加盟店アカウントの取得方法: ビジネス向けステップバイステップガイド

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成長中のスタートアップからグローバル企業まで、あらゆるビジネスに対応できる決済ソリューションを利用して、オンライン決済、対面支払いなど、世界中のあらゆる場所で決済を受け付けます。

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  1. はじめに
  2. 加盟店アカウントの概要
  3. 加盟店アカウントを必要とするユーザー
  4. 加盟店口座の設定方法
    1. 1. ビジネスの登録
    2. 2. EIN の取得
    3. 3. 事業用銀行口座の開設
    4. 4. 加盟店口座プロバイダーの下調べ
    5. 5. 申請書の記入
    6. 6. 補足書類の提出
    7. 7. 承認の待機
    8. 8. 決済処理の設定
    9. 9. システムのテスト
    10. 10. 支払いの受け付け

クレジットカードや電子決済に対応することは、多くの企業にとって基本的な要件です。小売店の対面取引でも、2022 年に顧客が現金のみを使用したのは全時間の 12% だけでした。しかし、これらの決済方法を導入するために必要なシステムを構築することは、事業所有者、特に起業したばかりの事業所有者にとっては大変な作業です。

加盟店アカウントを開設することは、複雑で時間がかかる場合があり、事業所有者はさまざまな書類を提出し、徹底的な審査プロセスを経る必要があります。このような課題はあるものの、加盟店アカウント機能を持つことには大きなメリットがあります。加盟店アカウントは、企業の売上の増加とキャッシュフローの改善の助けになるだけでなく、便利な支払いオプションを利用できるようになり、顧客体験も向上させることができます。

多くのビジネスにとって加盟店アカウントへのアクセスは必須です。しかし、事前に計画を立て、戦略的に選択肢を見極めれば、加盟店アカウントの利用が頭痛の種になることはありません。以下の内容は、加盟店アカウントを開設し、自信を持って容易に利用できるようになるための簡単なガイドです。

この記事の内容

  • 加盟店アカウントの概要
  • 加盟店アカウントを必要とするユーザー
  • 加盟店アカウントの設定方法
    • ビジネスの登録
    • EIN の取得
    • ビジネス用銀行口座の開設
    • 加盟店アカウントプロバイダーの調査
    • 申請の完了
    • 補足書類の提供
    • 承認の待機
    • 決済処理の設定
    • システムのテスト
    • 決済受け付けの開始

加盟店アカウントの概要

加盟店アカウントとは、購入者との取引から発生した売上がビジネス用のメイン口座に移されるまで保管する専用の銀行口座です。加盟店アカウントは、購入者とビジネスの仲介役として機能し、取引が処理されると直ちに加盟店アカウントに売上が入金されます。

通常、加盟店サービスを提供する銀行や金融機関は、加盟店アカウントも提供しています。機関によってはペイメントゲートウェイ用のハードウェアやソフトウェアを提供することもありますが、多くの場合、加盟店アカウントだけを提供し、企業はサードパーティプロバイダーからその他のコンポーネントを調達する必要があります。

加盟店アカウントを必要とするユーザー

電子決済、クレジットカードやデビットカードでの決済を導入するほとんどの企業には、加盟店アカウントが必要です。これには、小規模な在宅ビジネスから大規模な企業まで、あらゆる規模のビジネスが含まれます。

一般的に決済処理プロバイダー経由で加盟店アカウントや加盟店サービスへのアクセスが必要なビジネスの一部を以下に示します。

  • EC ストアビジネス: オンライン小売業者は、ウェブサイトで商品を購入する顧客からの支払いを処理するために、加盟店アカウントが必要です。
  • レストラン: レストランやその他の飲食業は、飲食店での食事またはテイクアウトを注文する顧客から、対面、オンライン、モバイルアプリでのクレジットカードやデビットカードによる支払いを受け付けるために、加盟店アカウントが必要です。
  • 医療提供者: 医師や歯科医師などの医療提供者は、保険証やクレジットカードを使用して料金を支払う患者からの支払いを処理するために、加盟店アカウントが必要です。
  • 小売店: 小売店は、店頭でクレジットカードやデビットカードを使用して商品を購入する顧客からの支払いを受け取るために、加盟店アカウントが必要です。
  • サービス提供型ビジネス: コンサルティング会社などのサービス提供型ビジネスは、クレジットカードやデビットカードを使用してサービス料を支払うクライアントからの支払いを受領するために、加盟店アカウントが必要です。
  • 非営利団体: 非営利団体は、クレジットカードやデビットカードを使用してオンラインまたは直接寄付をする支援者からの寄付を受け付けるために、加盟店アカウントが必要です。

