ACH デビット: 徹底ガイド

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成長中のスタートアップからグローバル企業まで、あらゆるビジネスに対応できる決済ソリューションを利用して、オンライン決済、対面支払いなど、世界中のあらゆる場所で決済を受け付けます。

もっと知る 
  1. はじめに
  2. ACH デビットの概要
  3. ACH デビットが主に利用されている地域
  4. ACH デビットの主なユーザー
    1. 事業者による ACH デビットの利用方法
    2. 顧客による ACH デビットの利用方法
  5. ACH デビットの仕組み
    1. 取引の開始と送信
    2. データセキュリティ
    3. 手数料体系
    4. 売上処理と清算
    5. 普及率と利用のトレンド
  6. ACH デビットを受け付ける事業者側のメリット
    1. 取引手数料を低く抑えられる
    2. 継続支払いを効率化できる
    3. 決済処理のミスを減らせる
    4. 決済のセキュリティを強化できる
    5. 業務を効率化できる
    6. 堅牢なデータ分析を利用できる
    7. 顧客満足度を高められる
    8. 市場のトレンドと ACH デビットの成長
  7. ACH デビットのセキュリティ対策
  8. ACH デビットを導入する際の事業者側の要件
    1. 加盟店アカウントの開設
    2. ACH 運営者との契約
    3. Nacha 規制の遵守
    4. PCI データセキュリティ基準 (PCI DSS) の遵守
    5. 不正防止ツールの導入
    6. ソフトウェア連携
    7. 従業員トレーニング
    8. 開示と承認
  9. ACH デビットに代わる選択肢

ACH 送金は、銀行口座間で資金を直接移動する際に広く利用されている決済処理の方法です。グローバルな決済業界のエコシステムにおいて、ACH システムは現地の銀行取引の慣行に準拠しており、各国が国内の銀行業務の規制および慣行に合わせた独自のバージョンを導入しています。

Nacha によると、2022 年に ACH ネットワークがアメリカ国内で処理した決済件数は 300 億件に上りました。電子決済の普及が進むのに合わせて、事業者と顧客の双方において、ACH 送金の一種であり、信頼性が高く、追跡が容易な ACH デビット取引を好む傾向が高まっています。

ACH 送金は、アメリカでは主要な決済手段の 1 つですが、世界レベルでみると必ずしもそうではありません。たとえば、EU では、SEPA 送金が域内のクロスボーダー決済に標準化されたアプローチを提供して、支払人と受取人の双方のプロセスを効率化し、ACH のようなシステムの必要性を低減しています。銀行業務に関して最先端のインフラストラクチャーを備える国々では、ACH デビットの使用率が高くなる傾向にあります。対照的に、銀行業務のシステムがさほど発達していない国々では、モバイル決済など代替の決済手段の利用が多くなる傾向にあります。モバイル決済の人気が高いのは、インフラストラクチャーの要件が低いためです。その国で ACH デビット決済が利用されるかどうかは、国内の銀行法、キャッシュレス決済に対する社会的な関心の高さ、技術連携のレベルといった要因がすべて影響します。

世界中の ACH デビットシステムは、効率的で信頼性の高い資金移動を促すという共通目標を持っています。このガイドでは、ACH デビット決済の仕組みの概要と、世界の各地域における ACH デビットの具体的な使用例について解説します。

この記事の内容

  • ACH デビットの概要
  • ACH デビットが主に利用されている地域
  • ACH デビットの主なユーザー
  • ACH デビットの仕組み
  • ACH デビットを受け付ける事業者側のメリット
  • ACH デビットのセキュリティ対策
  • ACH デビットを導入する際の事業者側の要件
  • ACH デビットに代わる選択肢

ACH デビットの概要

自動決済機関 (ACH) デビットとは、支払人の銀行口座から資金を直接引き出す ACH 送金の一種です。Nacha (National Automated Clearing House Association、全米自動決済協会) によって運営される ACH ネットワークでは、大量のクレジットカードおよびデビットカード取引をバッチ単位で処理します。ACH ネットワークは、銀行や金融機関をつなげる金融ハブとして機能しています。銀行口座振り込み、給与の支払い、顧客への請求、税金の支払い、多数の B2B 取引など、さまざまな種類の支払いを可能にしているのがこのネットワークです。

