NFC 技術により、企業はいつでもどこでも、迅速かつ安全に顧客からの支払いを受け付けることができます。また、NFC 技術は、Apple Pay や Google Pay といった、急速に人気が高まっているデジタルウォレットとも互換性があります。世界のデジタルウォレット普及率は 2024 年に 52% を超えており、2029 年までにさらに 15.3% 増加すると予測されています。
ここでは、NFC 決済を受け付けて、非接触の顧客体験を提供するために必要なことをご説明します。
目次
- 非接触型 NFC 決済とは
- 非接触型 NFC 決済の仕組み
- 非接触型 NFC 決済を顧客から受け付ける方法
- 非接触型 NFC 決済を顧客から受け付けるメリット
- NFC 決済のセキュリティ対策
- Stripe Payments でできること
非接触型 NFC 決済とは
非接触型 NFC 決済は、近距離無線通信 (NFC) 技術を利用して、暗号化された支払いデータをクレジットカードやスマートフォン、スマートウォッチなどのモバイル端末から、カードリーダーや決済端末に、両者を物理的に接触させずに送信します。Android と iPhone が NFC に対応しています。
新型コロナウイルスのパンデミックにより、非接触型決済の トレンド が高まり、企業はこの種の決済に対する顧客の需要に応え続けています。
非接触型 NFC 決済の仕組み
NFC 決済を行うには、顧客が NFC 対応のカードやデバイスを、同じく NFC 機能を持つ カードリーダー や決済端末に近づけます。その仕組みは次のとおりです。
- 顧客がカード、スマートフォン、スマートウォッチを NFC 機能を備えたカードリーダーまたは決済端末に近づける。
- デバイス内の NFC チップが暗号化された支払い情報を端末に送信する。
- 決済端末が支払いを処理し、NFC デバイスに確認を返す。
支払いの詳細は無線周波数で送信されるため、取引は迅速かつ安全に完了します。NFC 技術は、Apple Pay や Google Pay といったデジタルウォレットと、タッチ決済オプションを備えたクレジットカードにも使われています。
顧客がデジタルウォレットを使用して支払いを行う場合、顔認証、指紋認証、PIN コードを使用してウォレットアプリのロックを解除し、アプリに保存されている決済手段を選択して、デバイスをカードリーダーまたは決済端末に近づけます。これらの操作は店頭でわずか数秒で完了させることができます。
NFC 対応のデバイスと決済リーダーは、カード番号ではなく固有の使い捨てコードを使用して支払いデータをやり取りします。この暗号化のおかげで、NFC 決済はクレジットカードやデビットカードの磁気ストライプをスワイプするよりもはるかに安全です。磁気ストライプにはカード番号のデータが含まれているため、データの漏洩や不正利用に対して脆弱です。NFC 決済では、不正利用のリスクを低減するために NFC より前に開発された EMV チップカードと同様の暗号化方式を採用しています。
非接触型 NFC 決済を顧客から受け付ける方法
最新のクレジットカードリーダーや POS 端末のほとんどは、すでに NFC に対応しています。これらの端末を使用して他の対面決済を受け付けている場合、NFC 決済の導入は簡単にできる可能性があります。その場合、決済処理業者に問い合わせれば、既存の決済ハードウェアにおける NFC 決済の仕組みや、新しいハードウェアにアップグレードする必要があるどうかを教えてもらうことができます。
まだ開業したばかりで対面決済に対応していない場合は、いくつか追加の手順が必要です。NFC 決済、またはクレジットカードやデビットカードによる決済に対応するには、まず 加盟店アカウントを開設し、加盟店サービス業者と契約を開始 する必要があります。加盟店サービス業者は決済処理を行い、POS 端末やカードリーダーを提供してくれます。
非接触型 NFC 決済を顧客から受け付けるメリット
対面取引を処理する顧客向けビジネスの場合、NFC 非接触型決済を導入する得られるメリットは大きいでしょう。ここでは、NFC決済のメリットをご紹介します。
スピーディーで簡単
非接触型決済を使用する最大のメリットは利便性です。カード、スマートフォン、スマートウォッチをかざす時間は、通常、IC チップカードを挿入する時間よりも短くなります。決済が迅速に終わることで、支払いを行う顧客だけでなくその後に並んでいるすべての顧客にとっても、総合的に顧客体験が向上します。
高い普及率
多くの顧客は非接触型決済を好み、それが利用できるかどうかでどの店を利用するか決めているほどです。たとえばイギリスでは、2023 年に 100 ポンド以下の 店舗取引のうち 93.4% が非接触型決済でした。85 ~ 95 歳という高齢の顧客でも大多数が非接触型決済を利用しています。
NFC 決済のセキュリティ対策
NFC 決済には、不正取引を防止 するためのセキュリティ機能が組み込まれています。この決済方法の主なセキュリティ対策は次のとおりです。
暗号化: NFC 決済のデータは送信中に暗号化されるため、データを傍受しても読み取れないようになっています。
トークン化: カード番号などの重要な支払い情報は一意のトークンに置き換えられるため、元の番号まで追跡することができないようになっています。
2 段階認証 (2FA): スマートフォンやスマートウォッチを使用して行われる NFC 決済では、通常、パスコード、指紋認証、または顔認証で 2FA を行い、適切な人物が取引していることを確認します。
Secure Elements: モバイルデバイスは、決済情報をセキュアチップやメインのオペレーティングシステムから隔離されたトラステッド実行環境に保管します。これにより、誰かがデバイスに不正アクセスしても、機密性の高い決済情報は保護されます。
取引制限: カードや端末が盗まれた場合に大規模な不正取引が行われるのを防ぐために、多くの銀行や金融機関は 1 日あたりの NFC 取引に限度額を設けています。
Stripe Payments でできること
Stripe Payments は統合型のグローバル決済ソリューションです。成長中のスタートアップから大企業まで、あらゆるビジネスがオンライン、対面、世界各地でスムーズに決済を受け付けることができます。
Stripe Payments は以下のような場面でお役に立ちます。
- 決済体験の最適化: 構築済みの決済 UI、100 種類以上の決済手段へのアクセス、Stripe が構築したウォレットである Link により、スムーズな顧客体験を実現し、エンジニアリングの工数を何千時間単位で節約できます。
- 新市場への迅速な展開: 195 か国、135 以上の通貨で利用可能な国際決済オプションにより、世界中の顧客にリーチし、多通貨管理の複雑性とコストを軽減できます。
- 対面とオンライン決済の統合: オンラインと対面チャネルにまたがるユニファイドコマース体験を構築し、顧客ごとの接点全体で最適化された体験を提供し、ロイヤルティを高め、収益を伸ばすことができます。
- 決済パフォーマンスの向上: ノーコードの不正利用防止機能や承認率向上のための高度な機能を含む、カスタマイズ可能で設定が簡単な各種決済ツールにより、収益を増加させます。
- 柔軟で信頼性の高いプラットフォームによる迅速な成長: 99.999% の稼働率と業界トップクラスの信頼性を備え、スケールに合わせて拡張可能なプラットフォーム上で構築できます。
Stripe Payments のオンラインおよび対面決済がビジネスにどのように役立つかについて知りたい場合、もしくは 今すぐ始める場合はこちら をご覧ください。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。