プロバイダーやビジネスの種類により、加盟店アカウントを開設するのに必要な具体的な要件は異なる場合があります。そのため、利用できるすべてのオプションを詳しく調査し、自分のビジネスに最適な加盟店アカウントソリューションを見つけることが重要です。

加盟店口座の設定方法

加盟店口座を開設する前に、ビジネスの基礎的な要素をいくつか整えておく必要があります。この項目では、ビジネスの準備、ニーズに合った加盟店口座の模索、加盟店口座の開設にあたって踏むべき手順をそれぞれご紹介します。

How to set up a merchant account - A 10-step process flow to setting up a merchant account

1. ビジネスの登録

アメリカで事業を展開する予定の企業は、加盟店口座を開設する前に関連する政府当局で登録を行ってください。このプロセスには、必要なライセンス、許認可、納税者番号の取得が含まれます。ビジネスを登録するための具体的な要件は、所在地や業種などの要因によって異なります。

2. EIN の取得

上記の手続きにあわせ、IRS から雇用者識別番号 (EIN) を取得する必要があります。EIN は会社に割り当てられる一意の識別子であり、企業の社会保障番号のような役割を果たします。そのため、さまざまな銀行手続きや税務上の手続きで使用されます。

3. 事業用銀行口座の開設

加盟店口座は、通常の事業用銀行口座とは異なります。加盟店口座は、顧客取引により得た売上を受け取るためだけに使用されますが、通常の事業用銀行口座はより広範囲の金融活動や銀行手続きに使用できます。また、加盟店口座の資金を受け取る場合、加盟店口座を開設しているだけでは受け取れず、事業用の銀行口座を開設する必要があります。安価な手数料、手軽なオンラインバンキング、優れたカスタマーサポートなど、ニーズに合ったサービスを提供している銀行を選びましょう。

4. 加盟店口座プロバイダーの下調べ

すべての加盟店口座プロバイダーが同等のサービスを提供しているわけではないため、慎重なプロバイダー選びが重要になります。ここでは、加盟店口座プロバイダーを調査・選択する際に考慮すべきポイントをいくつかご紹介します。

  • 手数料
    加盟店口座プロバイダーは、取引金額の一定割合や取引 1 回あたりなどの条件を定め、取引ごとに手数料を請求します。プロバイダーによっては、口座開設、毎月のメンテナンス、その他のサービスに対して追加料金を請求しているところもあります。各プロバイダーの料金体系を注意深く確認して、サービスの利用に必要な総コストを把握しておくことが重要です。

  • 処理時間
    加盟店口座プロバイダーの中には、他のプロバイダーよりも短い時間で処理できることを特長としてるところもあります。短納期のビジネスの場合 (たとえば、商品を迅速に発送する必要がある E コマースストアなど)、支払いを迅速に処理できるプロバイダーを選ぶことに重点を置くべきです。

  • カスタマーサポート
    加盟店口座に関する問題や質問を解決する上で、優れたカスタマーサポートはなくてはならない要素です。電話、メール、チャットなど、カスタマーサポート用の連絡手段を複数用意しているプロバイダーを探しましょう。

  • セキュリティ機能
    不正利用やサイバー攻撃の脅威が高まっている現代において、セキュリティ機能は重要な考慮事項です。暗号化や不正検出などの強力なセキュリティ対策を実施している加盟店口座プロバイダーに注目しましょう。

  • ビジネスとの統合
    使用する決済処理ソフトが、ウェブサイトや POS システムなどの既存システムと簡単に連携できるかどうかという点も一つの検討事項です。連携作業が簡単であればあるほど、口座開設プロセスが迅速かつスムーズに進みます。

  • 評判
    サインアップする前に、加盟店口座プロバイダーの評判を調査しておくことをお勧めします。他の企業からのレビューをチェックし、プロバイダーに肯定的なフィードバックが提供されているかどうかを確認してください。

これらのポイントを考慮することで、選択肢を絞り込み、ビジネス固有のニーズを満たす加盟店口座プロバイダーを選ぶことができます。

近年は、加盟店口座をまったく持たない企業も増えています。代わりに、それらの企業は、マーチャントサービスまたは Stripe のような決済処理プロバイダーの利用を通じて、加盟店口座の機能にアクセスしている傾向にあります。Stripe を利用して顧客の支払いを処理している企業は、加盟店口座を新たに探索、調査、申請、統合することなく、従来の加盟店口座で利用できるすべての機能にアクセスできます。Stripe を利用することで企業の加盟店口座開設が不要になる仕組みについては、こちらの記事で紹介しています。

