チャージバック管理ソフトウェア: 仕組みと使用をお勧めする事業者のタイプ

  1. はじめに
  2. チャージバックとは
  3. チャージバック管理ソフトウェアとは
  4. チャージバック管理ソフトウェアの仕組み
  5. チャージバック管理ソフトウェアの種類
  6. チャージバック管理ソフトウェアを使用することのメリット
  7. チャージバック管理ソフトウェアに代わるもの
  8. Stripe のチャージバック管理ソリューション

事業者が処理する取引にはどれも、チャージバックのリスクがあります。事業者が優れた商品やサービスを提供しようと努力しているのに、物事がうまくいかないこともあります。利用者の苦情を解決できなかったり、不正取引が行われたり、あるいは単に誤解が生じたりするだけで、取引額をはるかに上回るチャージバック費用がかかり、事業が大幅に後退してしまう恐れがあります。LexisNexis によると、事業者が不正利用による被害を受けると、1 ドルの被害に対して、取引手数料、商品の交換、再配達のために 3.13 ドルを費やすと言われています。

このようなコストの上昇や業務の複雑さのため、しっかりとした解決策が求められています。チャージバック管理ソフトウェアは、時間のかかる従来のプロセスを自動化し、不審請求の結果を向上させ、チャージバックの原因に関する重要なインサイトをもたらす、事業者にとっての命綱となります。チャージバック管理ソフトウェアを組み込むことによって、事業者は損失を抑え、自社の運用に関する詳細な情報を得ることができます。その結果、より効率的で収益性の高いビジネスモデルを構築することができます。

以下では、チャージバック管理ソフトウェアの仕組みに注目し、さまざまなタイプのソフトウェアを比較します。このようなソフトウェアを自社の運用戦略に組み込むことで最大の恩恵を受ける事業者のタイプについても考慮します。

この記事の内容

  • チャージバックとは
  • チャージバック管理ソフトウェアとは
  • チャージバック管理ソフトウェアの仕組み
  • チャージバック管理ソフトウェアの種類
  • チャージバック管理ソフトウェアを使用することのメリット
  • チャージバック管理ソフトウェアに代わるもの
  • Stripe のチャージバック管理ソリューション

チャージバックとは

チャージバックは、不審請求の申請のためにクレジットカードの保有者によって開始されるプロセスで、口座から支払われた代金の返金が行われます。ある事業者が、購入者から購入した商品について不審請求の申請を受けたとしたら、銀行は購入代金をその購入者に返金することを要求する場合があります。

クレジットカードの不正利用、製品やサービスへの不満、請求処理のエラーなど、購入者はあらゆる理由で不審請求の申請を行います。購入者がカード発行会社に問い合わせ、不審請求の申請理由について詳細を提出すると、この手続きが開始されます。カード発行会社は、その不審請求の申請について調査します。不審請求の申請が正当であると判断すると、カード発行会社はチャージバックを開始し、事業者の口座から代金を引き落とし、購入者の口座に返金します。これは、元の取引が行われてから数週間、時には数カ月後に発生することがあります。

チャージバックは購入者を不正取引や悪徳商法から保護することを目的としています。しかし、事業者にとって問題となることもあります。高額なチャージバックは、決済処理手数料の高騰につながる可能性があり、深刻な場合には、クレジットカード決済を処理する手段を事業者から奪うことさえあります。

チャージバック管理ソフトウェアとは

チャージバック管理ソフトウェアは、事業者がチャージバックを処理したり、防止したりするのに役立つツールです。チャージバックや不審請求の申請への応答処理を自動化したり、その傾向を見極め、将来のチャージバックを防ぐために分析を提供したりします。

チャージバック管理ソフトウェアの仕組み

事業者は、チャージバック管理ソフトウェアを利用することで、チャージバックを扱うプロセスを自動化したり、管理したりできます。そのプロセスをより効率的なものとし、損失を削減できる可能性もあります。以下のように、このソフトウェアの機能はいくつかの重要な段階に分類できます。

  • 導入
    最初のステップは、チャージバック管理ソフトウェアを事業者の既存の決済システムと統合することです。これにより、ソフトウェアがすべての取引を監視し、分析することができるようになり、チャージバックに至りかねない潜在的な問題を探します。

  • リアルタイムのアラート
    ソフトウェアが導入されたら、リアルタイムで取引の処理を監視します。購入者がチャージバックを開始すると、ソフトウェアは、事業者ができるだけ早く対応できるよう、即座にアラートを通知します。チャージバックへの事業者の対応が早ければ早いほど、問題解決が成功する可能性が高まります。

  • 自動応答の生成
    チャージバック管理ソフトウェアの主な機能の 1 つに、チャージバック請求に対して自動で応答する機能があります。チャージバックが開始されると、ソフトウェアは関連するすべての取引データを自動で収集し、包括的なレポートにまとめ、事業者の代わりにクレジットカード会社や銀行に提出します。これにより、いつでも徹底的かつ正確で、タイムリーな応答ができます。

