近年、日本の EC 市場は年々拡大を続けています。経済産業省の資料によると、2024 年の消費者向け電子商取引 (EC) の市場規模は、前年比 5.1% 増の 26.1 兆円に達しています。
こうした中、EC 事業者が決済環境を整備し、顧客に快適で安全性の高いショッピング体験を提供することが、事業成功の鍵となります。また、数あるオンライン決済の中でもクレジットカード決済は特に利用率が高く、業界を問わず導入が必須と考えられています。
本記事では、EC サイトでクレジットカード決済が重要とされる理由をはじめ、導入方法やメリット、導入の際に注意すべき点についても詳しく解説します。
この記事でわかること
- 利用率が最も高いクレジットカード決済は、EC サイトにおいて不可欠な決済手段
- EC サイトにクレジットカード決済を導入する主な方法は、カード会社との直接契約と、決済代行業者の利用の 2 つがある
- クレジットカード決済の導入にはさまざまなメリットがある一方、導入の際は EC カートと決済代行サービス・決済手段との適合性を事前に確認しておく必要がある
- EC 事業者が決済代行業者を選ぶときの判断基準として、複数のカードブランドへの対応可否などが挙げられる
- Stripe Checkout なら、EC サイトの決済環境の最適化と簡易化を図ることができ、30 以上の言語と 135 種類以上の通貨にも対応
EC サイトでクレジットカード決済が重要な理由
日本の主要な EC 決済手段にはクレジットカード決済をはじめ、電子マネー決済やコンビニ決済、銀行振込などが挙げられます。その中でもクレジットカード決済は、特に高い利用率を誇る決済手段です。2024 年の総務省の資料によると、EC サイトでのクレジットカードの利用率は全体の約 8 割と圧倒的なシェアを占めており、その他の決済手段の利用率をはるかに上回る結果となっています。
クレジットカード決済は、カード 1 枚でオンライン・オフラインを問わずスムーズに決済ができる利便性に加え、カードによってはポイントの還元、分割払いやリボ払い、ボーナス払いなどにも対応しており、幅広い客層からの支持を得ています。
そのため、高いコンバージョン率を達成するには、最も利用されているネットショップの決済手段であるクレジットカード決済を導入し、消費者ニーズに応えることが不可欠です。
EC サイトにクレジットカード決済を導入する方法
EC 事業者が自社サイトにクレジットカード決済を導入するには、クレジットカード会社 (アクワイアラーなど) と直接契約する方法と、決済代行業者を利用して契約する方法の 2 つがあります。
クレジットカード会社と直接契約する方法
クレジットカード会社との直接契約によって決済を導入する場合、事業者 (加盟店) は決済代行業者を介さず、Visa や Mastercard、JCB といった国際ブランドの加盟店獲得業務を行うアクワイアラー (加盟店契約会社) と契約を結びます。
代行サービスを利用しないため、決済手数料を抑えられる点がメリットですが、審査基準が厳しく、直接契約ができるのは多額の売上実績がある大手企業に限られるのが日本の決済業界の現状です。
また、直接契約では審査に通過するための事前準備に手間と時間がかかります。さらに、クレジットカード決済のセキュリティ対策や決済システムを自社で構築しなければならず、専門的な知識が求められます。
このほか、カード会社ごとに締め日や入金日が異なるケースがあり、経理業務が複雑化する可能性もあります。そのため、事務処理においては十分な人員を配置し、ミスを防ぐための体制の構築が不可欠です。
決済代行サービスを利用する方法
決済代行業者が事業者とクレジットカード会社の間に入り、契約交渉から導入手続き、売上データの管理や入金処理までをまとめて代行する方法で、「包括加盟店方式」と呼ばれています。
包括加盟店方式であれば、複数のカード会社との契約が必要な場合や、クレジットカード決済以外の決済手段を導入したい場合でも一度に導入を完了できます。
また、導入時の代行サービスに加え、導入後も代行業者のシステムを利用することで、以下のメリットが得られます。
- コスト削減: 決済システムやセキュリティの構築にかかる工数と費用を抑えられる
- 売上データの一本化: 複数のカード会社と契約している場合でも、売上データを一本化して単一のシステムで管理・運用することが可能
- 消込・入金確認業務の簡素化: カード会社ごとに異なる締め日や入金サイクルを同じ日にまとめて処理できるため、消込や入金確認業務を簡素化できる
EC サイトにクレジットカード決済を導入するメリット
EC サイトにクレジットカード決済を導入すると、事業者は以下のようなメリットを享受できます。
販売機会の拡大
総務省のデータが示す通り、クレジットカード決済は日本国内で最も利用率の高い決済手段です。したがって、導入によって EC サイトの利便性が高まることで、カゴ落ちを防ぎ、販売機会の拡大につなげることができます。
客単価の向上
一般的にクレジットカード決済は高額な買い物に利用されやすく、現金払いでは躊躇してしまう金額であっても、購入に踏み切る消費者が多い傾向にあります。
一括払いだけでなく、分割払いやボーナス払いなどにも対応すれば、高額商品でも購入のハードルが下がり、客単価の向上が期待できます。
リピーターの増加
過去に利用したことのある EC サイトの場合、クレジットカード情報は任意で登録済みとなっていることから、顧客は次回の買い物時にカード情報を再度入力する必要がなく、スピーディーに決済を完了できます。
このように決済の手間を省けるクレジットカード決済があれば、顧客にとってサイトを利用しやすくなり、リピーターの増加につながります。
クレジットカード決済を導入する際の注意点
多くのメリットがあるクレジットカード決済ですが、EC サイトへの導入には注意点も存在します。
