購入者からの決済を受け付けている場合、決済の処理に関連して「加盟店アカウント」という言葉を耳にしたことがあると思います。

加盟店アカウントとは何であるのか、自分に必要であるのかがまだはっきりとわからない場合に、知っておくべきことを説明します。

この記事の内容

• 加盟店とは
  
• 加盟店アカウントとは
  
• 加盟店アカウントの必要性
  
• 加盟店アカウントプロバイダーとは
  
• 加盟店サービスプロバイダーとは？
  
• 加盟店アカウントに関連する手数料
  
• 加盟店サービスプロバイダーの選び方
  

加盟店とは

加盟店とは、商品やサービス提供の代価として購入者やクライアントから決済を受け付ける個人または企業のことです。EC ストアビジネス、有料サブスクリプションを提供しているソフトウェア企業、ウェブサイトでクライアントにビデオ講座を販売しているコンサルタント、リモートで働いている請負業者などはいずれも、購入者から決済を受け付けているのであれば加盟店であると言えます。

加盟店アカウントとは

加盟店アカウントとは、購入者からの決済の受け付け専用に使用される銀行口座です。支払いは通常、クレジットカード、デビットカードや、その他の電子送金で行われます。企業の通常の銀行口座とは異なります。売上が加盟店アカウントで保管され、その後、加盟店の主要銀行口座に送金されます。

加盟店アカウントの必要性

購入者からの支払いを受け付けている場合は、加盟店アカウントの機能を利用する必要がありそうですが、自社でその機能を確保する必要はない場合もあります。Stripe のような総合的な加盟店サービスプロバイダーは、通常の決済処理サービスの一環としてこの機能を提供することができます。

同様に、Etsy、Amazon、eBay などのマーケットプレイスで事業を運営している企業は、加盟店アカウントをさらに開設する必要はないでしょう。

ビジネスを始めたばかりの場合や、購入者からのカード支払いをサードパーティのプラットフォームまたはマーケットプレイスを通さずに自社で受け付ける予定である場合は、できるだけ早く加盟店アカウントの機能を利用できるようにセットアップする必要があります。Stripe などの決済処理代行業者を利用することで、加盟店アカウントの機能を自社に導入できます。別の加盟店アカウントを開設する必要はありません。

加盟店アカウントプロバイダーとは

加盟店アカウントプロバイダーは、必要最小限のアプローチで加盟店を支援します。これらの事業者は、単に加盟店がデビットカードとクレジットカードによる支払いの受け付けに使用する加盟店アカウントの開設をサポートするだけです。大手銀行は自行で加盟店アカウントサービスを提供しています。

加盟店サービスプロバイダーとは

一般に、加盟店サービスプロバイダーは、決済処理だけでなく、より幅広くビジネス全体も支援する総合的なサービスを提供します。

Stripe は加盟店アカウントとその関連サービスの両方を提供している加盟店サービスプロバイダーです。たとえば、Stripe は加盟店アカウントの機能とデビットカードとクレジットカードの支払いの受け付けに使用されるメカニズムであるペイメントゲートウェイの機能を結合しています。加盟店アカウントによっては、別のペイメントゲートウェイを使用しなければならないものもあります。

加盟店アカウントに関連する手数料

加盟店が事業を運営する中で直面する最大の経費は、取引ごとに課せられる継続的な決済処理手数料です。これらの手数料は代行業者ごとに異なります。

また、加盟店アカウントプロバイダーから次のような手数料を請求される場合もあります。

• セットアップ料金
  これは加盟店アカウントの初期セットアップに関連する 1 回限りの手数料です。
  
• 月額最低手数料
  プロバイダーによっては毎月の最低支払額を設定しているところもあります。決済処理手数料がその金額に達しなかった場合、その差額が請求されます。
  
• 年間手数料
  加盟店アカウントのサービス手数料を毎年請求するプロバイダーもあります。
  
• バッチ手数料
  通常は、特定の日以降の取引を「バッチ」にまとめて決済処理に送ります。バッチ手数料はこのサービスに対応するものです。
  
• チャージバック手数料
  購入者が加盟店アカウントからの請求に対して不審請求を申請し、請求が差戻された場合は、加盟店にチャージバック手数料が課せられることがあります。
  
• 早期解約手数料
  通常、この手数料は、サービス契約で定めた特定の期間が満了する前に加盟店がアカウントを解約した場合に適用されます。
  

加盟店サービスプロバイダーの選び方

加盟店サービスプロバイダーを選ぶ前に、ビジネスにとって最も重要なことは何であるかを考えてみましょう。選択肢を絞り込むために、次のような事項について考えてみてください。

コスト削減の重要性

加盟店アカウントは無料ではありません。プロバイダーによって手数料は異なります。サービスが提供する価値と投資のコストを比較して検討する必要があります。どれだけコストがかかろうとも、間違いなく最良のプロバイダーを求めていますか？それとも、費用を最小限に抑える必要がありますか？どの企業にも当てはまる唯一の正解はありません。

必要とするサービス

少なくとも、購入者の取引を処理するアカウントが必要です。そのほかに、絶対になくてはならない機能は何でしょうか？優れた不正防止機能があることと、手数料の安さではどちらを重視しますか？この機会に優先事項を検討することをおすすめします。

専門性の高い加盟店アカウントプロバイダーと、クラス最高の守備範囲の広い加盟店アカウントプロバイダーのどちらが必要であるか

特定の業種や特定のビジネスタイプに特化した加盟店アカウントプロバイダーもあれば、会計ソフトウェアなど他の製品やサービスと連携しているプロバイダーもあります。また、Stripe のようなプロバイダーは、実質的にすべての業種のあらゆる規模の加盟店に対応するようにカスタマイズできる製品とサービスを構築し、総合的な加盟店体験を実現することを目指しています。

最高のテクノロジーと包括的なサポートがあることが最優先ですか？それとも、自社固有の業務を専門的に詳しく把握しているチームの協力が得られることのほうが重要ですか？どちらを重視するにしても、優先事項をすべて満たす加盟店アカウントプロバイダーを探しましょう。

あれば望ましい機能

あれば望ましい機能とは、契約交渉を難航させる要因になるものではありませんが、そうした要因の特定を可能にして、最大の付加価値を提供できるプロバイダーを見つけやすくするものです。

将来的にプロバイダーを切り替えることになってもかまわないか

現在のビジネスによく合っている加盟店アカウントプロバイダーでも、ビジネスが成長し進化するにつれて、最適とは言えなくなる場合があります。たとえば、設定不要ですぐに使用できる加盟店アカウントソリューションが現在のニーズに最適であっても、将来必要になり得る堅牢な拡張機能がないことがあります。今すぐには一部の機能しか使わないと分かっていても、高額なオプションから始めますか？それとも、将来的にプロバイダーの切り替えが必要になっても、現時点ではシンプルな (おそらく安価な) オプションを選んでおきますか？

自社特有の事情を考慮することが大切です。キャッシュフローが潤沢で、アカウント登録手数料が少し高額になっても問題なく、将来的に最適なサポートを期待できる加盟店サービスプロバイダーを選べるのであれば、その選択が最適であるといえるでしょう。ビジネスを創業して間もないうちは、最も経済的なオプションを選択し、必要に応じてアップグレードするほうが良い場合もあります。

偏った私見ではありますが、Stripe のように手数料が安く、アカウント登録とセットアップが簡単であり、変化するニーズに対応できる動的なカスタマイズな機能がある加盟店サービスプロバイダーの利用が理想的だと考えます。