顧客の自宅に郵送されるため、通常、使えるようになるまで 1 ~ 2 週間かかります。

顧客のスクリーニング方法

後払いプロバイダーは、顧客の電話番号、メールアドレス、および過去の利用履歴に基づいて基本的なスクリーニングを実施します。クレジットカード発行会社は、年収、勤務状況、雇用履歴、信用履歴などの要素を考慮して、より詳細な審査を行います。この厳格なスクリーニングプロセスにより、クレジットカードの発行資格を得られない人が出てくる可能性があります。

クレジット限度額

後払いの利用限度額は、通常、クレジットカードの限度額よりも低く設定されています。スクリーニングプロセスが簡易であるため、プロバイダーは使いすぎのリスクを減らすために低い限度額を設定します。クレジットカードの限度額はかなり高くなる可能性があるため、顧客は使いすぎないように注意する必要があります。

後払い市場の規模は?

後払いのビジネスモデルの市場規模と予測される成長について、日本と世界の両方で詳しく見てみましょう。

世界における後払いの市場規模と成長予測

世界の後払い市場規模は 2024 年に約 2,320 億ドルに達し、今後数年間は成長を続けると予測されています。2025 年には、市場は年平均成長率 (CAGR) 48.4% を記録し、約 3,440 億ドルに達すると予想されています。さらに、市場は 2024 年から 2029 年にかけて CAGR 43.1% を記録し、最終的には 1 兆 4,300 億ドルに成長する見込みです。

日本における後払いの市場規模と成長予測

2025 年の調査によると、日本における 2023 年の後払い市場の規模は 1 兆 5,300 億円で、前年から 121.5% 増加しました。2028 年までに、市場は 2 兆 8,000 億円に達すると予想されています。

事業者にとっての後払いのメリット

ここからは、後払いが事業者にもたらすメリットについて詳しく見ていきます。

顧客獲得の向上

後払いはクレジットカードを持っていない (または使いたくない) 人々にリーチできるため、他の方法では獲得できなかった可能性のある新規顧客を開拓することができます。

カゴ落ちの減少

「これを本当に買いたいけど、今は全額払えない。リボ払いの金利が高いからクレジットカードは使いたくない」と考えている顧客を想像してください。あるいは、「無利息で分割払いにできるなら買うのに」と考えている人もいるかもしれません。このような柔軟なオプションを提供することで、迷っている顧客に購入を促し、カゴ落ちや販売機会の損失を減らすことができます。

平均注文額の増加

無利息で分割払いができる場合、顧客は高額な商品を購入しやすくなります。その結果、事業者では 1 回の注文あたりの平均注文額の増加が見られることがよくあります。

事業者にとっての後払いのデメリット

後払いには多くのメリットがあるため、潜在的なデメリットを見落としがちです。ただし、この決済手段を導入する前に検討すべき重要な点がいくつかあります。デメリットをあらかじめ理解しておくことで、予期せぬ問題の発生を防ぐことができます。

高い手数料

後払いは、クレジットカード決済と比較して、日本の事業者にとってコストが高い決済手段となる場合があります。利益率の低い商品では、後払いの高い手数料が利益を圧迫するため、この決済手段の対象とする商品を慎重に検討することが重要です。

法的規制

後払いの主なメリットの一つは、クレジットカードを持っていない人でも分割払いで購入できる点です。ただし、今後の規制変更によりこの種のサービスへの制限が強まる可能性があります。そうなった場合、メリットが薄れ、顧客の利用が減少する可能性があります。

顧客にとっての後払いのメリット

後払いサービスが顧客にどのようなメリットをもたらすかを見ていきましょう。

分割払いの無利息

多くの後払いサービスでは、無利息の分割払いオプションを提供しています。高額な商品を購入する際、クレジットカードの分割払いと比較してコストを大幅に抑えられます。

即時購買力

電話番号やメールアドレスなどの基本的な個人情報を入力するだけで、すぐに商品やサービスを購入できます。

スクリーニングのハードルの低さ

クレジットカードの審査に通らない場合でも、後払いを利用できる可能性があります。後払いでは通常、信用審査が不要なため、多くの顧客に便利な決済手段として認識されています。

