チャージバックに関する基礎知識: チャージバックの実態とその防止策

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  1. はじめに
  2. チャージバックの概要
  3. チャージバックと返金の違い
  4. チャージバックが起こる主な理由
  5. チャージバックの仕組み
  6. チャージバックに伴う事業者のコスト
  7. チャージバックの防止策
  8. チャージバックに異議を申し立てるには

ビジネスオーナーであれば、取引が完了しても顧客との関係は終わらないことをよくご存知でしょう。顧客が購入を決めた瞬間から、貴社による一連の行動が発生します。その行動の 1 つひとつが貴社に対する愛着や親近感を生み出す機会につながることがありますが、逆に取引を妨げ、その顧客を永久に失う機会になることもあります。一般的には、顧客を購入に至らせることが「ゴールライン」とみなされていますが、実際には、ウェブサイトの安全性に関する問題、不明確な配送情報、連絡の取れないカスタマーサービスなど、あらゆることが、支払い完了後の負の側面であるチャージバックの発生につながる可能性があります。

ビジネスオーナーなら誰しも、できるだけ多くの売上を確保したいと考えるでしょう。しかし、どれだけ入念に構築されたコンバージョンファネルでも、顧客が購入完了後に返金を求めるような事態が生じることもあります。ここからは、チャージバックに関するあらゆる側面を掘り下げていきます。具体的には、チャージバックの概要、チャージバックの仕組み、チャージバックが発生する原因、ビジネスオーナーが講じられるチャージバックの予防策などについてご説明します。

この記事の内容

  • チャージバックの概要
  • チャージバックと返金の違い
  • チャージバックが起こる主な理由
  • チャージバックの仕組み
  • チャージバックに伴う事業者のコスト
  • チャージバックの防止策
  • チャージバックに異議を申し立てる方法

チャージバックの概要

チャージバックとは売上の差戻しであり、顧客がデビットカードまたはクレジットカードで購入後に、その支払いについて銀行またはクレジットカード会社に不審請求の申請を行った場合に開始されます。ほとんどの場合、チャージバックのプロセスは顧客によって開始されますが、事業者がチャージバックを請求することもできます (ただし、あまり一般的ではありません)。

チャージバックに関しては、良いニュースがあります。世界的に見て、取引件数に対するチャージバック件数の割合は年々減少する傾向にあります。取引総数と比較して、チャージバックの発生件数は毎年減っているということです。これは、事業者が取り組んでいる複数の要因によるものと考えられますが、その要因の大部分については後ほど取り上げます。

一方、悪いニュースもあります。チャージバックは依然として多くの事業者が直面する費用のかかる問題であり、ビジネスの不正使用とこれまで以上に広く関係しています。Juniper Research が発表した調査によると、EC ストア事業者が不正使用によって被る損失は、2021 年には約 200 億ドルと予想されていました。これは 2020 年の 175 億ドルから 18% の増加です。また、LexisNexis の The True Cost of Fraud (不正使用にかかる実際のコスト)レポートによると、事業者はチャージバック 1.00 ドルごとに 3.75 ドルを支払うことになります。

チャージバックと返金の違い

返金とは、事業者が顧客に売上を返金することです。一方、チャージバックとは、顧客の銀行またはクレジットカード会社が支払いを差し戻し、その金額を事業者から取り戻すことです。どちらの場合も、売上は顧客に戻されます。チャージバックと返金の違いは、主にどちらの当事者が売上の差戻しを開始するかという点ですが、他にもいくつか重要な違いがあります。

  • 主体者
    チャージバックでは、カード発行会社が行動の主体となり、チャージバックのプロセス全体を通して顧客および事業者と連絡を取り続けます。返金の場合は通常、顧客が事業者と直接やり取りをし、事業者が売上の差戻しを開始します。
  • 代金の管理者
    返金の場合、不審請求の申請を受けた売上を管理するのは事業者ですが、チャージバックの場合は顧客の銀行が決定権を握ります。返金においては、事業者が決済代行業者に対して、売上を顧客に返金するよう指示します。決済代行業者が送金を開始するまで、代金は動きません。しかし、チャージバックの場合は通常、顧客の銀行が先に行動を起こし、事業者の口座から対象の売上を引き出します。チャージバック請求が有効かどうかについて結論に達するまでのあいだ、銀行はその売上を保持します。
  • 返金プロセスにかかる時間
    顧客と事業者が連絡を取り合い、実際に返金が必要であるという結論に至るまでの時間 (1 回の対話で終わる場合や、メールでのやり取りが数週間続く場合もあります) を除いて、返金プロセス自体は通常 3 ~ 7 営業日かかります。ただし、チャージバックの場合は数週間から数カ月かかることがあります。特に事業者が不審請求の申請を受けた支払いに対して異議を唱えた場合は、時間を要します。

