近年、日本ではキャッシュレス決済が急速に普及しており、実店舗、オンラインストアにかかわらずさまざまな買い物シーンにおいて欠かせない決済手段となっています。特に事業者にとって、キャッシュレス決済の導入は販売機会の拡大や会計業務の効率化につながることから、ビジネスを成長させる重要な要素と考えられています。
しかし、「どのキャッシュレス手段を導入すべきか」、「どのような費用が発生するのか」、「自社に最適な導入方法は何か」など、疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、キャッシュレス決済の基礎知識をはじめ、導入メリットや各種費用、導入方法、さらには決済代行サービスを選ぶ際のポイントまでわかりやすく解説します。また、キャッシュレス決済の導入を検討している事業者の方向けに、強力な決済ソリューションである Stripe Payments で実現できることについても触れていきます。
この記事でわかること
- キャッシュレス決済とは現金を使わない決済取引を意味する
- 代表的なキャッシュレス決済の 1 つ、クレジットカード決済は、日本で最も普及している支払い方法である
- キャッシュレス決済の導入には顧客の離脱防止や業務効率化などのメリットがある
- キャッシュレス決済を導入する際は、直接契約と決済代行業者経由の 2 つの方法から選べるが、手続きの手間や導入までの期間を考慮すると後者が推奨される
- 多様な決済ニーズに対応する Stripe Payments なら、決済業務の効率化と、安全・快適な決済環境の構築が実現できる
キャッシュレス決済とは
キャッシュレス決済とは、実店舗や EC サイトを問わず、現金を使用しない決済手段全般を指します。代表例として、クレジットカード決済や電子マネー決済、QR コード決済などが挙げられます。
経済産業省によると、2025 年の日本国内のキャッシュレス決済比率は 58% にも上り、10 年前の 22.5% と比べると 2 倍以上に成長しています。小売業界における DX が推進される中、消費者の利便性向上と事業者の販売機会損失防止のためにも、キャッシュレス決済の導入は不可欠と考えられています。
さらに、近年は訪日インバウンド需要の高まりを受け、実店舗における外国人観光客の取り込み (インバウンド集客) を目的としたキャッシュレス決済環境の整備が急務となっています。
キャッシュレス決済の主な種類
代表的なキャッシュレス決済には、以下のような種類があります。事業者はそれぞれの特徴を理解し、自社のビジネスモデルに適した決済手段を選定することが重要です。
クレジットカード決済
クレジットカード決済は、国内外で最も普及している主要な決済手段で、実店舗とネットショップの双方で幅広く利用されています。一括払いだけでなく、分割払いやリボ払いなど、消費者ニーズに合わせた柔軟な支払い方法に対応している点が、多くのユーザーから支持されています。デビットカード決済
デビットカード決済は、クレジットカード決済とは異なり、カードを利用すると即座に銀行口座から代金が引き落とされる仕組みです。そのため、口座残高を超える支払いはできませんが、ユーザーにとってお金の管理がしやすく、使いすぎのリスクも回避できます。電子マネー決済
電子マネー決済とは、現金の代わりに金銭のデジタルデータを利用した支払い方法です。たとえば、Suica や PASMO のような交通系 IC カードを実店舗で利用する場合、レジの専用端末にかざすだけで瞬時に支払いが完了できるスピーディーさが最大の魅力です。そのため、公共交通機関での使用にとどまらず、日常の買い物における決済手段としても人気を集めています。チャージ上限額が設定されていることが多いため、高額な買い物ではなく、少額決済に適しています。QR コード決済
モバイル決済の 1 つである QR コード決済は、スマートフォンで QR コードを読み取ることで支払いが可能な決済手段で、あらかじめ紐付けたクレジットカードや銀行口座から代金が引き落とされる仕組みとなっています。財布を持ち歩く必要がなく、スマートフォンさえあればスムーズに決済できるため、幅広い決済シーンにおける利便性の高さが最大のメリットです。
