B2B 決済を受け付ける方法: ビジネスで知っておくべきこと

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成長中のスタートアップからグローバル企業まで、あらゆるビジネスに対応できる決済ソリューションを利用して、オンライン決済、対面支払いなど、世界中のあらゆる場所で決済を受け付けます。

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  1. はじめに
  2. B2B 決済の種類
  3. B2B 決済処理の仕組み
  4. B2B 決済の課題
  5. B2B 決済処理のベストプラクティス
  6. B2B 決済を受け付ける方法
    1. B2B 決済を受け付けるプロセス
  7. ビジネスでの B2B 決済処理における Stripe の活用方法

B2B 決済とは、商品、サービス、または情報の交換に関わるビジネス間での取引を指します。利用者との取引に比べて、B2B 決済は通常、金額が大きくて、支払い期間が長く、契約がより複雑で、複数の利害関係者が絡むため、支払いの完了に時間がかかることがあります。支払人と受取人の両方が法令遵守やセキュリティの問題に対処する必要があるため、取引における業務上の複雑さが増します。このような課題により、B2B 決済には専用のソフトウェアや決済プラットフォームが必要になる場合があります。2023 年に、全世界の B2B 市場の価値は 26 兆ドルを超えました

以下では、さまざまな種類の B2B 決済とそれらの受け付け方法、的確かつ正確に戦略を策定する方法など、B2B 決済について知っておくべきことについて説明します。

この記事の内容

  • B2B 決済の種類
  • B2B 決済処理の仕組み
  • B2B 決済の課題
  • B2B 決済処理のベストプラクティス
  • B2B 決済を受け付ける方法
  • ビジネスでの B2B 決済処理における Stripe の活用方法

B2B 決済の種類

その他の多くの決済タイプと同様に、B2B 決済で使用される支払い方法は複数あります。テクノロジーによってさまざまな支払い方法が増え続ける中、B2B 決済の方法も多様化しています。ここでは、B2B 決済の主な種類について簡単に説明します。

  • 電信送金
    電信送金は銀行口座間の直接取引のことを指し、大規模で時間的制約のある支払いでよく使用されます。迅速で信頼性は高いものの、手数料が 15 ドル~ 45 ドルと高額になることがあります。取引を開始するには、両当事者が財務情報を共有する必要があります。

  • ACH 送金
    ACH 送金 (Automated Clearing House 決済)は、中小規模の取引や継続支払いに適した電子資金送金です。電信送金より安価ですが、処理にかかる時間がさらに長くなっています (通常 2 ~ 3 営業日)。

  • 小切手
    デジタル化が進んでいますが、紙の小切手は依然として B2B 取引でよく使用されます。Association for Financial Professionals が実施した AFP 2020 Survey の回答者の 3 分の 2 以上が今でも小切手を使用しており、B2B 決済の大部分を占めています。小切手は書面による証拠として残りますが、小切手が不渡りになる可能性などのリスクがあります。手作業での処理が遅延や管理コストの発生につながる可能性もあります。

  • クレジットカード
    クレジットカードは即時取引を行う際に便利で、一般的には中小規模の支払いに使用されます。多くの場合、ビジネスはこの利便性の高さと引き換えに、手数料のコストを負担しています。手数料や取引限度額の理由から、クレジットカードが大規模な取引で使用されることはほとんどありません。

  • ピアツーピアプラットフォーム
    PayPalのようなピアツーピアプラットフォームは、国内外の両方での支払いを円滑化します。当事者間で銀行口座の詳細を直接共有する必要がなく、迅速に取引できます。手数料は取引ベースで、さまざまな要素によって変わります。

Square や Venmo for Business といったその他のデジタルプラットフォームは、迅速な取引を実現し、さまざまな手数料体系を用意しています。しばしば、在庫追跡や請求書作成機能など、小規模企業にとって魅力的な追加機能が含まれています。

B2B 決済処理の仕組み

B2B 決済処理は、次のようにいくつかの重要な要素に分割できます。

  • 契約の交渉と成立
    決済が発生する前に、両当事者は、料金、支払い方法、タイムラインを含む利用規約に合意する必要があります。契約交渉では、決済プロセス全体の基礎を築き、期待することを明記して、ビジネス関係の法的基盤を構築します。

  • 請求書の作成と提出
    サービスまたは商品を提供したら、通常、売り手はコスト、支払い条件、その他の重要な情報について概説した請求書を作成します。多くの場合、売り手はメールでこの請求書を買い手に送付しますが、ビジネスによっては従来どおり郵送することもあります。デジタル請求書作成システムは、このステップをスピードアップできるため人気を集めています。