  • 分析と防止
    チャージバックへの対応も重要ですが、最終的な目標は、そもそもチャージバックが発生しないようにすることです。これを実際に行うため、チャージバック管理ソフトウェアは、高度な分析を利用し、事業者の取引におけるパターンや傾向を識別します。たとえば、大多数のチャージバックが特定の地域で発生していることを識別することがあります。これは、不正利用の可能性が疑われます。あるいは、特定の製品に関してチャージバックが多発していることに気付くことがあります。これは、その製品に問題がある可能性が疑われます。ソフトウェアはこのような傾向を識別することによって、事業者が先を見越して根本的な問題に対処し、将来のチャージバックを未然に防ぐことができるように支援します。

  • 記録保持とレポート作成
    チャージバック管理ソフトウェアは、すべてのチャージバック請求とその結果に関する詳細な記録を保持します。これらの記録は、監査の際に役立ちます。また、事業者がチャージバック管理戦略を徐々に向上させていくのにも役立ちます。ほとんどのソフトウェアでは、事業者のチャージバックに関する状況の全体像をつかむのに役立つレポートも作成されます。管理者はそれらを活用して、チャージバック率や傾向を迅速かつ簡単に監視することができます。

チャージバック管理ソフトウェアの種類

チャージバックソフトウェアにはさまざまな形態があります。それぞれには、チャージバックによって課される多様な課題に対応する、ユニークな機能が備わっています。完全に自動化されたものから自己管理型のシステムまで、あらゆるニーズに対応しています。この多様性ゆえに、事業者は自社の運用上の要件、チャージバックリスク、利用可能なリソースに合わせて調整されたアプローチを採用することができます。チャージバックソフトウェアの主なカテゴリーの概要を以下に示します。

  • 自己管理型ソリューション
    事業者がチャージバックプロセスを自分で管理できるツールを提供する SaaS (サービスとしてのソフトウェア) プラットフォームがあります。これらのソリューションは、不審請求の申請への応答を自動化し、各取引の詳細な記録を保持することによって、プロセスを簡略化し、事業者がプロセスを制御できるように支援します。

  • 外部管理型自動化ソリューション
    これらのソリューションは、事業者のチャージバックプロセス全体を引き受けます。応答を自動化し、銀行やカード発行会社とのやり取りをすべて処理します。これらのソリューションの多くは、不正検知システムや予防アラートが組み込まれています。また、包括的なレポート作成機能によって、戦略の立案に役立つ分析情報を提供します。

  • ハイブリッドソリューション
    これらのソリューションは、自己管理型と完全管理型のサービスを組み合わせて提供します。より複雑で時間を要するタスクは外部のソフトウェアプロバイダーに委託しつつ、チャージバックプロセスの特定の面を事業者が内部で扱える柔軟性をもたらします。

  • 不正検知ソフトウェア
    一部のソリューションでは、不正使用の可能性がある取引を事前に特定します。高度なアルゴリズムと機械学習を使用して、取引データを分析し、疑わしい活動にフラグを立てます。

  • 予防アラートシステム
    これらのソリューションは、購入者が不審請求の申請を開始すると、リアルタイムのアラートを提供します。これにより、その購入者に関する問題に取り組み、可能であれば解決する機会を事業者に与え、結果としてチャージバックを回避します。

  • 分析とレポート機能を提供するソフトウェア
    これらのツールは、取引データを分析し、チャージバックの根本的な問題を把握するのに役立ちます。事業者がプロセスを改善できるように詳細なレポートを提供し、将来のチャージバックの可能性を削減します。

適切な種類のチャージバック管理ソフトウェアを選ぶことで、事業者の最終的な収益に大きな影響がもたらされます。それぞれの種類に固有の機能やメリットを理解することで、十分な情報を得たうえで意思決定を行い、チャージバックを減らし、取引プロセス全体を向上させることができます。

チャージバック管理ソフトウェアを使用することのメリット

チャージバック管理ソフトウェアは、特に大量の取引を行う事業者や、リスクの高い業界で事業を営む企業に、多くのメリットをもたらします。以下のようなメリットがあります。

  • 業務効率
    チャージバックの対応には、特に事業者が手作業でそれらを行わなければならない場合に、多くの時間がかかります。チャージバック管理ソフトウェアは、プロセスの大半を自動化し、社内のリソースを解放します。

  • 不審請求の申請の結果を向上
    チャージバック管理ソフトウェアは、チャージバック請求に対して包括的かつタイムリーな応答ができるように支援してくれます。これにより、不審請求の申請に対する主張が認められる可能性が高まり、チャージバック費用を抑えることができます。

  • 不正利用の検出と防止
    一部のチャージバック管理ソリューションには、組み込みの不正検出メカニズムが付属しています。これらのツールは、取引のパターンを分析することによって、疑わしい活動を識別し、チャージバックが発生する前に、潜在的な不正利用にフラグを立てることができます。

  • リアルタイムのアラート
    多くのチャージバック管理ソリューションは、購入者がチャージバックまたは不審請求の申請を開始すると、リアルタイムのアラートを通知します。これにより、事業者は迅速に対応し、不審請求の申請プロセスを即座に開始することができます。その結果、成功裏に問題を解決できる可能性が高まります。

