エンベデッドファイナンスとは?日本市場における現状・導入メリット・事例

Connect
Connect

Shopify や DoorDash など、世界有数のプラットフォームやマーケットプレイスも Stripe Connect を利用して決済を自社プロダクトに導入しています。

もっと知る 
  1. はじめに
  2. この記事でわかること
  3. エンベデッドファイナンスとは
    1. エンベデッドファイナンスを支える 3 つのプレイヤー
    2. BaaS との違い
  4. エンベデッドファイナンスの主な種類
    1. 組込型決済
    2. 組込型貸付・融資
    3. 組込型保険
    4. 組込型投資
    5. 組込型銀行
  5. 日本のエンベデッドファイナンス市場の現状と成長性
  6. エンベデッドファイナンスを導入するメリット
    1. 顧客体験の向上
    2. 顧客データの活用によるマーケティング精度の向上
    3. 決済手数料などの新たな収益源の確保
  7. エンベデッドファイナンスの活用事例
  8. Stripe Connect でできること
  9. エンベデッドファイナンスに関するよくある質問

近年、日本においてデジタル化が進み、多くの事業者がソフトウェアを最大限に活かした顧客体験の向上に取り組んでいます。こうした中、非金融サービスに決済などの金融機能を組み込む仕組み、「エンベデッドファイナンス (Embedded Finance)」が大きな注目を集めています。

本記事では、エンベデッドファイナンスの基礎知識から、主な種類、日本市場における現状、導入メリットや事例までをわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • エンベデッドファイナンスとは、非金融事業者が自社サービスに金融機能を組み込み、顧客へ提供する仕組み
  • エンベデッドファイナンスには主に、決済・貸付・保険・投資・銀行と、5 つの類型がある
  • 日本のエンベデッドファイナンス市場は、キャッシュレス決済の普及とともに今後も成長することが予測されている
  • 代表的な事例である配車・フードデリバリーサービス、「Uber」の場合、ドライバーはアプリ内で即時送金などの金融サービスを利用できる
  • Stripe Connect なら、ソフトウェアプラットフォームやマーケットプレイスのような資金移動の調整が複雑なビジネスにおいて、売上の分配・手数料の徴収・国際取引への対応など、決済業務全体の最適化をサポート

エンベデッドファイナンスとは

エンベデッドファイナンスとは、非金融事業者が自社のサービスやアプリに決済、融資、保険などさまざまな金融機能を組み込む仕組みを指します。日本語で「組込型金融」とも呼ばれています。
事業者がエンベデッドファイナンスを取り入れることで、顧客は普段利用しているウェブサイトやアプリを離れることなく、そのサービス内でさまざまな金融サービスを利用できるようになります。

つまりエンベデッドファイナンスは、非金融サービスに金融機能を実装することで、サービスの利便性向上とシームレスな顧客体験の提供を目的としています。

エンベデッドファイナンスを支える 3 つのプレイヤー

エンベデッドファイナンスには、主に 3 つのプレイヤー (役割) が存在します。

  • ブランド (Brand): EC サイトやアプリを運営し、顧客との直接的接点を持つ非金融事業者
  • ライセンスホルダー (Licence Holder): 銀行免許を持つ銀行や、生命保険業免許を持つ保険会社のように必要な金融ライセンスを保有し、ブランドに金融機能を提供する金融機関 (金融サービスプロバイダー)
  • イネーブラー (Enabler): ブランドとライセンスホルダーの間に立ち、両者を API (アプリケーション・プログラミング・インターフェース) プラットフォームでつなぎ、金融機能の実装を可能にするフィンテック企業

BaaS との違い

エンベデッドファイナンスと混同されやすい言葉に「BaaS (Banking as a Service)」があります。

BaaS とは、金融機関が提供している銀行機能を、非金融事業者が API を通じて自社サービスに組み込み、顧客が利用できるようにする「技術的なインフラ」そのものにあたります。

たとえば、従来、ライセンスホルダーである銀行でしか行えなかった「預金」、「為替」、「融資」などのサービスを、BaaS によって銀行免許を持たない非金融事業者でも活用できるのがポイントです。

