カゴ落ちとは?日本の EC サイトで発生する原因と対策を解説

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  1. はじめに
  2. カゴ落ちとは
  3. カゴ落ち率とは
    1. カゴ落ち率の計算方法
    2. カゴ落ち率の平均値
  4. カゴ落ちが発生する原因・理由と対策
    1. 普段使用している決済手段が利用できない
    2. クレジットカード情報を入力するのに懸念がある
    3. 合計支払金額が予想より高くなった
    4. 購入にはアカウント登録が必要となる
    5. ショッピングの途中でエラーが生じる
    6. 購入を完了するまでの流れが複雑
    7. 配送に時間がかかることが判明
    8. 返品交換に関する情報が不明瞭
    9. 特に強い購買意欲はなくカートに入れてみただけ
  5. カゴ落ち率の改善に役立つツール
    1. EC プラットフォーム
    2. アナリティクスツール
    3. MA (マーケティングオートメーション) ツール
    4. Web 接客ツール
  6. カゴ落ちの原因を十分に把握し改善策を講じよう

カゴ落ちとは、商品をカートに入れたものの購入には至らず、商品を残したまま消費者がサイトから離脱する現象を指します。カゴ落ちはオンラインショップにて頻繁に発生するため、EC サイトを運営する多くの日本の事業者にとって深刻な課題となっています。

本記事では、カゴ落ちの基礎知識について、発生の原因・理由、改善に向けた対策方法などを踏まえて解説します。

目次

  • カゴ落ちとは
  • カゴ落ち率とは
  • カゴ落ちが発生する原因・理由と対策
  • カゴ落ち率を改善するのに役立つツール
  • カゴ落ちの原因を十分に把握し改善策を講じよう

カゴ落ちとは

冒頭で解説したように、カゴ落ちとは、消費者が EC モールなどでカートに商品を追加したにも関わらず、最終的に購入を完了することなく、サイトから離脱することです。スーパーやデパートなどの実店舗で例えると、せっかく買い物カゴに入れた商品をレジまで持って行くことなく買い物を中断して店を出てしまうといった行為になります。カゴ落ちは「カート離脱」や「カート放棄」、「カート落ち」とも呼ばれることがあります。

カゴ落ち率とは

カゴ落ち率とは、EC サイト上においてカゴ落ちが発生する割合を意味します。カゴ落ちの発生をできるだけ抑え、カート内の商品を確実に購入してもらえるよう改善に導くには、自社 EC サイトのカゴ落ち率を把握し、いかに下げられるかが重要ポイントとなります。また、カゴ落ち率を低めに維持できれば、収益とコンバージョン率の向上にもつながります。

カゴ落ち率の計算方法

カゴ落ちの状況を把握するにあたっては、カゴ落ち率の計算方法を知っておく必要があります。計算方法は以下のとおりです。

  • カートに商品を入れたサイト利用者の人数 - 実際の購入者数 = 購入しないままサイトを離脱した人数
  • 購入しないままサイトを離脱した人数 ÷ カートに商品を入れたサイト利用者の人数 = カゴ落ち率

このように、まずは「購入しないままサイトを離脱した人数」を算出してから、その人数を「カートに商品を入れたサイト利用者の人数」で割ることでカゴ落ち率を算出することができます。

カゴ落ち率の平均値

Baymard Institute (英語) によると、世界のカゴ落ち率は 7 割を超えるといわれています。つまり、10 人中 7 人もの EC サイト利用者が、商品のカートへの追加後に購入を完了しないままサイトから離脱していることになります。

また、株式会社イー・エージェンシーによる 2024 年の調査では、カゴ落ちによる機会損失額は、売上額の約 2.7 倍にも上っていたことが報告されています。これは、月商が 500 万円の EC サイトの場合、約 1,350 万円分の商品が機会損失額となり、カートに追加されたにも関わらず購入には至らなかったということになります。

機会損失額の観点からすると、売上高が大きければ大きい EC サイトほど、カゴ落ち率が数パーセント変化するだけで収益が大幅に変動します。このため、カゴ落ち率を改善させることが重要です。