ACH デビットが他の決済手段と異なる点は、処理の方法とスピードです。事業者または個人が ACH デビットの取引を開始する場合、請求当事者は口座の名義人から、口座から資金を引き出すための承認を得る必要があります。承認は、署名済みの契約書、録音した音声会話、オンラインの合意書などを介して行われます。承認後に支払いが実行され、通常は数営業日で処理が完了します。この間に、確実な取引のため必要なチェックと残高確認が行われます。

世界中で ACH デビットの利用が増えているのは、電子決済への移行が進んでいることの表れです。Nacha のレポートによれば、2022 年に ACH ネットワークで処理された金額は 76.7 兆ドルで、2021 年から 6% 増加しています。ACH デビットのシステムは信頼性の高さで知られており、大規模な企業取引の処理や継続請求の自動化など、さまざまな用途に採用されています。既存のデジタルファイナンスツールとの連携が可能な、電子決済ソリューションを求める事業者や顧客が増える中、ACH デビットは、最先端の金融取引に欠かせないサービスとなっています。

ACH デビットが主に利用されている地域

ACH ネットワークは主にアメリカで利用されています。しかし同時に、世界最大規模の最も効率性の高い決済システムの 1 つとして、顧客や事業者の取引の幅広い用途に使用されています。Nacha のレポートによると、2022 年に ACH ネットワークで処理されたダイレクトデポジットの額は 80 億ドルを上回り、即日支払いの処理額は 6 億 9,700 万ドルに達しました。

アメリカは ACH 決済の利用数が世界トップで、政府の給付、給与の支払い、ビジネス取引、ピアツーピア取引など幅広い場で使用されています。連邦準備銀行の 2022 年の決済調査によると、2018 年から 2021 年にかけて現金以外での決済が増加し、その増加の 90%以上を ACH の決済金額が占めました。このことから、従来の小切手よりも ACH を好む傾向が高くなっていることがわかります。

資金を電子送金する同様のシステムは世界中で導入されていますが、多くは名称も運用の枠組みも異なります。

  • ユーロ圏諸国: SEPA (単一ユーロ決済圏) は、EU の加盟国間でのユーロ送金に、ACH に似た仕組みを導入しています。SEPA により、クロスボーダーのユーロ決済が、国内の決済と同程度までシンプルになり、欧州全域で広く受け入れられるようになりました。

  • カナダ: カナダには、カナダ決済協会 (Canadian Payments Association、Payments Canada としても知られる) が存在し、「ダイレクトデビット」の名称で国内の電子決済を統括しています。このダイレクトデビットには、ACH デビットに似た性質の決済方法が含まれています。

  • イギリス: イギリスの ACH といえるのが Bacs Payment Schemes Limited です。Bacs ダイレクトデビットは、イギリスでは定期的な請求支払いに広く利用されています。

  • オーストラリア: オーストラリアのバルク電子決済システム(BECS) は ACH ネットワークと同等のシステムで、オーストラリアの銀行の口座引き落としや振り込みに対応しています。

ACH デビットの主なユーザー

ACH デビットの取引は、多種多様な事業者と顧客によって頻繁に利用されています。ACH ネットワークの決済サービスは、その信頼性とコスト効率の良さで幅広いユーザーを引き付けています。

事業者による ACH デビットの利用方法

  • 中小企業 (SME)
    多くの中小企業が、サプライヤーへの支払い、給与の支払い、税金の送金などに ACH デビット取引を利用しています。継続支払いの設定が簡単で、特にクレジットカードの手数料と比べて取引あたりのコストが低いことが、その主な理由です。

