請求書ソフトウェアは、請求書を作成、送信、追跡するように設計されています。クライアントとのコミュニケーションを改善し、請求書をより迅速にクライアントの手元に届ける (そして支払ってもらう) ことができ、税金計算や通貨換算などを処理できます。請求書処理ソフトウェア市場の収益は、2022 年に 220 億ドルと評価されました。より多くの企業が請求書を自動化しているため、2033 年までに 253 億ドルに達すると見込まれています。

請求書ソフトはほとんどの企業に利益をもたらしますが、多くのクライアントと取引しているか国際事業を展開している企業にとって、特に役立ちます。以下では、企業が請求書ソフトウェアからどのようなメリットを得ることができるか、ソフトウェアを選択する際に優先すべき機能、この技術導入に伴うコストについて説明します。

この記事の内容

• 企業に請求書ソフトウェアが必要な理由
  
• 請求書ソフトウェアの仕組み
  
• 請求書ソフトウェアを使用するメリット
  
• 請求書ソフトウェアを選ぶにあたり優先すべき機能
  
• 請求書ソフトウェアを会計システムと連携する方法
  
• 請求書ソフトウェアに関連するコスト
  

企業に請求書ソフトウェアが必要な理由

手作業による請求は、事務処理、計算、クライアントへの頻繁なフォローアップなど、エラーが発生しやすく時間がかかるプロセスです。請求書ソフトウェアは、請求プロセスの多くの面を自動化して、取引をより速く、より正確に、より簡単に処理できるようにします。数秒でプロフェッショナルな請求書を作成し、ステータスをリアルタイムで追跡し、支払い期限を過ぎたクライアントにリマインダーを送信できます。その結果、業務の事務面の負担が軽くなり、クライアントへのサービスが向上します。また請求書ソフトウェアを用いると、クライアントにとっても請求書の支払いが簡単になり、顧客体験が向上しますので、支払い延滞が原因のキャッシュフローへの影響を最小限に抑えられます。

請求書プラットフォームは、会計ソフトウェア、プロジェクト管理ツール、在庫システムなど、事業運営の他の側面と連携できるケースが増えています。これらの高度なオプションにより、中小企業、フリーランサー、ギグワーカーは、かつて社内に経理部門を持つ大企業しか利用できなかった類の、最新鋭の財務追跡機能にアクセスできます。

請求書ソフトウェアの仕組み

請求書ソフトウェアは、請求書を作成、送信、追跡します。多くのソフトウェアオプションで、支払いを処理したり、入金時に会計記録を更新したりできます。Stripe Invoicing は、請求書と支払いのプロセスが組み込まれた総合プラットフォームであり、他のビジネスシステムと連携します。その仕組みをご紹介します。

請求書の作成

Stripe ダッシュボードで、請求書を手動で作成できます。顧客の詳細を検索し、商品やサービスのラインアイテムを追加し、期日や早期支払いの割引などの支払い条件を指定します。定期的な請求書がある場合は、プロセスを自動化できます。また、ロゴを追加したり、配色を調整したり、請求書をブランドのイメージに合わせたりと、パーソナライズすることもできます。

請求書の送付

請求書の準備ができたら、顧客へと直接請求書を送信します。具体的には、メールに PDF を添付して、またはホストされた請求書ページへのリンクを記載して送信します。これは、定期的な取引やオンライン取引を処理するビジネスにとって特に便利です。これらのホストページはモバイルフレンドリーで、あらゆるデバイスに合わせて微調整されるため、顧客は外出先でも請求書を表示して支払うことができます。

支払いの受け付け

顧客は請求書から直接支払うことができます。クレジットカード、自動決済機関 (ACH) 銀行振込、国際オプション (SEPA ダイレクトデビットなど) といった、さまざまな方法から選択できます。Stripe がバックエンドを処理するため、通貨換算や支払い処理の遅延を心配する必要はありません。クライアントはより簡単に支払えるため、よりスピーディーに支払ってもらえる可能性があります。

追跡とフォローアップ

Stripe は、請求書が送信されるとすぐに追跡を開始します。顧客が支払ったかどうかが分かり、未払いの請求書に自動リマインダーを実装できるため、支払い追跡のためにメールを送信したり電話をかけたりという気まずい作業が不要になります。また、入金があったときのアラートを作成することもできます。

照合と報告

支払いが銀行口座に入金されると、Stripe は自動的に対象の請求書と照合します。また、詳細なレポートと分析にもアクセスでき、どのクライアントの支払いが遅れているか、どの支払い方法が最も人気があるかなどの情報を得られます。この種のインサイトは、日々の管理と長期的な戦略に役立ちます。