なお、各決済手段の最適な利用シーンと、実店舗での導入時に専用端末 (カードリーダーなど) が必要となるかどうかの目安は以下の通りです。
|
決済手段
|
実店舗
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EC サイト
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実店舗における専用端末の要否
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|---|---|---|---|
| クレジットカード決済 | ◯ | ◯ | 必要 |
| デビットカード決済 | ◯ |
△ (決済の仕組み上、注文のキャンセルが発生した際の返金対応に時間がかかる) | 必要 |
| 電子マネー決済 | ◯ |
△ (プリペイド型の場合は高額商品の購入で利用されることが少ないほか、残高不足によってカゴ落ちが発生することがある) | 必要 |
| QR コード決済 | ◯ | ◯ |
ユーザースキャン型 = 店舗側が提示する QR コードを消費者のモバイル端末で読み込む方式 ストアスキャン型 = 消費者のモバイル端末画面に表示された QR コードを店舗側がスキャンする方式 |
キャッシュレス決済を導入するメリット
キャッシュレス決済の導入は、店舗側に次のようなメリットをもたらします。
機会損失の防止と売上の拡大
顧客の多様な決済ニーズに応えることは、機会損失の防止と売上の最大化に有効です。キャッシュレス決済を複数導入しておけば、手元に現金がない消費者の心理的ハードルを下げることができます。
こうして顧客がスムーズに支払いを行える環境を整えることが、結果としてさらなる売上拡大につながります。
レジ業務・現金管理における負担削減
実店舗において現金で取引を行う場合、常に十分な釣銭を用意しておく必要があります。
一方、キャッシュレス決済であれば、現金管理の手間が省けるだけでなく、やり取りがスピーディーに完了するためレジ周辺の混雑を緩和できます。また、釣銭の渡し間違いといった人為的ミスも防げることから、店舗運営の効率化を実現できます。
さらに、このように決済プロセスがシンプルになれば顧客のストレスも軽減されるため、顧客満足度の向上も期待できるでしょう。
代金未回収リスクの低減
ネットショップでの主要な決済手段であるクレジットカード決済や電子マネー決済などのキャッシュレス決済は、決済完了と同時に支払いが確定するため、後払いのような未回収リスクを大幅に減らすことができます。
ただし、どのような決済手段においても、不正利用などによる売上の強制取り消し (チャージバック) のリスクは残るため、未回収リスクが完全にゼロになるわけではありません。したがって、クレジットカード不正検知 AI や 3D セキュア 2.0 の導入に加え、包括的な不正防止策を講じることが、不正利用を未然に防ぐために不可欠です。
なお、キャッシュレス決済は、実店舗の対面取引における偽札の受け取りやレジ盗難の予防策としても優れています。安全かつ確実に代金を回収できる環境を整えることは、事業者にとって大きな安心材料となるでしょう。
キャッシュレス決済にかかる費用
キャッシュレス決済の導入にあたっては、一般的に以下の 3 つの費用がかかります。そのため、コスト構造をあらかじめ十分に理解しておくことがとても大切です。
初期費用
初期費用とは、ビジネスを開始する際に必要な設備・システムの導入費など、初期段階で発生する費用です。
具体例としては、決済代行業者を通じて行う各決済機関との審査手続きや、決済システムの連携費用などが挙げられます。また、実店舗を運営する場合は、決済端末やレシート発行用プリンターといったハードウェアに対する費用が別途かかることも多いため、あらかじめどのような費用が必要か事前に把握しておくと安心です。
月額固定費
月額固定費とは、サービスの利用頻度や売上額にかかわらず、毎月必ず発生する一定額の費用のことです。これにはシステム利用料やデータ管理費などが含まれ、料金体系は決済代行業者や利用する機能によって異なります。
