代替決済手段: 事業者が知っておくべきこと

  1. はじめに
  2. 代替決済手段とは
    1. 代替決済手段の歴史
  3. 代替決済手段の種類
  4. 世界で人気の代替決済手段
  5. 代替決済手段を決済方針に組み入れる方法
  6. Stripe で代替決済手段を受け付ける方法
  7. 代替決済手段を提供することのメリット

現在の決済手段には、現金、デビットカード、クレジットカードだけでなく、多くの選択肢があります。代替決済手段について理解しておくことが重要です。代替決済手段とは何でしょうか。「代替決済手段」とは、現金またはカードなしで資金を移動できる決済手段の総称です。

デジタルウォレットといった決済の代替手段を少なくとも一度は使ったことがあるかもしれません。2021 年のグローバルペイメントレポートによると、代替決済手段は、オンライン決済と対面決済ではすでにクレジットカードを抜いて、最も利用されている決済手段になりました。その数字は 2020 年代の半ばまでに大幅に伸びると予想されており、代替決済手段が選ばれる割合は、対面取引で 40% を超え、オンライン購入で 60% 近くに達すると見込まれています。

小売業者とビジネスは、利用者の要求に対応するために、決済の代替手段を受け付ける必要があります。ただし、代替決済手段を受け付けるには、代替決済手段とその仕組みをまず理解する必要があります。代替決済手段について知っておくべきことは以下のとおりです。

この記事の内容

  • 代替決済手段とは
    • 代替決済手段の歴史
  • 代替決済手段の種類
  • 世界で人気の代替決済手段
  • 代替決済手段を決済方針に組み入れる方法
  • Stripe で代替決済手段を受け付ける方法
  • 代替決済手段を提供することのメリット

代替決済手段とは

簡単に言うと、代替決済手段とは、現金、デビットカード、クレジットカードではない、つまり従来の決済手段ではない決済手段です。

具体的に言うと、代替決済手段は、キャッシュレス、カードレスの資金移動手段です。これらは一般的に、現金やカードを持ち歩くことなくお金にアクセスし、送金し、使うことを可能にするテクノロジー主導のソリューションです。

代替決済手段の歴史

資金の利用と支払いのために現在活用されている技術が現れるずっと前から、代替決済手段は存在していました。たとえば、物々交換は代替決済の初期の形態です。最初期の硬貨も代替決済の一形態で、ほとんどの場合は極めて局所で通用され、特定の地域や特定の商人にのみ価値がありました。

お金は徐々に標準化されて、最初は国内通貨になり、次に信用取引が生まれました。それにつれて、お金を利用する手段も標準化されて、現在の従来型決済手段に至りました。しかし、インターネットが成長するにつれて、代替決済手段も成長しました。PayPal のようなサービスでは、ユーザーはデジタルな方法で銀行口座を利用して、現金やカードを使わずに他者に直接送金できるようになりました。これはスマートフォンによって著しく増加し、Insider Intelligence によると、モバイル決済アプリでの送金は 2022 年に 1 兆ドル近くになると予測されるまでになりました。

代替決済手段の種類

ビジネスでは以下の代替決済手段がよく利用されています。

  • デジタルウォレット
    ビジネスと小売業者が最もよく利用している代替決済手段は、デジタルウォレットです。デジタルウォレットでは、現金やカードの実物を持ち歩かなくても送金できます。デジタルウォレットには、ユーザーがスマートフォンを端末にかざすと送金が開始される near-field communication (NFC) 技術が搭載されています。資金やカードのデジタル情報をデジタルウォレットに保存しておいて、取引に使用することができます。Apple Pay、Google Pay、PayPal といったサービスは、このグループに分類されます。

  • 銀行振込
    Automated Clearing House (ACH) 決済銀行振込も、よく利用されている代替決済手段です。これらの手段では、利用者は自分の銀行口座からビジネスへ送金して、取引を完了させることができます。その仕組みはデビットカードに似ていますが、ACH 決済と銀行振込の場合は、口座 A から口座 B への送金にカードの実物を必要としません。

  • 仮想通貨
    仮想通貨は、この 10 年間に普及してきた代替決済手段ですが、必ずしも決済での利用が要因となって普及したわけではありません。大抵このデジタル通貨は、複雑な計算式を用いてマイニングされて、ハードウェアウォレット (別名コールドストレージ)、仮想通貨取引所、またはインターネットに接続されたホットウォレットというサービスで、保管または送金できます。仮想通貨の送金は複雑で、高い手数料がかかることがあります。それが一因で、仮想通貨は取引通貨として大きな支持を得るまでに至っていません。