請求書ソフトウェアを使用するメリット

請求書ソフトウェアを使用すると、ビジネスの管理方法が変わります。ここでは、請求書ソフトウェアを使用するメリットをいくつか紹介します。

大切なところで時間を節約できる

請求書ソフトウェアは、いくつかの方法でビジネスの時間を節約します。計算を自動化する、継続請求書用に保存したテンプレートを作成する、支払い延滞の自動リマインダーを設定する、手動入力に頼る代わりにデータベースから顧客情報を取得する、などです。

ブランドイメージを守る

請求書は、クライアントに強くポジティブな印象を与えるチャンスです。請求書ソフトウェアを使用すると、ロゴ、ブランドカラー、それに付随する電子メールなど、請求書のあらゆる側面をカスタマイズできます。洗練された請求書で、信頼できる事業者であることを示し、クライアントにまた取引したいと思わせましょう。

請求書のステータスを追跡する

請求書ソフトウェアを使用すると、請求書のステータスを一目で把握できます。請求書の期限が過ぎている場合、ソフトウェアがあなたに代わり、友好的なリマインダーで顧客に連絡を取ります。

支払いのスピードを上げる

多くのプラットフォームで、請求書に「支払う」ボタンを直接追加できるため、顧客はページを離れることなくクレジットカード、銀行振込、Apple Pay などで支払うことができます。これで延滞が少なくなり、支払い遅れの言い訳も減るでしょう。

エラーを大幅に削減する

請求書を間違えると、時間とコストがかかる可能性があります。サービスを含めるのを忘れたり、割引の計算を間違えたり、古い価格の請求書を送信したりすると、説明が難しくなり、遅延が発生する可能性があります。請求書ソフトウェアが計算を処理し、すべての必須フィールドが入力済みであることを確認して、請求書が毎回正確であるよう徹底させます。

キャッシュフローの管理に役立つ

請求書ソフトウェアは、キャッシュフローを分かりやすく最新の全体像で見せてくれます。ステータス (支払い済み、未払い、期日超過) で請求書を並べ替え、特定のクライアントの支払いまでの平均所要時間を確認できます。とても明確であるため、フォローアップするタイミングや支払い条件を調整するタイミングについて、より良い決定を下すのに役立ちます。

すでにお使いの技術と連携する

一流の請求書ソフトウェアは、他のシステムと連携できます。QuickBooks や Xero などの会計ソフトウェアを使用している場合は、請求書を自動的に同期するように設定できるため、支払いを手動で入力する手間が省けます。請求書ソフトウェアは、顧客関係管理 (CRM) または在庫管理システムにリンクさせることもできるため、顧客の詳細や製品情報を再入力する必要もありません。

ビジネスに合わせて拡張できる

ビジネスを始めたばかりである場合、請求書を手動で作成し送信するのに大きな不便さを感じないかもしれません。しかし、ビジネスが成長するにつれて、これらの請求書は倍増し、それらを追跡するための労力も増えます。請求書ソフトウェアはユーザーとともに拡張され、一括請求書、継続請求、国際決済などを簡単に処理できます。請求先が 5 件でも 500 件でもです。

請求書ソフトウェアを選ぶにあたり優先すべき機能

請求書ソフトウェアを選択するときは、ビジネスニーズに適した機能を優先しましょう。Stripe Invoicing は、幅広い機能を備えた総合プラットフォームです。使いやすさに、強力な自動化と連携を組み合わせました。ここからは、搭載されている機能と、それらがビジネスにとって重要な理由について説明します。

請求書作成が柔軟に

請求書を柔軟に作成できるため、貴社の請求書がプロフェッショナルで、ブランドを反映したものになります。また、顧客ベースに合わせてカスタマイズできます。Stripe Invoicing では、ニーズに応じて、ダッシュボードから手動で請求書を作成することも、アプリケーションプログラミングインターフェース (API) を使用して自動的に請求書を作成することもできます。選ぶポイント：

• ロゴを追加し、色を調整し、パーソナライズメッセージを付けられるオプションを備えた、カスタマイズ可能なテンプレート

• カスタム価格、税率、割引でサービス・商品の内訳を示せるラインアイテムオプション

決済オプションを連携済み

簡単に支払えるよう顧客に便宜をはかれば、入金も速くなります。Stripe の傑出した機能の 1 つは、決済オプションを請求書に直接埋め込めることです。この機能には以下が含まれます。

