EC サイトの決済方法として、「代金引換 (代引き) 」を導入すべきか迷ったことがある事業者の方もいるのではないでしょうか。そもそも代引きとは、商品と引き換えに、商品代金、送料、手数料をまとめて配送会社に支払う決済方法で、オンラインショッピングやクレジットカードが普及する以前から長く利用されてきた決済方法のひとつです。
現在でも一定のニーズがある一方で、手数料や運用負担といった課題に加え、キャッシュレス決済の普及により、その位置づけに変化が見られています。
この記事では、代引き手数料の相場やメリット・デメリットから導入時の注意点や他の決済方法までわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 代引き (代金引換) の手数料の相場は 300 円〜1,000 円程度が目安であり、配送会社や金額によって異なります。
- 代引きと着払いは似ているようで異なり、代引きは商品代金と送料をまとめて支払うのに対し、着払いは送料のみを受け取り時に支払う仕組みです。
- 日本ではキャッシュレス決済の普及により、代引きの利用率は減少傾向にあります。
- 代引きには手数料負担や対面受取の必要性といったデメリットがあり、事業者側には未回収やいたずら注文のリスクもあります。
- 代引きの導入には配送会社との契約が必要であり、利用条件の設定などの対策も重要になります。
- 代引きが事業の形態に合わない場合には、クレジットカード決済やキャリア決済、コンビニ決済などの他の決済方法を検討することができます。
代引き手数料とは?
代引き手数料とは、「代引き」という配送方法を利用する際に発生する手数料です。EC サイトで商品を購入する際には、クレジットカードや電子決済など複数の支払い方法から選択できますが、代引きは、クレジットカードを持っていない場合や、オンライン決済に抵抗がある場合などにも利用されることがあります。
近年では、多様なキャッシュレス決済が浸透しており、配送料に加えて代引きの手数料がさらにかかることから、代引きを利用する機会は以前と比べて減少傾向にあります。
代金引換と着払いの違い
EC サイトの決済手続きでは、「着払い」という方法を目にすることがありますが、代金引換との違いは少しわかりにくいかもしれません。代金引換と着払いは、どちらも商品の受け取り時に支払いが発生するという点で似ていますが、支払う内容や仕組みは大きく異なります。
代金引換は、商品を受け取る際に、商品代金、送料、代引き手数料を配送業者に支払う方法です。配送業者が購入者から代金を回収し、後日その金額を販売者へ送金します。そのため、送料に加えて代引き手数料が発生し、購入者が負担することが多くなっています。
一方で、着払いは、商品を受け取る際に送料のみを配送業者に支払う方法です。商品代金は事前に支払われていることが前提であり、配送業者が配達時に回収することはありません。
日本の代金引換の利用率
総務省の「令和 6 年 通信利用動向調査報告書 (世帯編) 」によると、インターネットで商品を購入する際の決済手段として、代金引換の利用率は年々減少傾向にあります。実際に、令和 4 年から令和 6 年にかけてもその割合は徐々に低下しており、クレジットカードや QR コード決済などの外出せずにオンラインで完結できるキャッシュレス決済の利用が伸びています。
利便性が高いことはもちろんですが、ポイント還元やキャッシュバックといったメリットも、キャッシュレス決済の利用拡大を後押ししていると考えられます。
代金引換の手数料
代金引換の手数料は、配送業者や代金の金額帯によって異なりますが、一般的に 300 円〜1,000 円程度が相場とされています。
たとえば、主要な配送業者では、1 万円以下で 300 円台、3 万円以下で 400 円台、10 万円以下で 600 円台、30 万円以下で 1,000 円前後といった設定が多く見られます。
ただし、手数料は各社の料金改定やサービス内容によって、随時変動することが想定されます。最新の情報は公式サイトなどで確認しておくと安心です。
代金引換のメリット・デメリット
近年では、数多くの決済手段が普及しており、しかも、キャッシュレス決済が好まれる傾向を考えると、代金引換を導入するかどうかは悩ましいところです。まずは、顧客と事業者の双方からみたメリットとデメリットを整理し、自社にあった決済方法なのかを考えてみましょう。
顧客側のメリット
代金引換には、現金で支払いができる点や、オンラインでのカード情報入力が不要である点など、セキュリティの面に関して一定の安心感があります。顧客側から見たメリットには次のようなものがあります。
- クレジットカード情報を入力する必要がない
- 情報漏えいのリスクを気にせず利用できる
- 商品の配達状態を確認してから受け取ることができる
顧客側のデメリット
一方で、代金引換には次のようなデメリットもあります。
- 送料に加えて代引き手数料が発生するため、支払総額が高くなりやすい
- 対面での受け取りが必要となるため、宅配ボックスや置き配が利用できない
- 現金を事前に用意しておく必要がある
- キャッシュレス決済のようにポイント還元などのメリットを受けにくい
事業者側のメリット
代金引換は、一定の顧客ニーズに対応できる決済手段でもあります。事業者側から見たメリットには次のようなものがあります。