顧客にとっての後払いのデメリット

後払いの潜在的なデメリットについても検討することが重要です。顧客がこのオプションを避ける理由を理解することで、自社で導入すべきかどうかを判断する材料になります。

延滞手数料

支払い期日を誤って見逃した場合や、資金が不足している場合には、延滞手数料が請求されます。

使いすぎのリスク

スクリーニングが最小限で利用のハードルが低いため、顧客が返済能力を超えた借り入れをしてしまいやすい面があります。

不統一なルール

多くの事業者が無利息の分割払いオプションを含む後払いサービスを提供していますが、利息を課すサービスや、分割払いに対応していないサービスを提供する事業者も存在します。後払いサービスの規約は店舗によって異なるため、購入前に利用規約を注意深く確認する必要があります。このような複雑さや手間が、後払いの利用をためらわせる顧客がいる一因となっています。

日本の後払いプロバイダー

日本の主要な後払いプロバイダーの例をいくつかご紹介します。

Paidy

Paidy は、日本で最も広く利用されている後払いサービスの 1 つです。Amazon Japan や Apple Japan など、主要な EC ビジネスでも利用されています。スクリーニングは非常にシンプルで、顧客のメールアドレスと電話番号を入力するだけで完了します。承認後、顧客はすぐに商品やサービスを購入できます。分割払いを選択した場合でも、最大 3 回までなら利息はかかりません。

atone

atone は、株式会社ネットプロテクションズが提供する後払いサービスです。簡単な会員登録と携帯電話番号だけで利用を開始できます。支払いは特定の月に購入したすべての商品について一括で行われ、翌月 10 日までに支払う必要があります。口座振替を利用する場合は請求手数料がかかりませんが、コンビニ支払いや ATM などの他の決済手段を利用する場合は 209 円の手数料がかかります。追加の手数料を避けるため、顧客は銀行口座が正しく連携されていることを確認する必要があります。

Atokara

Atokara は、GMO ペイメントゲートウェイ株式会社、GMO ペイメントサービス株式会社、三井住友カード株式会社の 3 社が提供する、新しく使いやすい後払いサービスです。買い物の際に、顧客は決済手段として Atokara を選択し、携帯電話番号とメールアドレスを入力した後、携帯電話のソーシャルメディアアプリに送信された確認コードを入力するだけで取引を完了できます。その月に購入した代金は、翌月に一括で支払います。

Atokara の会員に登録すると、標準サービスに加えて分割払いのオプションを利用できるようになります。支払いは 3 回から最大 36 回まで分割可能です。最大 6 回の支払いまで金利が免除されるため、高額な買い物に最適なオプションです。ただし、会員登録には本人確認とスクリーニングのプロセスが必要であり、最短で即日完了しますが、申請日から最大 4 営業日かかる場合があります。

海外の後払いプロバイダー

日本でも越境 EC に参入する事業者が増えており、今後は後払いサービスの提供が大きな差別化要因になると考えられます。これらのサービスは、欧州やアメリカでも普及が進んでいます。

ここでは、日本国外で人気の後払いサービスをいくつか紹介します。

Klarna

スウェーデン発の Klarna は、世界市場での高いシェアを誇り、特に欧州とアメリカで人気を集めています。Klarna は、地域によって異なりますが、3 回払い、4 回払い、30 日払いなど、柔軟な無利息の分割払いプランを提供しています。また、利息が適用される 6 カ月および 12 カ月の分割払いプランも用意されています。

日本語の公式ウェブサイトは存在しますが、現時点では国内での導入事例は確認されていません。日本の越境 EC 事業者が Klarna を活用するのは、主に海外市場への販売が中心になると思われます。