カゴ落ちが発生する原因・理由と対策

EC サイトのカート内に商品が追加されたのち、結果としてカゴ落ちに至るには何らかの原因や理由があります。主なカゴ落ちの原因としては、次のようなものが挙げられます。

普段使用している決済手段が利用できない

普段よく使用する決済手段が、オンラインショップで選択できないことがわかると、消費者は買い物を断念するケースがあります。

近年、決済手段は多様化しており、どの決済手段を選択するかは各消費者で好みが異なります。よって、多くの EC サイトにおいて様々な決済手段が利用可能となっていますが、代表的な決済手段としては、クレジットカードや QR コード決済のようなキャッシュレス決済があります。

また、消費者は少しでもお得に買い物ができるように、さまざまな節約術を考慮する傾向にあります。たとえば、ポイント還元率倍増キャンペーンなどのように、期間限定で行われるセールやキャンペーンを目当てに、決済手段を選択する消費者も少なくはありません。そのため、EC サイトが提供する決済手段の中に、消費者が希望するものがなければ、ほかの EC サイトへ流れてしまったり、最寄りの実店舗で開催する割引を利用して買い物を済ませてしまう可能性もあるでしょう。

さらに、クレジットカード決済 1 つをとっても、利用可能なカードブランドが少ないと、消費者の所有するカードが使えず、カゴ落ちとなる場合もあります。

  • 対策: 幅広い客層に自社の EC サイトから商品を購入してもらえるよう、多種多様な決済手段やクレジットカードブランドなど、決済手段の選択肢を豊富に提供できることが大切です。

クレジットカード情報を入力するのに懸念がある

自身のクレジットカード情報を EC サイトに登録したり入力することをためらう消費者も多く見られます。特に、名の知れた大手の EC モールではなく、個人が運営している EC サイトの場合、消費者側はセキュリティ対策が万全かどうかの情報を得るのが難しく、安全性に不安を覚えることがあります。そのため、せっかく購入したい商品を見つけたとしても、カゴ落ちとなってしまうケースがあります。

  • 対策: このようなカゴ落ちの場合、クレジットカード利用者からの信頼を得ることが何よりも大切です。そのためには、国際的セキュリティ基準である PCI DSS に準拠していること、データ暗号化 (SSL/TLS 技術) による不正アクセス防止など、個人情報や取引データのセキュリティ対策を徹底して行うようにしましょう。また、自社で実施するセキュリティ対策については明確にホームページ上で記載して安全性をアピールすることも重要ポイントです。なお、Stripe が提供する不正検知システムでは、高度な機械学習アルゴリズムを採用しており、購入者が安心して利用できる信頼性の高い決済環境の構築をサポートします。

合計支払金額が予想より高くなった

支払い画面に進むと、送料や手数料などが加算されることで最終的な合計金額が予想より高くなるケースがあります。したがって、商品の閲覧中やカートへの商品の追加中には未確定だった合計支払金額が、支払画面上で予想を上回っていることがわかると、その時点で消費者はたった今まで利用していた EC サイトから離脱してしまう可能性があります。

  • 対策: 合計金額についてはあらかじめ見えやすい場所に表示したり、送料や手数料も、ホームページ上ですぐに確認できるようなレイアウトを講じることが大切です。また、送料無料キャンペーンの実施や、特定の商品を送料無料に設定してみるのもよいでしょう。

購入にはアカウント登録が必要となる

購入に際してアカウントへの登録が必須となる EC サイトだと、カゴ落ちが発生しやすくなることがあります。EC サイト運営事業者側としては、消費者に継続してサイトを利用してもらいたいことから、まずはアカウント登録をしないと購入ができないというケースがよくあります。しかし、今後も利用するかわからないサイトへの登録は、消費者からすると抵抗を抱いてしまう可能性があります。初めて利用する EC サイトは、注文の流れや、サービスの質、利便性も不確かなほか、登録にはある程度の時間がかかる場合もあるので、消費者によっては慎重になってしまうのが現状です。また、このような消費者の場合、会員登録が不要なほかの EC サイトを代わりに選ぶことにもつながります。

