Diners Club International は、元々 Diners Club として 1950 年に創業された支払いカード会社です。世界初の独立系ペイメントカード事業者であり、クレジットカード専業会社という概念を生み出したことで知られます。2008 年に、Discover Financial Services が Diners Club International を Citibank から買収し、その買収価格は 1 億 6,500 万ドルに上りました。この買収によってディスカバーネットワークとダイナースクラブネットワークが統合され、グローバルな決済処理システムが誕生しました。
ダイナースクラブのカード保有者は、旅行代金や交際費の支払いにカードを利用できます。このカードの仕組みは他のクレジットカードとほぼ同じです。カード保有者に与信枠が設定され、カードを使ってさまざまな事業者から購入できます。ただし、従来のクレジットカードと異なる点もあります。ダイナースクラブは多くの場合、カード保有者に対して、利子を払いながら残高を繰り越すのではなく、毎月完済することを求めます。
ダイナースクラブは旅行業界や飲食業界との提携において独自の歴史を持ちますが、サービスを徐々に拡大し、幅広い支払いに対応するようになりました。また、会員に空港ラウンジの利用権やその他の旅行関連の特典も提供しています。
ダイナースクラブのカードは世界中で利用できますが、Visa や Mastercard と比べると利用できる加盟店は限られています。ダイナースクラブは高級路線を歩むことで、自らを旅行頻度の多い人や経営者向けのプレミアムカードとして位置付けています。事業者の場合、ダイナースクラブカードを受け付けることで、旅行や飲食において平均よりも支出額の多い利用者を引きつけることができますが、これらのカードを受け付ける場合の取引手数料は他のクレジットカードネットワークとは異なる可能性があるため、きちんと認識しておく必要があります。
この記事では、ダイナースクラブが利用されている地域と利用方法、カードに関連する費用と手数料など、ダイナースクラブを決済手段として導入する際に事業者が知っておくべきことをご紹介します。
この記事の内容
- ダイナースクラブが利用されている地域
- ダイナースクラブの利用者
- ダイナースクラブの仕組み
- ダイナースクラブを受け付けるメリット
- ダイナースクラブのセキュリティ対策
- ダイナースクラブを決済手段として受け付ける方法
- ダイナースクラブに代わる選択肢
ダイナースクラブが利用されている地域
ダイナースクラブは世界のクレジットカード市場にすばやく適応し、地域のトレンドや利用者の動向に合うサービスを提供しています。ダイナースクラブの受け入れは、200 を超える国と地域に広がっています。この記事では、ダイナースクラブを利用できる世界のさまざまな市場を大まかにご紹介します。
北米
コーポレートカードとして大きな存在感を発揮: アメリカでは、ダイナースクラブの取引の大部分がコーポレートカードで行われているため、結果的に強固なビジネス旅行産業を取り込む形となっています。このカードはビジネス旅行者やその従業員のニーズに応えており、ダイナースクラブがこの層を重視していることを示しています。
Visa、Mastercard との競合: ダイナースクラブは北米において、特に Visa や Mastercard との激しい競争に直面しています。競争力を維持するために、ダイナースクラブは高級旅行ブランドと提携して、空港ラウンジの独占的な利用権を提供し、大手競合他社との差別化を図る付加価値サービスを提供することを目指しています。
ヨーロッパ
確立された市場: ダイナースクラブのヨーロッパ全体での市場シェアは 1% 未満ですが、ドイツ、フランス、イタリアではかなりのシェアを獲得しています。同社はこれらの国の中小規模の事業者を重視しており、そのことから、大手クレジットカードネットワークのサービスが及ばない顧客セグメントをターゲットにしていることがわかります。
東欧での課題: 東欧では地域固有のカードネットワークがあり、規制が変化しているため、ダイナースクラブは大きな課題に直面しています。同社はさまざまな提携や、現地市場のニーズに合わせてカスタマイズしたソリューションの開発を通して、これらの課題に取り組んでいます。
アジア
成長の原動力: 旅行や高級品への支出が急増している中国では、ダイナースクラブはペイメントプロバイダーの Allinpay と提携して、シェアを拡大しています。この提携により、ダイナースクラブは成長著しい中国の広大なカード市場に参入しました。