Affirm

アメリカ最大手の後払いプロバイダーである Affirm は、一部無利息のものを含む複数の支払いオプションを地域ごとに提供しています。たとえば、隔週払いの 4 回無利息分割払い「Pay in 4」が利用できます。また、3 回、6 回、12 回、18 回、24 回、36 回、または最大 60 回の分割払い (月払い) に 0% から 36% の利息が適用されるプランもあります。Affirm は、事前に支払い金額を明示する透明性の高さで知られています。Amazon や Expedia などの大手企業とのパートナーシップも締結しており、アメリカ市場への参入を目指す日本の事業者にとって有効な選択肢となり得ます。

Afterpay

Afterpay は、オーストラリア初の後払いサービスです。現在はアメリカ、イギリス、カナダ、ニュージーランドでも利用可能です。Afterpay では、地域や注文金額に応じて複数の支払いプランを選択できます。たとえば、支払い期間内に 2 週間ごとに 4 回の無利息分割払いを行う「Pay in 4」や、6 カ月または 12 カ月にわたって利息付きで月払いする「Pay Monthly」などがあります。欧州やアメリカへの進出を検討している D2C EC サイトにとって、見逃せない後払いサービスです。特にファッションやコスメ業界の多くの店舗で採用されており、ソーシャルメディアとの親和性も高いです。

Klarna、Affirm、Afterpay はいずれも Stripe の公式パートナーであり、Stripe の決済プラットフォームを通じて実装できます。すでに EC サイトに Stripe を導入済みの事業者であれば、Stripe Payments を通じて追加の開発作業なしで複数の後払いサービスを簡単に連携させることができます。

海外展開を目指す事業者は、競争力を維持するために決済システムがグローバル標準に対応しているか確認する必要があります。日本国外の顧客への販売を検討している、またはすでに海外からの注文を受けている EC 事業のオーナーは、ターゲット市場に基づいて必要な法的情報を必ず確認してください。

後払いに関する法的規制はあるか?

日本および海外における後払いサービスに関する現行の規制を紹介します。

日本における後払いの法的規制

日本では、後払いサービスを明示的に規制する法律は現時点では存在しません。ただし、取引内容や支払期間によっては、既存の法律が適用される場合があります。

割賦販売法

顧客の支払期間が 2 カ月を超える場合、後払いサービスは「信用購入あっせん」に該当し、割賦販売法の適用対象となるため、経済産業省への登録が必要です。

犯罪による収益の移転防止に関する法律 (マネーロンダリングおよびテロ資金供与対策、疑わしい取引の届出)

クレジットカードを利用した後払いサービスは、犯罪による収益の移転防止に関する法律の対象となるため、注意が必要です。

顧客の返済期間が 2 カ月を超えず、クレジットカードを利用しない後払いプランの場合、これらの規制は適用されません。

日本国外における後払いの法的規制

後払いは、顧客保護や過剰利用 (過度な借入) への懸念から、欧州やアメリカでも法的規制の対象となっています。

アメリカでは、後払いに関する明確な連邦規制はありませんでしたが、消費者金融保護局 (CFPB) が 2024 年に後払いをクレジットカードと同様に扱う規則案を発表しました。しかし 2025 年 5 月、CFPB はこれらの規則の執行を重点的に行わない方針を表明しました。

イギリスでは、Financial Conduct Authority が後払いサービスに適用される法整備を進めており、正式な規制は 2026 年までに導入される予定です。特に、与信スクリーニングや契約内容の明確化に対する需要が高まっています。

オーストラリアでは、後払いに関する新たな顧客保護法案が 2024 年に導入されました。この法案により、後払い事業者は他の消費者金融事業者と同様の規制対象となります。

国や地域を問わず、後払いは消費者信用の一形態として扱われる傾向が強まっており、各国政府もその法的位置づけの検討を始めています。越境 EC サイトは事業を行う国の規制を遵守する必要があるため、関連する規制の最新情報を常に把握しておくことが重要です。

