チャージバックを減らす 8 つの方法

チャージバックとフレンドリー詐欺を防ぐのは容易ではありませんが、そのリスクを軽減することは可能です。この記事では、どのような企業でも実践できるチャージバックを減らす方法について説明します。

  1. はじめに
  2. チャージバックとは
  3. チャージバックが発生する理由
  4. チャージバックがビジネスに悪影響を及ぼす理由
  5. チャージバックの平均発生件数
  6. チャージバックを減らす 8 つの方法
    1. オンライン支払いと対面支払いのセキュリティを最優先事項にする。
    2. 返品と返金に関する明確なポリシーを定める。
    3. オンライン在庫を常に最新の状態に保つ。
    4. 商品についてわかりやすく説明する。
    5. 配送のニーズに応える。
    6. いつでも連絡を取れるようにする。
    7. 無料トライアルの期間を明確にする。
    8. クレジットカード明細書に自社名が明示されるようにする。

チャージバックの削減 は、顧客満足、売上の維持、損失の軽減、ビジネスのあらゆる領域での責任の限定といった、企業の最大の懸念事項のすべてに直結する課題です。チャージバックは、消費者ビジネスを展開する企業にとって特にもどかしさを感じる問題であり、ほとんどの企業は、その防止にどれだけ積極的に取り組んでいたとしても、少なくともある程度は定期的な対応が必要になります。残念ながら、チャージバックを完全に排除するような秘密の解決策はありませんが、チャージバックの実態、原因、防止策への理解を深めれば深めるほど、問題により適切に対処できるようになります。

それではここから、チャージバックの削減について知っておくべき重要なポイントを紹介していきます。

この記事の内容

  • チャージバックとは
  • チャージバックが発生する理由
  • チャージバックがビジネスに悪影響を及ぼす理由
  • チャージバックの平均発生件数
  • チャージバックを減らす 8 つの方法
    • オンライン支払いと対面支払いのセキュリティを最優先事項にする。
    • 返品と返金に関する明確なポリシーを定める。
    • オンライン在庫を常に最新の状態に保つ。
    • 商品の説明をわかりやすいものにする。
    • 配送のニーズに応える。
    • いつでも連絡を取れるようにする。
    • 無料トライアルの期間を明確にする。
    • クレジットカード明細書に自社名が明示されるようにする。

チャージバックとは

チャージバックとは、カード保有者による不審請求の申請に従って、クレジットカード発行会社やデビットカード発行会社からカード保有者に代金を差戻すことを指します。企業側が売上を差戻す返金とは異なり、チャージバックでは、カード発行会社が企業の口座から売上を引き出し、その売上を預かった状態でカード保有者の不審請求の申請の正当性を確認した後、請求が正当とみなされた場合はカード保有者にその売上 (代金) を差戻します。

チャージバックが発生する理由

チャージバックは、クレジットカードの不正使用や二重支払いなどのミスを是正するためのものです。これがチャージバック本来の目的ですが、消費者によっては、商品を返品して返金を要求するプロセスを避けるという別の理由で不審請求を申請し、チャージバックを要求する場合があります。

チャージバックは当初、クレジットカードの不正使用が発生したときの償還請求の手段として 40 年以上前に制定されました。その目的は、消費者が不正使用によって失われた代金を取り戻せるようにしてクレジットカードに対する消費者の信用を高めることにありました。不正購入が発生した場合、カード保有者はクレジットカード明細書の請求を確認したうえでクレジットカード発行会社に連絡し、代金を差戻してもらっていました。理論上、このメカニズムは基本的な消費者保護の点で完全に理にかなっています。

しかし実際には、チャージバックは本当の不正使用を正すためだけでなく、消費者が気に入らない商品を返品するプロセスを避けたり、届かなかった注文の問題を解決したりするための手段としても使用されています。チャージバックが発生する特に一般的な理由としては、次のようなものが挙げられます。

