POS システムの選び方: 事業者が検討すべきこと

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取引がオンラインで行われる場合も、対面で行われる場合も、一貫性のあるユニファイドコマース体験を構築できます。Stripe Terminal は、プラットフォームや大手企業向けの開発者ツール、認証済みのカードリーダー、 iPhone および Android デバイスに対応できる Tap to Pay、クラウドベースのデバイス管理を提供します。

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  1. はじめに
  2. POS システムとは
  3. POS システムが必要になる事業者の種類
  4. POS システムを選ぶ際の考慮事項
    1. ハードウェアの種類
    2. 使いやすさ
    3. 実装と連携
    4. PCI 準拠
    5. POS システムが必要になるタスク
    6. コスト
    7. 拡張性

決済に関連して事業者が下す決定の中でも、POS システムの選択が最重要項目の 1 つであることはほぼ間違いありません。適切な POS ソフトウェアおよびハードウェアを導入すると、貴社の決済プロセスはスムーズで手間のかからないものになるため、売上の拡大や顧客満足度の向上につながります。一方、不適切な POS 環境を選んだ場合は、取引のストレスと非効率を生むため、事業の妨げにもなりかねません。

世界の POS ソフトウェアの市場規模は、2022 年に 119 億 9,000 万ドルに達し、年間成長率は 10% 近くになると予測されています。これだけの市場規模を考慮すると、POS システムの選択肢が圧倒的に多いのも当然です。

ここでは、自社の事業にとって最適な POS システムを選ぶ際に事業者が知っておくべきことと、主な考慮事項をご説明します。

この記事の内容

  • POS システムとは
  • POS システムが必要になる事業者の種類
  • POS システムを選ぶ際の考慮事項

POS システムとは

POS システムとは、事業者が顧客の決済を受け付けるためのハードウェアとソフトウェアです。しかし、POS システムの役割は決済の受け付けにとどまりません。以下をはじめ、その機能は増え続けています。

  • 在庫の更新
  • 売上の追跡
  • キャッシュドロアの管理
  • 領収書の印刷
  • バーコードと QR コードのスキャン
  • 従業員の出退時間の記録
  • 売上とその他の分析に関するレポートの実行
  • 顧客のアカウントと特典の管理

POS システムによっては、全体的にソフトウェアを基盤としていて、物理ハードウェアが含まれていないものもあります。そのようなシステムは主に、対面支払いを受け付けることがないオンライン販売専門の事業者を対象としています。対面支払いを受け付ける POS システムの場合、以下のハードウェアコンポーネントが含まれていることがあります。

  • カードリーダー
  • コネクテッドデバイス
  • キャッシュドロア
  • バーコードスキャナー
  • 領収書プリンター

POS システムでは、売上の処理、各種の決済手段の受け付け、売上データの分析、レポートの生成、顧客データの取得、在庫の追跡、顧客維持率の向上、マーケティング活動の拡充を実施できます。適切な POS システムを選ぶことがきわめて重要である理由は、まさにここにあります。POS システムは、単に取引を処理するだけではなく、事業で重要になるいくつもの処理を担うことができる存在です。

POS システムの種類と仕組みについて、詳細は POS に関する Stripe のガイドをご覧ください。

POS システムが必要になる事業者の種類

とのような事業であるかにかかわらず、顧客から決済を受け付けている場合は POS システムの導入によってメリットを得られますが、現金以外での決済を受け付けている場合は特に不可欠です。

決済を受け付ける事業者は、おそらく何らかの形態の POS システムが必要になりますが、状況は事業者ごとに異なり、鉄則は存在しません。すべての POS システムが同一のコンポーネントや機能を搭載しているわけではないため、自社の事業にとって適切なシステムを見極めるには、社内のニーズを細部までくみ取ることが必要です。

POS システムを選ぶ際の考慮事項

事業についてのあらゆる選択と同様に、適切な POS システムを選ぶにあたっては、ニーズを明確にし、何が可能かを理解し、コストを洗い出し、選択肢を分析して、自社のさまざまな要素に最適なものを決定することになります。ここでは、POS ソリューションを調査する際の考慮事項をご紹介します。