後払い導入時の注意点

後払いを決済手段として導入する際に押さえておきたいポイントを確認します。

新しい決済手段を顧客にわかりやすく説明する

日本の顧客は、公共料金などで後払いを長く利用してきました。コンビニ払いも後払いの一形態として広く普及しています。しかし、後払い (BNPL) は比較的新しい決済手段です。

従来の決済手段と後払いとの違いは、初めて利用する日本の顧客にはすぐに伝わらない場合があります。そのため、従来の決済手段やクレジットカード決済との違いを明確に示すことが必要です。EC サイトでは後払いに関する詳細情報の提供が重要です。いつ、どこで、どのように支払うのかをわかりやすく明示し、顧客が安心して利用できるような説明とサポート体制を整えましょう。

後払いの手数料と返品ポリシーを把握する

日本の事業者にとって、後払いに関連する手数料はクレジットカード決済より高くなる傾向があります。これは、BNPL が支払い保証などの独自の付加価値を事業者に提供しているためです。

販売する商品やサービスの利益率が低い場合や低単価の場合は、手数料が収入に悪影響を与える可能性を考慮する必要があります。手数料の負担を軽減するために、次のような対策が考えられます。

  • 高額商品のみに後払いを許可する
  • 後払い利用時の割引を不可とする
  • 後払いプロバイダーを比較し、自社の売上規模に合ったサービスを採用する

返品、キャンセルポリシーは、利用する後払いサービスによって異なります。また、返金とキャンセルのタイミングは必ずしも一致しないため、キャッシュフローへの影響も異なる場合があります。BNPL を決済手段として導入する前に、代行業者との具体的な手続きを確認し、自社の業務に適しているかどうかを確認してください。

突然の変更に備える

後払いプロバイダーのサービスが突然変更される、あるいはサービスが完全に終了する可能性もあります。実際に、イギリスの NatWest やオーストラリアの Openpay など、後払いサービスからすでに撤退した事業者も存在します。より厳格な規制への対応の困難さや事業環境の悪化など、さまざまな理由が挙げられています。

複数の決済手段を用意するなどのリスク管理対策を検討するとともに、将来的に決済オプションが変更、廃止される可能性がある旨を利用規約に明記することが重要です。

後払いを導入するには?

後払いを導入する主な方法は、後払いプロバイダーと直接契約する方法と、決済代行業者を通じて実装する方法の 2 つです。

直接契約

この方法では、Paidy、atone、Atokara などの後払いプロバイダーと個別に契約を締結し、API (Application Programming Interface) または JavaScript を使用してウェブサイトにサービスを組み込む必要があります。カスタマイズ性が高い一方、実装には技術的なサポートが必要です。

直接契約で後払いを導入する手順は以下のとおりです。

  • プロバイダーに申し込む。
  • スクリーニングを受ける。
  • API を取得してシステムを連携する。
  • サービスをテストする。
  • 本番運用を開始する。

決済代行業者

Stripe などの決済代行業者を利用する場合、手順は少し異なります。日本を拠点とした越境 EC サイトをすでに運営している事業者が、Stripe を使って Klarna、Affirm、Afterpay などの海外後払いサービスを導入する場合の流れは以下のとおりです。

  • Stripe アカウント を作成する。
  • ダッシュボードの設定で「Payments」を選択する。
  • 「Payment Methods」を選択する。
  • 後払いサービスを有効にする。
  • サービスをテストする。
  • 本番運用を開始する。

この手順は、利用する後払いプロバイダーや決済代行業者によって異なります。導入の際は、公式ウェブサイトまたはカスタマーサポートで手順を確認してください。

後払いは売上増加につながるか?

後払いは単なる支払い猶予手段ではなく、顧客体験を向上させ、売上向上を促進する戦略的な決済手段です。BNPL を導入する際は、自社の商品ラインナップ、ターゲット顧客、販売地域に合ったプロバイダーを選ぶことが重要です。その上で、スムーズで信頼性の高い運用体制を構築することが、顧客の信頼と満足度の確保につながります。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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