  • 本当の不正使用: 支払いがカード保有者によって承認されていなかった。
  • 注文した商品が届かなかった。
  • 顧客が注文とは違う商品を受け取った。
  • 顧客が返金を要求したものの、予想以上に時間がかかった。
  • 顧客が商品の品質に満足しなかった。
  • 商品がウェブサイトの説明と著しく違っていた。
  • 顧客への請求が複数回行われるなどの事務的なエラーがあった。

本当の不正使用以外の理由で要求されたチャージバックは「フレンドリー詐欺」と呼ばれますが、このようなチャージバックはチャージバック全体の最大 86% を占めています。クレジットカードの不正使用が多くの点でビジネスに悪影響を及ぼすのは明らかですが、顧客が通常の方法で商品を返品して返金を要求する代わりにチャージバックを使用することの方がはるかに難しい問題です。

チャージバックがビジネスに悪影響を及ぼす理由

チャージバックがビジネスに悪影響を及ぼす理由は明白です。結局のところ、顧客に返金しなければならない状況は本質的に好ましくなく、チャージバックは、取引の差戻しによる収益の損失を超える大きな負担となります。チャージバック、失われた在庫、決済処理プロバイダーから請求された手数料の処理に費やす時間のコストを計算に入れると、企業はチャージバックへの対応で相当な資金を失うことになります。LexisNexis の調査によると、1 ドルの不正使用でアメリカの小売および EC ストア企業が被るコストは、現在 3.75 ドル に達しており、2019 年の不正使用 1 ドルあたり 3.13 ドルから 19.80% 上昇しています。

コストが生じることに加えて、チャージバックは多くの場合、顧客満足度に関する負の指標、そして本当の不正使用の場合はセキュリティの問題を示す負の指標となります。そのため、多数のチャージバックが発生しているのであれば、対処すべき組織上の問題が存在している可能性があります。

チャージバックの平均発生件数

幸いなことに、企業のチャージバックの件数は全体として年々減少傾向にあります。しかし、それでもなおチャージバックを原因とする収益の損失は非常に大きく、Juniper Research の調査によると、2020 年だけでチャージバックと不正使用に起因する企業の損失額は 175 億ドルに達しています。

カードネットワークとアクワイアラーは、特定のビジネスに対してチャージバック件数が過度に多いとみなす比率についてそれぞれ独自の基準を設けています。一般的には、チャージバックと取引の比率として、1% が許容される最大値とされています。チャージバックが 1% のしきい値を上回った場合、いくつかの問題が起きる可能性があります。ペイメントプロバイダーによっては、チャージバック率が高くなりすぎると、取引手数料が高くなったり、罰則が科されたりすることがあります。Stripe では、企業のチャージバック率が上昇するか、顧客が返金を要求したり不審請求を申請したりするリスクが高まったと思われる場合、その企業の引当金勘定の作成を開始することがあります。

カードネットワークもチャージバックの問題に積極的に取り組んでいます。たとえば、Visa と Mastercard はどちらも対策プログラムを実施しています。このプログラムは、チャージバック率が高い企業にチャージバックを減らすための対策を講じさせるものです。Visa のプログラムは、Visa Fraud Monitoring Program (Visa 不正使用モニタリングプログラム) (VFMP) および Visa Dispute Monitoring Program (Visa 不審請求申請モニタリングプログラム) (VDMP) と呼ばれています。また Mastercard は、Excessive Chargeback Merchant (チャージバックが高すぎる加盟店) (ECM)High Excessive Chargeback Merchant (チャージバックが異常に高い加盟店) (HECM) の 2 つのレベルで構成される、Excessive Chargeback Program (過剰チャージバック対応プログラム) (ECP) を実施しています。

チャージバックを減らす 8 つの方法

チャージバックを防ぐということは、顧客が求めるものを顧客が期待するタイミングで届け、品質に満足してもらい、問題が発生した場合は担当者に簡単に連絡を取れるようにするために最善を尽くすということです。こうした目標は間違いなく達成することが可能ですが、顧客の期待は複雑で、しかも高まり続けています。

