これまでビジネスに携わってきて、「API」という用語を聞いたことがあっても、それは技術者やプログラマーのみが使うものだと見なしてきた人がいるかもしれません。API を利用することで、重要な技術を利用できる人を増やし、小売業者による決済の受け付けなど、ビジネスの多くの領域で効果を得られる可能性があります。
ここでは、支払い用 API によって買い物の方法がどのように変わるのか、ビジネスが成長するにつれて、なぜ支払い用 API をよく理解する必要があるのかを説明します。
この記事の内容
- API は何の略語か
- API とは
- 支払い API とは
- 支払い API の仕組み
- 支払い API を利用する業種
- 支払い API の選択方法
- ビジネスの決済で Stripe の API を利用する方法
API は何の略語か
「API」は「application programming interface」の略語です。
API とは
API とは、2 つの異なるソフトウェアをつなぐインターフェイスまたは仲介役です。API を利用すれば、開発者やサイトビルダーは、コードを自分で作成せずに、プラグ&プレイ方式で技術アプリケーションを使用できます。開発者は、既存のサイトや技術製品に API を利用して適用できる機能を検討してから API を実装することにより、その機能を一から構築することなく、短時間で正確に性能を向上させることができます。
自分の好きなブランドまたはソリューションが提供する機能を API を介して活用することで、よりシームレスな連携が可能になり、より良い結果を得られます。(開発者が特定の製品またはサービスに対応するように API を自分でカスタマイズする必要がある場合がまだ多くあります。)API の作成者は、さまざまなプラットフォームと意図した決済手段で、自分の API 技術が一貫して使用されるように、大抵の場合は、開発者への支援と指導を提供しています。
API はとても安定した技術だと考えられています。2020 年の調査によると、過半数の IT 専門家が、API の故障や機能不全はほとんど起こらないので、API がビジネスにとって問題になることはないと回答しています。
支払い API とは
支払い API はオンライン小売業者による支払い管理に役立ちます。支払い API を使用することで、さまざまなオンラインビジネスで整合性、セキュリティ、シームレスな連携を実現できます。変化する規制コンプライアンスルールに対応するための負担も軽減されます。
支払い API の提供者が決済代行業者であっても、ペイメントゲートウェイであっても、目的は同じです。ビジネスによる支払い回収を容易にすることと、利用者による購入を完了させることが、支払い API の目的です。API は、利用者が安心してオンラインで購入できるようにするためのセキュリティ対策の一部にも活用できます。開発者が独自の決済ソリューションを作成した場合や、利用者が金融情報を誤って入力した場合に、発生する可能性があるエラーから、決済代行業者とカード会社を守ることもできます。
無償で使用できる支払い API もあれば、取引 1 件ごとにビジネスに料金を請求するか、サブスクリプションモデルで請求する API もあります。
支払い API の仕組み
支払い API は、小売業者のウェブサイトと、決済に利用する決済代行業者を接続します。決済ネットワークに直に接続しますので、決済機能を別途作成する必要がなくなります。1 回限りの支払いと継続支払いの両方に対応します。API を使用することで、利用者による購入の完了も、ビジネスの拡大も容易になります。ほとんどの支払い API は、高度なカスタマイズが可能で、ほかの決済ソリューションやゲートウェイの支払い API と併用できます。
支払い API を使用している小売業者には、決済時に自動サポートが提供されます。たとえば、利用者の支払い情報が有効かつ最新であることの確認、不正利用取引の検知と防止、取引ステータスと支払い履歴のリアルタイムデータの提供は、支払い API によって自動で行われます。これは、小売業者による決済プロセスの合理化、エラーと不正利用の低減、顧客体験全般の改善に役立ちます。
多くの支払い API には、自動サポートに加えて、小売業者の特定のビジネスニーズ (継続請求やサブスクリプションによる支払いなど) に合わせて決済プロセスをカスタマイズできる機能もあります。支払い API にはリアルタイムのレポート機能もあります。これは、在庫管理や、不正利用の可能性があるカード支払いの処理に便利です。
