iPhone で決済を受け付けると、事業者は利便性を最大限に高め、顧客体験を向上させることで、競争力の維持が可能となります。Insider Intelligence のレポートによると、世界全体で 2020 年には 11 億 8,000 万人以上が非接触型モバイル決済を利用し、2019 年と比較して 22% 以上の増加となりました。近い将来、モバイル決済の利用件数は飛躍的に増加する見込みです。同レポートによると、2025 年までに非接触型モバイル決済の利用者は世界全体でおよそ 15 億人となり、全スマートフォンユーザーの半数近くを占める見通しです。
いつでもどこでも取引を処理できる柔軟性があれば、事業者は新たな方法で顧客とやり取りをし、顧客の好みに対応して、ニーズをより効果的に満たすことができます。フリーランスのコンサルタント、パーソナルトレーナー、訪問型サービス提供業者など、数多くの分野の専門業者が、この機能から多大なメリットを得ることができます。
iPhone での決済を受け付けることは、もはや単なるメリットの 1 つではなく、多くの事業者にとって必要不可欠になりつつあります。この記事では、iPhone 決済の仕組みと、すぐに利用を始める方法について、事業者が知っておくべきことをご紹介します。
この記事の内容
- iPhone を使用してクレジットカード決済を受け付けることは可能か
- iPhone で決済を受け付ける必要がある業種
- iPhone を使用した決済の受け付けにかかるコスト
- iPhone で決済を受け付けるメリット
- iPhone で顧客の決済を受け付ける方法
iPhone を使用してクレジットカード決済を受け付けることは可能か
答えは「はい」です。iPhone を使用してクレジットカード決済を受け付けることは可能です。受け付けるには、Stripe などのモバイル決済代行業者を利用する必要があります。Stripe では、iPhone に接続できるカードリーダーを提供しており、クレジットカードのスワイプ、挿入、またはタップによって決済を受け付けることができます。その他、決済代行業者では、NFC 対応カードやデジタルウォレットを使用した非接触型決済を円滑に行えるようにするアプリも提供しています。これらのアプリでは、取引の管理、領収書の発行、売上の追跡も可能です。
iPhone で決済を受け付ける必要がある業種
iPhone でクレジットカード決済を受け付けることは、幅広いビジネス専門業者にとってメリットがあります。以下では、この機能が特に役立つ分野をいくつかご紹介します。
小規模の小売業
このタイプのビジネスは、多くの場合、ブティック、キッチンカー、ポップアップショップなど独自の場所で営業しています。日ごとに異なる場所で営業している場合、iPhone を通じてクレジットカード決済を受け付けることにより、快適で一貫性のある決済体験を実現できます。フリーランサー、独立請負業者
ライター、デザイナー、コンサルタントなどのフリーランサーは、リモートで仕事をしたり、さまざまな場所でクライアントと会ったりすることがよくあります。外出先でも決済を受け付けることができれば、取引プロセスを効率化できます。パーソナルトレーナー、コーチ
パーソナルトレーナー、ヨガインストラクター、ライフコーチなどが、複数の場所 (クライアントの自宅、公園、レンタルスタジオなど) でサービスを提供している場合、iPhone を通じて決済を受け付けるのが有益なことがあります。スマートフォン決済であれば、オフィスに戻るのを待たずに、レッスンやセッションの終了後にその場で支払いを直接受け付けられます。対面サービスプロバイダー
対面サービスプロバイダーには、たとえば電気技師、配管修理業者、芝生管理専門業者などが含まれます。このような専門業者は、顧客の家でサービスを提供する場合でも、作業の終了後すぐにその場で決済を受け付けられます。イベント業者
フェアやフェスティバル、マーケットで商品やサービスを販売する業者は、従来型の決済システムを利用できる状況にない場合があります。iPhone で決済を受け付けることができれば、取引が効率化されるため、ベンダーは最も需要の高い対面支払い方法の受け付けが可能となります。並んでいる顧客に速やかに対応することで、売上向上につながります。非営利団体
非営利団体は多くの場合、さまざまな場所で募金活動を行います。iPhone を通じて寄付を受け付けられるようになると、支援者はその場で簡単に寄付できます。
iPhone を使用した決済の受け付けにかかるコスト
iPhone で決済を受け付けるためのコストは、選択するモバイル決済代行サービスによって異なります。各サービスには独自の料金体系があり、取引ごとに取引額に対するパーセンテージを請求する方式や、取引ごとに定額料金を請求する方式などがあります。たとえば、Stripe ではオンライン決済の場合、カード決済が成功するごとに 2.9% + 30 セントを申し受けます。Stripe Terminal を使用した対面支払いの場合は、取引ごとに 2.7% + 5 セントの手数料が発生します。
iPhone で決済を受け付けるメリット
iPhone で決済を受け付けることで、事業者は取引を効率化し、決済のセットアップに柔軟性を持たせることができます。ここでは、その主なメリットを簡単にご説明します。
移動性と利便性
iPhone で決済を処理する大きなメリットの 1 つは、自由に場所を移動できることです。カフェでクライアントと会うフリーランサーであっても、ポップアップマーケットに出店中の小売業者であっても、クライアントの家で仕事をするサービスプロバイダーであっても、すぐに決済に応じられます。このため、固定式の POS 端末を導入せずに、顧客に使いやすくストレスのない取引体験を提供することができます。スピーディーな取引
iPhone で決済を受け付けると、現金や小切手など他の種類の決済と比べて取引時間が短縮され、領収書を手書きする必要もなくなります。取引がスピードアップすることで、待ち列が短くなり、顧客体験の向上につながります。安全な取引
