決済代行業者の基礎知識: 概要とその役割

Payments
Payments

成長中のスタートアップからグローバル企業まで、あらゆるビジネスに対応できる決済ソリューションを利用して、オンライン決済、対面支払いなど、世界中のあらゆる場所で決済を受け付けます。

もっと知る 
  1. はじめに
  2. 決済代行業者とは
  3. 決済代行業者の役割
  4. 決済代行業者の役割
  5. 決済代行業者の選び方

対面、オンライン、モバイルなど複数のチャネルで電子決済を受け付けている事業者は、さまざまな複雑さに対処する必要があります。たとえば、最適な決済代行業者選びもその 1 つです。長期的な成功やビジネスのいろいろな側面に影響を与える可能性がある重要な意思決定です。

グローバル展開する事業者の増加に伴い、多通貨対応や各地域で好まれる決済オプションへのニーズが高まっています。このような進化するニーズに対応するために、ビジネスオーナーや起業家は決済代行業者を選ぶにあたって、考慮するべき重要な要素をよく把握しておく必要があります。

この記事では、決済代行業者とは何か、決済処理サービスプロバイダーの役割、決済処理のさまざまな側面について、手数料や料金体系、セキュリティ対策、グローバルなサポートなどの面から多角的にご紹介します。

この記事の内容

  • 決済代行業者とは
  • 決済代行業者の役割
  • 決済処理業者の仕組み
  • 決済代行業者の選び方

決済代行業者とは

決済代行業者とは、事業者と購入者の間で行われるクレジットカード、デビットカード、デジタルウォレットを使った決済などの電子取引を処理する企業またはサービスです。決済代行業者を利用すると、さまざまな形態の決済を安全にすばやく受け付けることができ、購入者の口座から事業者の口座への送金をスピーディーかつスムーズに行えます。

決済代行業者の役割

事業者が購入者からさまざまな形態の決済を受け付けられるようにするのが決済代行業者であり、電子決済エコシステムで重要な役割を担っています。決済代行業者が果たす主な役割を大まかにご紹介します。

  • 取引の円滑化
    利用者が購入すると、決済代行業者が取引の詳細を受け取り、その情報をカードネットワークを介してカード発行会社 (購入者の銀行) やアクワイアリング銀行 (事業者の銀行) など適切な関係者に安全に送信します。

  • オーソリと認証
    決済代行業者はカード発行会社にオーソリをリクエストし、購入者に十分な資金や与信枠があることを確認します。また、不正利用や不正取引のリスクを最小限に抑えるために、購入者の本人確認と決済手段の有効性の確認も行います。

  • 暗号化とセキュリティ
    機密情報である財務データを保護するために、決済代行業者は暗号化とトークン化を使用して、購入者、事業者、銀行間で取引データを安全に転送します。また、決済代行業者はカード保有者の情報を扱う安全な環境を維持するために、PCI データセキュリティ基準 (PCI DSS) にも準拠する必要があります。

  • 売上処理と資金調達
    取引のオーソリに成功すると、決済代行業者はカード発行会社からアクワイアリング銀行への送金を調整します。それを受けて、加盟店アカウントに、取引額から手数料を差し引いた金額が入金されます。

  • レポートと分析用のデータ
    決済代行業者は購入者の決済に関するデータを生成します。このデータは、取引レポート、分析、インサイトを生成するために使用でき、事業者が売上の追跡や、傾向の把握、効果的な事業運営に役立てることができます。

  • 不正利用の検知とチャージバック管理
    決済代行業者は高度なアルゴリズムとツールを使って取引に不正行為が見られないか監視し、事業者が不正利用の被害を受けるリスクを最小限に抑えます。また、チャージバックや不審請求の申請への対応に関する支援も行います。

  • 多通貨や複数の決済手段への対応
    事業者のグローバル展開を支援するために、多くの決済代行業者が多通貨や、地域で普及している決済手段に対応しています。たとえば、Stripe は 135 種類以上の通貨に対応しているため、事業者はグローバルに事業を展開しながら、現地通貨で入金を受け取れます。

決済代行業者の役割

決済代行業者は、顧客と企業間の電子取引を促進するために介在しますが、企業によっては、このプロセスの中身を把握し切れていない可能性があります。この項目では決済代行業者の役割を理解してもらうために、一般的な決済処理フローについて詳しく解説します。

  • 顧客による支払い
    顧客は購入時に、クレジットカードやデジタルウォレットなどの支払い情報を企業に提供します。これは、店頭の販売時点情報管理 (POS) 端末、E コマースサイト (オンライン)、モバイルアプリ、または決済リンクなどを介して行われます。

  • 取引データの暗号化
    企業の決済システムは取引データを暗号化し、決済代行業者に安全に送信するための処理を施します。この暗号化によって、不正行為者による機密顧客情報の傍受・悪用を防ぐことが可能です。

  • 取引データの送信
    暗号化された取引データは、企業から決済代行業者に送信され、決済代行業者はその情報をアクワイアリング銀行に転送します。

  • カード発行会社への情報送信
    アクワイアリング銀行は、取引情報を然るべきカードネットワーク (Visa、Mastercard、アメリカン・エキスプレスなど) を通じてカード発行会社に転送し、オーソリを取ります。

  • オーソリリクエスト
    カード発行会社は取引情報を審査した後、顧客に十分な資金または与信があるかどうかを確認します。また、不正使用のリスクを抑えるため、支払い方法の真正性と顧客の身元の確認も行われます。

  • オーソリの回答
    カード発行会社が取引を承認すると、カードネットワークを介してアクワイアリング銀行に承認コードが返送されます。カード発行会社がオーソリを拒否する場合は、取引を承認しなかった理由を記載した支払い拒否コードが返送されます。