一方、エンベデッドファイナンスとは、非金融事業者が金融機関から提供を受けた BaaS (インフラ) を自社サービスに取り入れ、エンドユーザーに提供することです。

つまり、BaaS はインフラという手段で、エンベデッドファイナンスはその手段がもたらす成果といえます。

エンベデッドファイナンスの主な種類

エンベデッドファイナンスには、主に 5 つのサービス類型があります。

組込型決済

組込型決済 (エンベデッドペイメント) とは、顧客が自社 EC サイトやアプリから離脱することなく、そのままスムーズに支払いを完了できる「決済受付機能」を提供する仕組みを指します。たとえば、事業者が自社のサービスにワンクリック・ノークリック機能を導入すれば、顧客体験が大幅に向上し、カゴ落ちの防止と売上拡大につながります。

組込型貸付・融資

組込型貸付・融資 (エンベデッドレンディング) とは、金融機関の貸付・融資機能を、銀行免許を持たない非金融事業者が自社サービスに組み込む仕組みを指します。これにより、事業者は顧客に対して後払い分割払いや融資サービスを提供することが可能になります。

事業者が組込型貸付・融資を導入すると、顧客である個人・企業は日頃から馴染みのあるウェブサイトやアプリ内で資金調達の手続きを完了できます。また、事業者が独自の融資プランを提供することで、顧客は従来よりも魅力的な条件でサービスを受けられる場合もあります。

組込型保険

組込型保険 (エンベデッドインシュアランス) とは、事業者が保険会社の機能・サービスを自社ウェブサイトやアプリに組み込み、自社商品と保険商品を一体化させて顧客に提供する仕組みを意味します。

具体例としては、旅行予約サイトに組み込まれたキャンセル保険、EC サイトで家具や家電製品などを購入した際に案内される延長保証などが挙げられます。

これらの組込型保険に共通している点は、事業者が販売する商品・サービスと保険商品に関連性があることです。顧客は数回のクリックだけで保険に加入できるうえ、保険金の請求手続きもシンプルなため、その利便性の高さから需要が拡大しています。

組込型投資

組込型投資 (エンベデッドインベストメント) とは、既存のデジタル製品やサービスに、ロボアドバイザー、小口投資、ポートフォリオ管理などの投資機能を統合し、顧客がそのサービス内で資産運用を行えるようにする仕組みです。

組込型投資を採用すれば、従来の金融ライセンスを持たない事業者でも、自社プラットフォーム上で顧客それぞれの状況 (年齢・収入・投資目的・ライフステージなど) に合わせて、最適な投資サービスを提案・提供することが可能です。

組込型銀行

組込型銀行 (エンベデッドバンキング) とは、非金融事業者のウェブサイトやアプリの中に、口座開設、預金、振込などの銀行機能を直接組み込む仕組みです。顧客は金融機関のサイトに移動することなく、日常的に使い慣れているウェブサイトで、これらの機能をシームレスに利用できます。

日本のエンベデッドファイナンス市場の現状と成長性

今日の日本では、さまざまな業界における DX 化の推進により、エンベデッドファイナンスの導入が急速に進んでいます。

PayNXT360 の調査によると、日本のエンベデッドファイナンス市場は年率 38.8% の成長を遂げています。また、2024 年から 2029 年にかけては年間平均成長率 (CAGR) 27.7% の安定した成長を維持し、2029 年には市場規模が 362 億 9,700 万 US ドルに達すると予測されています。

特に、近年の人手不足を背景とした業務効率化ニーズと、キャッシュレス決済の普及が後押しとなり、オンラインプラットフォームが金融機能を実装する動きは今後、小売、医療、教育、物流、不動産などの幅広い業界においてさらに加速すると見込まれています。

エンベデッドファイナンスを導入するメリット

エンベデッドファイナンスは事業者に以下のようなメリットをもたらします。

顧客体験の向上

エンベデッドファイナンスの最大のメリットとして挙げられるのが、顧客体験の向上です。

決済や融資などの金融サービスを自社のウェブサイトやアプリに組み込むことで、顧客は各種手続きを自社サービス内でシームレスに行えるようになり、顧客満足度の向上が期待できます。

