ペイメントゲートウェイ手数料: Stripe、PayPal、Square、Adyen での課金額

  1. はじめに
  2. ペイメントゲートウェイとは?
  3. ペイメントゲートウェイ手数料とは?
  4. Stripe のペイメントゲートウェイ手数料
  5. その他のペイメントゲートウェイ手数料との比較
    1. PayPal
    2. Square
    3. Adyen

ペイメントゲートウェイの選択は、オンラインで取引を処理したり、電子決済を受け付けたりしているどのビジネスにとっても、重要な検討事項です。ビジネスでのペイメントゲートウェイの選択によって、(利用者側と社内の両方での) 決済体験の多くが定まるだけでなく、ビジネスで決済を受け付けるために支払う金額も決まります。ペイメントゲートウェイ手数料は、ビジネスの全体的な収益性とコスト構造に大きく影響を及ぼすことがあります。すべての取引でコストが生じるため、ペイメントゲートウェイの選択と関連した手数料は、純収入において大きな違いを生み出します。

ビジネスが成長して拡大するにつれて、取引量が増加し、それによってこれらの手数料の影響も増大する可能性があります。以下では、Stripe だけでなく、PayPal、Square、Adyen といった他のプロバイダーの使用に伴って生じる手数料についても説明します。これらのコストは変動することがあるため、プロバイダーを探し始める準備ができたら、各プロバイダーの手数料を再度確認するとよいでしょう。

この記事の内容

  • ペイメントゲートウェイとは?
  • ペイメントゲートウェイ手数料とは?
  • Stripe のペイメントゲートウェイ手数料
  • その他のペイメントゲートウェイ手数料との比較

ペイメントゲートウェイとは?

ペイメントゲートウェイは、オンラインおよび実店舗でクレジットカード取引を処理するサービスです。小売店で見かける POS 端末のデジタル版のようなものです。利用者が商品やサービスの代金を支払う際に、ペイメントゲートウェイでは機密性の高い支払い情報を暗号化し、カードを発行したカード発行会社とビジネスの銀行間でその情報を送信し、取引が有効であることを確認します。ペイメントゲートウェイは仲介業者としての役割を果たし、取引が安全かつ速やかに実行されるようにします。

ペイメントゲートウェイは、クレジットカードの受け付けやダイレクト支払いの受け付けを希望するあらゆるオンラインビジネスに必要です。このテクノロジーは、利用者の情報がビジネス決済代行業者間で移行される際にその情報を安全に保ち、E コマースの取引プロセスにおける重要なコンポーネントとなっています。さまざまなオプションが用意されており、それぞれに多様なビジネスモデルのニーズに適合するように設計された独自の機能が備わっています。さらに、デジタル決済による全世界での取引額は、総計で 2027 年までに 14.8 兆ドル近くになると想定されており、信頼できるペイメントゲートウェイの高まりつつある需要が強調されています。

ペイメントゲートウェイ手数料とは?

ペイメントゲートウェイ手数料とは、ペイメントゲートウェイのサービスを利用する際、特に、クレジットカード取引を処理する際にビジネスで負担するコストのことです。これらの手数料は、いくつかのタイプに分類できます。

  • セットアップ料金
    これは、ビジネスで最初にペイメントゲートウェイのアカウントを作成する際に支払う 1 回限りのコストです。この手数料は、初期設定や、ビジネスの販売システムへのペイメントゲートウェイの導入をカバーしています。

  • 取引手数料
    これらの手数料は、取引が処理されるたびにペイメントゲートウェイによって課されます。各取引に固定の金額が課される場合や、販売金額の一部の割合が課される場合もあれば、その両方の場合もあります。ペイメントゲートウェイでは、この手数料によって決済の処理の対価を得ます。

  • 月額料金
    一部のペイメントゲートウェイでは、ビジネスに継続的な月額料金を課すことで、処理する取引の件数を問わずにサービスへアクセスできるようにしています。

  • チャージバック手数料
    利用者が支払いに対して不審請求の申請を行い、取引が差戻された場合に、ビジネスでチャージバック手数料を負担することがあります。この手数料は、不審請求の申請の管理に伴う管理業務をカバーしています。

