S 株式会社とLLC の違い: 自社に最適な会社形態の選び方

Atlas
Atlas

わずか数クリックで会社を設立し、顧客への請求、チームメンバーの雇用、資金調達に取り掛かれます。

もっと知る 
  1. はじめに
  2. LLC とは
  3. S 株式会社とは
  4. S 株式会社と LLC の違い
  5. LLC を S 株式会社に変更できるか
  6. S 株式会社は LLC を所有できるか
  7. LLC と S 株式会社のメリットとデメリット
    1. LLC のメリット
    2. LLC のデメリット
    3. S 株式会社のメリット
    4. S 株式会社のデメリット
  8. LLC と S 株式会社の選び方
  9. Stripe によるサポート
    1. Stripe Atlas による申請
    2. デラウェア州での会社の設立
    3. IRS 納税者番号 (EIN) の取得
    4. 会社における株式の取得
    5. 83(b) Tax Election の申請
    6. パートナー特典と割引

自社に最適な会社形態はどちらでしょうか?「有限責任会社” (LLC) と「S 株式会社」という用語は聞いたことがあるかもしれません。しかし、この 2 つの会社形態の違いや、会社にどのような影響があるのかご存じでしょうか?

LLC と S 株式会社はアメリカで最も一般的な会社形態です。多くの起業家はこの 2 つのどちらかの形態を選びますが、自社に最適な会社形態を選べるように、LLC と S 株式会社の特徴を理解しておくことが重要です。

LLC と S 株式会社の主な違いを、自社に最適な会社形態を選ぶ際に知っておくべきことも含めて詳しくご紹介します。

この記事の内容

  • LLC とは
  • S 株式会社とは
  • S 株式会社と LLC の違い
  • LLC を S 株式会社に変更できるか
  • S 株式会社は LLC を所有できるか
  • LLC と S 株式会社のメリットとデメリット
  • LLC と S 株式会社の選び方

LLC とは

LLC は有限責任会社 (Limited Liability Company) の略語です。株式会社の有限責任保護と、共同経営会社が持つ柔軟性や税務上の優遇措置を兼ね備えた会社形態です。LLC を設立すると、会社はその所有者 (メンバーと呼ばれる) から独立した法人として設立されます。メンバーは会社の債務と義務に対する責任を個人で負わずに済みます。このように法的に区別することで、所有者は保護されます。

LLC は株式会社またはパススルー企業のいずれかと見なされて課税されます。パススルー企業とは、所得と損失に対する課税がメンバー各自の個人所得税に転嫁 (パススルー) される企業です。

S 株式会社とは

S 株式会社とは、従来の株式会社で発生する二重課税を避けたい中小規模企業に適した会社形態です。

S 株式会社では、会社の所得と控除に対する課税が株主の個人所得税に転嫁され、会社自体は連邦所得税を支払いません。S 株式会社の株主は、会社と株主として二重に課税されるのではなく、会社の所得に対して一度だけ課税されます。

S 株式会社の法人格を得るには、株主が 100 人以下で、内国法人として設立されているといった一定の要件を満たす必要があります。株式会社と同様の責任の保護は受けたいが、共同経営会社または個人事業主と同様の課税方式を希望する企業に人気の選択肢です。

S 株式会社と LLC の違い

S 株式会社と LLC はどちらも所有者に対して有限責任による保護が適用され、課税上や経営構造の柔軟性も得られますが、重要な違いもあります。最終的に S 株式会社と LLC のどちらとして設立するかは、ビジネスオーナーそれぞれのニーズと目標によって選び方が変わります。これら 2 つの選択肢の主な違いを大まかにご紹介します。

  • 課税
    S 株式会社と LLC の最大の違いは課税方式です。S 株式会社はパススルー企業として課税されるため、所得と損失に対する課税が各株主の個人所得税に転嫁 (パススルー) されます。一方、LLC はパススルー企業と株式会社のどちらとして課税を受けるか選択できます。