また、毎月確実に支払わなければならないことから、利益を圧迫するリスクも少なくはありません。そのため、固定費を試算し、長期的な視野をもって比較検討することが大切です。
なお、月額固定費と混同されがちな費用に以下の手数料がありますが、これらは入金されるタイミングでその都度相殺される形式であり、売上高や入金回数などに応じて変動するため「変動費」に分類されます。
- 振込手数料: 売上金が銀行口座へ入金される際にかかる手数料
- 早期入金手数料: 本来の予定よりも売上金を早く受け取るための手数料
決済手数料・取り消し処理手数料
決済手数料とは、決済が行われるごとに、取引金額の一定割合 (数 %) が変動的に発生する手数料です。決済手数料は、導入する決済手段や決済事業者との契約内容によって異なります。
このほか、注文キャンセルに伴う返金処理についても、条件や取り消し処理手数料の料金を事前に確認しておくことで、予期せぬ請求に備えることができます。
キャッシュレス決済の導入方法は 2 種類
キャッシュレス決済の導入方法には、大きく分けて「直接契約」と「決済代行業者経由の契約」の 2 つの選択肢があり、それぞれの特徴は以下の通りです。
直接契約: 各決済会社との個別契約
1 つ目は、導入したいキャッシュレス決済の運営会社と、個別に契約を結ぶ方法です。
直接契約の場合、決済会社ごとに個別の契約や審査があり、それぞれ異なる事前準備が必要となります。そのため、個々への対応が必要な直接契約には多くの時間を要するほか、各決済サービスの導入に関する細かな専門知識が求められます。
決済代行業者経由: 代行サービスによる一括導入
フィンテック企業などが提供する決済代行サービスを活用すれば、キャッシュレス決済の導入にかかるさまざまな手続きを代行してもらえます。
特に、多様な決済手段に対応したい場合には導入を一度に完了できるため、利便性に優れた方法といえます。また、導入後も、決済代行業者が提供する一元管理システムを用いることによってバックオフィスの大幅な改善が期待できます。
なお、越境 EC ビジネスを展開するにあたって、進出先の国の決済サービスに対応する際は、直接契約ではなく、世界の主要な決済手段を取り扱い、グローバルに代行事業を行っている決済代行業者に依頼するのが一般的です。たとえば Stripe のように、さまざまな国の通貨や言語に対応している業者であれば、必要な決済手段を一括で導入できるだけでなく、現地顧客のニーズに見合う決済環境を実現できます。
決済代行業者経由での導入の流れ
決済代行業者を通じた導入は、主に以下の 4 つのステップで進められます。なお、決済が利用可能になるまでには通常 1 カ月から数カ月を要するため、時間に余裕をもって導入準備を進めることが大切です。
申し込み
まずは、利用したい決済代行業者の公式サイトや問い合わせ窓口で初期費用や手数料など各種費用を確認し、見積もりを依頼します。見積もりに記載された条件や料金に問題がなければ、正式に申し込みを行います。
審査
次に、キャッシュレス決済の導入に必要な書類を準備・提出し、加盟店審査の手続きを進めます。書類の提出後は、決済代行業者が事業者 (加盟店) に代わって各決済サービスやカード会社に審査を依頼し、審査を通過すると契約が成立します。なお、審査期間は数日で済むこともあれば、数週間を要することもあります。
端末セットアップ・システム連携・テスト決済
事業者は、決済代行業者が提供する各種サービスを利用するための管理画面にアクセスできるようになります。また、実店舗での利用の場合は決済端末が届けられるため、初期設定と通信確認作業を、EC サイトの場合は API などのシステム連携作業を説明書に従って行います。
オンライン・オフラインのいずれの場合も、導入完了後は各決済のテストを必ず実施し、問題なく支払いができることを事前に確認しておくことが重要です。
運用開始
決済環境が整えば、いよいよ実店舗や EC サイトでの決済サービスの運用が開始できるようになります。
ただし、顧客への各種決済手段の提供開始後も、入金サイクルの確認や売上データの分析、セキュリティ対策の検証などを定期的に行いましょう。