  • 大企業
    大企業では、資金の回収や支払いに ACH 取引がよく利用されています。ACH デビットは効率性が高く、資金移動を予測しやすいため、キャッシュフローの管理、買掛金や売掛金の処理の自動化、管理コストの削減に生かされています。

  • 非営利団体
    非営利団体では、寄付金や会費の回収に ACH デビットがよく利用されています。便利な継続支払いの機能により寄付者の定着率が向上し、安定した収入を得ることが可能になっています。

  • 政府機関
    連邦、州、地方の各政府機関では、税の徴収や給付金の支給など、さまざまな支払いに ACH デビットが利用されています。ACH ネットワークはセキュリティ基準が高く、大規模な取引にも対応できることから、公共部門の財務処理に最適な手段となっています。

  • 医療従事者
    医療機関では、患者の支払い、保険金の請求、業者への支払いなどを ACH で処理しています。ACH は大量の取引に対応でき、支払いの追跡や照合も行えるため、この業界に適した決済手段です。

顧客による ACH デビットの利用方法

  • 給与所得者
    ACH ダイレクトデポジットは、従業員が賃金を受け取る方法として広く利用されています。

  • ギグエコノミーワーカー
    フリーランスや請負で働く個人の中には、処理の容易さと手数料の低さから、インボイスや諸経費の支払いに ACH デビットを利用している人が多くいます。

  • オンラインの買い物客
    オンラインショッピングでクレジットカードの使用を希望しない人は、銀行口座から直接支払う手段として ACH デビットを選ぶことができます。ACH デビットなら、支出をより細かく管理することが可能です。

  • マイホーム所有者や借り手
    住宅ローンを抱えている人や賃借人の中には、支払いに遅れないようにするため、また信用スコアを改善できる可能性があるため、月々の支払いに ACH デビットを利用している人が多くいます。

  • 退職者
    退職者は、年金や社会保障給付金を、ACH 経由で口座に直接振り込むように指定することで、自己資金に適時アクセスできます。

  • 学生とその保護者
    ACH デビットは学費の支払いに対応しており、学生の資金管理や教育費の支払いの長期にわたる追跡に役立ちます。

  • 投資家
    ACH デビットは個人投資家が証券口座に資金を送金する際に利用されています。高額な送金手数料を支払わずに投資機会を捉えることができます。

ACH ダイレクトデポジットの取引額は 2021 年から 2022 年の間に約 5% 増加しており、ACH デビットを使った取引が、幅広いビジネスセクターや顧客層から注目を集めていることがわかります。デジタル決済の新しい技術が日々開発される中でも、ACH ネットワークは多種多様な金融取引をサポートする役割を着実に果たし続けています。このことから、現代の決済システムにおいても ACH ネットワークが重要であることがわかります。

ACH デビットの仕組み

ACH デビットはアメリカで広く普及している電子資金移動システムであり、銀行と金融機関をつないで顧客の口座から引き落としを行います。ACH は、請求書の支払い、継続支払い、1 回限りの取引などに使用できます。ACH デビットを採用しているビジネスは、公益事業会社、住宅金融業者、サブスクリプションサービス業者など多岐にわたります。こうした企業は、決済処理を一括で行ったり、給与を直接口座に振り込んだりできる ACH の利便性を活用しています。

取引の開始と送信

顧客または企業が ACH デビット取引を開始するときは、最初に、自身の銀行口座からの引き落としの承認を申請します。承認は、オンラインフォーム、録音済みの音声会話、署名済みの紙の書類などを使って行われます。次に、取引を開始した側 (一般的に「オリジネーター」と呼ばれる) が、 決済情報を自分の銀行である「仕向金融機関」 (ODFI) に送信します。

次に、ODFI が複数の ACH 申請をまとめ、1 日のあらかじめ決まった時間に、一括で ACH 運営者 (連邦準備銀行か The Clearing House) に転送します。ACH 運営者は、転送されてきた取引を分類し、受取人の口座がある、適切な「被仕向金融機関」 (RDFI) にこれを送信します。