支払い API は、コードのスニペットを貼り付けるといったシンプルな操作だけで使用できるようになります。ユースケースを利用してカスタマイズできますので、追加のコードライブラリやソフトウェアコンポーネントをインストールする必要はありません。
支払い API を利用する業種
支払い API はすべての業種で利用できます。美容商品からゲーミングアプリまで、あらゆる商品を販売するビジネスなど、オンライン小売業者は API を長年利用してきました。実店舗型のビジネスでも、支払いをオンラインで受け取る際に、支払い API を利用しているところがあります。フリーランサーやコンサルタントといった個人事業主のウェブプロパティには、クライアントが簡単に支払えるように、支払い API が含まれていることが多くなりました。
ウェブサイト企業のテンプレートには支払い API がオプション機能として含まれていることがよくあるため、ビジネスや個人事業主が API を知らずに利用している可能性があります。支払い API はプラグ&プレイできるため、ウェブサイトホスティング企業といったサービスプロバイダーが、独自のソリューションを開発するリソースに投資することなく、決済サービスを簡単に提供できます。
オンラインでの支払いを受け付けたい大抵の人は、支払い API の潜在ユーザーです。
支払い API の選択方法
支払い API の選択肢はいくつもあります。すでに使用しているシステムと技術に対応する API をデプロイできるように、API を事前に調べることで、時間と費用を節約できます。
信頼できる支払い API には以下の特長があります。
- 継続的な技術サポート: サポートスタッフ、よくまとめられていて頻繁に更新されるドキュメントとリソースガイドなど
- API クライアントライブラリ: 普及しているプログラミング言語のコードを切り貼りする機能があることで、コードの仕組みを学習するために多くの時間を費やすことなく、迅速に準備できる
- 安定した稼働時間: 決済サービスを最も必要としているときに、サービス停止を心配せずに済む
- 必要なときの確実で重要な更新
- API キーによるセキュア認証と、その他のアクセス保護対策
- テストの機会: API を自社サイトに導入する前に、サンドボックスなどで試用できる
Stripe の支払い API は、金融と技術の最新標準を考慮して作られていますので、信頼できる安定したサービスネットワークにアクセスして、支払い API のあらゆる効果を得られます。
ビジネスの決済で Stripe の API を利用する方法
EC ストアの何千もの売り手やビジネスが Stripe の安定したネットワークを利用しています。それらの事業者の多くは、取引の安全と簡素化のために、Stripe の支払い API をすでに活用しており、大規模に利用しているところもあります。Stripe は、開発者とサイトビルダーが導入、テスト、カスタマイズを簡単にできるように、明快で詳細なドキュメントを提供しています。
Stripe Payment Links API を使用して支払い用の URL リンクを作成する方法はシンプルです。
- この API を使用して、カスタム支払いページを作成します。このページは、利用者のブラウザー設定に基づいて、30 あまりの言語に自動的に翻訳できます。
- Payment Links 支払いページへのリンクをメール、ソーシャルメディア、ウェブサイトで共有します。
- Google Pay、Apple Pay、クレジットカード、デビットカードなど、対応する 20 あまりの決済手段で、支払いを受け取ります。
- 利用者に決済完了のカスタムページを表示します。そこで、注文とビジネスに関する追加情報や、プロモーションとオファーを提示できます。
- 決済手段など、注文に関する情報を受信し、支払いが完全に処理されたことを確認してから、注文のフルフィルメントを実行できます。(銀行口座からの引き落としには時間がかかることがあります。そのことを利用者に伝えるための決済メッセージを API でカスタマイズできます。)
- Payment links は必要に応じて有効か無効にすることができます。
Stripe を利用していて、商品カタログが (大小にかかわらず) すでにあるビジネスは、Stripe Payment Links API を使用して、すぐに始められます。開発者向けの追加サポートは Stripe のウェブサイトで見つけられます。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。