  • 所有権
    S 株式会社の場合、株主になるための制限があり、株主の総数にも制限があります (株主はアメリカ市民またはアメリカ居住者である必要があり、100 人以下に制限されます)。LLC にはそのような制限はありません。また、S 株式会社は 1 種類の株式しか発行できませんが、LLC は複数の種類の所有持分を有することができます。

  • 経営
    LLC は所有者が経営する (「メンバー経営」と呼ばれる) か、指定された経営者が経営する (「マネージャー経営」と呼ばれる) かどうかを選べるため、経営体制を柔軟に構築できます。S 株式会社では取締役会と役員会を設ける必要があります。

  • 手続き
    S 株式会社は LLC よりも必要な手続きや報告要件が多く、定例会議の開催や会社記録の保存などが必要です。

LLC を S 株式会社に変更できるか

できます。LLC は S 株式会社として課税を受ける選択をすることができます。その場合、LLC の柔軟性や有限責任による保護はそのまま維持しながら、S 株式会社と同様にパススルー課税の恩恵を受けられます。LLC が S 株式会社として課税を受けるには、株主が 100 人以下である (また、それらの株主全員がアメリカ市民またはアメリカ居住者である) こと、1 種類の株式だけ保有していること、株主の種類と発行できる株式の種類に関する一定の制限を満たしていることなど、特定の要件に適合している必要があります。

LLC は S 株式会社として課税を受ける選択をすることができますが、その場合でも州法に基づいて LLC として分類されます。また、法人登記した州で LLC に適用される要件と規制をすべて満たしている必要があります。S 株式会社として課税を受けることを選択した企業は、LLC の要件に準拠していることに加えて、場合によっては S 株式会社に適用される追加の規制と要件にも従う必要があります。このように要件が複雑であるため、適切な課税方式を選択しているか、関連する要件をすべて満たしているかどうかを確認するために、税理士や会計士に相談することが重要です。

S 株式会社は LLC を所有できるか

はい。S 株式会社は他の株式会社の株式や、LLC など種類が異なるビジネスの持分を所有できます。S 株式会社が LLC を所有する場合、その LLC は別の法人と見なされ、その LLC における S 株式会社の所有持分は S 株式会社の資産として扱われます。S 株式会社は自社の納税申告書で LLC の所有持分を申告します。また、LLC によって生じた所得や損失は S 株式会社にパススルーされ、S 株式会社の納税申告書で申告します。

この場合、S 株式会社は LLC の親会社または持株会社と見なされ、LLC は S 株式会社の子会社または完全子会社と見なされます。S 株式会社は LLC に代わって意思決定や行動をする権利を有します。また、LLC によって生じた債務や負債に対する責任を負います。

LLC と S 株式会社のメリットとデメリット

ビジネスのニーズによっては、LLC も S 株式会社もそれぞれにメリットとデメリットがあります。各形態のメリットとデメリットをご紹介します。

LLC のメリット

  • 柔軟性
    LLC は所有権、経営体制、税ステータスの面で柔軟性があります。LLC は 1 人または複数の人で所有することができ、所有者が経営するか、指定された経営者が経営することが可能です。また、パススルー企業または株式会社のどちらとして課税を受けるか選択できます。

  • 有限責任
    S 株式会社と同様に、LLC では所有者に対して有限責任による保護があります。そのため、基本的に所有者の個人資産を会社の負債や債務の返済に充てる必要はありません。

  • 必要な手続きが少ない
    LLC は S 株式会社と比べると必要な手続きや報告要件が少ないため、S 株式会社より経営が簡単でコストがかかりません。

LLC のデメリット

  • 自営業者税
    LLC の所有者は総利益に対する自営業者税を支払う必要があります。この税額は、S 株式会社の株主が支払う税金より高くなる場合があります。

  • 存続期間に制限がある
    州によっては、LLC の存続期間に制限が設けられており、一定期間が経過した後や特定の事象 (経営者の死亡など) が発生したときに会社を解散する必要があります。

  • 資金調達方法に制限がある
    S 株式会社と比べると、LLC は株式公開や投資家からの調達といった資金調達方法が制限されていることがあります。

S 株式会社のメリット

  • パススルー課税
    S 株式会社はパススルー企業として課税されるため、所得と損失に対する課税が各株主の個人所得税に転嫁 (パススルー) して行われます。その結果、全体の税額が低くなる可能性があります。