データセキュリティ

ACH の取引では、Nacha および財務省外国資産管理局 (OFAC) が規定する、厳格なデータセキュリティ基準に従う必要があります。これには、データを送信中も保管時も暗号化する、リスク管理のプロトコルに従う、消費者保護規制を遵守する、といった要件が含まれます。加えて ACH では、多要素認証、定期的なセキュリティ監査、取引全般にわたる厳しいアクセス制限などを通じて、利用者のデータを保護しています。

手数料体系

ACH デビットが広く受け入れられている大きな理由の 1 つがコスト効率の良さです。ACH 決済の手数料は、通常はクレジットカード取引電信送金の手数料よりも低く設定されています。また、各種コストはオリジネーターが負担します。手数料の厳密な金額は、金融機関、取引の内容、処理する金額に応じて異なります。

売上処理と清算

取引が送信されると、通常は翌営業日に ACH デビットによって処理されます。RDFI が口座情報を確認し、取引の種類に応じて、利用者の口座への振り込みまたは口座からの引き落としを行います。残高不足だったり口座情報が誤っていたりする場合は、RDFI が取引を ODFI に戻す可能性があります。この処理には完了までに数日を要することがあります。

普及率と利用のトレンド

ACH ネットワークの取引額は年々増加しています。2022 年に ACH ネットワークで処理された決済金額は 300 億ドルで、2021 年から 3% 増加しています。増加した理由としては電子決済の普及が挙げられますが、ACH システムの信頼性と利便性が、その勢いをさらに加速させているといえます。

ACH デビットを受け付ける事業者側のメリット

取引手数料を低く抑えられる

ACH デビットの取引に付随する費用は、一般にクレジットカードや電信送金よりも低く設定されています。この優れたコストパフォーマンスにより、特に大量の取引を行う事業者は、コストを大幅に下げることができます。

継続支払いを効率化できる

サブスクリプションモデルを採用している企業や継続支払いを導入している事業者にとって、ACH は非常に効率のよい方法です。顧客の口座引き落としを自動化して回収のプロセスを合理化することにより、管理コストを軽減し、キャッシュフローを改善することができます。

決済処理のミスを減らせる

ACH デビットを採用することで手動による処理で生じがちな入力ミスを減らせます。決済を自動化することで人的ミスが減り、財務処理をこれまでよりもスピーディーに行えるようになります。

決済のセキュリティを強化できる

ACH ネットワークは、厳しいセキュリティプロトコルを遵守することで機密性の高い財務情報を保護しています。セキュリティに献身的に取り組むことで、顧客の信頼感を構築することができ、顧客は安心して口座情報を預けることができるようになります。

業務を効率化できる

ACH デビットを導入すると決済処理が自動化されるため、業務ワークフローの効率を上げることができます。この結果、事業者は取引を 1 つずつ管理する必要がなくなり、その分のリソースを他の業務に振り向けることが可能になります。

堅牢なデータ分析を利用できる

ACH ネットワークは、クレジットカードの決済代行サービスと同様に、貴重な取引データを事業者に提供します。こうした情報は、戦略上の意思決定や、決済処理および顧客サービスの改良などに役立てることができます。

顧客満足度を高められる

顧客が支払い時に ACH デビットを選ぶことが多いのは、何より使いやすいからです。こうした高い利便性は、顧客体験を強化するのみならず、顧客維持率の向上にも貢献します。

市場のトレンドと ACH デビットの成長

Nacha のレポートによると、2022 年の ACH の決済金額は前年比で 6% 増加し、全取引の半分以上を占める結果となりました。

ACH デビットのセキュリティ対策

ACH ネットワークは、ダイレクトデポジットや請求書の支払いなど、膨大な量の振り込みや引き落としを一括で処理します。こうした取引では、機密の財務情報を取り扱うことになるため、セキュリティの維持がきわめて重要になります。ACH ネットワークでは、以下の対策を講じて ACH 取引の整合性と安全性を確保しています。

