ほとんどのビジネスは、立ち上げ後すぐに、特にクレジットカードまたはデビットカードで購入が行われた場合、最初の取引が完了した後も顧客の支払いのライフサイクルは停止しないことを知ります。返金リクエスト、商品交換、およびチャージバックはすべて、元の取引が行われた後も、完了した販売に時間、労力、リソースを投資し続ける必要があります。

同様に、リトリーバルリクエストでも、ビジネスは決済を管理し、購入のバックエンドで収益を保護する必要があります。リトリーバルリクエストやチャージバックは、ビジネスにとって対処に時間のかかる頭痛の種となることがありますが、それを無視するとさらにコストがかかり損害が大きくなる可能性があります。

顧客の支払い情報を安全に保ち、損失からビジネスを保護することは最優先事項であるため、リトリーバルリクエストについては、多少の時間をかけてでもよく理解する価値があります。ここでは、リトリーバルリクエストに対応し、それがビジネスにとって何を意味するのかを理解するために知っておくべきことを説明します。

この記事の内容

• リトリーバルリクエストとは
  
• リトリーバルリクエストとチャージバックの比較
  
• リトリーバルリクエストと返金の比較
  
• リトリーバルリクエストが行われる理由
  
• リトリーバルリクエストへの対応方法
  
• リトリーバルリクエストへの対応期限
  
• リトリーバルリクエストを無視するとどうなるか
  
• リトリーバル手数料
  

リトリーバルリクエストとは

リトリーバルリクエストは、カード保有者が自分のアカウントに表示された請求について照会するためのプロセスです。カード保有者は、リトリーバルリクエストを使用して取引に関する追加情報を要求し、その有効性を判断できます。

顧客がリトリーバルリクエストを申請すると、次のようなことが起こる可能性があります。

• カード保有者のカード発行会社は、ビジネスの銀行 (アクワイアラーまたはアクワイアリング銀行) に、リクエストされた情報を問い合わせます。
  
• アクワイアリング銀行は、問題解決に必要な情報を提供できない場合、ビジネスに通知をします。これにより、ビジネスは必要に応じて、支払いの正当性を確認したり、返金を開始したりするための情報を共有することができます。
  
• 場合によっては、アクワイアラーやビジネスに連絡する前であっても、顧客が即座にチャージバックを申し立てることもあります。
  

カードを発行した金融機関によって、リトリーバルリクエストに対する対応は異なります。つまり、不正利用に関するカード保有者の確信度によって、発行会社ごとに異なるポリシーがあります。たとえば、顧客が特定の支払いを覚えていないが、それがオーソリされた取引である可能性があると考えている場合、リトリーバルリクエストは一方的に処理される可能性があります。カード保有者が、その取引をオーソリしていないことを確信している場合、またはその請求が重複、あるいはビジネス側のその他の誤りであることを確信している場合は、別の方法で処理される可能性があります。

リトリーバルリクエストとチャージバックの比較

チャージバックとは売上の差戻しであり、顧客がデビットカードまたはクレジットカードで購入後に、その支払いについて銀行またはクレジットカード会社に不審請求の申請を行った場合に開始されます。リトリーバルリクエストはチャージバックではありませんが、通常はチャージバックに先立つ警告とみなされています。リトリーバルリクエストは、強制されずに返金を行う機会、または売上を差戻さずに問題を解決するための十分な情報を提供して対応する機会をビジネスに与えることで、チャージバックを未然に防ぐ機会を提供します。

リトリーバルリクエストと返金の比較

リトリーバルリクエストと返金の違いは、売上がいつ差戻されるかというタイミングの問題です。おそらくご存知のとおり、返金は取引後に売り手によって開始される売上の差戻しです。対照的に、リトリーバルリクエストは、必ずしも支払いが差戻され、カード保有者に売上が返金されることを意味するわけではありません。これは、売上が差戻される前に、アクワイアラーとビジネスが支払いの正当性を裏付ける証拠を提出する機会が与えられるということだけを意味します。