文化を考慮: 非接触型決済が好まれる傾向が強い日本では、ダイナースクラブはモバイルソリューションに重点を置いています。
中南米
ブラジルの銀行口座を持たない人々: ダイナースクラブは 50 年以上にわたってブラジルで事業を行っており、2015 年に地域の決済ブランド Elo と提携したことでリーチ拡大につながりました。
不安定なアルゼンチン経済: アルゼンチンでは経済危機が続いているため、カードの利用状況が変動しています。ダイナースクラブはこの地域の経済の現状に対応するために、柔軟な決済オプションの提供や現地の事業者との提携を通じて、アルゼンチン市場でのプレゼンス維持に取り組んでいます。
その他の市場
- 中東・アフリカ: アラブ首長国連邦では、ダイナースクラブは上質な旅行やホスピタリティにフォーカスして、支出額の多い利用者向けにサービスを提供しています。アフリカでは、ダイナースクラブのプレゼンスを高めるためにモバイル決済パートナーと提携することが重要です。
市場動向
出張旅行の増加: 世界の出張旅行市場は 2020 年から 2028 年の間に 188% 成長すると予測されており、ダイナースクラブはこのブームの恩恵を受ける有利な立場にあります。
非接触型決済への移行: 世界の非接触型決済業界は 2032 年までに 12 兆 5,000 億ドルを生み出すと予想されています。ダイナースクラブは非接触型決済におけるこの世界的なトレンドに適切に対応してきました。
地域事業者との提携の重要性: 中国やブラジルなどの国の現地事業者と提携して新規ビジネスを獲得することによって、ダイナースクラブは世界でのシェア拡大において局地的なアプローチが効果的であることを実証しています。
ダイナースクラブの利用者
ダイナースクラブは世界の決済市場で主要な地位を確立してはいないものの、非常に多様な顧客基盤を獲得しています。ダイナースクラブのカードを利用できる加盟店は 5,000 万店以上、ATM は世界中で 100 万台以上に上ります。ここでは、ダイナースクラブを利用する業種と顧客セグメントについてさらに詳しくご紹介します。
企業
旅行・ホスピタリティ: 旅行・ホスピタリティ業界ではダイナースクラブの取引が広く利用されています。出張やレジャーで頻繁に旅行する人々を引きつけるために、航空会社、ホテル、レンタカー、空港ラウンジはダイナースクラブと提携して、ポイントや割引などの限定特典を提供しています。
中規模・大規模企業: ダイナースクラブがカードを発行する相手は、中規模と大規模の企業がほとんどです。このような企業はダイナースクラブの経費管理ツールや旅行特典が役立つと感じており、会社の支出のスリム化や従業員の出張体験の向上にもつながります。
出張の頻度が高い人: ダイナースクラブカードの保有者の多くは年に何度も出張します。こうした人たちは、ダイナースクラブカードが世界中で受け入れられ、空港ラウンジを利用でき、旅行保険オプションも提供されるというメリットを享受しています。
富裕層の利用者: ダイナースクラブカードの保有者の多くは、高所得者層に該当します。同カードのプレミアムリワードプログラムや、独占提携、高級ブランドを中心とする方針は、この層の支出傾向や好みにマッチしています。
テクノロジーに精通しているミレニアル世代: このカードのモバイル決済オプションとデジタルウォレットは、テクノロジーに精通している若い世代の心もつかめる可能性があります。
企業の経費管理: ダイナースクラブのコーポレートカードを保有する企業は、旅行や交際費の支払いに同社のカードを使用しています。取引の追跡が簡単で、経費報告機能もあるため、企業の経費管理を効率化できます。
クロスボーダー取引: ダイナースクラブは 200 を超える国と地域で利用できるため、国外出張やオンライン購入に便利です。
リワードと特典: ダイナースクラブカードの保有者はリワードプログラムに積極的に参加しており、ポイントを旅行、商品、ギフトカードなどと交換しています。
空港ラウンジの利用権: ダイナースクラブカードの保有者は、世界各国の 1,300 カ所以上の空港ラウンジを利用できます。出張や旅行が多く、快適で便利に過ごしたい人には価値ある特典です。
その他の考慮事項