  • 自営業者税
    S 株式会社の所有者は、自身に給与を支払い、追加の利益を分配として受け取ることで自営業者税を回避できます。給与は自営業者税の対象にはなりません。

  • 株主の制限
    S 株式会社には、株主になれる人や株主の人数に制限があります。そのため、所有者の人数を制限したい小規模企業には魅力的でしょう。

S 株式会社のデメリット

  • 必要な手続きが多い
    S 株式会社では定例会議の開催、詳細な記録の保存を行うよう定められており、法人格を維持するための他の手続きにも従う必要があります。

  • 所有権の選択肢に制限がある
    S 株式会社の株主は個人か特定の種類の信託で、なおかつ 100 人以下である必要があります。

  • 対象要件
    S 株式会社は、所有者がアメリカ市民またはアメリカ居住外国人であるといった一定の対象要件を満たす必要があります。

LLC と S 株式会社の選び方

所有権の構成、希望する経営方法、課税方式、責任の保護、ビジネスの目的に関連する自社固有のニーズをよく考えましょう。ビジネスを全体として考え、長期的にどのような方向性で進めたいのか、各構成のどの点が会社の所有者にとって最も重要だと感じるのか検討します。論理的に判断しつつ、主観的にも判断してください。そのため、判断を下すのが難しいかもしれません。

LLC と S 株式会社のどちらにするか判断する際の手順をご紹介します。

  • ビジネスニーズを考慮する
    経営するビジネスのタイプ、所有者または株主の人数、事業を行う業界、ビジネスの長期的な目標を検討します。

  • 税務上の取り扱いを理解する
    LLC と S 株式会社のパススルー課税、LLC の自営業者税、さらに S 株式会社を選択すると節税になる可能性など、形態ごとに税務上のメリットとデメリットを比較します。それぞれにメリットとデメリットがあるため、自社のビジネスの特徴を考慮すると最適な方を選べます。

  • 責任の制限を考慮する
    LLC も S 株式会社も、所有者に対して有限責任による保護がありますが、複数の所有者がいる場合、LLC の方が個人資産の保護の面でさらに柔軟になる可能性があります。

  • 経営体制を比較する
    ビジネスの運営に自分が積極的に関与したいのか、経営者を雇いたいのかなどを含め、経営の管理や柔軟性がどの程度必要か検討します。

  • 法令遵守の要件を把握する
    LLC にも S 株式会社にも、申告手続き、定例会議の開催、正確な記録の保存に関するルールなど、満たさなくてはならない要件があります。このような規則に準拠するために必要な時間とリソースを考慮します。

  • 専門家に助言を求める
    どちらの形態が自社に最適かわかっている場合も、そうでない場合も、手続きを進める前に専門家に相談することをお勧めします。資格を持つ弁護士または会計士に相談して、各形態の法務上および税務上の取り扱いを理解し、収集した情報に基づき、自社固有のビジネスニーズに沿った会社形態を選択できるよう支援してもらいましょう。

Stripe によるサポート

Stripe Atlas を使用すると法人化と会社の設立をシンプルに行うことができます。このため、顧客への請求、チームの雇用、資金の調達を最大限に敏速に行うことができます。

Stripe Atlas のフォームに会社の詳細情報を 10 分以内で入力してください。お申し込みにより、Stripe がデラウェア州で会社を設立し、IRS の納税者番号 (EIN) を取得して、ワンクリックで新会社の株式の購入が可能になり、さらに 83(b) Tax Election に関する書類が自動的に申請されます。Atlas は法律に準拠した契約書および雇用のテンプレートを複数用意しています。さらに、IRS による納税者番号の割り当て前であっても、銀行口座の開設や決済の受付開始をサポートします。

Atlas をご利用の創業者は、主要なソフトウエアパートナーを割引料金でご利用いただけます。ワンクリックで厳選されたパートナーにアカウントを登録すると、Stripe の無料の決済処理のクレジットが提供されます。今すぐ会社を設立しましょう