  • 返金手数料
    ビジネスで返金を行う場合に、一部のペイメントゲートウェイでは返金手数料を課すことがあります。この手数料は、資金を利用者に戻す際のコストをカバーしています。

  • PCI 準拠手数料
    PCI データセキュリティ基準 (PCI DSS) への準拠は、クレジットカード取引を処理するビジネスにとって不可欠です。一部のペイメントゲートウェイでは、このセキュリティ基準を維持するために手数料を課す場合があります。

  • 解約手数料
    ビジネスで契約期間の終了前にアカウントの解約を決定した場合、解約手数料の支払いが必要になることがあります。ペイメントゲートウェイでは、この手数料によってサービス契約の早期終了を埋め合わせます。

  • その他の手数料
    ペイメントゲートウェイでは、国際取引や通貨換算などの追加サービスや、高度な不正防止などのプレミアムサービスの使用に対して、その他の手数料を課すことがあります。これらの手数料は、それぞれのペイメントゲートウェイによって異なる場合があります。

さまざまなペイメントゲートウェイに固有の手数料体系があり、ビジネスでは一般的に、こうしたコストが自社の売上高とビジネスモデルにどの程度見合っているかに基づいてサービスを選択します。一部のペイメントゲートウェイでは、低い取引手数料を設ける一方で、高額な月額料金を課す場合があります。これらは取引件数の多いビジネスに適しています。他にも、月額料金を設けずに、取引コストを高く設定している場合があり、これらは売上高の少ないビジネスにとってより経済的である可能性があります。

ビジネスにとって重要なのは、これらの手数料を慎重に確認し、自社に特有の状況で最もコスト効果の高いソリューションを特定することです。

Stripe のペイメントゲートウェイ手数料

ここでは、さまざまな決済処理サービスにおいてビジネスに Stripe が課している手数料の一覧をご確認いただけます。

  • 取引手数料: Stripe では個々の正常なカード支払いに 2.9% + 30 セントを課金します。特定のシナリオでは追加の手数料が適用されます (手動入力されたカードには 0.5%、国際カードには 1.5%、通貨換算が必要な場合には 1%)。

  • ACH ダイレクトデビット: ACH ダイレクトデビット取引に対して、Stripe では取引 1 件につき 5.00 ドルを上限として 0.8% を課金します。

  • その他の決済手段: iDEAL などの決済手段の手数料は、取引ごとに 80 セントからです。

  • 3D セキュア認証: Stripe では、カスタムの料金体系のアカウントにおいて 3D セキュアの試行 1 回につき 3 セントの手数料で、このセキュリティ機能を提供しています。

  • 自動カード更新機能: 保存済みの利用者に対して、Stripe では有効期限切れまたは更新済みのカード情報を自動的に更新し、カスタムの料金体系のアカウントに更新 1 回につき 25 セントの手数料を課しています。

  • オーソリ向けの機械学習モデル: Stripe は、オーソリ率の向上に役立つ機械学習モデルを備えており、カスタムの料金体系のアカウントに正常なカード支払い 1 件につき 0.08% を課金しています。

  • 即時入金: Stripe は、入金額の 1% (最低手数料は 50 セント) で即時入金を提供します。

  • 支払いに対する不審請求の申請: Stripe では不審請求の申請 1 件につき 15 セントを課金します。これはチャージバック手数料としても知られています。

Stripe がセットアップ料金や月額料金を請求することはありません。また、Stripe の標準的な料金体系モデルに関連する隠れたコストはありません。

その他のペイメントゲートウェイ手数料との比較

ここでは、他にいくつかの主要なプロバイダーの料金体系と手数料を紹介します。

PayPal

PayPal の手数料体系は次のようになっています。

  • セットアップ料金: なし。PayPal アカウントのセットアップは無料です。

  • 取引手数料: PayPal は手数料を請求します。その範囲は、標準的なクレジットカード決済とデビットカード決済の場合は 2.99% + 49 セント、PayPal デジタル決済の場合は、3.49% + 49 セントです。

  • 月額料金: PayPal では、月額 5 ドルの PayPal Payments Advanced や月額 30 ドルの PayPal Payments Pro など、月額料金制のサービスをいくつか提供しています。

  • チャージバック手数料: PayPal は 20 ドルのチャージバック手数料を課します。これは、取引 1 件あたりの追加手数料が発生するチャージバック保証サービスを活用すると、免除することができます