• クレジットカード、ACH 送金、デジタルウォレット (Apple Pay、Google Pay など)、国際オプション (SEPA ダイレクトデビット、iDEAL など) といった複数の決済オプション

• 即時決済用リンクまたは請求書上の「今すぐ支払う」ボタン

• 会計システムでの自動支払い照合

リアルタイムで追跡および通知

追跡機能は、当て推量を排除し、未払い残高を管理するのに役立ちます。Stripe Invoicing を使用すると、請求書の送付、支払い、期限切れなど、請求書のジャーニーを追跡できます。支払いステータスの更新と未払い請求書の自動リマインダーが搭載されいるものを探しましょう。

税務・コンプライアンス管理

税務コンプライアンスは完璧が求められます。自動化でコストのかかるミスを回避しましょう。Stripe の請求書機能には、税務処理がシンプルになるツールが含まれています。

• Stripe Tax の自動税計算。顧客の所在地により、売上税、付加価値税 (VAT)、物品サービス税 (GST) に対応します。

• 現地の請求書に関する規制や要件に準拠した請求書 (納税者番号の追加、品目別内訳など)

• 135 を超える通貨に対応する多通貨サポート

支払い条件をカスタマイズ可能

カスタム条件は、クライアントに柔軟に対応することと支払いに明確な境界線を引くことの、バランスを取るのに役立ちます。クライアントごとに必要な条件は異なりますが、Stripe Invoicing では、期日、延滞した支払いに対する延滞料、早期支払いに対する割引をカスタマイズできます。

自動化と継続請求

継続請求を自動化することで、手作業が減り、支払いが予測可能になります。Stripe の請求機能は、Stripe Billing と連携して継続支払いを処理します。これらの機能には、次のものが含まれます。

• 週次、月次、またはカスタムの請求サイクルの自動請求スケジュール

• 保存済みのクライアントの支払い詳細を使用した自動支払い回収

• 失敗した支払いの自動再試行

レポートと分析

明確なインサイトは、ビジネスの財務を積極的に管理するのに役立ちます。Stripe ダッシュボードには、次のような請求書のパフォーマンスに関する詳細な分析が含まれています。

• 期限切れの請求書を一目で特定できる売掛金年齢表

• 支払いの傾向 (支払いがいつも遅れがちなのはどのクライアントか、など)

• 納税申告をシンプルにする税務サマリー

API アクセスと連携

連携により、手作業によるデータ入力が最小限に抑えられ、システムが連結されます。Stripe Invoicing の API を使用すると、カスタムワークフローを構築し、次のようなスタック内の他のツールと連携できます。

• QuickBooks や Xero などの会計ソフトウェア

• Salesforce や HubSpot などの CRM システム

• Harvest や Toggl などのタイムトラッキング技術

カスタマーポータル

カスタマーポータルは、クライアントの体験を向上させ、管理タスクを軽減します。Stripe のポータルでは、請求書を管理し、支払い履歴を確認し、決済手段を安全に保存することができます。選ぶポイント：

• 顧客自身で請求書や領収書をダウンロードできる、セルフサービスオプション

• カードの詳細を保存して決済フローをスピードアップできる、安全な支払いストレージ

• 支払いに関する不審請求の申請が発生した場合の解決プロセス

拡張性とグローバルな対応

請求書ソフトウェアは、ビジネスとともに成長する必要があります。Stripe はあらゆる規模の企業向けに構築されており、成長に合わせて拡張できる機能を備えています。選ぶポイント：

• グローバルビジネス向けの多通貨および言語サポート

• 一括請求、高度な不正防止、チーム権限などのエンタープライズグレードの機能

• 隠れた手数料や不測の料金とは無縁の、透明性の高い価格設定

請求書ソフトウェアを会計システムと連携する方法

請求書ソフトウェアは、会計システムと連携して、請求と簿記の業務をシンプルにします。ここでは、Stripe Invoicing との連携について説明します。

取引の自動同期

Stripe を通じて請求書を送信し、顧客がそれを支払うと、Stripe は支払いの詳細 (金額、日付、支払人) を会計ソフトウェア (QuickBooks、Xero など) と自動的に共有できます。Stripe は請求書を「支払い済み」としてシステムに記録し、そのデータを会計プラットフォームにプッシュして収益として分類します。つまり、支払いの詳細を手動で入力したり、銀行取引明細書と請求書を照合したりする必要はなく、Stripe と会計システムがタスクを処理します。

更新がリアルタイム

Stripe は会計ソフトウェアの更新をリアルタイムで送信します。請求書のステータス (一部支払い済み、全額支払い済み、または期限切れ) は、会計記録にすぐに反映されます。手動で追跡しなくても記録が最新の状態に保たれるため、大量の請求を行う場合に特に便利です。