それは、自社が採用しているネットショップ作成ツール (EC カート) によっては、利用可能な決済代行サービスや決済手段が限られてしまうケースがあるという点です。
たとえば、決済代行業者には便利なサービスやツールが数多くありますが、これらを利用したくても、自社サイトの EC カートに対応していなければ導入することはできません。
また、決済手段についても同様に、クレジットカード決済だけでなくコンビニ決済やスマホ決済などが導入可能かどうかは EC カートによって異なります。
そのため、以下のように状況に応じながら判断することが重要です。
- 導入したい決済手段・決済代行サービスが決まっている場合: EC カートを選ぶ前に、「この決済手段・決済代行会社で対応可能な EC カートはどれか」を確認する
- 導入したい EC カートが決まっている場合合: EC カートで対応可能な決済手段の一覧を事前にチェックし、導入する EC カートとの相性が良い決済代行会社を選ぶ
決済代行サービスを選ぶときのポイント
複数のクレジットカード会社との契約や多様な決済手段の導入・運用を、顧客の安全に配慮しながら効率化するには、決済代行サービスの利用が一般的です。自社に最適な代行業者を選ぶ際のポイントは、以下の通りです。
複数のカードブランドにまとめて対応できるか
決済代行業者が取り扱うカードブランドの種類は各社で異なります。そのため、顧客の決済ニーズを満たすには、Visa、Mastercard、JCB などの主要なカードブランドにまとめて対応しているかを確認しましょう。
また、日本国内だけでなく、海外の消費者を対象とする越境 EC を視野に入れる場合は、現地で普及しているカードブランドや決済手段にも柔軟に対応しているかどうかを確認することも重要です。たとえば、中国への越境 EC を目指している事業者の方であれば、中国国内で最もメジャーなブランドの銀聯 (UnionPay) に対応することが望ましいでしょう。
導入のしやすさや実装負荷はどの程度か
決済代行サービスを活用する最大のメリットは、サービスによって契約や導入業務が簡便化されることです。
各決済機関とのシステム連携などをはじめとする細かな導入手続きを代行業者が包括的に行うことで、事業者側の実装負荷の大幅な軽減につながります。
また、導入時や運用時におけるサポート体制も、事業者側の業務負担を大きく左右します。特に、社内の人材確保が難しい小規模な事業者の場合は、外部への依存度が高まる傾向にあるため、サポートが充実している代行業者を選ぶことが推奨されます。
ただし、決済代行サービスを利用する場合、導入や運用には相応の費用がかかります。また、業者によっては固定費が発生することもあるため、代行業者を選ぶ際は事前に料金体系を必ず確認し、費用対効果を見極めながら検討することが大切です。
セキュリティや不正対策に対応しているか
不正利用を防止し、顧客の安全維持に努めることは、自社のブランドイメージと社会的信頼を高め、経済的損失を防ぐことにつながります。したがって、以下のようなセキュリティ対策を徹底している決済代行業者を選定することも、EC 事業を行ううえでの重要ポイントといえます。
- PCI DSS: クレジットカード情報の国際セキュリティ基準である PCI DSS に準拠しているか
- 3D セキュア: 「なりすまし」などの不正利用を防ぐ本人認証サービスの「3D セキュア 2.0」に対応しているか
- 決済代行業者独自の不正検知システム: データ暗号化 (SSL/TLS 技術) による不正アクセスの防止、支払い情報のトークン化に加え、日々変化する不正利用パターンに対する機械学習機能が搭載された独自の不正検知システムが利用可能か
将来的な拡張性があるか
決済手段の多様化が進む中で、決済環境の充実度をより一層高めるためには、時代の変化とともに新たな決済ニーズに対応できるかどうかが成功の鍵です。
そのため、将来的な新規決済手段の追加可否はもちろん、決済機能の拡充性や長期的な事業成長への順応性に優れているかを見極めたうえで、最適な決済代行業者を選びましょう。
Stripe Checkout でできること
Stripe Checkout は、ウェブサイトやアプリで簡単に決済を開始できる完全カスタマイズ可能な事前構築済みの決済フォームです。
Checkout の特徴
購入完了率の向上: Checkout の決済フォームはモバイル向けに最適化され、ワンクリックで完了する決済フローが構築されています。顧客は支払い情報を簡単に入力し、再利用できます。
開発時間を短縮: Checkout を自社サイトに直接組み込むか、顧客を Stripe のオンライン決済ページへ誘導します。数行のコードで実行可能です。
セキュリティの向上: Checkout が機密性の高いクレジットカードデータを処理し、PCI 準拠を効率化します。
グローバルに拡大: Adaptive Pricing で 100 以上の通貨および 30 以上の言語に対応し、各地域に合った決済フォームを提示。購入完了率を向上させる決済手段を動的に表示します。
高度な機能: サブスクリプションのための Billing、不正利用防止のための Radar など、他の Stripe プロダクトと Checkout を連携できます。
柔軟な管理: 決済手段の保存や購入後のアクション設定など、決済体験を完全にカスタマイズできます。
Checkout を活用した決済フローの最適化について、詳しくはこちらをご覧ください。今すぐ開始する場合はこちら。
よくある質問 (FAQ)
最後に、EC サイトのクレジット決済に関するよくある質問を Q&A 形式でご紹介します。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。