これにより、コンバージョン率顧客維持率の改善、および顧客の離脱防止につながるだけでなく、ブランドへの愛着が高まることで、結果として顧客生涯価値 (CLV) の最大化にも貢献します。

顧客データの活用によるマーケティング精度の向上

金融機能によって収集された顧客の購買力・興味関心などのあらゆるデータを活用すれば、より精度の高い分析やパーソナライズが実現できます。これにより、キャンペーンの設計や商品提案が最適化され、より大きなマーケティング効果が期待できます。

決済手数料などの新たな収益源の確保

エンベデッドファイナンスは、事業者にとって新たな収益源を確保できる可能性を秘めています。

従来は、融資の利息や決済手数料は、金融機関によって直接徴収されていました。しかし、エンベデッドファイナンスなら、自社サービスの収益として獲得できる仕組みを構築できるため、収益チャネルの幅を広げることにつながります。

エンベデッドファイナンスの活用事例

ここでは、エンベデッドファイナンスの代表的な活用事例を紹介します。

サービス

内容

エンベデッドファイナンスのサービス例

Amazon

マーケットプレイス

  • 売上代金の受け取り
  • 出品者向け融資 (Amazon レンディング)
  • 後払い決済 (BNPL) 対応

Uber

配車・フードデリバリー

  • アプリ内でのドライバーの銀行口座への即時送金
  • 日々の売上や送金履歴データの一元管理

メルカリ

C2C フリマプラットフォーム

  • 売上金の即時無料出金
  • メルカリ独自のスマホ決済サービス、「メルペイ」に対応

Shopify

オンラインショップ作成プラットフォーム
(EC プラットフォーム)

  • 管理画面からの保険加入
  • 決済代行業者を介さずにクレジットカード決済を直接導入できる Shopify 独自のサービス、「Shopify ペイメント」に対応

このように、これまで金融機関に限られていた金融サービスを自社サービスと統合できるエンベデッドファイナンスなら、事業者はより質の高いサービスの提供が実現できます。したがって、エンベデッドファイナンスは業界・業種に関わらず、DX 化と事業成長を加速させるための有効な戦略といえます。

Stripe Connect でできること

Stripe Connect は、ソフトウェアプラットフォームやマーケットプレイスにおける複数者間での資金移動を可能にするツールです。スムーズなアカウント登録、組み込みコンポーネント、グローバル決済などの機能を備えています。

Connect の特徴

  • 数週間でローンチ: Stripe 上の機能、または組み込み機能を活用して本番環境にスピーディーに移行できます。ペイメントファシリテーションに必要な初期費用や開発時間を軽減できます。

  • 大量の決済取引を管理: Stripe のツールやサービスを利用することで、専任の人材がいなくても、マージンレポート、納税申告書、リスク管理、世界各国の決済手段、アカウント登録の法規制などに対応できます。

  • グローバルに成長: 地域固有の決済手段や、売上税、VAT、GST を簡単に計算する機能を活用することで、ユーザーが世界中のより多くの顧客にリーチできるよう支援します。

  • 新しい収益源を構築: 各取引ごとに手数料を徴収して決済収益を最適化します。プラットフォーム上で対面決済、即時入金、消費税徴収、融資、経費用カードなどの機能を有効にして、Stripe ツールを収益化できます。

  • 高度な機能: サブスクリプションのための Billing、不正利用防止のための Radar など、他の Stripe プロダクトと Checkout を連携できます。

  • 柔軟な管理: 決済手段の保存や購入後のアクション設定など、決済体験を完全にカスタマイズできます。

Stripe Connect について詳しくはこちらをご覧ください。今すぐ開始する場合はこちら

エンベデッドファイナンスに関するよくある質問

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

その他の記事

  • 問題が発生しました。もう一度お試しいただくか、サポートにお問い合わせください。

今すぐ始めましょう

アカウントを作成し、支払いの受け付けを開始しましょう。契約や、銀行情報の提出などの手続きは不要です。貴社ビジネスに合わせたカスタムパッケージのご提案については、営業担当にお問い合わせください。
Connect

Connect

数カ月でなく数週間で本番環境に移行して、収益性の高い決済ビジネスを構築し、簡単に拡張することができます。

Connect のドキュメント

複数の当事者間で支払い経路を選定する方法をご確認ください。