対面取引を行っている企業は、NFC 決済の導入を検討する必要があります。NFC は近年、購入体験で常識になりつつある非接触型の決済手段です。
NFC テクノロジーを利用すると、企業は事業を行う場所に関係なく、シンプルかつスピーディーに顧客から決済を受け付けることができるため、モビリティとセキュリティが高まります。また、急速に人気を高めている決済手段である Apple Pay や Google Pay といったデジタルウォレットとも互換性があります。ある調査によると、2020 年までにデジタルウォレットのユニークユーザー数は全世界で 26 億人を超え、その数は 2025 年までに 44 億人にまで増加すると予測されています。
では、NFC モバイル決済を受け付けて、非接触型の顧客体験を提供するには、どうすればよいでしょうか。
この記事の内容
- NFC 非接触型決済とは
- 非接触型 NFC 決済の仕組み
- 非接触型 NFC 決済を顧客から受け付ける方法
- 非接触型 NFC 決済を顧客から受け付けるメリット
NFC 非接触型決済とは
一部のクレジットカードやモバイルデバイス (スマートフォンやスマートウォッチなど) では、近距離無線通信 (NFC) を使用することで、物理的な接触なしでカードリーダーや決済端末に対し支払いを安全に送信できます。
非接触型 NFC 決済は、パンデミック中に急激に利用が拡大し、すでに上昇傾向にあった普及の流れをさらに加速させました。顧客は非接触型の決済を強く求め、企業はその需要に応えてきました。Raydiant が行った 2021年の調査によると、64% の消費者がクレジットカード決済の「衛生面」を懸念しており、57% は非接触型決済を提供する事業者から購入する可能性の方が高いと回答しました。2021 年、企業の 67% が NFC 決済を受け付ける準備をし、この数字は増加し続けています。
非接触型 NFC 決済の仕組み
NFC 決済の場合、利用者が NFC 対応のデバイスまたはカードを、NFC 機能を備えたカードリーダーまたは決済端末の近くにかざすと実行されます。すばやくタップするか近づけるだけで (通常は数センチ以下)、支払いの詳細が無線で送信され、取引がスピーディーかつ安全に完了します。NFC テクノロジーを使用すると、Apple Pay や Google Pay などあらゆるモバイルウォレットアプリや、「タッチ決済」機能を備えたクレジットカードに対応することができます。
デジタルウォレットを使用して購入の支払いを行う場合、顧客は (顔認証、指紋、PIN コードを使用して) NFC 決済アプリのロックを解除 し、使用する保存済みの決済手段を選択して、デバイスを非接触型カードリーダーまたは決済端末に近づけます。これらの動作は店頭でわずか数秒で完了させることができます。
NFC 対応デバイスと決済用リーダーは、実際のカード番号ではなく、1 回限りの一意のコードを使用して決済データを交換します。この暗号化により、NFC 決済はクレジットカードやデビットカードの磁気ストライプを通す場合よりも安全性が格段に向上します。磁気ストライプにはカード番号のデータが含まれているため、データ侵害やカードの不正利用に対して脆弱です。NFC による取引では、磁気の不正利用リスクを低減するために NFC より前に開発された EMV チップカードと同様のタイプの暗号化が使用されます。
非接触型 NFC 決済を顧客から受け付ける方法
最近のカードリーダーや POS 端末のほとんどは NFC 対応です。これらのデバイスを使用したその他の対面支払いをすでに導入している場合、NFC 決済の受け付けを簡単に開始できる可能性があります。その場合は、決済処理プロバイダーから、既存の決済ハードウェアにおける NFC 決済の仕組みを説明してもらうか、新しいハードウェアにアップグレードする必要があるどうかを教えてもらう必要があります。
ビジネスがまだ初期段階にあり、対面支払いに対応していない場合は、いくつか追加の手順が必要になる場合があります。NFC 非接触型決済 (またはクレジットカードやデビットカードによる決済) に対応するには、まず支払いの処理と、POS およびカード読み取りハードウェアの発行が可能な加盟店サービスプロバイダ―でアカウントを開設し、利用を開始する必要があります。
非接触型 NFC 決済を顧客から受け付けるメリット
対面取引を処理する顧客対応型のビジネスの場合、非接触型 NFC 決済を導入する得られるメリットは大きいでしょう。ここでは、NFC 決済システムのメリットをいくつかご説明します。
スピーディーで簡単
顧客が非接触型決済を好む主な利用は「利便性」です。調査回答者の 47% は、クレジットカードや現金よりも NFC モバイル決済を好む理由として、利便性と迅速性を挙げています。購入の時間が短くなれば、会計をしている買い物客と、さらにその後ろに並んでいるすべての買い物客の顧客体験が全体的に向上します。
広い普及率
たいていの顧客は非接触型決済を強く希望しており、非接触型決済に対応しているかどうかによって、ひいきにする事業者を選択します。Raydiant の調査によると、過去 12 カ月間で、購入者の 80% が非接触型決済を使用し、そのうち 35% は買い物の際にはほぼ必ず非接触型決済を使用したと回答しています。
安全性
クレジットカード番号や顧客名などの機密性の高い情報は、NFC 取引中に暗号化されます。また、非接触型カードリーダーと決済用デバイスの距離が極めて近いため、NFC 取引の処理中に情報を傍受できる可能性は極めて低くなります。決済データを盗もうとする人がいたとしても、暗号化されているため、そのデータを使用するのは困難です。
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