  • 請求書の消し込みと承認
    請求書を受け取ったら、買い手の買掛金部門がレビューし、契約と受け取った商品やサービスが対応していることを確認します。承認後、この請求書の支払いがスケジュールされます。最新の会計ソフトウェアでは、このプロセスの大半を自動化できますが、確認や承認には手作業が必要になることがよくあります。

  • 支払いの実行
    ここで、支払いが行われます。電信送金、ACH 決済、クレジットカード、紙の小切手などのさまざまな方法で行われます。それぞれの方法に、コスト、スピード、提供されるドキュメントのレベルなどのメリットとデメリットがあります。

  • 取引の確認
    支払いの実行後、両当事者で確認プロセスを行うことが通例となっています。支払人は、自身の口座から支払いが引き落とされていることを確認し、受取人は売上の受領を確認します。このステップでは、買掛金部門と売掛金部門の間で調整が行われることがよくあります。

  • 記録保持
    適切に文書化することが、法令遵守、監査、潜在的な不審請求の申請の解決の鍵となります。両当事者は、会計記録を更新して完了した取引を反映させ、今後の財務評価のためにすべてを準備しておきます。

  • 法令遵守の確認
    国際取引や規制が厳しい業界が支払いの対象となる場合は特に、決済プロセス中に法令遵守の確認が実施され、すべての行為が関連する法律やガイドラインに準拠しているかどうかを確認することが多くなっています。このような確認を怠ると、法的な影響を受ける可能性があります。

  • 不審請求の申請の解決
    支払いの不足や遅延などの不一致が生じた場合、問題を解決するために正式なプロセスが開始されます。契約、請求書、支払い記録の確認が行われる可能性があります。

このような段階の全体で、デジタルプラットフォームとソフトウェアシステムは自動化、セキュリティ対策、容易な追跡を実現します。これらは、ビジネスで効果的な B2B 決済プロセスを策定するうえで役立ちます。

B2B 決済の課題

B2B 決済の管理には、データの不一致、法令遵守、コスト、流動性などのさまざまな要素に対処する多面的なプロセスが求められます。このような各領域は、アプリケーションプログラミングインターフェイス (API) の実装、リアルタイムモニタリングツール、自動化ソフトウェアなどを通じて技術介入する時期に来ています。すべてに対処できる万能なソリューションはありませんが、このようなツールを組み合わせることで B2B 決済の複雑さを軽減できます。

  • データ同期の不一致
    B2B 決済管理で最大の課題の 1 つがデータ同期です。さまざまなエンタープライズリソースプラニング (ERP) システムや取引システムを業務に使用している場合、不一致によって処理の遅延が発生し、最悪の場合は請求書の作成ミスが発生する可能性があります。API 実装によってこのような課題が軽減され、さまざまなシステムでより効果的に通信できるようになります。

  • 法令遵守の複雑さ
    複雑で変化し続ける規制環境の中で、税コード、貿易制裁、クロスボーダー取引手数料などの法令遵守を管理するプロセスは時間がかかります。また、過失に対する罰則は厳しいものになることがあり、ビジネスの最終的な収益だけでなく、長期的なビジネス関係にも影響を及ぼします。一歩先を行くためには、リアルタイムのモニタリングと法令遵守の自動化を実現する必要があります。

  • コスト管理
    処理手数料は利益を大きく圧迫します。銀行手数料、通貨換算手数料、ペイメントゲートウェイ手数料などがあると、コストはあっという間に膨らみます。条件を再交渉してより有利なレートで買物することによって、このような支出をより適切にコントロールできます。

  • 支払い条件とその影響
    支払い条件は、流動性に大きな影響を与えることがあります。支払い条件を緩くするほど買い手にとっての魅力は増すでしょうが、リソースを圧迫することにもなりかねません。同様に、迅速な支払いを追求するとサプライチェーンに負担がかかり、最終的には混乱を招く恐れがあります。適切なバランスを取るには、自社の財務状況を詳しく確認する必要があります。おそらく、予測モデリングも必要になるでしょう。

  • 消し込みに関する課題
    手作業での消し込みも、非効率になりやすい領域です。支払いで請求書が自動的に照合されない場合、手作業での消し込みが必要になり、生産性に悪影響を及ぼします。この問題に対処する方法の 1 つは、支払いと未処理の請求書を照合できる自動化ツールを使用することです。

  • 複数通貨とクロスボーダー取引に関する課題
    複数の通貨を取り扱う場合は問題がさらに複雑化し、為替レートの変動が価格戦略と利益率の両方に影響を及ぼす可能性があります。洗練された通貨管理システムでレートを固定したり、リアルタイムの為替レートを提供したりすると、ある程度の予測可能性を実現できます。