税務申告との連携

Stripe Tax を使用すると、顧客の所在地に基づいて税金が計算され、請求書に自動的に記載されます。会計ソフトウェアと同期して、これらの税額を申告します。

統合型の勘定科目表

Stripe では、請求書のカテゴリーを会計ソフトウェアの勘定科目表にマッピングできます。たとえば：

• コンサルティングサービスからの収益は、「コンサルティング収入」としてタグ付けできます。

• 物品の売上は「商品収益」としてタグ付けできます。

会計システムで収益を正しく整理できるようになるため、財務レポートがより正確で分析しやすくなります。

経費の追跡と照合

Stripe では、支払いを対象の請求書と自動的に一致させるため、会計システムでの照合作業がシンプルになります。Stripe は、支払い処理手数料などの経常経費を個別の明細として会計ソフトウェアに渡します。たとえば、1,000 ドルの請求書と 40 ドルの Stripe 処理手数料は、1,000 ドルの収益と 40 ドルの経費として自動的に帳簿に記録されます。

多通貨に対応

複数の通貨で請求書を処理する場合、Stripe は支払いを自国通貨に換算し、換算された金額を会計ソフトウェアと共有します。Stripe は適用された支払いと手数料の内訳を提供するため、会計システムには純利益が正確に反映されます。

カスタマイズ可能なデータ同期

Stripe の API では、Stripe と会計ソフトウェア間のデータフローを指定できます。たとえば、特定のクライアントの請求書をさまざまな収益源にタグ付けするルールを設定したり、レポートをカスタマイズしてクライアントの地域や商品説明などのメタデータを含めたりできます。このレベルのカスタマイズは、複雑な請求ニーズを持つ企業や、意思決定をデータ分析に大きく依存している企業にとって役立ちます。

返金と調整

Stripe は返金を会計システムに直接組み込みます。支払い済みの請求書に対して返金を行うと、Stripe は会計プラットフォームに通知し、元の収益に対して返金を記録します。手動の会計プロセスでは返金は見落とされがちで、財務記録が不正確になる可能性がありますが、Stripe ではワークフローが自動化されているため、その心配はありません。

正確な財務レポート

Stripe は、会計ツールと連携して、売掛金、未払いの請求書、収益トレンドとなど、さまざまな関心分野のレポートを生成します。たとえば、会計ソフトウェアで月次益レポートが作成される場合、明細項目を再確認しなくても、すべての請求書データが必ず計上されるよう Stripe が処理します。

柔軟なワークフロー自動化

ビジネスの成長に合わせ、Stripe と連携することで会計システムを最新の状態に維持できます。請求書データの一括インポートとエクスポートを自動化できますし、継続請求シナリオ用の事前構築済みテンプレートを使用可能です。さらには、パフォーマンスを低下させることなく数千の請求書を同期できます。

請求書ソフトウェアに関連するコスト

請求書ソフトウェアのオプションが異なれば、価格モデルや手数料も異なります。Stripe は従量課金制モデルを採用しているため、使用しない機能に過大な料金を支払う必要はありません。支払い金額は、請求額と処理する支払いの種類によって異なります。以下は、Stripe Invoicing に関連する費用です。

請求書の手数料

Stripe は、支払い済みの請求書ごとに何パーセントかの料金を請求します。請求書の支払い時に請求されます。まだ支払われていない請求書の作成や送信に費用はかかりません。

決済処理手数料

Stripe は請求書を通じて支払いを直接処理し、取引ごとに 標準手数料 を請求します。国際カード決済と通貨換算には別途手数料がかかります。

継続請求の手数料

Stripe は、サブスクリプションまたは継続的なサービスの請求書を繰り返し送信するために、異なる関連手数料を請求します。正確な手数料は、サブスクリプションの支払いを自動化するための追加ツールの設定方法によって異なります。

支払い後の請求書の手数料

Stripe は、1 回限りの購入に Stripe Checkout または Payment Links を使用し、後で請求書を発行するよう設定した場合、取引総額に対して何パーセントかの手数料を請求します。この手数料は、E コマースと請求書発行の両方のワークフローを処理している場合に適用されることがあります。

Stripe Tax の手数料

Stripe では、顧客の所在地に基づいて消費税、VAT、GST を計算し、請求書に追加する Stripe Tax を使用して税金計算を処理できます。Stripe は、Stripe Tax の使用に対して少額の追加料金を請求します。