事業の成長につながるオンライン決済: 事業者が知っておくべきこと

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Shopify や DoorDash など、世界有数のプラットフォームやマーケットプレイスも Stripe Connect を利用して決済を自社プロダクトに導入しています。

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  1. はじめに
  2. 埋め込み型決済とは
  3. 埋め込み型決済の仕組み
    1. 従来のペイメントファシリテーターモデルによる埋め込み型決済機能の導入
    2. サービスとしてのペイメントファシリテーターモデルによる埋め込み型決済機能の導入
  4. 埋め込み型決済のメリット
  5. 埋め込み型の決済システムを収益化する方法
  6. Stripe の埋め込み型決済ソリューション

効率的で高機能な決済ソリューションをプラットフォームに導入すると、高まる市場のニーズに対応できます。McKinsey は、2025 年までに世界の全経済活動の 30% がプラットフォームを介して行われると予測しています。IDC Financial Insights のレポートでは、2030 年までには世界中の消費者が行うデジタル決済の 74% を金融機関以外のプラットフォームが処理するようになると予測しています。

こうした傾向の要因は、デジタルプラットフォームが自社のウェブサイトやモバイルアプリに決済機能を直接導入できるようになり、これまでのように、外部のペイメントゲートウェイに購入者をリダイレクトする必要がなくなったことにあります。製品体験に購入体験をシームレスに統合すると、少しの投資で効果的に利益を獲得できる可能性があります。埋め込み型の決済システムは、顧客体験の向上や顧客維持に役立つだけでなく、収益成長も加速させます。

埋め込み型の決済に関して知っておくべきことと、その仕組み、ビジネスにとってのメリットをご紹介します。

この記事の内容

  • 埋め込み型決済とは
  • 埋め込み型決済の仕組み
    • 従来型のペイメントファシリテーターモデル
    • サービスとしてのペイメントファシリテーターモデル
  • 埋め込み型決済のメリット
  • 埋め込み型決済を収益化する方法
  • Stripe の埋め込み型決済ソリューション

埋め込み型決済とは

埋め込み型決済とは、SaaS 企業の製品にネイティブに導入される決済ソリューションを指す言葉です。埋め込み型決済システムはプラットフォームが自社で直接構築してメンテナンスすることも可能ですが、たいていは、プラットフォームやマーケットプレイスがサードパーティープロバイダーから調達する経費用カード、ローン、金融口座といった埋め込み型金融ソリューションに含まれています。埋め込み型の決済機能を導入すると、購入者がプラットフォームのウェブサイトやモバイルアプリを離れずに取引を完了できるため、決済体験の利便性が向上します。

埋め込み型決済の仕組み

テクノロジーを基盤としたプラットフォームの場合、埋め込み型決済機能は、自社単独で導入する、またはサードパーティープロバイダーを利用して導入するという 2 通りの方法のいずれかで導入します。

従来のペイメントファシリテーターモデルによる埋め込み型決済機能の導入

自社で決済機能を導入する場合に従来から行われている方法は、ペイメントゲートウェイまたは決済処理機能をプラットフォームに導入して、プラットフォーム内でシームレスな取引を実行するというものです。要するに、プラットフォームがペイメントファシリテーターになるのです。この方法によって自社で決済機能を導入すると、かなりの金額の初期費用と継続的なコストが発生するだけでなく、セキュリティと法令遵守に関する重大な懸念も生じます。

ペイメントゲートウェイは、プラットフォームと購入者の銀行の間を取り持つ仲介業者として機能し、取引情報の安全な送信と、資金のスムーズな移動を実現します。場合によっては、今後の取引で購入を素早く完了できるように、プラットフォームが購入者の決済情報を保存することもあります。具体的な導入方法や内容はプラットフォームや利用するペイメントゲートウェイによって異なりますが、全体的な目的は、プラットフォームとユーザーの双方にスムーズで安全な決済体験を提供することです。

  • 決済フォームの導入
    埋め込み型の決済機能を導入するには、まずプラットフォームのウェブサイトまたはモバイルアプリに決済フォームを導入します。このフォームには通常、購入者のクレジットカードやデビットカードの情報、取引に必要な請求先住所や配送先住所などの情報を入力するフィールドが含まれます。

  • 安全なデータ転送
    購入者が決済情報を入力したら、プラットフォームは安全なデータ転送方法を使用して、その情報を決済代行業者に送信します。その際、購入者の機密情報が不正に傍受されないように、通常は Secure Sockets Layer (SSL) または Transport Layer Security (TLS) 暗号化を使用して送信します。

  • 決済処理
    その後、決済代行業者が決済情報を確認して処理します。たとえば、不正利用をチェックしたり、取引を行うのに十分な残高が購入者にあるかを確認したりします。次に、決済代行業者が取引の結果をプラットフォームに返します。この情報は購入者の注文ステータスの更新と、確認メッセージの表示に使用できます。