ダイナースクラブは、特定のニーズや支出傾向に合うカードのラインナップを幅広く提供しています。たとえば、ダイナースクラブブラッククレジットカードは富裕層向けのカードであり、限定特典やリワードを提供しています。ダイナースクラブカードを利用できるオンライン小売業者や E コマースプラットフォームも増えているため、オンラインショッピングを好む利用者を引きつけています。ダイナースクラブはブランドや企業との提携・コラボレーションに力を入れており、それがリーチ拡大に役立っています。
ダイナースクラブの仕組み
ダイナースクラブの仕組みは他の大手クレジットカード会社と同様ですが、処理は同一ではありません。ダイナースクラブの仕組みと事業者や利用者に提供しているサービスを簡単に紹介します。
利用者向け
カード発行: ダイナースクラブが金融機関と提携し、個人や企業にカードを発行します。申し込み手続きは他のクレジットカードと同様で、個人の状況に基づいて信用力チェックと承認が行われます。
取引プロセス: 利用者が加盟店でダイナースクラブカードを利用すると、取引の詳細がダイナースクラブネットワークを通じて送信されます。利用者にリアルタイムで通知が届き、所定の期間内に加盟店アカウントに入金されます。
売上処理と請求: ダイナースクラブは契約に応じて、事業者との取引を日次または週次で決済します。利用者には請求額と適用される手数料を記載した月間利用明細書が届きます。
リワードと特典: ダイナースクラブはさまざまなリワードプログラムを提供しており、その多くは旅行やエンターテインメントの支出に関連したものです。カード保有者はポイントを航空券やホテル宿泊、商品、ギフトカードと交換できます。また、カードによっては空港ラウンジの利用権や旅行保険などの限定特典もあります。
事業者向け
加盟店のアカウント登録: 事業者はダイナースクラブに直接、または決済代行業者を通じて、ダイナースクラブカードを受け付けるための申請手続きを行うことができます。この手続きでは、加盟店アカウントの開設やダイナースクラブの利用規約への同意が必要です。
取引処理: 利用者がダイナースクラブで決済すると、事業者に取引の詳細が届き、所定の期間内に売上が入金されます。事業者は安全なオンラインポータルから詳細なレポートと取引履歴にアクセスできます。
決済処理手数料: ダイナースクラブは決済処理に対して、定額または取引額の一定の割合に相当する手数料を請求します。具体的な手数料は、事業者の業種、取引額、交渉した合意内容によって異なる場合があります。
チャージバック保証: ダイナースクラブは、不正取引や利用者からの不審請求の申請が発生した場合に備えて、事業者にチャージバック保証を提供しています。この保証によって、事業者は起こり得る損失を軽減できます。
ビジネスソリューション: ダイナースクラブはさまざまなビジネスソリューションを提供しています。たとえば、経費管理ツール、安全なオンライン取引を行うためのバーチャルカード番号、B2B 取引用の請求書支払いソリューションなどが付属したコーポレートカードプログラムなどがあります。
主な特徴
世界中で利用可能: 世界中の事業者で構成される広範なネットワークがダイナースクラブを受け付けているため、利用者は柔軟に利用でき、事業者のリーチも広がります。
旅行・エンターテインメントを重視: ダイナースクラブのリワードや提携は頻繁に旅行する人や支出額の多い利用者を対象にしているため、このカードを受け付けている事業者は特定の顧客セグメントにリーチできます。
コーポレートカードソリューション: ダイナースクラブのコーポレートカードプログラムと経費管理ツールは中規模・大規模企業のニーズに対応しており、利便性が高く、従業員の支出を管理できます。
提携・コラボレーション: ダイナースクラブは航空会社、ホテル、その他のブランドと提携して、利用者と事業者の双方に追加特典を提供しています。
課題と考慮事項
市場シェアが低い: Visa や Mastercard と比べると、ダイナースクラブの市場シェアは低く、利用できる場所が限られる可能性があります。
加盟店の手数料が高い: ダイナースクラブの加盟店手数料は他のネットワークよりも高額な場合があります。そのため、カードの受け付けをためらう事業者もいます。
地域差が大きい: 普及度や利用パターンが地域や市場によって大きく異なります。
ダイナースクラブを受け付けるメリット
ダイナースクラブを受け付けると、事業者は他のクレジットカードと同様に、詳細な利用者分析、便利な決済体験、高度なセキュリティなど多くのメリットを得ることができます。そのうえ、ダイナースクラブは他社にはない次のような利点を提供しています。
