アメリカで事業を登録する方法: 手順ガイド

  1. はじめに
  2. 事業形態を選択する
  3. 事業者名を選択する
  4. EIN を申請する
  5. 事業許可証を申請する
    1. 1. 必要なライセンスを特定する
    2. 2. 発行機関を確認する
    3. 3. 必要なドキュメントを揃える
    4. 4. 申請手続きを完了する
    5. 5. 申請手数料を支払う
    6. 6. 承認されるまで待機する
    7. 7. ライセンスを掲示する
  6. 州の関係機関に登録する
  7. ビジネス用銀行口座を開設する
  8. 法令遵守の要件を理解する
  9. 納税義務を理解する
  10. Stripe によるサポート
    1. Stripe Atlas による申請
    2. デラウェア州での会社の設立
    3. IRS 納税者番号 (EIN) の取得
    4. 会社における株式の取得
    5. 83(b) Tax Election の申請
    6. パートナー特典と割引

事業を設立するには、戦略的なプランニング、緻密な作業、入念な準備が必要です。事業登録は、この過程における重要な一歩になります。アメリカ中小企業庁 (SBA) によれば、2023 年にアメリカ国内で事業を運営している中小企業は 3,300 万社近くにのぼり、大企業は 2 万社を超え、事業の新規登録件数は毎年増加を続けています。

新たに起業しようとする場合、事業登録の手続きに圧倒されるかもしれません。この手順ガイドでは、アメリカで事業を登録するための手順、要件、考慮事項について概要を説明します。

この記事の内容

  • 事業形態を選択する
  • 事業者名を選択する
  • EIN を申請する
  • 事業許可証を申請する
  • 州の関係機関に登録する
  • ビジネス用銀行口座を開設する
  • 法令遵守の要件を理解する
  • 納税義務を理解する

事業形態を選択する

適切な事業形態を選択することは、アメリカで事業を登録するための第一歩です。選択する形態は、事業の法的責任、納税義務、管理体制に影響を与えます。選択できる事業形態にはいくつかの種類があり、それぞれに固有のメリットやデメリットがあります。検討すべき特に一般的な事業形態には、次のようなものがあります。

  • 個人事業主
    個人事業主は 1 人の個人が所有して管理する形態であるため、最もシンプルな事業形態です。個人事業主は事業上のすべての債務と責任を個人で負い、個人所得税の納税申告書で事業の収益を報告します。

  • パートナーシップ
    パートナーシップでは、収益と損失を共有する 2 人以上の個人が所有者になります。パートナーは、パートナーシップの債務と責任をそれぞれが個人で負い、各自の個人所得税の納税申告書で損益を報告します。

  • 法人
    S 法人や C 法人などの法人は、株主が所有する独立した法人です。法人は自らの債務と責任を負い、収益は所有者の個人所得とは別に課税されます。また、法人では、有限責任という保護措置が法人の所有者に与えられます。

  • 有限責任会社 (LLC)
    LLC は法人とパートナーシップの混成形態です。法人と同一の有限責任保護が与えられる一方で、管理体制と納税形態はより柔軟なものとなっています。所有者は、各自の個人所得税の納税申告書で損益を報告します。

自社に最適な形態が明らかな場合もありますが、判断が難しい場合もあります。信頼できるアドバイザー、共同創業者、法律顧問がいる場合は助言を求めてください。事業形態の選択が完了すると、事業者名の選択という次のステップに進むことができます。

事業者名を選択する

選択する事業者名は、ブランドのアイデンティティに影響を与え、第一印象として顧客や競合他社に伝わります。事業の内容が正確に反映されていて、覚えやすい名前を選択してください。

ここでは、名前の選択を開始するのに役立つ実践的なヒントをいくつか取り上げます。

  1. 事業の価値観や理念に即した名前の候補をブレインストーミングで挙げていき、リストを作成します。プラスのイメージを呼び起こす語句や、自分の業種と関連のある語句を採り入れることを検討してください。
  2. 選択した名前が実際に使用できるものであり、既存の商標と競合しないことを確認します。アメリカ特許商標庁 (USPTO) の検索ツールを使用すると、選択した名前と競合する可能性がある既存の商標がないかどうかを確認できます。また、採用しようとする事業者名に関連しているウェブサイトドメイン名とソーシャルメディアアカウント名についても、使用できるかどうかを併せて確認することをお勧めします。自社にとって適切なデジタルフットプリントを主張することの重要性を過小評価しないでください。これは、名前を選択する際に、他の 2 つの有力な選択肢の決め手となる可能性があります。