  • 後払い (BNPL)
    近年大きく成長している代替決済手段が、後払い (BNPL) ソリューションまたは分割払いです。この代替決済手段では、利用者は購入時に全額を支払わなくても、商品を購入できます。通常では、利用者は商品を購入するために複数回の分割払いで取引を完了することができます。無利息で支払いを引き延ばし、クレジットカードを持たない人でもクレジットのように利用できることから、この代替決済手段を選択する利用者が増えています。

世界で人気の代替決済手段

地域固有の代替決済手段を目にする可能性はありますが、世界で利用されている人気の代替決済手段はいくつもあるということに注目すべきです。外国で事業を運営している場合や、外国の利用者を取り込みたい場合は、より多くのオーディエンスにリーチするために、人気のある代替決済手段を認識しておく必要があります。

最も人気のある代替決済手段は Alipay であることはほぼ間違いないでしょう。Alibaba Group が運営するこのデジタルウォレットのユーザー数は 13 億であり、Alipay は世界で最も利用されているデジタルウォレットになっています。中国市場を狙うビジネスが Alipay を受け付けることは不可欠です。

WeChat Pay も、とても人気のある中国のデジタルウォレットです。WeChat Pay は、中国のテクノロジーとエンターテインメントの大手企業 Tencent によって運営されており、何億ものユーザーを擁しています。WeChat Pay はピアツーピアの送金ソリューションとして人気がありますが、多くのビジネスで商品の購入にも利用できます。

PayPal も重要な代替決済手段です。PayPal は国際的に受け入れられており、200 を超える国々での送金が可能です。Venmo (PayPal が所有) や Zelle はアメリカで極めて人気がありますが、外国では運営されていません。

代替決済手段を決済方針に組み入れる方法

現代の利用者に対応するには代替決済手段を提供する必要があります。代替決済手段の人気は高まっています。それどころか、利用者は代替決済手段を利用したいとますます思うようになり、従来の決済手段を副次的な選択肢として扱うようになりますので、事業者はそのことを見越しておく必要があります。

ビジネスはこの変化に対応するために、代替決済手段に対応する決済代行業者と連携して、デジタルウォレット、モバイルウォレット、銀行振込、仮想通貨などの人気サービスを利用した取引を受け付ける必要があります。

Stripe はこれらのすべてのソリューションをビジネスに提供しています。Stripe では、主なカード発行会社の従来のクレジットカードとデビットカードを処理できますし、Alipay や Apple Pay などの人気のモバイルウォレットによる支払いも受け付けることができます。ACH や銀行振込のソリューションにも、Affirm や Klarna といった後払いの支払いにも、仮想通貨であっても対応できます。

Stripe で代替決済手段を受け付ける方法

代替決済手段の人気が高まるにつれて、新たな選択肢が必ず生まれます。Stripe の決済手段を新たに設定するのは簡単ですので、別の業務に時間と労力を集中させながらも、最新の決済手段を提供することができます。

新しい決済手段を申請するには、ダッシュボードで決済の設定を開いてから、追加したい決済手段を選択して、アクセスをリクエストするだけです。加盟店情報の確認後に、承認が完了すると、決済オプションのステータスが「保留中」から「利用資格あり」に変わります。この時点で、ビジネスがその決済手段を受け付けるには、そのステータスを「本番」に変えることができます。

代替決済手段を提供することのメリット

代替決済手段を受け付けることを選択したビジネスには、いくつものメリットがあります。その中でも主なメリットは、利用者が商品を購入して取引を完了できるソリューションの数を増やして、売上を伸ばすことができるということです。世界で普及している決済手段を受け付けることができるようになり、新たな地域に市場を広げることができます。信用履歴が乏しい利用者に後払いソリューションを提供することもできます。決済時の負担を減らして、迅速でシームレスな取引が可能になります。

代替決済手段を受け付けることにより、クレジットカードの高額な手数料を回避して、コストを節約することもできます。クレジットカードの代わりに代替決済手段を利用することを利用者に促すことにより、手数料を減らすことができます。

多くの代替決済手段では、ビジネスと利用者に有益な追加のセキュリティが提供されています。たとえば、デジタルウォレットの場合は、利用者が ID を確認してから取引が完了するようにして、不正利用を減らしています。Apple Pay などでは、バーチャルカードを作成して、カード保有者の本物のカード情報がビジネスに届かないようにしています。これにより、セキュリティ侵害が発生したときに、不正利用のリスクを低減できます。

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