これにより、運用上の課題にいち早く対応でき、決済管理業務の最適化を図ることができます。また、安全性の見直しに伴い、より精度の高い不正検知システムを採用すれば、不正利用を未然に防ぎ、顧客が安心して利用できる決済環境の維持が可能となります。
決済代行サービスを選ぶ際の注意点
自社にとって最適な決済代行サービスを見極めるために、選定時には以下のポイントに着目したうえで判断することが大切です。
トータルコスト
トータルコストが利益率を圧迫しないよう注意が必要です。価格のみを重視するのではなく、サポート体制や機能の充実度も合わせて総合的に検討しましょう。
たとえば、決済手数料だけでなく初期費用や月額固定費、さらに振込手数料、端末代などのコストを含めた総額を比較することが重要です。こうしたランニングコストを精査することで、長期的な運用における安定した資金計画が可能になります。
入金サイクル・課金方法
決済完了から入金までの期間を考慮した資金繰りを行うことも大切です。入金にかかる時間は、利用する決済サービスや決済代行業者によってさまざまです。そのため、入金までの資金繰りに困らないよう入金サイクルを事前に調べておきましょう。
このほか、自社で必要とする課金方法が使えるかどうかも、決済代行サービスを選ぶうえで重要な確認ポイントです。たとえば、サブスク事業を展開する場合、単発決済だけでなく定期的な継続課金に対応したサービスを選ぶ必要があります。
対応している決済手段の幅広さ
決済代行サービスを選ぶ際の最大のポイントは、複数の主要な決済手段に対応しており、顧客の決済ニーズを満たせるかどうかです。したがって、利用率の最も高いクレジットカード決済はもちろん、自社の客層が求めるその他の決済手段にも幅広く対応している決済代行業者を検討することが大切です。これにより、幅広い客層を取り込むことができ、カゴ落ちの防止につながります。
セキュリティ・通信障害への備え
顧客の安全面を確保することや、個人情報保護法などの法令を遵守することは何よりも重要です。もし、法令の遵守を怠ったり、セキュリティ面において不備があったりしたことで一度でもトラブルが発生すると、多くの顧客を失うだけでなく社会的信用も大きく損なわれてしまいます。
そのため、安全性に優れたサイト環境の構築に有効であり、かつ強力なセキュリティ対策を実施している決済代行業者を選ぶことは、すべての事業者が考慮すべき重要要素といえます。
また、キャッシュレス決済はネットワーク環境に依存するため、障害発生時のバックアップ対策やサポート体制が整っているかも合わせて確認しておきましょう。
Stripe Payments でできること
Stripe Payments は統合型のグローバル決済ソリューションです。成長中のスタートアップから大企業まで、あらゆるビジネスがオンライン、対面、世界各地でスムーズに決済を導入できます。
Stripe Payments の特徴
- 決済体験の最適化: 構築済みの決済 UI、125 種類以上の決済手段、Stripe が構築したウォレット「Link」により、スムーズな顧客体験を実現するとともに、数千におよぶ開発時間を削減します。
- 新市場へのスピーディーな展開: 195 カ国、135 以上の通貨で利用可能な決済オプションにより、世界中の顧客にリーチし、多通貨管理の複雑さとコストを削減します。
- 対面とオンライン決済の統合: オンラインと対面を統合したコマース体験を構築。顧客とのやり取りをパーソナライズし、ロイヤルティを高め、収益拡大を促進します。
- 決済パフォーマンスの向上: ノーコードの不正利用対策や承認率改善のための高度な機能など、カスタマイズ可能で設定が簡単な決済ツールで収益を増加させます。
- 柔軟で信頼性の高いプラットフォームで事業成長: 業界最高レベルの信頼性を備えたプラットフォーム上でビジネスを構築し、拡大。稼働時間は 99.999% を誇ります。
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キャッシュレス決済の導入に関するよくある質問
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。