  • 認証と承認のプロトコル
    ACH 取引では、厳格な認証手続きが求められます。いずれの取引でも、仕向銀行はプロセスの開始時に口座名義人の本人確認を行い、その後、支払いを承認します。多くの場合、金融機関内で承認申請の正当性を検証するためのチェックポイントが複数設けられています。

  • 取引監視のシステム
    ACH の取引では、継続的な監視を通じて不正利用を検知して、防止しています。システムを使って決済行動のパターンを分析し、未承認の取引または不正な取引である可能性が高い異常な行動にはフラグを付けます。こうした継続的な監視を通じて、セキュリティの潜在的な侵害を防いでいます。

  • 暗号化の基準
    機密データの暗号化は、ACH のセキュリティの中核をなす要素です。ACH ネットワーク内を移動するデータは、傍受や不正アクセスを防ぐ高度な暗号化技術を使って保護されています。ACH ネットワークでは、取引データとそれに付属する個人の識別情報に、この暗号化が適用されています。

  • 規制の遵守
    ACH 運営者と各金融機関は、Nacha および他の金融当局が規定している厳格な規制基準を遵守しています。基準の遵守には、定期的な監査の実施、リスク評価、健全な商慣行の実施などが含まれ、こうしたことを通じて自らが行う決済の安全性と信頼性を確保しています。

  • 銀行レベルのセキュリティプロトコル
    ACH ネットワークに加盟する金融機関は、ファイアウォール、侵入検知システム、機密システムへのアクセス制限など、銀行と同レベルのセキュリティプロトコルを実施する必要があります。これらのセキュリティ対策は、外部からの脅威の侵入を防ぎ、内部の違反リスクを制御するように設計されています。

  • 冗長化と災害復旧
    ACH ネットワークでは、システム障害、自然災害、サイバー攻撃などが発生した場合でも稼働を継続できるようにするため、バックアップシステムを維持し、災害復旧計画を策定しています。こうした予防策によって、さまざまな状況でも決済インフラを確実に稼働させ続けることが可能になっています。

  • 教育とトレーニング
    金融機関の従業員や利用者に継続的に教育やトレーニングを提供することは、ACH のセキュリティにとって欠かせない取り組みです。こうしたプログラムを通じて、潜在的なセキュリティ脅威に対する注意を喚起して、不審な行動を特定、報告する際のベストプラクティスを指導しています。

  • データ整合性のチェック
    ACH の各取引には、データが転送中に変更されたり改ざんされたりすることのないよう、また、取引の開始から売上処理までの間に情報の完全性が維持されるよう、データ整合性をチェックする機能が組み込まれています。

ACH デビットを導入する際の事業者側の要件

加盟店アカウントの開設

事業者は最初に、アクワイアリング銀行または金融機関で、ACH デビットの決済を受け付けるための加盟店アカウントを開設する必要があります。これは、ACH 取引の振り込みまたは引き落としを行う専用口座になります。アカウント開設のプロセスでは、銀行によってデューディリジェンスが行われ、ビジネスの財務安定性とリスクプロファイルが評価されます。

ACH 運営者との契約

また、事業者は ACH 運営者と、直接もしくはサードパーティーの決済代行業者を介して契約を結ぶ必要があります。この契約では、運営上の責任、売上処理の手順、法的責任、その他 ACH ネットワークを利用する際の原則が細かく規定されます。

Nacha 規制の遵守

アカウント開設プロセスの一環として、事業者は Nacha が定める規則を遵守することが求められます。これらの規則は、ACH 取引の実行、処理、確定に適用されるものであり、取引の破棄や消費者の権利に関するガイドラインも含まれます。

PCI データセキュリティ基準 (PCI DSS) の遵守

PCI DSS は、従来はカード支払いに関係する基準とされていましたが、そこで規定されているセキュリティ対策は、ACH デビットの決済を含め、機密データを取り扱うあらゆる金融取引に関連します。したがって、ACH 決済に対応する事業者は、顧客のデータを守るためにこれらの基準を遵守することが求められます。