リトリーバルリクエストが行われる理由

リトリーバルリクエストはさまざまな理由で発生しますが、効率的に対応しやすいものもあれば、そうでないものもあります。リトリーバルリクエストは、判読できないレシートなど、些細なことが引き金になる場合があります。また、広範なセキュリティ侵害を示している可能性もあります。原因が何であれ、細心の注意を払うだけの価値はあります。

リトリーバルリクエストの一般的な理由としては、次のようなものが挙げられます。

• 顧客が支払いを認識していない。
  
• 顧客は支払いを認識しているが、支払いが重複していると考えている。
  
• 顧客のカード明細書に記載されている支払い金額が、取引時に支払うことに同意した記憶している金額と一致していない。
  
• カード発行会社がその支払いが不正利用であると判断した。
  

リトリーバルリクエストへの対応方法

リトリーバルリクエストを受け取ったら、支払いの正当性を確認するための十分な証拠を用意して迅速に対応することが重要です。もちろん、その支払いが本当に不正利用である可能性もあります。そのような場合であっても、問題の解決や、知らず知らずのうちに自分のビジネスが関与していた可能性のある他の不正利用の特定に積極的に参加すべきです。

以下に、リトリーバルリクエストに応えて頻繁に提供される情報の種類の例をいくつか示します。

• 請求書または領収書
  
• 注文確認番号
  
• 取引金額
  
• オーソリコード
  
• 顧客の名前、IP アドレス (オンライン購入の場合)、口座番号
  
• 名前、住所、ウェブサイトのアドレスなどの完全なビジネスの詳細
  
• 配送情報
  
• サービス情報 (予約確認、サービスレポートなど)
  
• 既に返金が行われている場合は、返金を証明するもの
  
• 上記の項目を含む、取引に関連してカード保有者が署名した書類
  

Stripe ユーザーは、ダッシュボードから直接不審請求の申請に対応することができます。ビジネスはまた、リトリーバルリクエストを受け取ったときに顧客に連絡することもできます。それぞれの銀行を通じてやり取りするのではなく、顧客とともにこのような状況に対処することには、いくつかの重要な利点があります。

• 顧客とのやり取りのひとつひとつが、ブランドへの親近感やロイヤリティを育む機会です。不審請求の申請の対応も例外ではありません。ビジネスとそのチームは、人間味のある親身な方法でこの対話に取り組み、真の関心と好奇心を示すと同時に、ビジネスが顧客の味方であり、問題の解決を望んでいることを示すことができます。問題の支払いの結果がどうであれ、最終的には、トータルでプラスの顧客体験を生み出して終えることができます。
  
• 支払いを差戻す必要がある場合は、チャージバックよりも返金の方が望ましいと考えられます。顧客と直接話すことで、チャージバックを発生させてしまう代わりに返金を開始する機会が得られます。
  

リトリーバルリクエストへの対応期限

リトリーバルリクエストへの対応期限は、カードの発行会社によって定められています。金融機関によって異なりますが、通常、この期限は最初のリクエストを送ってから 10 ～ 20 日です。

リトリーバルリクエストを無視するとどうなるか

リトリーバルリクエストを受けて、それに対応しなかったり、定められた期間内に対応しなかったりすると、ほとんどの場合、チャージバックが発生することになります。さらに、リトリーバルリクエストは先手を打つ機会となるため、事実上、チャージバックに対する対抗手段を事実上失うことになります。

明らかに、リトリーバルリクエストにタイムリーに対応することが重要です。チャージバックがもたらすのは、銀行手数料や収益の損失だけではありません。チャージバック率が上昇すると、将来的なチャージバックやリトリーバルリクエストに備えて現金を確保するために、入金から売上を自動的に差し引くなど、加盟店アカウントに追加措置が講じられる可能性があります。

リトリーバル手数料

リトリーバル手数料は、利用するアクワイアラーによって異なります。Stripe では、リトリーバルやチャージバックを含むすべての不審請求の申請に対して $15 の手数料を請求します。