5. 申請書の記入

加盟店口座の申請書には、通常、ビジネスに関する次の情報の記入を求められます。

  • 会社名
  • 会社の納税者番号 (EIN)
  • 連絡先情報

加盟店口座プロバイダーによっては、会社の業種、会社形態、推定月間処理量、処理履歴などの追加情報を求められる場合があります。また、販売する商品やサービスの種類、受け入れ予定の決済手段などの情報欄が申請書に設けられていることもあります。取引を対面で処理するか、オンラインで処理するか、またはその両方で処理するかの指定も同様です。

基本的な会社情報のほかに、以下のような経営者個人の情報も提供しなければならない場合があります。

  • 氏名
  • 自宅住所
  • 社会保障番号

これらの情報は、加盟店口座プロバイダーがリスク評価プロセスの一環としてお客様の信用調査を実施する場合に使用されます。

申請書は、正確かつ詳細に記入することが重要です。不正確または不完全な情報を提供すると、承認プロセスが遅れ、申請が却下される可能性さえあります。また、利用規約を注意深く読み、開設手数料、取引手数料、毎月のメンテナンス費用など、口座に関連するコストを把握しておくことも重要です。

6. 補足書類の提出

書類の提出とリスク評価プロセスによって会社の合法性と信用を確認できるため、これらは加盟店口座を開設する上で重要なステップとなります。それぞれのプロセスで求められることを以下にまとめます。

  • 書類の提出
    加盟店口座の申請が完了したら、プロバイダーに補足書類を提出します。必要な書類は、プロバイダーや業種によって異なりますが、通常はビジネス登録書類、銀行取引明細書、納税申告書などが含まれます。正確かつ最新の情報を記載した、不備のない書類を提出してください。

  • リスク評価プロセス
    プロバイダーは、申請書と補足書類を受け取ると、リスク評価 (ビジネスに関連するリスクを評価するプロセス) を開始します。この評価の狙いは、対象企業が合法で信頼できる会社であるかどうかを確認することにあります。リスク評価には、プロバイダー、ビジネスの複雑さやリスク度に応じて、数日から数週間の期間を要します。

プロバイダーは、リスク評価プロセス中に経営者の信用調査を実施することがあります。そのほか、不正利用やチャージバックのリスクを評価する目的で、処理履歴や販売量などの要素を確認したりしています。場合によっては、追加の情報や説明をプロバイダーから求められることもあります。

リスク評価プロセスを実施することで、会社とプロバイダーの両方を不正利用やその他のリスクから守ることができます。時間を要する場合もありますが、このプロセスでは、プロバイダーが要求する追加情報や書類を最後まで提供し続けることが重要です。

7. 承認の待機

申請書と必要な書類を提出したら、プロバイダーによる申請書の審査、および加盟店口座の承認を待つ必要があります。このプロセスは数日から数週間かかる場合があり、プロバイダー、業種、申請書や提出書類の完全性など、いくつかの要因によって期間が変動します。プロバイダーの中には、信用度が高く、リスクの低い会社に対して迅速に承認を行っているところもあります。

承認プロセスを遅らせるのは次のような要因です。

  • 申請書に記載されている情報が不完全または不正確である
  • 補足書類に矛盾が生じている
  • 会社のリスクプロファイルが高い
  • プロバイダーが追加の情報または書類を要求する

上記に加え、プロバイダーは、不正利用やチャージバックのリスクを評価するために、処理履歴、販売量、その他の要因の審査を実施することがあります。オンラインギャンブルや風俗など、リスクの高い業界に属するビジネスは、評価の目が厳しくなるため、承認プロセスも長引くことが予想されます。

承認プロセスを円滑に進めるには、正確かつ完全な情報を申請書に記入し、追加情報や書類の要求に迅速に対応することが重要です。積極的かつ迅速に対応することで、承認プロセスがスピーディーに進み、なるべく早い段階で加盟店口座を開設・運用できるようになります。

8. 決済処理の設定

加盟店口座が承認されたら、プロバイダーと協力して決済処理の設定を行います。具体的にどのツールやサービスが必要になるかは、利用する決済チャネルや、決済処理の利用設定 (自社のみ利用できるようにするか、自社のプラットフォームユーザーも利用できるようにするか) によって異なります。一般的に、このステップにおける最低要件として、決済処理ソフトをウェブサイトまたは POS システムに統合することが求められます。

9. システムのテスト

決済処理システムをテストして正常に機能していることを確認し、問題がないことを確認してから、顧客の支払いの受け付けを開始します。Stripe とのシステム連携をテストする方法については、こちらの手引きをご覧ください。

10. 支払いの受け付け

システムをテストし、正しく機能しているようであれば、顧客の支払いの受け付けをさっそく開始できます。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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