他の市場への参入: ダイナースクラブは旅行、ホスピタリティ、エンターテインメントなど特定の業界で確固たる存在感を示しています。事業者がダイナースクラブと提携すれば、支出額の多い利用者にさらに効果的にリーチできます。ダイナースクラブカードの保有者は富裕層向けの体験やプレミアムなサービスを求めることが多いため、ダイナースクラブとの提携は、これらの業界の事業者にとって特に価値があります。
地域ごとの差異を考慮したグローバルネットワーク: ダイナースクラブは広範なグローバルネットワークを持ち、地域限定のカードネットワークよりも広い範囲にリーチできます。さらに、ダイナースクラブは地域ごとの微妙な差異を把握しており、各市場で成功を収めるために、関連性の高いブランドやサービスプロバイダーと提携しています。そのため、事業者は現地市場のトレンドと好みを上手に活用できます。
コーポレートカードと経費管理に注力: ダイナースクラブはコーポレートカードソリューションに大いに力を入れており、経費管理ツールやレポート機能を幅広く提供しています。これは経費の追跡や出張に関して複雑なニーズがある中規模・大規模企業には特に役立ちます。
戦略的な提携・コラボレーション: ダイナースクラブは航空会社、ホテル、レンタカーなどのブランドと提携しています。このような提携によって、事業者は限定特典や利用者に対するプロモーションの機会を得ることができます。これは、新規顧客の獲得、顧客ロイヤルティの向上、競合他社との差別化を図るうえで効果的な手段となり得ます。
柔軟な請求・売上処理オプション: ダイナースクラブは一括請求や柔軟な売上処理サイクルなど、請求と売上処理のさまざまなオプションを提供しています。そのため、事業者はキャッシュフローを柔軟に管理でき、運転資金の管理が改善する可能性があります。
高級な旅行やエンターテインメントに注力: ダイナースクラブは限定特典を活用して、旅行頻度の多い人や支出額の多い人のニーズに応えています。そのため、このような価値の高い顧客セグメントを獲得したい事業者にとって、圧倒的な差別化要因になり得ます。
ダイナースクラブのセキュリティ対策
セキュリティ技術
トークン化: ダイナースクラブは、取引時にクレジットカード番号などカードの機密情報を一意のデジタルトークンに置き換えるトークン化を導入しています。そのため、取引データが傍受された場合でも実際のカード情報は漏洩せず、不正行為に使用されることはありません。
不正利用検知と分析: ダイナースクラブのシステムは高度なアルゴリズムを利用して取引をリアルタイムでモニタリングし、不正利用を示している可能性がある異常パターンを発見します。この事前対応型のアプローチによって、カード保有者に影響が及ぶ前に不正行為を防止します。
多要素認証 (MFA): 機密性の高い取引の場合、ダイナースクラブはカード詳細以外に追加の本人確認ステップを完了するよう要求します。たとえば、カード保有者の携帯電話に送信されたワンタイムパスワードのほか、指紋認証や顔認証などの生体認証などがあります。
データ暗号化: カード保有者のデバイスとダイナースクラブのサーバー間での通信はすべて、強力な暗号化プロトコルで保護されるため、個人データや取引データの機密性と安全性が保たれます。
安全なインフラ
PCI データセキュリティ基準 (PCI DSS) 準拠: ダイナースクラブはカード取引の扱いに関する厳格なグローバルセキュリティ標準である PCI DSS に準拠しています。これらの標準への準拠状況は、広範囲にわたる監査で定期的に確認されます。
定期的なシステム更新: 進化するサイバー脅威に対抗するために、ダイナースクラブはシステムとソフトウェアに最新のセキュリティパッチや機能拡張を定期的に適用して更新しています。
利用者と事業者の保護
チャージバック保証: 不正取引や不審請求の申請が発生した場合、利用者と事業者はダイナースクラブのチャージバックプロセスを実行して取引に異議を申し立て、売上を回収できる可能性があります。
カスタマイズ可能な取引アラート: カード保有者はさまざまな種類のアカウントアクティビティーに対するアラートを設定できます。これにより、不正取引や不審な取引をすぐに検知して対応できます。
24 時間年中無休のカスタマーサポート: ダイナースクラブは専任チームによる 24 時間体制のカスタマーサポートを提供しており、セキュリティに関する懸念や、不正利用の可能性がある問題への対応を相談できます。
ダイナースクラブを決済手段として受け付ける方法
事業者が決済手段としてダイナースクラブの受け付けを開始する方法を簡単に説明します。
利用資格
ダイナースクラブは、自社のカード保有者層とその人たちの支出傾向に合った業界を優先しています。以下はその例です。