  • 対策: アカウントへの登録が必須でなく、ゲストとして商品・サービスを購入できる設定にするほか、アカウント登録の際にも入力に時間をかけさせないシンプルなステップとなるようにデザインしましょう。

ショッピングの途中でエラーが生じる

オンラインショッピングを楽しんでいる途中に、画面が正しく表示されなかったり、クラッシュやエラーが生じた経験は誰でも一度くらいはあるのではないでしょうか。何度もエラー画面が表示されるため決済ができず、そのたびに商品の選び直しや、決済をやり直さなければならない状況になると、消費者の購入意欲は薄れてしまうでしょう。さらに、このような不便が続けて生じると、EC サイトそのものの信頼性が損なわれてしまう恐れがあります。

このほか、クレジットカード決済の場合、EC サイト運営側のシステムエラーだけではなく、カードの利用者側に原因がある場合やカード会社側のトラブルによって決済が拒否されたりエラー画面が表示されることもあります。しかし、たとえ EC サイト側に落ち度がなかったとしても、決済を拒否されてしまうと上記同様に購入意欲が下がり、カゴ落ちにつながる結果となり得ます。

  • 対策: EC サイト運営事業者側ができる対策として、回線やシステムの改善を行うほか、定期的なメンテナンスを徹底して実施することが大切です。また、何らかの事情でクレジットカード決済が不可能な場合に備えて、その他代用できる複数の決済手段を設けておくようにしましょう。なお、EC サイト側の原因でエラーが発生している場合は、サイト上にお詫びのメッセージをホームページのわかりやすい位置に添えておくことも大切です。

購入を完了するまでの流れが複雑

一般的に EC サイトの利用者は、シンプルでわかりやすい決済プロセスを好みます。そのため、購入したい商品があったとしても、サイト上で購入が完了するまでのプロセスがややこしく、時間がかかってしまうと、カゴ落ちにつながる恐れがあります。たとえば、クレジットカード決済時に実行される 3D セキュア認証によるカゴ落ちも、その 1 つです。この 3D セキュアによる本人認証においては、画面移行中に煩わしさを感じてしまうケースや、3D セキュア認証に失敗してしまった場合に、消費者の購入意欲が失われるケースがあります。

  • 対策: サイト利用者にスムーズな決済体験を提供できるよう、購入フローから余計な項目を省いて簡潔にするほか、顧客アンケートを参考にして必要があればサイト全体の UI を見直すことをおすすめします。また、自社サイトにあった決済代行業者を利用してより効率的な決済インフラの構築を図ったり、3D セキュアでは検証しきれない不正取引をより正確に検出できる不正検知システムの導入を検討してみるのもよいでしょう。

配送に時間がかかることが判明

商品が手元に届くまでに時間がかかることもカゴ落ちの発生原因の 1 つです。注文の途中で配達完了予定日が表示され、予想以上に時間がかかることが判明した場合、ほかのサイトに流れる可能性があります。また、越境 EC のように、国境を越えて商品を発送する場合には、さらに日数がかかるため、EC サイト運営側は注意が必要となります。

  • 対策: できるだけ多くの配送業者と提携し、消費者のニーズに合うさまざまな配送方法を提供できるようにしておくとよいでしょう。また、在庫を日本国内で保管している越境 EC 事業者の方は、海外へ商品を発送する際にかかるおおまかな所要日数についてサイト上にあらかじめ明記しておきましょう。

返品交換に関する情報が不明瞭

返品交換や返金ポリシーが明確に提示されていない場合、消費者は不安を感じ、購入をためらってしまいます。通常、届いた商品に傷や破損などの不備があったり、注文内容と異なる商品が届けられた場合には、EC サイト側の迅速かつ丁寧な対応が求められます。しかし、注文時にこうしたトラブル発生時の対応について何も情報がない、または曖昧な記載しか見つからない場合は、消費者からの信頼が薄れてしまうでしょう。

  • 対策: 消費者が納得のいく返品交換や返金への対応を心がけ、ポリシーの詳細についてはサイト上でしっかりと記載しましょう。たとえ購入者側の都合によって返品が必要な場合でも、EC サイト運営側でポリシーが適切に設定されていれば、消費者に安心感を与え、購買意欲を向上させることができます。