iPhone の決済システムには、取引データを保護するために暗号化などの堅牢な技術が採用されています。Stripe を含む決済代行業者の多くは、不正検知機能も提供しているため、iPhone で決済を受け付けることで、より一層の保護が可能になります。セットアップも利用も簡単
ほとんどの iPhone 決済システムは、実装も利用も比較的簡単です。通常、新たなハードウェアや複雑なソフトウェアは不要です。必要となるのは、デバイスに接続するカードリーダーと、決済処理を可能にするアプリのみです。この点は、大規模な対面支払いを可能にする必要があるプラットフォームビジネスにとって、特に価値があります。ビジネスユーザーがプラットフォームを介して iPhone で決済の受け付けを開始できるように、新たなハードウェアを配布する必要はありません。デジタル領収書
多くの iPhone 決済システムでは、電子領収書をメールやテキストメッセージで顧客に送信できます。これは紙の節約になるだけでなく、追跡と販売記録の管理が簡単になるメリットもあります。キャッシュフローの改善
iPhone で行われた決済は直ちに処理されるため、小切手が清算されるのを待つ必要も、クライアントが請求書の処理を進めて支払うのを待つ必要もありません。これによってビジネスのキャッシュフローを改善することができ、中小企業やフリーランサーにとっては特に効果的です。決済手段を柔軟に選択可能
一般に、iPhone を通じて決済を処理することで、クレジットカード、デビットカード、デジタルウォレットなど、さまざまな決済手段の選択肢を顧客に提供できるようになります。より多くの選択肢を顧客に用意することで、顧客満足度が向上し、売上増加につながる可能性もあります。
iPhone で顧客の決済を受け付ける方法
iPhone で顧客の決済を受け付けるには、2 つの方法があります。1 つは、iPhone に物理的なカードリーダーを取り付けて決済を可能にする方法です。もう 1 つは、ハードウェアを追加することなく非接触型の タッチ決済を可能にするソフトウェアを使用する方法です。
以下は、両方の方法を使用して、利用を開始するためのステップバイステップガイドです。
1. 決済処理サービスを選択する
iPhone を使用したモバイル決済に対応している決済代行業者は、Stripe を含め複数あります。こうしたサービスは通常、取引ごとに手数料を請求します。コスト、使いやすさ、顧客サポート、受け付けている決済の種類などの要素を考慮しましょう。
2. Stripe アカウントを作成する
まだ Stripe をご利用でない場合は、Stripe アカウントにご登録ください。ご登録の際には、貴社のビジネスに関する情報と、売上送金用の銀行情報を入力していただく必要があります。決済の受付を始められるようにするには、認証プロセスを経る必要があります。
3. カードリーダーを使用するのか、ハードウェア不要のソリューションを使用するのかを決定します
Stripe Reader
カードリーダーを使用したい事業者には、Stripe Reader をお勧めします。Stripe Reader は持ち運び可能な小型のデバイスで、iPhone とペアリングして決済を受け付けられるようにします。非接触型決済のタッチ決済のほか、チップカードやスワイプによるカード決済にも対応しています。
- リーダーを Stripe のウェブサイトから直接注文します。
- Stripe Terminal アプリを App Store からダウンロードし、Stripe アカウントでサインインします。このアプリを使用すると、iPhone で決済を処理できます。
- Stripe から提供された手順に従って、Stripe Reader を iPhone に接続します。通常、これは Stripe Terminal アプリの Bluetooth 経由で行います。
iPhone のタッチ決済
Stripe Reader ではなく、ハードウェア不要の決済ソリューションの利用をご希望の場合は、iPhone のタッチ決済を有効にします。この機能を有効にすると、使用デバイスから直接、非接触型決済を受け付けられます。この機能は iPhone の設定 (通常は「ウォレットと Apple Pay」の下にあります) から有効にできます。
4. 決済システムをカスタマイズする
Stripe では、事業者のビジネスニーズに合わせて決済のセットアップを構成できます。商品カタログや税率などの各種設定は、Stripe Terminal アプリと同期する Stripe ダッシュボードでセットアップできます。
5. 決済を処理する
決済を受け付けるには、購入金額を iPhone の Stripe Terminal アプリに入力します。入力後、顧客は非接触型のカードまたはデバイス (Apple Pay 内蔵の iPhone や他のデジタルウォレットなど) を Stripe Reader にタップして支払いを行います。その他、チップカードの挿入や、リーダーでの磁気ストライプカードのスワイプも可能です。タッチ決済を利用している顧客は、カードかデバイスを事業者の iPhone にタップできます。
6. 取引後に必要な処理を行う
決済の処理が完了すれば、顧客に領収書を発行できます。Stripe の場合、メールや SMS でデジタル領収書を発行できます。また、Stripe の API と連携を通じて、売上の追跡、不審請求の申請の管理、返金処理を Stripe ダッシュボードから直接、簡単に行うことができます。
7. 送金する
Stripe で処理された支払いは、事業者が選択した入金スケジュール (日時、週次など) に基づいて、銀行口座に振り込まれます。
Stripe を利用すると、iPhone に備わっているセキュリティ機能とプライバシー機能に加えて、高度なセキュリティを得られます。Stripe は、決済業界で取得可能な最高レベルの認証である、PCI DSS レベル 1 のサービスプロバイダーとして認定されています。Stripe を利用した iPhone での決済の受け付けについて、詳細はこちらをご覧ください。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。