  • チャージバックの原因についての理解
    チャージバック管理ソフトウェアは、事業者が直面するチャージバックに関する詳細な分析とレポートを提供します。傾向とパターンを識別することによって、チャージバックの主な原因についての分析情報を得ることができます。それにより、先を見越した対策を講じて、将来のチャージバックを防ぐことができます。

  • 財務管理
    チャージバックを最小限に抑えることによって、関連するコストを削減し、収益を確保することができます。また、チャージバックの全容を把握できるので、財務計画を立て、予算編成を行うことができます。

  • 事業者としての評判の保護
    チャージバック率が高い状態は、銀行やクレジットカード代行業者からの事業者の評判を危険にさらします。チャージバックを適正に管理し、減らすことによって、それらの重要なパートナーとの関係を良好に保つことができます。

  • 顧客満足度
    購入者の不審請求の申請に迅速かつ効果的に対応することで、顧客満足度を向上させることができます。不審請求の申請を管理することで、自社の商品やサービスを向上できる分野を見つけることもできます。

チャージバック管理ソフトウェアは、単に不審請求の申請の管理を行うだけでのツールではありません。賢明な意思決定を行えるようにし、顧客満足度にも影響を与え、財務の健全性や評判を守ります。チャージバック管理プロセスを自動化するソフトウェアを利用することで、チャージバックを成長や改善の機会に変えることすらできます。

チャージバック管理ソフトウェアに代わるもの

事業者にとってチャージバック管理ソフトウェアは強力なツールですが、考慮に値する代替手段もあります。これらのソリューションにはそれぞれ長所と短所があり、最善の選択は事業者の固有のニーズやリソースによって異なります。

  • 手動管理
    事業者は、特別なソフトウェアを使用せずに、社内でチャージバックに対応することを選ぶこともできます。これには通常、チャージバックを追跡するスタッフ、対応策をまとめるスタッフ、銀行やクレジットカードの発行会社とやり取りするスタッフを割り当てることが含まれます。この方法では、事業者がプロセス全体を直接管理することができますが、時間を要するほか、大量の取引を行う事業者には実際的ではありません。

  • 専任チームを雇う
    規模の大きな事業者や多くのチャージバックを抱える事業者は、チャージバックに対応する専任チームを雇うことができます。このチームは、取引を監視し、チャージバックに対応し、チャージバックを減らす戦略を実践する責任を負います。この方法は、手動管理よりも効率的ですが、費用がかさむ可能性があります。

  • サービスプロバイダーにアウトソーシングする
    事業者はチャージバック管理をサードパーティーのサービスプロバイダーにアウトソーシングすることもできます。これらの企業はチャージバック管理を専門に扱い、チャージバックに効果的に対応できる専門家も抱えています。しかし、この方法もコストがかかり、小規模事業者には不向きかもしれません。

  • 予防的手段を講じる
    ほかにも、チャージバックの予防に焦点を合わせる方法があります。これには、カスタマーサービスを向上させ、返品および返金に関するポリシーを明示し、不正防止ツールを使用することが含まれます。この方法は効果的ですが、完全にチャージバックを排除することはできないかもしれません。

  • 組み込みのチャージバック管理を提供する決済サービスプロバイダーを利用する
    Stripe のような一部の決済サービスプロバイダーは、組み込みのチャージバック管理ツールを提供しています。これらは、決済処理とチャージバック管理を 1 カ所にまとめて、合理化を図りたいと願う小規模の事業者にとって優れたオプションになります。

これらの代替手段にはそれぞれ、独自のメリットと潜在的な課題があります。事業者にとって大切なことは、自社の固有のニーズ、リソース、チャージバックリスクを評価してから、最適なアプローチを決定することです。

Stripe のチャージバック管理ソリューション

Stripe のチャージバック保証は、不確定な不審請求の申請から事業者を保護するように設計された包括的なソリューションです。不正利用に関する申請が発生した場合、Stripe では、その申請金額を補償し、手数料も免除します。さらに、事業者が証拠となるデータを揃えて提出する必要もありません。不審請求の申請が正当なものであってもそうでなくても、Stripe では、不審請求の申請金額を補償し、不審請求に関する手数料も無料です。このサービスには、取引ごとに 0.4% のコストがかかります。また、この機能を利用するには、少なくとも 6 カ月以上 Stripe で決済を処理している必要があります。

Stripe のチャージバック保証により、何時間も記録を遡り、証拠を提出するという重労働が必要なくなります。Stripe が代わりにすべてを行うからです。

Stripe のチャージバック保証は高度に適応可能で、Stripe を利用している、条件を満たすあらゆる事業者のニーズに応えられるように設計されています。また、デジタル商品と有形商品の両方のオンライン販売、あらゆる規模の取引、世界各地からの購入にも対応しています。チャージバック保証のリアルタイムの適応性は、Stripe Radar の機械学習ケイパビリティによってサポートされています。リアルタイムのリスク評価を実行し、決済フローを最適化するために、行動に関する情報を Stripe ネットワークの堅牢さと組み合わせて活用しています。

Stripe のチャージバック保証の詳細については、こちらを参照してください。

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