- クレジットカードを利用しないユーザーや、オンライン決済に不安を感じるユーザーにもリーチできる
- 決済手段の選択肢を増やすことで、購入機会の損失を防ぎやすい
- 幅広い顧客層にアプローチできる
事業者側のデメリット
一方で、事業者側のコストや運用面での負担が大きくなる可能性があります。事業者側から見たデメリットには次のようなものがあります。
- 長期不在や受取拒否に加え、いたずら注文などにより、商品を発送したにもかかわらず代金を回収できないリスクがある
- 未受取の場合、往復の送料が発生し、損失につながる可能性がある
- 代引き手数料や配送コストによる負担が大きく、利益を圧迫する要因となる
- 入金管理や配送手配など、運用面での手間が増える
代金引換のやり方と注意点
代金引換を導入する場合、いくつか注意すべき点があります。代金引換を導入する方法は、利用する販売チャネルによって異なりますが、すでに利用している配送会社であっても、別途契約や申し込みが必要となる場合があります。
導入方法
自社 EC サイトを運営している場合は、配送会社と直接契約を行ったうえで、代金の回収や送金の仕組みを構築します。代引きを含めて決済手段を一元管理したい場合には決済代行会社と連携することもできます。
一方で、モール型 EC サイトやネットショップ作成サービスでは、あらかじめ代金引換が決済手段として用意されていることもあり、管理画面から設定するだけで利用できる場合もあります。ただし、実際の配送や集金に当たっては配送会社との契約が必要となるケースが多いため、事前に確認しておくようにしましょう。
利用する際の注意点
代金引換を導入する際には、先述したデメリットにあるように事業者側のリスクも考慮する必要があります。たとえば、初回注文のユーザーには代金引換を利用できないようにしたり、利用可能な上限金額を設定するなどの対策が考えられます。
こうした対策を行うことで、信頼性の高いユーザーに限定して代金引換を提供できるようになり、未受取のリスクを軽減することができます。
代金引換以外の決済方法
EC サイトでは代金引換以外にも次のような決済方法が利用されています。
クレジットカード決済
クレジットカード決済は、EC サイトで最も利用されているキャッシュレス決済で、多くのユーザーにとって非常に利便性の高い支払い方法です。また、事業者側にとっても即時に決済が確定するため、入金管理がしやすいメリットがあります。
QR コード決済
QR コード決済は、スマートフォンを使って簡単に支払いができる決済方法です。手軽さに加えてポイント還元などのメリットがあります。
コンビニ決済
コンビニ決済は、現金で支払いができるため、クレジットカードを利用しないユーザーにも対応できる決済方法です。ただし、支払いまでに時間がかかる点には注意が必要です。
キャリア決済
キャリア決済は、スマートフォンを持っていれば、クレジットカードを利用しないユーザーでも携帯電話の料金とまとめて支払いができる決済方法です。
リンク決済
リンク決済は、メールなどで URL を送付し、支払いページへ誘導できる決済方法です。決済代行サービスと契約することで、EC サイトを持たない事業者でも安心して利用できる環境を整えることができます。
銀行振込
銀行振込は、窓口、ATM、インターネットバンキングなどを利用して、指定口座に代金を振り込む決済方法です。銀行口座を持っていないユーザーでも、金融機関の窓口や ATM を使えば現金で支払うことができます。日本では、事業者間の取引において銀行振込が利用されるケースも多く見られます。
このような背景から、未回収リスクの軽減や業務効率化の観点から、オンラインで決済を完了できる仕組みの導入が進んでいます。
Stripe Checkout でできること
Stripe Checkout は、ウェブサイトやアプリで簡単に決済を開始できる完全カスタマイズ可能な事前構築済みの決済フォームです。
Checkout の特徴
購入完了率の向上: Checkout の決済フォームはモバイル向けに最適化され、ワンクリックで完了する決済フローが構築されています。顧客は支払い情報を簡単に入力し、再利用できます。
開発時間を短縮: Checkout を自社サイトに直接組み込むか、顧客を Stripe のオンライン決済ページへ誘導します。数行のコードで実行可能です。
セキュリティの向上: Checkout が機密性の高いクレジットカードデータを処理し、PCI 準拠を効率化します。
グローバルに拡大: Adaptive Pricing で 100 以上の通貨および 30 以上の言語に対応し、各地域に合った決済フォームを提示。購入完了率を向上させる決済手段を動的に表示します。
高度な機能: サブスクリプションのための Billing、不正利用防止のための Radar など、他の Stripe プロダクトと Checkout を連携できます。
柔軟な管理: 決済手段の保存や購入後のアクション設定など、決済体験を完全にカスタマイズできます。
Checkout を活用した決済フローの最適化について、詳しくはこちらをご覧ください。今すぐ開始する場合はこちら。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。