旅行: ダイナースクラブカードの保有者は旅行頻度が高く、上質な体験を求めているため、航空会社、ホテル、レンタカー、旅行代理店、ツアーオペレーターはこのようなカード保有者を引きつけることでメリットが得られます。
ホスピタリティ: レストラン、バー、ナイトクラブ、娯楽施設は、支出額の多い常連客を獲得できます。
中規模・大規模企業: 出張旅費が頻繁に発生する企業や、コーポレートカードプログラムに加入している企業は、ダイナースクラブの旅行特典や経費管理ツールが役立つと実感しています。
エンターテインメント: イベント主催者、映画館、テーマパークは、チケットなどの購入にダイナースクラブカードを利用している人を呼び込むことができます。
財務の健全性: ダイナースクラブは、クレジットヒストリーに問題がなく財政的に安定している事業者を対象にしています。信用調査を行い、新しい事業者を受け付けるリスクを評価します。申し込みの承認判断には、年間売上高、収益性、債務水準などの要素が影響する可能性があります。
業種に関する制限: 特定の業種はリスク要因が大きいため、対象外となったり、追加審査が必要になったりする場合があります。
- 金融機関: 銀行、信用組合、マネーサービス事業者には通常より厳しい規制や法令遵守要件が適用される場合があります。
- リスクの高い業界: ギャンブル、成人向けエンターテインメントなど、リスクの高い活動に関係する事業者は、不正利用やチャージバックが発生する可能性があるため、追加審査が必要になる場合があります。
- 金融機関: 銀行、信用組合、マネーサービス事業者には通常より厳しい規制や法令遵守要件が適用される場合があります。
申し込み手続き
ダイナースクラブに連絡するには、主に 2 通りの方法があります。
営業チームに直接連絡: ダイナースクラブの営業チームに直接連絡して自社のビジネスについて相談し、カスタマイズしたソリューションを検討します。
決済代行業者経由で連絡: ダイナースクラブの導入に対応している決済代行業者と提携します。このパートナーが申し込み手続きを補助し、継続的なサポートを提供します。
申し込みには、以下の準備が必要です。
書類を準備する: 次の書類を提出する準備をします。
- 事業許可証: 会社の法的存在と事業登録の証明
- 財務諸表: 財務の健全性と安定性を実証する最近の財務諸表
- 銀行照会: 自社の財政状態と信用力を確認するために銀行から送付される書類
- 納税申告書: 自社の所得と税務コンプライアンスの証明
- 事業許可証: 会社の法的存在と事業登録の証明
加盟店契約を確認する: 加盟店契約に記載されている利用規約を十分に確認します。確認内容には以下のような項目が含まれます。
- 加盟店手数料: 業界、取引額、交渉で合意した契約条件に応じて事業者に適用される具体的な取引手数料
- 売上処理サイクル: 取引の処理後に売上を受け取れるまでの期間
- チャージバック手続き: 取引に不審請求の申請が行われた場合のプロセスと手数料
- 加盟店手数料: 業界、取引額、交渉で合意した契約条件に応じて事業者に適用される具体的な取引手数料
技術上の要件
ペイメントゲートウェイの互換性: 取引処理を簡単にするために、現在利用しているペイメントゲートウェイや POS システムをダイナースクラブのネットワークと連携させることができるかどうか確認します。
PCI DSS 準拠: PCI DSS に準拠して、カード保有者の機密データを保護し、セキュリティリスクを最小限に抑えます。
不正防止策: 自社と利用者を保護するために、トークン化、多要素認証、取引のリアルタイムモニタリングなど、幅広い不正防止策を導入します。
Stripe を利用して決済を受け付けている場合は、ダイナースクラブに直接申し込まなくても、ダイナースクラブカードの受け付けを開始できます。Stripe が事業者に代わって導入と承認プロセスに対応します。このプロセスは次のようなさまざまな要素によって異なる場合があります。
Stripe アカウントの所在国: Stripe を通じてダイナースクラブを導入できるかどうかは、事業者の Stripe アカウントの所在国によって決まります。現在、Stripe がサービスを提供しているすべての国で、ダイナースクラブを利用できるわけではありません。
業界と業種: 事業者の業界や業種によっては、ダイナースクラブの受け付けに際して Stripe が追加の資格要件を設けている場合があります。たとえば、リスクの高い業界は追加審査が必要になることがあります。