B2B 決済処理のベストプラクティス

ここでは、B2B 決済処理を最適化する戦略について説明します。

  • API ファーストの実装
    決済処理システムで他のプラットフォーム (在庫管理システム、会計システム、顧客関係管理 (CRM) システムなど) と円滑に通信できれば、業務は非常に容易になります。API によってプラットフォーム間でリアルタイムのデータを送信できるため、不一致がほとんど発生しません。不一致が生じた場合は、簡単に見つけ出すことができます。これにより、ビジネスの敏捷性が維持され、エラーを速やかに発見することができ、一致しないデータを照合する際に必要な手作業が最小限に抑えられます。

  • リアルタイムの法令遵守モニタリング
    法令遵守は B2B 事業の成功を左右します。リアルタイムモニタリングにより、瞬時に不一致や問題にフラグを立てることができるため、法令遵守を維持しやすくなり、法的罰則やその他の複雑な問題などの好ましくない事態を回避できます。

  • 詳細なコスト監査
    取引コストの分析については、透明性が鍵となります。あらゆる処理手数料、ゲートウェイ手数料、支払いに関連したその他のコストを注意深く記録する必要があります。日常的にコストを監査することで、より良い条件を交渉したり、より有利な支払い設定に切り替えたりできる領域を特定できます。

  • 支払い条件の最適化
    どのビジネスでも、できるだけ迅速かつ簡単に支払いを受けたいものですが、前のめりな支払い条件は時として逆効果になり、ビジネス関係にひずみを生むことがあります。一方で、支払い期間を長く設定すると運転資金に悪影響が及ぶ恐れがあります。分析を行うと、スイートスポットを見つけやすくなります。たとえば、請求書発行日から 30 日や 60 日ではなく、おそらく 45 日が最適だということがわかります。予測モデリングを使用すると、流動性からサプライヤーとの関係までにわたるビジネスのさまざまな側面に、支払い条件の変更がどのように影響するかをより適切に予測できます。

  • 消し込みの自動化
    手作業での消し込みでは、多くの企業が費やせる以上の時間を消費する可能性があります。自動化されたソリューションでは、請求書と受領した支払いを照合し、不一致にフラグを立てて確認できるため、チームが時間のかかる面倒な作業から解放されます。

  • 多通貨オプション
    国境を越えてビジネスを展開する場合、複数の通貨や為替レートの変動に対応する必要があります。多通貨対応の銀行口座を選択するビジネスもありますが、一定期間有利な為替レートを固定できる専用の通貨管理システムもあります。これにより、値動きの荒い環境でも予測可能性を確保することができます。

  • サプライヤーと利用者との透明性
    透明性が信頼を築きます。サプライヤーと利用者がリアルタイムのデータにアクセスできれば、より迅速に問題を把握して対処できます。これは、戦略のすべてを明らかにするということではなく、支払いのタイムライン、処理ステータス、その他の取引関連データを戦略的に共有することによって弾力的な関係を構築できるという意味です。

  • 定期的な監査
    定期的な監査では、銀行明細書や会計ログに照らして支払い記録を確認し、不一致があればフラグを立てます。単純なエラーによって長期にわたり常に少額の損失が発生していたことに企業が気づくことは珍しくありません。これは、自動化されたシステムでは必ずしも発見されないような損失です。

これらのベストプラクティスを重視することで、決済処理機能を向上させ、業務での敏捷性、法令遵守、コスト効率を高めることができます。これらは、1 回限りのソリューションではありません。適切に実行すれば、ビジネスとともに進化する包括的な戦略の一部となります。

B2B 決済を受け付ける方法

B2B 決済の受け付けを開始する前に、ビジネスニーズを徹底的に評価することが重要です。以下では、いくつかの重要な要素を紹介します。

  • 取引パートナー
    最初のステップは、取引相手を特定することです。中小企業なのか大企業なのかを確認します。大企業は EFT (電子資金振替) や ACH (Automated Clearing House) などの支払い方法を好むことが多く、中小企業はクレジットカードを好む場合があるため、このステップは重要です。

  • 好まれる支払い方法
    業界によって支払い基準が異なるため、違いを把握することがビジネスの成功につながります。たとえば、サービスとしてのソフトウェア (SaaS) 業界では、サブスクリプションと継続支払いが標準的な方法です。これらの方法を利用するには、決済システムに固有の機能が必要です。

  • 取引額
    取引の金額と頻度は決済処理プロバイダーの選択や、必要な自動化のレベルに影響することがあります。1 日に数千件の取引を処理する場合、自動化は便利なだけでなく必要不可欠です。