  • 返金手数料: PayPal は返金時に取引手数料を返金しません。元の取引手数料の金額が返金のコストになります。

  • 即時送金の手数料: PayPal では即時送金に対して、送金額の 1.5% (最低手数料は 50 セント) を課金します。

  • 入金手数料: PayPal は入金に対して手数料を課します。スプレッドシートを使用する場合は取引 1 件につき 2% (上限は 1 ドル)、また、API (アプリケーションプログラミングインターフェイス) を使用する場合は支払い 1 件につき 25 セントの定額手数料です。

  • 直接比較: Stripe では月額料金とセットアップ料金を課すことはなく、カード提示取引またはカード非提示取引向けの階層化された手数料体系もありません。PayPal には、さまざまな取引手数料を含むより複雑な手数料体系や、追加サービス向けのいくつかの月額料金、その他の特定の手数料 (チャージバック保証など) があります。

Square

  • ACH ダイレクトデビット: ACH 銀行振込取引 1 件につき、Square では 1% の手数料を課します。最低手数料は 1 ドルです。

  • その他の決済手段: Afterpay に対して、Square は取引 1 件につき 6% + 30 セントの手数料を課します。これは、対面販売とオンライン販売を含むさまざまな決済タイプに適用されます。

  • チャージバック手数料: Square では、チャージバックと不審請求の申請の管理に対して手数料を課しません。

  • 直接比較: Square にはシンプルな手数料体系があり、カード提示取引向けの一貫した料金とキー入力向けのより高い料金があります。ただし、Stripe では、カードの手動入力や通貨換算といった特定のシナリオ向けの追加手数料がより細かく可視化されています。Square は、チャージバック手数料が課されず、売上高が高い場合にカスタム料金を設定できる可能性があるため、大規模なビジネスにとって有益な可能性があります。一方で Stripe では、特定のタイプの取引向けに追加の手数料が設定されており、世界各地に利用者がいるビジネス向けのオプションがより多く提供されています。

Adyen

もう 1 つのペイメントプロバイダーである Adyen は、手数料に関する透明性が Stripe や Square ほど高くありません。入手可能な手数料の概要は、こちらでご確認いただけます。

  • ACH ダイレクトデビット: Adyen は、アメリカ国内で E コマースと POS での支払いに対し、13 セントと ACH またはダイレクトデビット取引 1 件につき 27 セントを課金します。

  • 代替決済手段: Adyen では Apple Pay、Google Pay、Samsung Pay などの決済手段に対し、13 セントの取引手数料に加えて、使用したカードによって異なる実際の決済手段の手数料を課金します。Klarna の場合、手数料は 13 セント + 4.29% + 30 セントです。Afterpay の場合は 13 セント + 4.99% + 30 セントです。

  • チャージバック手数料: Adyen ではチャージバックに対して手数料を課しており、この手数料は決済手段によって異なります。しかし、この手数料の正確な金額と性質に関する情報は入手できるようになっていません。

  • その他の手数料: Adyen ではセットアップ料金、早期解約手数料、年間手数料、月次のアカウント手数料、PCI 準拠手数料、ゲートウェイ手数料や、通貨換算向けの追加の処理手数料が課されません。

  • 直接比較: Adyen には ACH ダイレクトデビット取引に対する Stripe に類似した手数料体系があり、最低手数料は Stripe より低くなっています。しかし、代替決済手段に関しては、特に Afterpay などのサービスにおいて、Adyen の手数料は Stripe の手数料より高くなる場合があります。Adyen の最低請求金額または取引量の要件も、よりオープンなポリシーが用意されている Stripe と比較すると、小規模なビジネスや新規のビジネスにとって利用しにくくなっている可能性があります。

ペイメントゲートウェイの選択時には、選択するプロバイダーが顧客満足度と購入完了率にどのような影響をもたらすのかを考慮することが重要です。たとえば、直感的で安全な決済体験を提供するゲートウェイは、顧客満足度の向上と売上の増加につながる可能性があります。ビジネスに最適なペイメントゲートウェイを選択する際には、コストだけでなく、さまざまなことに目を向けましょう (ただし、コストもまた確かに重要です)。Stripe の料金体系に関する詳細は、こちらでご確認いただけます。

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