事業者名を商標登録して事業者名を保護するという方法もあります。事業者名を商標登録すると、その事業者名の独占的使用権が得られ、似た名前を他の企業が使用することを阻止できます。また、ブランドのアイデンティティを保護することもでき、競争の厳しい市場で自社を差別化するのにも役立ちます。

EIN を申請する

事業の形態と名前を選択した後、アメリカにおける事業登録の次のステップとなるのは、雇用者識別番号 (EIN) の申請です。EIN はアメリカ合衆国内国歳入庁 (IRS) によって割り当てられる 9 桁の一意の番号です。この番号を受け取ることは、事業の法律上の同一性を確立するのに役立ちます。事業向けの社会保障番号のような存在です。通常、EIN は納税と銀行取引で必要になり、事業上の債務や責任から事業者の個人資産を保護するうえでも有効です。

IRS のウェブサイトで、EIN をオンラインで申請できます。申請するには、法人名、所在地、事業形態など、自社に関するいくつかの基本情報を提供する必要があります。また、事業の税務に責任を負う個人の情報も提供しなければなりません。

申請が完了すると、EIN はただちに発行されます。EIN は安全な場所に保管しておき、銀行口座の開設や納税申告書の提出など、事業の同一性を証明しなければならない場合に提示します。

事業許可証を申請する

業種や所在地によっては、事業を合法的に運営するために各種の認可やライセンスを取得する必要がある場合があります。必要な事業許可証を特定して申請するプロセスは、所在地によって多少異なるように見える場合もありますが、アメリカ全域にわたっておおむね同様です。

1. 必要なライセンスを特定する

ライセンスを申請する前に、事業で必要になるライセンスを業種と所在地に基づいて調査し、特定します。一般的な例としては、専門職免許、業種固有の免許、営業許可があります。

2. 発行機関を確認する

必要なライセンスを特定したら、発行機関に問い合わせて、申請のための具体的な要件と手続きを確認します。これは州によって異なることがあり、場合によっては郡や都市によっても異なります。

3. 必要なドキュメントを揃える

ライセンスによっては、保険証明書、地域地区規制に関する承認、学歴証明書など、各種のドキュメントを提出しなければならない場合があります。

4. 申請手続きを完了する

必要なドキュメントをすべて準備したら、ライセンスの申請手続きを完了できます。この手続きは、発行機関にもよりますが、多くの場合はオンラインまたは郵送で行うことができます。

5. 申請手数料を支払う

ほとんどの場合、ライセンスを取得するには手数料の納付が必要です。金額は、ライセンスの種類や発行機関によって異なる場合があります。

6. 承認されるまで待機する

申請書を提出し、手数料を納付した後は、ライセンスが承認されるまで待機する必要があります。承認には数週間かかる場合があるため、計画に織り込んでおくことが重要です。

7. ライセンスを掲示する

受け取ったライセンスは、法律で義務付けられている場合、事業所の目につきやすい位置に掲示する必要があります。

事業に必要なライセンスを特定するにあたっては、有用なリソースが数多くあります。まずは、事業の拠点となる州の州務長官事務所または税務課に問い合わせることをお勧めします。また、必要なライセンスを州別や業種別で検索できる SBA の認可およびライセンスに関するガイドなど、オンラインのリソースも活用できます。

州の関係機関に登録する

事業形態の選択、事業者名の決定、EIN の取得が完了したら、次のステップは州の関係機関への登録です。要件は自社の州やビジネスの種類によって異なる場合があります。ただし、少なくとも、州政府に書面を提出して必要な手数料を納付することは必須でしょう。

事業を州の関係機関に登録する際の一般的な手続きは、次のとおりです。

  • 事業体を登録する
    事業体を州に登録します。これには、事業の形態に応じて、会社定款、基本定款、パートナーシップ契約などの書面を提出することが含まれます。

  • 税を申告する
    事業の形態と事業所の所在地に応じて、連邦税、州税、地方税の納税登録を行う必要がある場合があります。登録の対象には、所得税、売上税、給与税が含まれる場合があります。

  • 必要な保険に加入する
    業種と所在地に応じて、責任保険や労働者災害補償保険など、特定の種類の保険に加入する必要がある場合があります。

  • 州が定めるその他の要件を満たす
    事業の種類や所在地によっては、失業保険の登録や環境規制への適合など、州が定める追加的な要件を満たす必要がある場合があります。

ビジネス用銀行口座を開設する

ビジネス用銀行口座は、事業取引のみに使用される別口の口座です。ビジネス用銀行口座の開設は、次の理由から重要です。

  • 個人と事業の財務を分離する
    ビジネス用銀行口座を開設すると、個人と事業の財務を常に分離できます。これにより、事業の収入と支出をより正確に追跡できるようになり、税の申告業務が合理化されます。