チャージバックが起こる主な理由

チャージバックの発生件数を抑えるための実行可能な計画を立てるには、チャージバックが発生する多くの理由を理解しておくことが重要です。ここでは、特に一般的なシナリオをいくつかご紹介します。

  • 本物の不正使用
    突き詰めると、チャージバックがそもそも存在する理由はここにあります。チャージバックの背景にあるのは、不正行為によって口座に表示された取引を取り消すための手段を消費者に与えるという考えです。本物の不正使用は依然としてチャージバックの大部分を占めています。

  • フレンドリー詐欺:
    この用語には、実態よりもはるかに柔らかい響きがあります。「フレンドリー詐欺」とは、本物の不正使用とは関係のないさまざまなチャージバック理由を総称した用語です。厳密には、カード保有者が支払いに対して不審請求を申請してチャージバックを開始させるのは、ごく限られた理由によるもののみとされています。実際のところ、多くの人は支払いに対して不審請求を申請すべきかどうかを深く考えずに、さまざまな状況に対応するための手軽な方法として利用しています。よくある例を以下にいくつか挙げます。

    • 支払ったことに気づいていない
      顧客がクレジットカードの明細書を見て、身に覚えのない請求を確認した場合、その請求について不審請求を申請し、チャージバックを受けることを選ぶ可能性があります。顧客は購入したことを忘れているのかもしれません。また、サブスクリプションに登録したことを忘れて、定期料金を認識できていない可能性もあります。あるいは、カードの明細書に事業者名が明記されていない場合もあります。カード保有者にとって見慣れない取引であれば、不審請求を申請する可能性があります。
    • 配送トラブルがあった
      商品がいつまでも届かなかったり、予定よりも時間がかかっている場合、顧客は商品が紛失したと思い込み、チャージバックを請求する可能性があります。特に、配送の詳細情報や追跡番号を通知されていなかったり、注文の処理状況を問い合わせようとしてもなかなか事業者と連絡が取れない場合、顧客はチャージバックを請求する可能性が高くなります。
    • 返品手続きを避けたい
      チャージバックはしばしば、「返品手続きをせずに済ませる」ための楽な手段として利用されます。顧客が購入商品に不満があり、事業者の返金ポリシーについて不明瞭ないし読むのが面倒と感じていたり、商品を返品したくても返品可能期間を過ぎている場合、チャージバックのプロセスを開始する可能性があります。
  • 事務的なミスの訂正:
    ミスがあった場合、チャージバックはそれを正す方法の 1 つです。複数回請求された場合、あるいは解約したはずのサブスクリプションの請求がまだ続いている場合、顧客はその誤りを正すために、銀行やクレジットカード会社に不審請求の申請を行うことがあります。こうしたタイプのチャージバックは、すぐに利用できるカスタマーサービスを事業者が提供していない場合に多く発生します。顧客が購入先に対して簡単に返金をリクエストできない場合、最善策としてチャージバックに頼る可能性があります。

チャージバックの仕組み

チャージバックは、当初の取引が終了しない限り発生しません。支払いが処理され、事業者の口座に売上が送金され、顧客のクレジットカードの明細書に支払いが表示されます。

チャージバックのプロセスが始まるのは、その後であり、次のような流れになります。

1. 顧客が不審請求の申請を行う

口座の明細書に不正と思われる請求が記載されていることに気づくと、顧客はすぐに、購入に使用したクレジットカードの発行元である銀行または金融機関 (すなわち、カード発行会社) に対し、支払いについて不審請求の申請を行います。

2. カード発行会社がチャージバックを開始する

顧客が支払いに対して不審請求の申請を行うと、カード発行会社はチャージバックのプロセスを開始します。

3. 事業者がチャージバックに異議を申し立てる機会が与えられる

顧客がチャージバックを請求すると、顧客の銀行はただちに事業者の銀行に連絡を取り、チャージバックが請求されたことを通知します。この段階で、事業者には、支払いが不当であるとする顧客の主張に対して反証資料を提出する機会が与えられます。

4. 銀行が決定を下す

カード発行会社は、チャージバックに関する双方の証拠を確認し、手続きを進めるかどうかの決定を下します。この段階で、事業者が支払いの妥当性を裏付ける反証資料の提出を拒否した場合、カード発行会社は通常、顧客のチャージバック請求を承認することになります。

5. カード発行会社が事業者の主張を認める判断を下した場合...

カード保有者の銀行が支払いは有効と判断し、チャージバックの手続きを進めることを拒否した場合、売上は顧客に返金されません。支払いに関する調査が行われる前に、カード発行会社がカード保有者の口座に対して、不審請求が申請された金額を入金していて、その後支払いが有効と判断された場合、その売上または入金額はカード保有者の口座から再度引き落とされます。

6. カード発行会社が顧客の主張を認める判断を下した場合...