顧客体験を調整してこのような目標を達成するには、事業運営のあらゆる側面を改善しなければなりません。そのための主な出発点としては、次のようなものが挙げられます。

オンライン支払いと対面支払いのセキュリティを最優先事項にする。

チャージバックは一般的にクレジットカードの不正使用の結果として発生するため、チャージバックの件数を最小限に抑えるには、セキュリティを最優先事項にするのが最も効果的です。セキュリティに関しては、次のような対策があります。

  • ペイメントプロバイダーに相談する。
    決済処理プロバイダーは、顧客がチャージバック率を可能な限り低く抑えられるよう積極的にサポートしているため、まずはどのようなサポートがあるのかを担当者に尋ねてみることをお勧めします。たとえば、Stripe では不正防止に関するサポートチャージバック削減に関するサポートを幅広く提供しています。Stripe Radar は、既存のシステムへの導入やオプトインの必要がない、Stripe プラットフォームに最初から備わっている不正防止ツールであり、197 カ国の決済データを活用して不正取引を防ぎます。Radar は、毎年数十億ドルの決済を処理している数百万のグローバル企業から得たデータに基づいて、すべての決済にリスクスコアを割り当て、数多くのリスクの高い決済を自動的にブロックできます。チャージバック保証をさらに一歩進めたい場合は、Stripe が提供する、不正利用に関する申請から売上を守る追加のチャージバック保証をご利用ください。このチャージバック保証では、チャージバックが正当であるかどうかを問わず、損失の防止をサポートしながら、不審請求が申請された分の金額を払い戻し、不審請求の申請手数料を免除します。

  • 販売時点管理 (POS) ソフトウェアを定期的に更新する。
    POS ソフトウェアを最新の状態に保たなければ、セキュリティが脆弱になる可能性があります。このような問題は簡単に回避できるため、発生させないようにする必要があります。

  • セキュリティがより強固なカード取引を選ぶ。
    非常に安全な NFC テクノロジーと EMV チップを使用する非接触型決済に対応したペイメントゲートウェイと決済端末に投資します。クレジットカードやデビットカードをスワイプする取引は、カードの機密データをすべて暗号化する NFC や EMV での取引とは異なり、カード番号自体を送信するため、NFC や EMV と比べて安全性が低くなります。

  • 顧客に署名と PIN 番号の使用を求める。
    これは特に、カードをスワイプする取引のセキュリティを強化するのに役立ちます。

返品と返金に関する明確なポリシーを定める。

フレンドリー詐欺への対応は、単純なクレジットカードの不正使用より難しい場合があります。多くのチャージバックは、顧客がわざわざ商品を返品したり、返金を求めたりしたくないと考えるために発生します。顧客が安易に銀行に不審請求を申請するのではなく、適切な方法で必要のない商品を返品してもらうには、簡単で負担の少ない、柔軟な返品ポリシーを定めて顧客に明示します。

返品プロセスを簡単にすると利益に悪影響が及ぶように思えるかもしれませんが、実際にはそのようなことはありません。顧客が購入後に返金を強く求めている場合は、チャージバックではなく返金によって代金が差戻されるよう最善を尽くす必要があります。チャージバックのような返還でも (企業が望むものではない) 顧客への代金の返金が行われますが、企業にとってはチャージバックより返金の方がはるかに対応が容易です。

オンライン在庫を常に最新の状態に保つ。

実際には在庫切れの商品を顧客が注文できてしまった場合、返金ではなくチャージバックを求められる恐れがあるため、オンライン在庫を常に最新の状態に保つよう心掛ける必要があります。

商品についてわかりやすく説明する。

チャージバックのもう 1 つの主な原因は、顧客が受け取った商品とオンラインでの商品の説明文に相違があると思われてしまうことです。実物に近い写真や動画を載せるだけでなく、少し時間をかけて顧客にわかりやすい商品の説明文を作成すれば、チャージバックを減らせる可能性があります。