  • 回答の受信
    決済代行業者はアクワイアリング銀行からオーソリの回答を受信し、それを企業に転送します。取引が承認されると、企業は取引を進めることができます。オーソリが拒否された場合、企業は顧客に別の支払い方法を要求することができます。

  • 取引完了
    取引が承認されると、企業は商品またはサービスを顧客に提供します。この時点で取引完了と見なされますが、実際の資金移動はまだ行われていません。

  • キャプチャーと売上処理
    「キャプチャー」とは、取引によって、顧客の口座から加盟店の口座に資金が送金されることをいいます。企業は通常、営業終了時にその日承認された取引のバッチを決済代行業者に送信して売上処理を行います。その後、決済代行業者はこのバッチをアクワイアリング銀行に送信し、アクワイアリング銀行はカード発行会社から加盟店アカウントに資金を送金するプロセスを開始します。送金には通常 1〜3 営業日かかり、関係する決済処理業者や銀行によって変動します。

How does a payment processor work? - Flow chart demonstrates how a payment processor works, from customer payment to merchant bank

これは決済代行業者がたどる一般的なプロセスですが、決済手段や業界によって、決済の種類や決済シナリオにいくつかのバリエーションや特別な考慮事項があります。SaaS (サービスとしてのソフトウェア) 企業の決済処理については、こちらで詳細をご覧ください。また、オンライン決済処理の詳しい解説については、こちらの Stripe ガイドでご確認いただけます。

決済代行業者の選び方

決済代行業者は顧客体験、取引のセキュリティ、キャッシュフロー、決済プロセスの全体的な効率に直接影響します。決済代行業者を選ぶためには、現在だけでなく、事業が成長・進化した将来の時点のニーズも正確に把握する必要があります。それを踏まえたうえで、決済代行業者を選ぶ際に考慮するべき要素をご紹介します。

  • 手数料と料金体系
    決済代行業者の手数料体系を把握します。たとえば、セットアップ手数料、取引手数料、月額料金、チャージバック手数料、通貨換算手数料などがある場合があります。自社の取引量や期待成長率に合う料金体系モデルを探しましょう。段階制料金や定額料金のところもあれば、各取引のパーセンテージに固定額の手数料を加えた金額を請求するところもあります。Stripe の料金体系モデルについて、詳しくはこちらをご覧ください。

  • 受け付け可能な決済手段
    購入者が利用する可能性の高い決済手段に対応している決済代行業者かどうか確認します。クレジットカード、デビットカード、デジタルウォレット、後払い、地域で普及している決済手段などがあります。たとえば、一部の市場では代金引換が広く利用されていますが、まったく利用されていない市場もあります。幅広い決済手段に対応すると、顧客満足度と購入完了率の向上につながります。

  • セキュリティと法令遵守
    決済代行業者が購入者の機密情報を扱う安全な環境を確保するために PCI DSS などの業界標準に準拠しているかどうか確認します。また、決済代行業者の不正利用検知・防止機能や、トークン化、暗号化といったセキュアテクノロジーの対応状況も考慮しましょう。セキュリティに対する Stripe のアプローチや簡単に法令遵守を実現できる仕組みについて、詳しくはこちらをお読みください。

  • グローバル対応
    複数の国で事業を行っている場合や、グローバル展開する計画がある場合は、多通貨や地域で普及している決済手段に対応した決済代行業者を探しましょう。また、通貨換算手数料や国際取引手数料も確認しましょう。

  • 連携機能と互換性
    現在利用している既存の EC ストアプラットフォーム、POS システム、その他のビジネスソフトウェアと互換性のある決済代行業者を選びましょう。ほとんどの決済代行業者は、さまざまなプラットフォームとシームレスに連携できるように使いやすい API、プラグイン、SDK を提供しています。Stripe の支払い API について、詳細はこちらをお読みください。

  • 使いやすさとユーザー体験
    決済のユーザー体験 (顧客向け) や、レポート、取引管理の体験 (事業者向け) を確認します。インターフェイスが直感的で、使いやすく、効率的であるものがおすすめです。

  • カスタマーサポート
    決済代行業者のカスタマーサポートの質と提供状況を確認します。Stripe のように、電話、メール、ライブチャットなど複数のチャネルで 24 時間 365 日対応のサポートを提供していれば理想的です。ネットに掲載されているレビューや推薦文をチェックして、サポートチームの対応スピードと有効性を判断しましょう。

  • 拡張性と柔軟性
    ビジネスの成長に伴い、決済処理のニーズは進化します。ビジネスに合わせて規模を拡大でき、サブスクリプション請求、請求書作成、継続支払いなどの機能を提供している決済代行業者を探しましょう。決済処理に関する自社のニーズが今後 5 年間でどうなるか考え、決済代行業者が将来のビジネスニーズに対応できるかどうか確認します。

  • 契約条件とキャンセルに関するポリシー
    決済代行業者の契約条件を確認します。最小要件、早期解約手数料や、発生する可能性があるその他の制限もチェックしましょう。ビジネスニーズに合い、透明性が高くて柔軟な条件を提示している決済代行業者を探しましょう。

このような要素をじっくりと検討すると、自社固有の要件にぴったりな決済代行業者を選ぶことができ、社内チームや購入者向けに、どのチャネルでもシンプルで安全な決済体験を実現できます。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

今すぐ始めましょう

アカウントを作成し、支払いの受け付けを開始しましょう。契約や、銀行情報の提出などの手続きは不要です。貴社ビジネスに合わせたカスタムパッケージのご提案については、営業担当にお問い合わせください。
Payments

Payments

あらゆるビジネスに対応できる決済ソリューションを利用して、世界中のあらゆる場所でオンライン決済と対面決済を受け付けましょう。

Payments のドキュメント

Stripe の支払い API の導入方法について、ガイドをご覧ください。