チャージバックを請求する正当な理由が顧客にあると銀行が判断した場合、売上は事業者の口座から引き出され、顧客の口座に返金されます。

7. 決定後に仲裁が行われる場合がある

銀行が事業者の主張を認める判断を下しても、顧客がチャージバックを認めさせるために引き続き争う姿勢である場合、顧客は仲裁を求めることもできます。その場合、この問題はクレジットカード会社自体に対して提起されることになります。これは事実上、カード発行会社の決定に対する不服申し立て手続きとなります。Visa、アメリカン・エキスプレス、Mastercard、ディスカバーなど、クレジットカード会社は、チャージバックを巡る対立において最終的な決定権を持ちます。

チャージバックに伴う事業者のコスト

チャージバックに伴う手数料は、利用する決済処理代行業者によって異なります。Stripe では、チャージバックごとに 15 ドルの手数料がかかります。他の代行業者を利用する場合、手数料は 50 ドル、あるいは 100 ドルにも上る可能性があります。もちろん、目標はチャージバック件数をできるだけ減らすことですが、チャージバックの発生を完全に防ぐことはできません。このため、決済処理代行業者が設定している手数料を確認することが重要です。

チャージバックの防止策

このような問題が生じないよう、事前に対処しましょう。事業者がどれだけ用心深くても、最終的にチャージバックが発生することはあります。ただし、その発生頻度を最小限に抑えるための対策はあります。Stripe では、チャージバックを減らすために実行できる重要な手順について詳しく解説した記事を公開しています。ここでは、注意しておきたい重要なポイントをいくつか挙げます。

  • クレジットカード決済の場合はセキュリティを最優先にする。
  • 返金の手順を可能な限り簡単にする。
  • 配送に関する期待に応えられるようにする。
  • 顧客が連絡したいときに連絡がつくようにする。
  • クレジットカードの明細書には、必ず実際の社名が記載されるようにする。

チャージバックに異議を申し立てるには

チャージバックの発生を防ぐために可能な限りの手段を講じても、やむを得ず発生することがあります。発生した場合、不正使用があったとする請求の真偽を検証し、どのような結果となった場合でもプロセスを先に進めるための行動計画を策定しておくことが重要です。ここでは、チャージバック請求に対する異議申し立ての概要をご説明します。

  • 異議申し立ての正当性について判断する
    チャージバックについて通知を受けた場合は、まず、そのプロセスは実際の不正使用があったために進められているものなのか、それともカスタマーサービス上の問題がその背景にあるのかを判断する必要があります。

  • 支払いが本当に不正使用によるものであった場合...
    支払いについての初期調査で実際に不正使用があったことが判明した場合、貴社はチャージバックに異議を申し立てる意向がないこと、および売上を顧客に返金することを、顧客のカード発行会社に伝える必要があります。また、利用している決済処理代行業者にも不正使用があった事実を伝えるとともに、それが単独で発生したものなのか、他の取引にも影響が及ぶより大きな問題なのかを調べます。

  • フレンドリー詐欺の場合...
    この問題を調査し、実際には不正使用はなかったと判断した場合、顧客のチャージバックに対応するかどうかは、結局のところ、顧客が最初にチャージバックのプロセスを開始した理由によって異なります。いずれにしても、チャージバックに対して異議を申し立てることになるでしょう。この場合、次のようないくつかの対応が必要となります。

    • 顧客に連絡を取る
      チャージバックの多くの状況は、顧客に直接連絡を取り、顧客がチャージバックを請求するきっかけとなった問題を解決したいという意向を伝え、顧客の言い分に耳を傾けることで対処できます。たいていの場合、顧客との会話を通して、自社で解決できるよう試みる価値はあります。最終的には返金することになる可能性もありますが、たとえそのような結果になったとしても、貴社のビジネスにとって、返金の方がチャージバックよりは良いでしょう。
    • チャージバックに対する反証資料を提出する
      顧客との間で解決を目指してもうまくいかず、実際には不正使用はなかったと確信している場合は、その旨を示す反証資料を提出しましょう。領収書、注文確認番号、配送情報はいずれも、取引の正当性を確証するのに役立ちます。貴社の決済処理代行業者が顧客のカード発行会社と連絡を取ることになる可能性が高いため、反証資料があればその代行業者が提出できます。その後は、カード発行会社がチャージバックを承認するかどうかの判断を下すのを待つことになります。

ビジネスを行ううえで、チャージバックへの対応を好む人はいません。しかし、チャージバックに対して積極的な予防策を講じておけば、売上の損失を最小限に抑え、ビジネス運営におけるより好ましい側面への支障を最小限に留めることができます。チャージバックの防止に関する詳細については、こちらのガイドをご覧ください。また、Stripe Radar がどのようにチャージバック対策に役立つかについて、こちらをクリックすると詳細をご確認いただけます

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