配送のニーズに応える。

顧客が注文した商品が配送の過程でどこにあるのかわからなくなったと思ったり、商品が届かない可能性があると思ったりした場合、顧客がチャージバックプロセスを開始することはよくあります。こうしたリスクは、次のような配送の詳細情報を顧客に伝えることで軽減できます。

  • 商品の配送業者
  • 確認番号と追跡番号、および追跡情報を入力して配送の最新情報を確認できるサイトへのリンク
  • 配送予定日時
  • 配送の最新情報を受け取れなくなったり、荷物が届かなかったりした場合の連絡先に関する指示

顧客に配送日時、追跡番号、注文品を届ける配送業者の名前などの重要な情報を提供することにより、商品が届かなかったときに、顧客が不審請求を申請するのではなく正しい方法を取れるようにします。

いつでも連絡を取れるようにする。

顧客が企業に問題解決の支援を求めて協力を得られなかった場合、かなりの頻度でチャージバックを要求されます。無料トライアル期間の終了時に突然サブスクリプションの料金を請求されたり、間違って 2 回代金を請求されたり、注文とは違う商品を受け取ったりなど、顧客が企業から購入した商品やサービスに何らかの問題があり、その問題を解決するための企業への問い合わせが簡単に行えなければ、チャージバックを要求される可能性がかなり高くなります。

問題が起きたときに、顧客がクレジットカード会社や銀行ではなく販売元の企業に相談できるようにするには、幅広い対応が可能な顧客サービス部門を置くのが最善です。理想的にはメール、チャット、SMS、電話などの複数の手段で担当チームに連絡を取りやすければ、売上の差戻しが発生することなく多くの問題を解決できる可能性が高くなります。また、顧客への返金が保証されている場合は、チャージバックに関連する追加コストを発生させるのではなく、自ら返金対応を開始します。手短に言うと、顧客が簡単に担当チームに連絡を取れるようにすることが重要です。

無料トライアルの期間を明確にする。

自社がサブスクリプションやメンバーシップを販売しており、無料トライアルを用意している場合は、無料トライアル期間の終了と同時に自動的に料金を請求しないようにすることをお勧めします。自動課金は一般的に行われていますが、不必要なチャージバックの原因となる可能性があります。顧客が無料トライアル期間の終了時にメンバーシップやサブスクリプションを選べるようにすれば、利用を終了するユーザーが増えるかもしれませんが、チャージバックや返金要求のリスク (およびそれらに関連するあらゆるコスト) を考慮に入れると、無料トライアル後の自動課金をなくすことがビジネスの戦略的展開につながる可能性があります。Stripe を使用してサブスクリプションの無料トライアルを有効にする方法については、このリンク先をご覧ください。必要な情報がまとめられています。

クレジットカード明細書に自社名が明示されるようにする。

顧客が不審請求を申請する特に一般的な理由の 1 つとして、クレジットカード明細書に見覚えのない企業の名前が記載されているということが挙げられます。明細書に請求が記載されるときは必ず、請求記述子と呼ばれる取引の簡単な説明があります。そこには取引した企業の名前が含められるのが一般的ですが、場合によってはその名前が認識されていなかったり、まったく示されていなかったりすることもあります。多くの顧客は、不審と思われる取引に対して不審請求を申請するため、顧客の明細書に自社の取引が明示されるようにすることをお勧めします。なお、自社に対するチャージバックの件数が最小限になるように請求記述子を記載する方法を解説した記事もあります。

ほとんどの企業では、チャージバックを完全に排除することはできませんが、チャージバックに適切に対処することは可能です。結局のところ、あらゆるセキュリティ対策を講じたうえで、先を見越して準備を整え、常に必要な情報を伝えたり、顧客サービスを簡単に利用できるようにしたりしたとしても、チャージバックを完全に防ぐことはできません。ただし、チャージバックの件数を減らすことができれば、より強い姿勢で不当なチャージバックに適切に対応するとともに、本当の不正使用にも効果的に対処することが可能になります。

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