HMRC VAT マージンスキーム: 請求書発行ルール、計算、記録保持

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  1. はじめに
  2. VAT マージンスキームとは
  3. VAT マージンスキームを利用できる対象者
  4. VAT マージンスキームが請求書発行に与える影響
  5. マージンスキームにおける VAT の計算方法
    1. 標準 VAT マージンスキーム
    2. グローバル会計スキーム
  6. マージンスキーム取引の記録保持要件
  7. VAT マージンスキーム利用時に避けるべき一般的な間違い
    1. マージンスキーム販売への標準 VAT 請求書の発行
    2. 対象外の仕入へのスキーム適用
    3. 標準スキームにおける損益通算
    4. 仕入書類の不備
    5. マージンスキーム在庫と標準 VAT 在庫の分離の不徹底
    6. VAT 申告書の不適切な処理
  8. Stripe Invoicing でできること

イギリス歳入関税庁 (HMRC) の付加価値税 (VAT) マージンスキームにより、中古品、骨董品、美術品を販売する VAT 登録事業者は、販売価格全額ではなく利益マージンに基づいて VAT を計算できます。この違いが重要なのは、対象商品には通常すでに一度 VAT が課税されているためです。再販価格全額に再度課税すると、同じ価値に対して二重に課税することになります。2024 年のイギリスのコレクターズアイテム市場規模は 236 億ドルに達しており、対象となる潜在的な税収は多額に上ります。

以下では、HMRC の VAT マージンスキームを利用できる事業者、HMRC が求める記録、そして事業者が陥りやすい間違いについて説明します。

主なポイント

  • マージンスキームでは、販売価格全額に対して VAT は課税されません。税金は、商品の購入額と販売額の差額に基づいてのみ計算されます。

  • マージンスキームの請求書には、個別の VAT 額を記載することはできず、HMRC が要求する特定の文言を含める必要があります。

  • HMRC は、対象となる購入すべてとそれに対応する販売を紐付けるストックブックに加えて、各商品が VAT なしで取得されたことを証明する購入書類を求めています。

VAT マージンスキームとは

標準の VAT ルールでは、VAT 登録事業者は商品の販売価格全額に対して税金を請求します。マージンスキームは、利益マージンに基づいて VAT を課税する仕組みを導入するものです。

HMRC のルールでは、次の 3 種類が存在します。

  • 標準のマージンスキーム: 商品ごとのマージン追跡が必要であり、広く利用されています。対象となるすべての購入と販売を個別に記録し、VAT は商品ごとに計算します。

  • グローバル会計スキーム: 個々のマージンを実質的に追跡できない、大量・低単価の商品を扱うディーラー向けの仕組みです。会計期間内に売買された対象在庫すべてに対して単一のマージンを計算するため、中古衣類や書籍など低価格商品を大量に取り扱う事業者に有用です。

  • 競売人スキーム: 個人の売り手に代わって対象となる中古品を販売するオークションハウスに適用されます。

VAT マージンスキームを利用できる対象者

VAT マージンスキームの一般的な利用者には、中古車ディーラー、骨董品やヴィンテージ家具の販売業者、個人コレクターに代わって販売するアートギャラリー、中古電子機器の小売業者、書店やレコード店などが含まれます。

仕入先が VAT を請求し、VAT 請求書を発行した場合、その商品はマージンスキームの対象にはなりません。代わりに、通常の VAT 会計を通じて仕入税額を還付請求することになります。VAT マージンスキームの決定的な基準は、VAT 請求書を伴わずに商品を購入したことです。このため、新品の商品はこのスキームの対象とならず、不動産、金融商品、貴金属も対象外です。貴金属を含む中古ジュエリーは、特定の条件下で対象となる場合があります。

マージンスキームの規定を対象取引に適用し、必要な記録を維持することで、マージンスキームへのオプトインが成立します。多くの場合、申請手続きや HMRC の承認は必要ありません。

VAT マージンスキームが請求書発行に与える影響

請求書発行は、このスキームが標準の VAT の慣行から大きく乖離する領域であり、間違いが発生しやすい部分でもあります。マージンスキームに基づいて商品を販売する場合、標準の VAT 請求書を発行することはできません。マージンスキームの請求書にはすべて、商品カテゴリーを特定する HMRC 規定の文言 (たとえば「マージンスキーム—中古品」、または美術品や骨董品については相当する文言) を記載する必要があります。これがないと、請求書は HMRC の要件を満たしません。

法人名、住所、VAT 登録番号、請求書発行日、一意の請求書番号、商品の説明と数量、合計販売価格、顧客名と住所を必ず記載してください。

マージンスキームの請求書には、個別表示の VAT 額、VAT 額の行、または顧客が当該取引の VAT を還付請求できると解釈される記載を含めてはなりません。

マージンスキームにおける VAT の計算方法

マージンスキームでは、事業者は 16.67% (6 分の 1) の税率で VAT を支払います。計算自体はシンプルですが、利用するスキームの種類によって方法が異なります。