  • トークン化
    一部のプラットフォームとマーケットプレイスは、セキュリティを強化するためにトークン化を使用しています。トークン化とは、機密データを、今後の取引で使用できる固有のトークンに置き換える処理です。こうすることで、プラットフォームやマーケットプレイスはインターネットを介して機密データを送信することなく、決済情報を安全に保管できます。

  • ペイメントゲートウェイの導入
    場合によっては、プラットフォームやマーケットプレイスをペイメントゲートウェイと連携させることがあります。ペイメントゲートウェイは、プラットフォームと決済代行業者の間を取り持つ仲介業者として機能します。ペイメントゲートウェイは、継続支払いと請求書発行に対応したり、複数の形態の決済を受け付けるなどの、追加機能を提供できます。

サービスとしてのペイメントファシリテーターモデルによる埋め込み型決済機能の導入

ペイメントファシリテーターになって埋め込み型金融インフラを構築するには、相当なコストとリスクが生じるため、サービスとしてのペイメントファシリテーターを検討するプラットフォームが増えています。埋め込み型決済のすべてのメリットを、導入が簡単で素早い展開が可能な、コスト効率に優れた方法で提供してくれます。

このモデルでは、埋め込み型決済やその他の金融サービスを支援するサードパーティーのプロバイダーを利用します。そのため、企業はこれらのサービスを運営するために必要なインフラを自社で構築してメンテナンスする必要がありません。

埋め込み型決済のメリット

埋め込み型の決済システムではさまざまなメリットが得られます。

  • 既存の売上を増加
    埋め込み型の決済機能を導入すると決済体験の利便性が高まるため、購入完了率が向上し、プラットフォームの売上が増える可能性があります。また、顧客体験がはるかに向上するため、プラットフォームやマーケットプレイスにとって重要な差別化要因にもなり得ます。

  • 新たな収入源
    埋め込み型の決済システムでは、既存の収入源が増えるだけでなく、取引手数料、マークアップやレベニューシェア、さらには即時入金、対面支払い、融資などの新規事業を導入できるため、新たな収入源を獲得できます。

  • 顧客体験を細かく管理
    埋め込み型の決済システムでは、ウェブサイトやモバイルアプリに直接、ネイティブ決済処理の機能を取り入れることができるため、プラットフォームやマーケットプレイスは最適な顧客体験をさらに細かく調整して提供できます。

  • トラブルシューティングを効率化
    決済のさまざまな側面に対応するために複数のサードパーティープロバイダーを利用している場合、問題が発生したときに、障害がいつになっても解消されず、待ち時間にイライラするような事態になりかねません。社内に決済機能を導入すると、購入者が直面している問題に対応する際に外部のベンダーに連絡する余計な手間がかからず、問題をスピーディーに解決できます。

  • 低コストでスピーディーな導入
    埋め込み型の決済システムを利用すると、企業は社内でインフラの構築に相当の時間とコストを費やさなくても、ネイティブ決済機能を導入するというメリットを得ることができます。たとえば、Stripe Connect を使用すると、グローバルに一度導入するだけですぐに本番環境へ移行でき、運用の複雑さや開発リソースを最小限に抑えることができます。

  • 購入完了率が向上
    顧客体験を向上させるとカゴ落ちが減り、取引の完了件数が増えます。直販小売業者の場合は売上が増加し、プラットフォームやマーケットプレイスの場合はユーザーの満足度とロイヤルティが向上します。

  • 拡張性が向上
    埋め込み型の決済システムを導入すると、プラットフォームとマーケットプレイスは既存市場と新規市場の両方でグローバルに事業規模を拡大するうえで、さらに優位に立つことができます。Connect では一度の導入で 135 種類を超える通貨と地域固有の決済手段に対応できるため、企業はグローバル決済プラットフォームを利用して世界中のより多くの顧客にリーチできるようになります。

  • 法令遵守の取り組みを効率化
    ペイメントファシリテーションに関する要件は国やビジネスモデル、取引タイプによって異なります。Stripe が法令遵守、事業免許の取得、カードネットワークのルールに関する複雑な作業への対応をお手伝いしますので、貴社はスピーディーに事業を拡大し、作業にかかる余分な時間を削減することができます。Stripe Connect は、決済に関する最新の法令遵守要件を満たせるように自動更新されます。貴社の構築済みのシステムを変更する必要は一切ありません。

  • データの増加と分析力の向上
    埋め込み型の決済システムを導入すると、買い物客の購入習慣、不正利用の検出、購入者や商品に関する幅広いインサイト (季節性、市場や顧客セグメントの好みなど) に関する実用的なデータとインサイトを大量に取得できます。埋め込み型の決済システムを通じて収集されたデータとインサイトを活用すると、データに基づいた製品開発、およびサービスの最適化と改善を強化し、成功の倍増と弱点の克服の機会を把握するのに役立ちます。

