デラウェア州は企業と投資家を引き付けており、Fortune 500 企業を含め、190 万超の設立済みの法人を魅了しています。同州の企業にとっての安息地としての評判は、企業に優しい法律、裁判所制度、税制上の優遇措置に由来しています。

デラウェア州で C 株式会社を設立するうえでの法務対策はいくつかありますが、そのプロセスは、より小さなステップに分解すると対処しやすくなります。このプロセスには、固有の会社名の選択、登録代理人の指名、株式の発行、規制要件の遵守などのタスクが含まれます。それぞれのステップは重要で、相当な注意をもって完了する必要があります。以下は、デラウェア州で C 株式会社を設立するために役立つステップバイステップガイドとしてご活用いただけます。

本記事の内容

• デラウェア州の C 株式会社とは
  
• デラウェア州で C 株式会社を設立するメリット
  
• デラウェア州で C 株式会社を設立する方法
  

デラウェア州の C 株式会社とは

C 株式会社 (C Corp と呼ばれることも多いです) は、オーナーまたは株主が事業体とは別に課税される企業の法的形態です。C 株式会社は株主数に制限がなく、利益に対して課税されます。さらに、株主も受け取った利益 (配当など) に対して課税され、結果的に「二重課税」が生じることになります。

デラウェア州の C 株式会社とは、デラウェア州で設立された C 株式会社のことです。デラウェア州の会社に関する法律に従う必要があり、デラウェア州の会社であることに伴う税制上の優遇措置と義務の対象にもなります。デラウェア州の C 株式会社がデラウェア州に実在しているかどうか、また、州内で事業の運営を行っているかどうかは問われません。

デラウェア州で C 株式会社を設立するメリット

デラウェア州での法人設立は、ますます好まれるようになっています。アメリカの多くの大企業が、デラウェア州で事業を行わない場合でも、同州での法人の設立を選択しています。ここでは、デラウェア州で C 株式会社を設立する主なメリットをいくつか紹介します。

• 有利なビジネス法
  デラウェア州のビジネス法は、アメリカで特に柔軟性が高くなっています。同州の一般会社法は会社に非常に有利であり、会社の経営や運営を容易化します。

• ビジネス向けの熟達した裁判所制度
  デラウェア州の衡平法裁判所はビジネス法に特化しており、陪審員ではなく裁判官を起用しています。このため、ビジネスに関する紛争が経験豊富なビジネス法の専門家によって裁定されます。

• プライバシー
  デラウェア州では、設立に関する書類で取締役や役員の名前を開示する必要がありません。これにより、ある程度の匿名性が確保されます。こうした匿名性は、アメリカのすべての州にあるとは限りません。

• 州外に適用される税がない
  デラウェア州は、州外の利益に対して課税しません。これは、デラウェア州で設立されたものの、他の場所で事業を行っている会社にとって有益になり得ます。

• 投資家にとっての魅力
  多くの投資家は、デラウェア州のビジネス法と裁判所制度の予測可能性を理由に、デラウェア州の会社を好みます。このため、会社でより容易に投資を呼び込めるようになります。

• 設立と経営の容易さ
  デラウェア州での法人設立のプロセスはシンプルです。デラウェア州では、1 人で会社の単独取締役、株主、役員を兼ねることも可能です。

こうしたメリットは魅力的かもしれませんが、状況の詳細を考慮し、法人を設立する場所を決定する前に、法務またはビジネスの専門家にご相談ください。

デラウェア州で C 株式会社を設立する方法

デラウェア州で C 株式会社を設立すると、有利なビジネス法、評判の良い裁判所制度、一定の税制上の優遇措置などのメリットが会社にもたらされます。しかし、これらのメリットを享受するには、デラウェア州の州務長官室会社部によって要求される手続きを理解し、それらに注意深く従う必要があります。そのプロセスの概要を以下に示します。