不正防止ツールの導入

ACH 決済を受け付ける事業者は、不正利用を検知して防止するシステムを導入する必要があります。このシステムには、取引リクエストが本物であることを確認したり、リクエストを行った顧客の承認を検証したりするためのツールが含まれます。具体的な要素は事業者の規模や業種によって異なることがありますが、このような対策は不正利用のリスクを可能な限り抑えるために欠かせません。

ソフトウェア連携

事業者は通常、ACH ネットワークとの連携が可能で、ACH 取引をネットワークに送信して処理するためのソフトウェアも必要になります。多くの事業者は、ACH の処理に対応した一体型の決済ソリューションを提供する、サードパーティーのプロバイダーを利用しています。

従業員トレーニング

ACH 決済の処理および管理を担当する従業員は、関連するソフトウェアの使用方法や ACH 規則の遵守、不正取引の検知および対応などに関するトレーニングを受ける必要があります。こうしたトレーニングを通じて、ACH 決済に効果的に対応できる、有能で信頼のおける従業員を育てることができます。

開示と承認

事業者は、ACH デビット取引の条件を顧客に開示する必要があります。また、決済を処理するときは顧客から承認を得なければなりません。承認は、取引の内容に応じて書面、電子形態、口頭のいずれかで行われます。

ACH デビットに代わる選択肢

ACH に代わる決済手段はいくつか存在しますが、それぞれ特徴やビジネス上の考慮事項が異なります。緊急性の高い、高額取引に適しているのは電信送金です。一方、全体的な取引量で市場の首位を占めるのが VisaMastercard などのペイメントカードネットワークです。PayPal などのサービスは、オンライン決済として人気が高く、PayPal の報告によると、同社の 2023 年のアクティブなアカウント数は 4 億件を突破しています。

既存のウェブサイトに導入可能なデジタル決済プラットフォームも人気が高まりつつあります。さらに、モバイル決済セクターも拡大しており、世界中のスマートフォン利用者の多くが、買い物の際にデジタルウォレットを利用しています。

  • 電信送金
    すぐに取引を実行したい場合、電信送金であれば当日の売上処理が可能です。電信送金では、銀行が従来のチャネルとして機能し、海外送金には SWIFT などのネットワークが活用されます。スピードが強みの電信送金は、時間的制約のある高額な金融取引に向いています。

  • ペイメントカードネットワーク
    世界中の電子資金移動の大半に対応しているのが、Visa や Mastercard などのペイメントカードネットワークです。クレジットカードとデビットカードを使った取引を可能にするこのネットワークは、幅広い地域に普及しており、電子決済の安全なインフラストラクチャーを確立しています。

  • オンライン決済サービス
    事業者よるオンライン取引の対応方法を一変させたのが、Stripe のような決済プラットフォームです。こうしたプラットフォームは、銀行口座やクレジットカードなどさまざまな手段で行われる支払いを処理し、多様な E コマースシステムと連携して、総合的なオンライン決済ソリューションを提供しています。

  • モバイル決済システム
    Apple Pay や Google Pay などのモバイル決済システムは、スマートフォンを使った取引を可能にし、物理的な店舗とオンライン店舗の両方に対応することで、決済処理業界の成長を象徴するサービスとなっています。

  • 仮想通貨
    仮想通貨による支払いは取引手数料が安く、従来の銀行業務システムからは独立しています。ビットコインなどのデジタル通貨は、グローバル展開を目指す事業者に利用されており、クロスボーダー取引における選択肢の 1 つになっています。

  • 口座引き落としシステム
    欧州の SEPA に代表されるこのシステムは、口座引き落としのソリューションを提供し、事業者が顧客の銀行口座から直接決済を行うことを可能にしています。このシステムはとりわけ継続支払いに適しており、公共料金やサブスクリプションサービで利用されています。

  • E-check
    E-check (電子小切手) は、以前からある紙の小切手に代わる電子的手段で、従来の小切手のプロセスをオンラインに移行したものです。紙の小切手を使用した取引に慣れている顧客や事業者にとっては、なじみやすい方法です。

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