Stripe の特定のプラン: Stripe のプランによっては、ダイナースクラブを決済手段として提供することができません。ご利用中のプランの詳細を確認するか、Stripe サポートに詳細をお問い合わせください。
Stripe を通じてダイナースクラブを受け付けるための一般的なプロセスをご紹介します。
加盟店が Stripe のドキュメントを確認する: 加盟店は Stripe のドキュメントを読み、自社のアカウントの所在国や業種でダイナースクラブを利用できるかどうかを確認する必要があります。
加盟店が Stripe でダイナースクラブを有効にする: 利用資格がある場合、加盟店は Stripe の設定でダイナースクラブを決済手段として有効にすることができます。
Stripe が承認プロセスを代行する: 有効にすると、Stripe がダイナースクラブ取引の承認プロセスを代行します。加盟店がダイナースクラブに申し込みを別途提出する必要はありません。
ダイナースクラブに代わる選択肢
ダイナースクラブは市場で他社にはない特典を提供していますが、事業者が選べる選択肢は他にもたくさんあります。主な競合サービスの概要と、それらの強みやデメリットをダイナースクラブと比較してご紹介します。
Visa と Mastercard: Visa と Mastercard はクレジットカード業界で誰もが認める巨大企業です。ほぼ世界中のどこでも利用でき、カード保有者数が非常に多いのが特徴です。利用できる地域が広いため、幅広い利用者層を引きつけています。しかし、市場によっては、ダイナースクラブと比べてこれらのネットワークの取引手数料は高く、チャージバックポリシーが厳格です。
アメリカン・エキスプレス: アメリカン・エキスプレスはプレミアムカードを提供し、利用者が富裕層であることで有名です。支出額が多い人にサービスを提供している事業者を対象としています。リワードプログラムや旅行特典によってロイヤルティの高い利用者を獲得していますが、Visa や Mastercard と比べると利用できる地域が限られるため、利用者へのリーチに限界があります。また、市場によってはダイナースクラブよりも加盟店手数料が高くなります。
地域固有のネットワーク: 一部の国では、中国の銀聯 (UnionPay) やブラジルの Elo のような地域に特化したネットワークが、他社よりも有利な料金体系と地域内での高いブランド認知度でサービスを提供しています。利用者層が特定の地域に集中している場合はこれらのネットワークも有効な選択肢となりますが、それ以外の国では、Visa や Mastercard などのグローバルネットワークと比べると、利用できる場所が限られます。
デジタルウォレット: 便利な非接触型決済や高いセキュリティに対応している Apple Pay、Google Pay、Samsung Pay が急速に勢いを増しています。これらのウォレットを導入すると、テクノロジーに精通している利用者を獲得でき、決済体験も効率化されますが、特に現金決済に大きく頼っている地域では、ウォレットを使い慣れていない人もいます。
その他の決済手段: 上記の決済手段のほかに、後払い (BNPL) サービスや QR コード決済などの選択肢も検討できます。後払いは分割払いを希望している利用者を呼び込むことができ、QR コード決済はモバイルファーストの利用者に便利です。ただし、これらの手段にはそれぞれ固有の手数料と運用上の要件があり、地域や利用者層によって普及率が異なります。
以下の要素に応じて、最適な選択肢の選び方は変わります。
ターゲットとする利用者層: どのような人にリーチしたいと考えていますか?ターゲットとする利用者層が好む決済手段と支出傾向を考慮してください。
市場の状況: ターゲットとする地域でシェアが高い決済ネットワークや新たなトレンドを分析します。
取引量と取引額: 大量の取引や高額な取引がある場合は、より有利な契約条件をネットワークに交渉できる可能性があります。
ビジネスモデルと予算: 加盟店手数料、チャージバックポリシー、導入コストを確認し、コスト効率が最も高いソリューションを見つけます。
多くの事業者には、複数の手段を組み合わせるというアプローチがベストでしょう。ダイナースクラブを他のネットワークやデジタルウォレットなどの決済手段と組み合わせると、利用者の多様な好みに対応でき、リーチを最大限に広げることができます。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。