特に強い購買意欲はなくカートに入れてみただけ

商品に対して興味はあるけれど、購入する意思が固まる前にひとまず商品をカートに入れておく消費者もいます。消費者としては、お得に商品を購入するために EC サイト上で開催されるキャンペーンなどをできるだけ活用したいものです。たとえば、5,000 円以上なら送料無料、または 20% 割引となる場合、こうした特典を適用させるために 5,000 円分の商品をカートに入れる必要があります。その際、一定の金額に達していなくても、とりあえず気になる商品だけをカートに追加することがあります。このような場合、特にそのほかに欲しいものが決まらない場合は購入機会を見送ることもあるため、結果としてカゴ落ちが生じます。

また、一旦カートに商品を追加したものの競合他社と商品の価格を比較して、競合他社の方が低価格だったり、忙しい日々の中で商品をカートに入れたままうっかり購入し忘れてしまうこともあります。

  • 対策: ここでのカゴ落ちを防ぐための対策としては、競合他社と比べて見劣りしないセールを開催してみるほか、カートに入れた商品が放置された状態とならないよう、消費者に「商品がカート内に残っています」という旨をメールで通知してみるのも効果的といえるでしょう。

カゴ落ち率の改善に役立つツール

カゴ落ちの発生を防ぐにあたっては、以下のようなツールを検討してみることも大切です。

EC プラットフォーム

EC サイトの構築をはじめ、運用、管理、サイトの最適化を後押しする EC プラットフォームでは、カゴ落ちの発生を軽減できる機能も提供されています。たとえば、支払いに関するリマインドメールの自動送信機能や、カゴ落ち率の計算および分析ツールのほか、細かなデータに関するレポートの定期的な自動生成機能を用いることで、カゴ落ち問題の解決に向けた対策を実行することができるでしょう。

なお、Stripe は、EC サイト利用者の行動パターンに関する包括的な分析ツールを提供しています。ツールで分析されたデータをもとにサイト上におけるカゴ落ちの問題点を把握し、必要に応じて調整を試みながら、効果的な戦略を立てることができます。

アナリティクスツール

カゴ落ちの原因をつきとめることを目的として、Google Analytics のような EC サイト訪問者の行動分析が可能なアナリティクスツールを使用するのも 1 つの案です。カゴ落ち率を正確に計測するだけでなく、利用者がどの段階でサイトを離脱したのかを細かく分析することが可能です。

MA (マーケティングオートメーション) ツール

サイト利用者とのコミュニケーションの自動化によって、各利用者によるサイトのエンゲージメントを向上させることが期待できます。たとえば、カゴ落ちとなっている商品の値下げや在庫の残数に関するメールの自動送信など、カゴ落ちの商品を購入完了に導くための販促活動を効率的に実行および管理することができます。

Web 接客ツール

実店舗で受けられるような接客対応やコミュニケーションを EC サイト訪問者に提供する Web 接客ツールを利用してみるのもよいでしょう。たとえば、ライブチャットサポートやチャットボット、ポップアップメッセージなどによって、訪問者が購入前に知っておきたいセール情報やショップの利用に関する疑問点をその場で解決させることで、カゴ落ちを回避します。

カゴ落ちの原因を十分に把握し改善策を講じよう

今回は、多くの EC サイト事業者にとって重要課題といえるカゴ落ちについて解説しました。カゴ落ちには数多くの原因があり、各 EC サイトによってカゴ落ちに至る理由もさまざまです。カゴ落ちに直面している EC サイト運営事業者が、売上の向上を図るには、まずカゴ落ち発生の原因について細かく把握したうえで、改善に向けて適切な対策を講じる必要があります。

たとえば、本記事内にて解説したカゴ落ちの原因の 1 つに「普段使用している決済手段が利用できない」という点があります。この問題に対する対策としては、利用可能な決済手段を増やすなど、サイト運営事業者側は消費者に寄り添った対応に徹し、購入意欲をわき立たせるような EC サイトを構築することがとても大切といえるでしょう。

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この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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