ハードウェアの種類

どのような POS ハードウェアが必要になるかは、事業の運営場所と運営形態によって決まり、ハードウェアが一切必要ない場合もあります。たとえば、実店舗を持たず EC ストアに特化した小売業者であれば、POS 端末は不要ですが、ドライクリーニングチェーンのオーナーである場合は必要です。対面支払いを受け付ける事業者であっても、POS ハードウェアのニーズはさまざまです。たとえば、顧客に家庭内サービスを提供している事業者の場合、出先で決済を受け付けることができるよう、場合によっては従業員用のモバイル POS デバイスが必要です。

使いやすさ

POS システムが魅力的な特長や強力な機能をうたっていても、チームにとって採り入れにくいものであると判明した場合、導入に要する労力がメリットとつり合わないこともあります。POS システムの採用候補を調査する際は、自社の事業で利用できる機能のみに目を向けるのではなく、ユーザー体験を入念に掘り下げて把握しましょう。適切な POS システムを導入すると、事業運営の効率アップにつながります。POS システムによって、新たな負担が自身や社内チームにもたらされるようなことがあってはなりません。

実装と連携

POS システム単体のメリットについて検討するのではなく、社内の既存の環境とどのように連携するのかを考慮します。すでに導入しているソフトウェア、アプリ、その他のソリューションの中で、POS システムとの連携が必要なものはありますか。実環境では、どのように利用することになりますか。たとえば、Stripe Terminal は Stripe Payments、Connect、Billing とシームレスに連携するため、一度導入すると、オンラインとオフラインの売上すべてを一元的管理できます。

PCI 準拠

POS システムは、ペイメントカード業界 (PCI) の規制要件に準拠する機能を備えていることが重要です。これらの要件は、電子決済処理に携わる大規模事業者の団体である PCI セキュリティ基準評議会 によって策定されたもので、消費者によるカード取引に関して、支払いデータの保護および不正利用の防止に関する一連の基準を規定しています。一部の要件には、トークン化と呼ばれるプロセスを使用して、カード保有者の機密情報 (カード番号自体など) を取引プロセス中に非表示にするポイントツーポイント暗号化 (P2PE)が含まれます。Stripe Terminal は P2PE を採用しているほか、PCI 基準に準拠するための機能をすべて備えています。どのような POS システムを検討している場合でも、こうした機能は必須です。

POS システムが必要になるタスク

最新のほとんどの POS システムは、決済を受け付けるという基本機能に加えて、多くの機能を備えていることをアピールしています。POS システムを選ぶプロセスは、事業の運営に関わる業務タスクをすべてリストアップする絶好の機会です。タスクは 3 つのカテゴリーに分類できます。

  • すでに適切なソリューションが導入されているタスク
  • 満足度の低いソリューションが導入されているタスク
  • ソリューションが導入されていないタスク

2 番目と 3 番目のカテゴリーについては、POS システムの導入によって事業で最大限の価値を得られます。出発点として、先ほどリストアップした機能の最終リストを参照してください。おそらく最も重要なのは、在庫の自動更新と請求書の処理に対応していて、オンラインと対面の販売レポートを統合するオムニチャネルのソリューションを提供する POS システムです。もしくは、貴社の差し迫ったニーズに対応するには、まったく別の機能が必要な可能性もあります。目標は、自社の事業で最も重要な機能を理解し、要件に合致するソリューションを見つけることです。

コスト

POS システムに関するニーズと同様に、付随して生じるコストも個々の事業者によって異なります。複数の POS プロバイダーのコストを比較する際は、「必須の機能」と「あると良い機能」の一覧を作成しておくと役立ちます。この段階では、妥協点を見出すことが重要になります。たとえば、40 カ所の店舗で POS 端末を導入する必要があるとします。あるプロバイダーは、大規模展開を進める事業者に有利な価格設定を提示してくれるものの、求める機能の一部が不足しています。別のプロバイダーは高度なカスタマイズと申し分のないカスタマーサービスを提供しているものの、価格が予算を大幅に上回っています。自社の事業に適した POS システムを特定するには、必須のニーズを満たし、なおかつ予算の枠に収まっていることが絶対条件です。Stripe Terminal を含む Stripe の料金体系について、詳細はこちらをご覧ください。

拡張性

決済環境が最適であれば、現時点でのニーズに対応できると同時に、今後の事業拡大に合わせて規模を拡大することも可能です。通例、今後の数カ月および数年間にわたる事業の方向性については、社内ですでに計画が策定されています。貴社が成長して進化しても、役に立ち続ける POS システムを選ぶ必要があります。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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オンラインと対面のどちらにおいても、一貫性のある購入体験を構築することができます。

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