  • クロスボーダー取引
    国外のパートナーと取引する場合、通貨換算、国際手数料、外国の税法の遵守が喫緊の課題となります。複数の通貨や送金情報に対応できる決済代行業者が必要です。

  • 決済処理オプションの評価
    ニーズを明確に把握したら、決済処理プロバイダーの選択肢を比較しましょう。ここでは、確認すべきポイントをご紹介します。

    • 機能と拡張性: Stripe のようなプロバイダーは、サブスクリプションの請求や複数通貨への対応などのさまざまな機能を提供していますが、万能ではないこともあります。ビジネスに大きな成長の可能性がある場合は、選択したプラットフォームがニーズに合わせて拡張可能かどうかを確認しましょう。
    • 手数料体系: 取引手数料は氷山の一角にすぎません。さらに詳しく調べて、月額料金、セットアップ料金、その他の隠れた手数料を明確にしましょう。このような手数料は最終的な収益に直接影響するため、徹底して費用対効果を分析する価値はあります。
    • セキュリティと法令遵守: データ侵害は、どのようなビジネスにも破滅をもたらす恐れがあります。選択したプロバイダーがデータセキュリティの業界標準に準拠していることを確認します。たとえば、クレジットカード取引の場合は、ペイメントカード業界 (PCI) での法令遵守が必要です。

B2B 決済を受け付けるプロセス

プロバイダーを選択してシステムを設定したら、決済の受け付けを開始できます。ここでは、その仕組みを詳しくご紹介します。

  • 請求書作成
    支払いを受ける最初のステップは、正確で詳細な請求書です。可能であればシステムを自動化して、入力しなくてもラインアイテム、税金、その他の手数料が記入されるようにします。一部のペイメントプロバイダーでは、動的な請求書作成が可能です。要素が変更されると、リアルタイムで請求書が更新されます。これにより、ビジネスと利用者の両者に、コストに関する最新情報が提供されます。

  • 簿記と会計
    支払いを受領したら、取引の詳細を会計ソフトウェアに自動的に取り込む必要があります。ペイメントプロバイダーと会計ソフトウェアを実装すると、このステップを自動化できます。特に規模が大きいビジネスほど、リアルタイム同期によって人的ミスをなくし、貴重な時間を節約できます。

ビジネスでの B2B 決済処理における Stripe の活用方法

B2B 決済セクターは取引高が大きく、成長し続けていますが、このセクターをサポートするインフラストラクチャは古くなっていることが多くあります。ここでは、Stripe でこうした課題に対処する方法をご紹介します。

  • 請求書作成のモダナイゼーション
    従来、ビジネスでは紙の請求書から会計プロセスを開始します。この方法は、エラーや不確実な売上予測につながる可能性があります。Stripe は、構築済みの電子決済システムと連携するオンライン請求書を開発しました。この請求書はお好みの方法やビジネスの言葉のトーンに適応し、地域の規制にも準拠します。

  • 銀行振込
    Stripe は、2022 年に新しいバージョンの銀行振込を導入しました。このシステムでは、仮想の銀行口座番号 (VBAN) を活用して消し込みを容易化し、返金および返品プロセスを簡素化します。また、請求書作成やサブスクリプションなどの他のシステムとも同期します。この機能を利用している企業からは、決済プロセスでの手作業が減少したことが報告されています。たとえば、不動産管理ソフトウェア会社である Yorlet の共同創業者は、この新たなタイプの銀行振込によって手作業での消し込みが減り、推定で週に 1.5 時間を節約できたと報告しています。

  • 継続支払い
    月次サブスクリプションなどの多くの B2B 取引は、繰り返し行われます。多くのビジネスでこのような継続支払いの簡素化が望まれていますが、従来の方法で設定する場合は複雑なプロセスが必要となります。たとえば、ACH ダイレクトデビットの実行前に、まず利用者の口座を確認する必要があり、この作業に時間がかかることがあります。

  • Stripe Financial Connections
    この機能では、ビジネスでの確認プロセスを簡素化し、利用者の銀行口座とのオンライン接続を直接確立できるようにします。そのため、半数以上の Stripe ユーザーが従来の少額入金よりも Financial Connectionsを好んで利用しています。

  • コラボレーションと連携
    Stripe は、グローバルなコミュニケーションプラットフォームである Zoom などのさまざまな企業と連携することで、少額入金につきものの待機時間なしで ACH 経由の支払いを処理できるようにしています。これは、各ビジネスやその開発チームにとって恩恵となります。

Stripe は B2B 決済セクターでの課題に取り組み、具体的な解決策を提供することにより、今後も B2B 決済のプログラム可能性と収益性を高めていきます。

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