  • 法による保護が提供される
    ビジネス用銀行口座を別に開設しておくと、法的な問題が生じた場合や倒産に至った場合に個人資産を保護しやすくなります。これは、事業が所有者とは別の法人であることを示すものであり、所有者の私財を事業上の責任から保護できます。

  • 信用が確立される
    ビジネス用銀行口座を運用することは、事業の信用とプロフェッショナリズムを確立するうえで有用です。これは、所有者が事業に真摯に取り組み、正確な財務記録の維持に尽力していることを示すものになります。

  • 決済を受け付けやすくなる
    加盟店アカウントで顧客の決済を受け付けている場合であっても、それらの売上を通常のビジネス用銀行口座に送金する必要があることは変わりません。顧客の決済の受け付けと処理に Stripe を使用する場合、支払いを受けるにはビジネス用銀行口座が必要です。

さまざまな銀行の手数料とサービスを確認し、比較してください。オンラインバンキング、モバイルバンキング、当座貸越の防止など、必要な機能が提供されている銀行を探します。また、中小企業向け金融に特化した銀行との取引を検討することをお勧めします。

法令遵守の要件を理解する

法令遵守の要件を構成しているのは、事業を合法的に運営するうえで企業が遵守しなければならない各種の規則と規制です。これらの要件を遵守しない場合、多額の制裁金や法的措置を課される可能性があります。

法令遵守の要件を理解しておくことは、以下を含むいくつかの理由から重要です。

  • 法的問題を回避する
    適用されるすべての要件と規制を遵守すると、法的問題が発生することを防止できます。法令遵守の要件は業種や所在地、事業形態によって異なるため、自社に適用される具体的な規則を広範にわたって理解しておくことが不可欠になります。

  • 事業の評判を保護する
    法令を常に遵守すると、事業の評判を保護しやすくなります。法令に違反した場合は事業の評判が低下し、顧客や投資家を誘引することが困難になりかねません。適用されるすべての規則と規制を遵守することで、企業は、責任を果たし、信頼される事業体としての地位を確立し、信用を高めることができます。

  • 競争力を維持する
    法令遵守の要件は、公平な競争の環境をあらゆる業界に創出しようとするものです。法令遵守のための規則は、公正な競争を促し、顧客を保護することを目的としています。業界に関する要件、さらには、正式に規定されていなくても一般に妥当と認められている規範を遵守すると、競争力を維持しやすくなり、公正で倫理的な業務遂行に尽力していると認識されるようになります。

  • 資金調達や業務提携の機会を獲得する
    多くの融資者、投資家、ビジネスパートナーが関係の構築に先立って要求するのは、法令遵守に関する特定の要件を満たすことです。法令遵守の要件を遵守すると、業務の無欠性を維持し、評判を高めると同時に、より多くの資金調達や業務提携の機会も獲得できます。

納税義務を理解する

納税義務とは、所得税、給与税、売上税、物品税を含めて、事業が政府に納付しなければならない税を納付することです。このような義務は、事業の財務安定性と将来の成功を大きく左右します。

納税義務を理解しておくことが重要である理由は、いくつかあります。まず、納税を怠ったり税申告が不正確であったりすると、場合によっては罰金、利息、法的措置を課されます。納税義務を理解しておけば、施行されている税法と規制を確実に遵守でき、罰金や法的措置を課されることがなくなります。

税はキャッシュフローと財務安定性に大きな影響を及ぼす可能性があるため、納税義務について計画し、準備することも欠かせません。財務予測が健全であり、納税義務の履行に必要な資金を保有していて、財務安定性が維持されている状態を確実に実現するには、財務計画を策定する際に納税義務を考慮することが重要です。

納税義務について最新の情報を常に入手することは、絶えず改正されている税法と規制を常に遵守するうえで有用です。また、財務に関する責任を果たし、法令を遵守しているという評判を確立しやすくなり、将来のビジネス機会創出や成長に向けた基盤を構築できます。

納税義務を果たすと、資金調達や業務提携の機会ももたらされます。融資者、投資家、ビジネスパートナーは、健全な納税履歴や法令遵守記録がある企業を求めていることが少なくありません。

税についての具体的な要件を理解するには、自社に適用される具体的な税法と規制を包括的に調査して、納税義務が生じる州ごとの差異を確実に考慮します。税務専門家または会計士と協議するか、これらの人材を自社で雇用して、要件の見落としがないかどうかを確認することをお勧めします。

Stripe によるサポート

Stripe Atlas を使用すると法人化と会社の設立をシンプルに行うことができます。このため、顧客への請求、チームの雇用、資金の調達を最大限に敏速に行うことができます。