Stripe Atlas による申請

新会社の詳細情報の入力には 10分 もかかりません。会社の構造 (C 株式会社、有限責任会社 (LLC)、子会社)、会社名を選択します。申請を提出する前に Stripe の企業名即時チェッカーがその会社名を使用できるかどうかをお知らせします。共同創業者を最大 4 名まで追加し、その中での株式の割り当てを決定し、選択に応じて将来のチームメートのための株式プールを留保することができます。役員を任命し、住所と電話番号 (必要に応じて、創業者は無料の仮想の住所を一年間保有することができます) を追加し、ワンクリックで法的文書に目を通し、署名することができます。

デラウェア州での会社の設立

Atlas は申請を審査し、1 営業日以内にデラウェア州に会社の設立の書類を提出します。Atlas による申請にはすべて、デラウェア州における 24 時間体制での優先処理サービスが含まれ、追加手数料なしでご利用いただけます。Atlas は会社の設立と最初の1 年間の登記代理人サービス (州のコンプライアンス要件) に 500ドルを請求し、その後は登記代理人の継続料として毎年 100 ドルを請求します。

IRS 納税者番号 (EIN) の取得

デラウェア州での会社設立が完了すると、Atlas は会社の IRS 納税者番号を申請します。アメリカの社会保障番号、アメリカ国内の住所、電話番号を提出した創業者は優先的に処理を受けられます。その他のユーザーはすべて標準どおりに処理されます。標準的な順序の場合、Atlas はお客様に代わって IRS に対して請求を行い、EIN を取得します。IRS のデータをリアルタイムで使用して、申請が有効になる時期を判断します。詳細については、Atlas による EIN の取得方法と現在の納税者番号 ETA の確認をご覧ください。

会社における株式の取得

Atlas による会社の設立が完了した後、Stripe は創業者に自動的に株式を発行して、株式の購入をサポートするため、その会社の株式を公式に保有できます。Atlas を利用することで、創業者はワンクリックで知的財産の株式を購入し、これを会社の書類に反映させることができます。現金や小切手の支払いを郵送したり、追跡したりする必要はありません。

83(b) Tax Election の申請

スタートアップの創業者の多くは、83(b) Tax Election を申請して、将来の個人課税を節税する選択ができます。Atlas ではアメリカおよびアメリカ以外の創業者も、ワンクリックで 83(b) Tax Election を申請し、送付できるため、郵便局へ出向く必要はありません。Stripe では追跡番号付き USPS 特定記録郵便を使用して申請します。お客様は署名済みの 83 (b) Tax Election のコピーと提出証明をダッシュボードで取得できます。

パートナー特典と割引

Atlas は多様なサードパーティーツールと提携して、特別価格やアクセス権を Atlas の創業者に提供しています。Stripe は、OpenAI、アマゾンウェブサービスなど、エンジニアリング、税務および財務、法令準拠、業務のツールを割引価格で提供しています。Atlas はまた、Mercury、Carta、AngelList と提携し、Atlas の企業情報を使用してスピーディーな自動アカウント登録機能を提供しているため、銀行取引や資金調達にも速やかに対応できます。さらに Atlasの創業者は、決済処理に無料のクレジットを最大 1 年間利用できるなど、Stripe の他のプロダクトを割引料金で利用することができます。

スタートアップの創業者のための Atlas のガイドを参照するか、Stripe Atlas の詳細を読んで、Atlas がどのように新規ビジネスを速やかに負担なくセットアップできるかをご確認ください。今すぐ会社を設立しましょう

The content in this article is for general information and education purposes only and should not be construed as legal or tax advice. Stripe does not warrant or guarantee the accurateness, completeness, adequacy, or currency of the information in the article. You should seek the advice of a competent attorney or accountant licensed to practice in your jurisdiction for advice on your particular situation.

今すぐ始めましょう

アカウントを作成し、支払いの受け付けを開始しましょう。契約や、銀行情報の提出などの手続きは不要です。貴社ビジネスに合わせたカスタムパッケージのご提案については、営業担当にお問い合わせください。