  • スムーズなアカウント登録
    Connect を利用した埋め込み型の決済システムには、アカウント登録を含めた総合的な決済体験がすべて含まれています。Stripe ユーザーは構築済み・最適化済みの UI か、カスタムで構築したアカウント登録フローを利用できるため、プラットフォームとマーケットプレイスはユーザーに素早く利用を開始してもらえます。Stripe は決済での本人確認の義務にも対応し、決済関連の法令を遵守するためのその他の要件も満たせるように支援します。

  • 統合決済管理
    Connect を利用した埋め込み型の決済システムでは、企業が多くの重要な財務業務に対応できるように、取引を追跡して管理する包括的な機能が提供されます。Stripe を通じて過去の取引をすべて記録できるため、決済の追跡と照合、返金、カスタムレポートの構築、納税申告書の生成、送金を簡単に実行することが可能です。また、アメリカでは、Connect は総収益を追跡する機能、および 1099 申告書を自動生成して送信する機能を提供しています。

埋め込み型の決済システムを収益化する方法

各企業に最も適した収益化戦略は、それぞれの顧客基盤、ビジネスモデル、成長と事業拡大に関連する目標によって異なりますが、埋め込み型の決済システムでは売上を増やせる効果が期待できます。プラットフォームが埋め込み型決済により売上を増やす方法をいくつかご紹介します。

  • 取引手数料
    プラットフォームは、埋め込み型の決済システムを通じて行われた各決済に対して、取引額の一定割合または定額で少額の手数料を請求できます。この方法では、サブ加盟店や利用者は初期費用を一切支払う必要がなく、導入も楽なので、埋め込み型の決済システムを収益化する手段として最もよく利用されています。

  • サブスクリプション手数料
    埋め込み型決済システムの利用料として月間または年間のサブスクリプション手数料を設け、高度な分析機能、不正利用の検出、カスタマーサポートなどの追加機能を手数料に含めることができます。この方法が最も適しているのは、利用者数が多いプラットフォームやマーケットプレイス、あるいは決済システムの堅牢化を求めている企業です。

  • プレミアム機能
    プラットフォームは、利用者に追加の手数料を支払っていただくことを条件として、継続支払いと請求書発行に対応したり、複数の形態の決済を受け付けるなどの、追加機能を提供できます。繰り返しになりますが、どの企業にも合う万能な戦略はありません。提供するプレミアム機能は、プラットフォーム利用者の固有のニーズによって変わります。

  • インターチェンジフィー
    プラットフォームは、インターチェンジフィーを請求するという方法でも埋め込み型の決済システムを収益化できます。インターチェンジフィーとは、企業がクレジットカードやデビットカードの決済を受け付けるためにカード発行会社に支払う手数料です。取引総額に対する一定割合で請求されるもので、取引に使用されたカードの種類、カード受付方法のタイプ (カード提示ありかなしか) によって異なります。

  • データと分析
    埋め込み型の決済システムを導入すると、プラットフォームは決済の傾向や購入者の行動に関する非常に価値あるデータにアクセスできるようになります。このデータはプラットフォーム自身が製品開発からマーケティング戦略まであらゆることを判断する際に情報源として利用できるだけでなく、企業にも、追加手数料を支払っていただくことを条件として、購入者に関するインサイトを提供できます。たとえば、顧客の購入パターン、不正利用の検出、売上と季節性などのインサイトが含まれます。

Stripe の埋め込み型決済ソリューション

Stripe は埋め込み型の決済機能を利用するプラットフォームが成長できるよう、効率化、コスト削減、シンプルな初期導入、高度なカスタマイズ性と拡張性を重視しています。Stripe のコア決済ソリューションである Connect を利用すると、プラットフォームは自社のプラットフォーム内で 35 カ国以上のユーザーが決済を受け付け、数分で入金を受け取れる仕組みを簡単かつ柔軟に構築できます。

埋め込み型の決済システムを導入するためのインフラを自社で構築して管理すると、多額の費用がかかり、多大なリスクも生じます。Connect は Stripe の他の埋め込み型金融ソリューションと組み合わせて使用されることが多く、プラットフォームは社内であらゆるものを構築する負担や責任を負うことなく、埋め込み型決済の恩恵を受けることができます。さらに、Connect は各地の決済に関する規制に自動的に対応するほか、銀行情報の収集、本人確認の要件を満たすための身分証明書の確認といった埋め込み型決済で発生する重要な問題を解決します。

Stripe がプラットフォームの差別化や短期間での売上アップにどう役立つのかについて、詳細はこちらをご覧ください。利用を開始するには、Stripe の営業チームにご連絡ください

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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