Stripe Atlas のフォームに会社の詳細情報を 10 分以内で入力してください。お申し込みにより、Stripe がデラウェア州で会社を設立し、IRS の納税者番号 (EIN) を取得して、ワンクリックで新会社の株式の購入が可能になり、さらに 83(b) Tax Election に関する書類が自動的に申請されます。Atlas は法律に準拠した契約書および雇用のテンプレートを複数用意しています。さらに、IRS による納税者番号の割り当て前であっても、銀行口座の開設や決済の受付開始をサポートします。

Atlas をご利用の創業者は、主要なソフトウエアパートナーを割引料金でご利用いただけます。ワンクリックで厳選されたパートナーにアカウントを登録すると、Stripe の無料の決済処理のクレジットが提供されます。今すぐ会社を設立しましょう

Stripe Atlas による申請

新会社の詳細情報の入力には 10分 もかかりません。会社の構造 (C 株式会社、有限責任会社 (LLC)、子会社)、会社名を選択します。申請を提出する前に Stripe の企業名即時チェッカーがその会社名を使用できるかどうかをお知らせします。共同創業者を最大 4 名まで追加し、その中での株式の割り当てを決定し、選択に応じて将来のチームメートのための株式プールを留保することができます。役員を任命し、住所と電話番号 (必要に応じて、創業者は無料の仮想の住所を一年間保有することができます) を追加し、ワンクリックで法的文書に目を通し、署名することができます。

デラウェア州での会社の設立

Atlas は申請を審査し、1 営業日以内にデラウェア州に会社の設立の書類を提出します。Atlas による申請にはすべて、デラウェア州における 24 時間体制での優先処理サービスが含まれ、追加手数料なしでご利用いただけます。Atlas は会社の設立と最初の1 年間の登記代理人サービス (州のコンプライアンス要件) に 500ドルを請求し、その後は登記代理人の継続料として毎年 100 ドルを請求します。

IRS 納税者番号 (EIN) の取得

デラウェア州での会社設立が完了すると、Atlas は会社の IRS 納税者番号を申請します。アメリカの社会保障番号、アメリカ国内の住所、電話番号を提出した創業者は優先的に処理を受けられます。その他のユーザーはすべて標準どおりに処理されます。標準的な順序の場合、Atlas はお客様に代わって IRS に対して請求を行い、EIN を取得します。IRS のデータをリアルタイムで使用して、申請が有効になる時期を判断します。詳細については、Atlas による EIN の取得方法と現在の納税者番号 ETA の確認をご覧ください。

会社における株式の取得

Atlas による会社の設立が完了した後、Stripe は創業者に自動的に株式を発行して、株式の購入をサポートするため、その会社の株式を公式に保有できます。Atlas を利用することで、創業者はワンクリックで知的財産の株式を購入し、これを会社の書類に反映させることができます。現金や小切手の支払いを郵送したり、追跡したりする必要はありません。

83(b) Tax Election の申請

スタートアップの創業者の多くは、83(b) Tax Election を申請して、将来の個人課税を節税する選択ができます。Atlas ではアメリカおよびアメリカ以外の創業者も、ワンクリックで 83(b) Tax Election を申請し、送付できるため、郵便局へ出向く必要はありません。Stripe では追跡番号付き USPS 特定記録郵便を使用して申請します。お客様は署名済みの 83 (b) Tax Election のコピーと提出証明をダッシュボードで取得できます。

パートナー特典と割引

Atlas は多様なサードパーティーツールと提携して、特別価格やアクセス権を Atlas の創業者に提供しています。Stripe は、OpenAI、アマゾンウェブサービスなど、エンジニアリング、税務および財務、法令準拠、業務のツールを割引価格で提供しています。Atlas はまた、Mercury、Carta、AngelList と提携し、Atlas の企業情報を使用してスピーディーな自動アカウント登録機能を提供しているため、銀行取引や資金調達にも速やかに対応できます。さらに Atlasの創業者は、決済処理に無料のクレジットを最大 1 年間利用できるなど、Stripe の他のプロダクトを割引料金で利用することができます。

スタートアップの創業者のための Atlas のガイドを参照するか、Stripe Atlas の詳細を読んで、Atlas がどのように新規ビジネスを速やかに負担なくセットアップできるかをご確認ください。今すぐ会社を設立しましょう

今すぐ始めましょう

アカウントを作成し、支払いの受け付けを開始しましょう。契約や、銀行情報の提出などの手続きは不要です。貴社ビジネスに合わせたカスタムパッケージのご提案については、営業担当にお問い合わせください。