各スキームの計算方法は以下のとおりです。

標準 VAT マージンスキーム

  1. 商品ごとの粗利益 (販売価格から購入価格を差し引いた額) を計算します。結果がマイナスの場合、その商品については VAT の支払い義務はありません。

  2. 粗利益を 6 で割って、納付する VAT を計算します。たとえば、£120 の粗利益に対して £20 の VAT が発生します。

  3. この数値を HMRC に申告します。

納付する VAT は、競売人スキームでも同じ方法で計算します。ある商品の損失で、別の商品にかかる VAT を相殺することはできず、損失となった販売でも、ストックブックへの完全な記載 (VAT ゼロとして申告) が必要です。取引内容、および VAT が発生しなかった理由を記録しておくことは、HMRC の査察時に法令遵守を証明するうえで重要です。

グローバル会計スキーム

  1. ある期間に販売された対象商品すべての合計販売価格から、同じ期間に購入された対象商品すべての合計購入価格を差し引きます。

  2. その金額に 16.67% を適用して VAT を計算します。

グローバル会計スキームでは、個々の商品の損失はグローバルマージンに吸収されます。赤字となった販売でも、商品ごとの会計では実現できない形で、全体の VAT 納税義務を減らすことができます。

ある期間の購入総額が販売総額を上回る場合、結果として発生するマイナスマージンは繰り越され、次の期間のマージンと相殺されて、次期の納付 VAT が減少します。この繰越額は、次のグローバル会計マージンとのみ相殺可能であり、他の VAT の数値や記録に適用することはできない点に注意してください。期間全体のマージンがプラスの場合でも、その期間内で購入が販売を上回る部分は、同様に購入コストの控除分として次の期間に繰り越されます。

マージンスキーム取引の記録保持要件

マージンスキームに関する HMRC の要件は、標準の VAT の要件よりも詳細で、対象となる商品の種類によって異なります。対象となるすべての商品には、商品の説明、購入価格、日付、売り手の氏名と住所を示す購入請求書または記録が必要です。商品が VAT なしで取得されたことを証明できない場合、HMRC はマージンだけでなく販売価格全額に対して VAT を計上するよう要求することがあります。

すべての販売には、マージンスキームの文言の記載と個別 VAT 額を記載しないことを含め、上記の請求書発行に関するセクションで取り上げた要件を満たす請求書が必要です。ストックブックは、各購入記録と対応する販売記録を紐付けるものです。このストックブックは完全かつ正確で、監査可能である必要があります。HMRC は査察時にストックブックを要求することができ、その内容は発行した請求書と整合している必要があります。

また、原本の購入書類 (V5C 登録書類の詳細、購入請求書、オークション購入フォームなど) を保持する必要があり、ストックブックの記載には、購入時に VAT が請求されていないことを明確に証明できるものでなければなりません。標準の VAT 記録保持ルールに沿って、すべての書類を 6 年間保持することが求められます。デジタル記録も認められており、ますます一般的になっています。紙であれデジタルであれ、記録は完全かつ追跡可能である必要があります。

VAT マージンスキーム利用時に避けるべき一般的な間違い

マージンスキームに関する多くのエラーは、対象取引の誤解と記録保持の不備という 2 点に集約されます。一般的なエラーを以下に挙げます。

マージンスキーム販売への標準 VAT 請求書の発行

マージンスキームの請求書に VAT を個別表示すると、顧客が還付請求を試みる可能性があり、HMRC は双方に異議を申し立てます。請求書に標準税率の VAT を請求したことが示唆されている場合、マージンスキームの VAT 計算の正当性を主張することは困難になります。

対象外の仕入へのスキーム適用

VAT 請求書を伴って商品を購入し、仕入税額を還付請求した場合、その商品はマージンスキームの対象とすることはできません。この場合にスキームを利用することは、軽減された実効税率で VAT を支払うことを意味し、HMRC はこれを最低でもエラーとして扱い、最悪の場合は不正利用の可能性として扱います。

標準スキームにおける損益通算

ある商品の損失を、別の商品の VAT 負担の軽減に使うことはできません。商品ごとの会計処理において、商品をまたいで損失を相殺する事業者は、VAT 納税義務を誤って計算していることになります。

仕入書類の不備

商品が VAT なしで取得されたことが仕入記録に明確に示されていない場合、HMRC はマージンスキームの適用を認めず、販売価格全額に対して VAT を課す可能性があります。仕入時点で書類を適切に整備しておくことで、後日の不必要な支払いを回避できます。

マージンスキーム在庫と標準 VAT 在庫の分離の不徹底

多くの事業者は、在庫の一部を個人売り手から、一部を業者仕入先から購入しています。HMRC は、対象在庫と対象外在庫を記録上で明確に区別できることを求めています。混在した記録やあいまいな記録は、いずれの会計方式においても税務リスクを生じさせます。

VAT 申告書の不適切な処理

マージンスキームの VAT 情報は、VAT 申告書のボックス 1、6、7 に記載しますが、計算方法は標準の VAT とは異なります。すべての簿記ソフトウェアがこれを正しく処理するとは限らないため、本スキームを使った最初の申告書を提出する前に確認してください。

Stripe Invoicing でできること

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この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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