• 社名を選択する: 社名は、事業内容が反映されていて、顧客にとって覚えやすいものにする必要があります。デラウェア州の法律では、社名をデラウェア州務長官に届け出されたあらゆる名前と区別できるものにする必要があります。希望する名前が登記済みでないことを確認するために、デラウェア州の州務長官室会社部のウェブサイトで名前の検索を行うことができます。

• 登録代理人を指名する: デラウェア州では、州内に実在する住所を有する登録代理人の指名が義務付けられています。デラウェア州で事業を行うことを承認された個人の居住者または企業を登録代理人にすることができます。登録代理人は、重要な法的書類および税務書類 (法的措置のプロセスの送達、年次レポートの通知などの州からの書簡を含む) を会社に代わって受け取る責任を負います。

• 会社法人等番号を準備して届け出る: デラウェア州の州務長官に会社法人等番号を届け出る必要があります。この書類には、社名やデラウェア州の登録代理人の名前と住所、承認された株式の数とタイプ、設立者の情報など、会社に関する重要な情報を含めます。この書類によって会社の存在が確立されます。

• 付属定款を作成する: 付属定款は、会社の「規則」です。付属定款では、会社の形態を定めて、取締役、役員、株主の職責と責任について詳述します。会社で州に付属定款を提出することはありませんが、付属定款が法的拘束力を持つ書類であることに変わりはありません。多くの場合、付属定款を起草して、すべての法的根拠が網羅されていることを確認するために、法務専門家を雇うとメリットが得られます。

• 取締役と役員を指名する: 一般的に、法人の設立者が最初の取締役会を指名します。最初の指名の後は、通常は株主が取締役を選出します。取締役は会社の主要なポリシーを作成し、財務上の意思決定を行います。また、取締役会も、会社の日常的な運営を管理する会社の役員 (CEO、CFO、秘書など) を選出します。

• 最初の取締役会議を開催する: 最初の取締役会議では、一般的に、取締役が付属定款の採択、役員の選出、株式の持ち分の発行に関する承認、コーポレートバンキングの決定、会社の会計年度の設定を行います。今回および今後のあらゆる取締役会議の詳細な議事録を保持するようにしてください。

• 株式を発行する: 株式会社は株主に対して株式を発行します。株式はその株式会社における所有権を表しており、株主は会社の重要な事柄について投票する権利を有しています。株式会社で発行できる株式の数量とタイプは、会社法人等番号で定められています。

• EIN を取得する: 雇用者識別番号は、IRS が税務上の目的で会社に割り当てる固有の番号です。EIN は IRS のウェブサイトから申請できます。この番号は、税金申告や会社名義での銀行口座の開設、その他の多くのビジネスニーズで必要とされます。

• その他の税務要件と規制要件を遵守する: 事業の性質によっては、その他の税務要件と規制要件を遵守する必要があるかもしれません。これには、地域の営業許可証の取得、州の売上税の部門への登録 (商品を販売していて売上税を徴収している場合)、州の雇用者税の部門への登録 (従業員がいる場合) が含まれます。

• 年次レポートを作成する: 毎年、デラウェア州の会社には、デラウェア州務長官に対して年次レポートを作成し、フランチャイズ税を支払うことが義務付けられています。年次レポートには、会社の住所、役員の名前、株式の発行の詳細など、会社に関する最新の情報を記載します。

デラウェア州の C 株式会社を設立する際には、事業の運営に影響を及ぼす恐れのある遅延や法的な問題を回避するために、法律の専門家または専門の法人設立サービスに助言を求めることをご検討ください。設立プロセスの個々のステップを案内し、あらゆる法的要件が遵守されていることを確認して、事業の性質に基づいてパーソナライズされた助言を提供してくれます。また、デラウェア州の企業に優しい法律からその税制上の優遇措置まで、同州での法人設立のメリットを最大化できるように支援してくれます。経験豊富な専門家が、デラウェア州での法人設立を会社の戦略的なアセットに変えられるように支援します。