ニュージーランドでの電子請求書:仕組み、コンプライアンス規約、企業側のメリット

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Stripe Invoicing は、支払いを簡単かつ素早く受け取ることを目的とする請求書作成プラットフォームです。自社でコードを作成することなく、請求書をわずか数分で作成し、送信できます。

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  1. はじめに
  2. 電子請求書の概要と、従来の請求書との違い
  3. ニュージーランドでは電子請求書は義務付けられているか
    1. 政府機関
    2. 民間企業
    3. オーストラリアとの調整
  4. Peppol がニュージーランドの電子請求書に与える影響
    1. ニュージーランドが Peppol を採用した理由
    2. Peppol の仕組み
  5. ニュージーランドの企業にとっての電子請求書のメリット
    1. 支払いの迅速化とキャッシュフローの改善
    2. 処理コストの削減
    3. 誤りと不審請求の申し立ての削減
    4. 事務作業と事務処理の軽減
    5. セキュリティの強化
    6. 手軽な記録管理
    7. 可視性の向上
  6. 電子請求書がニュージーランドの税務コンプライアンスに与える影響
    1. GST 記録
    2. GST 申告
    3. 監査に備える
    4. 記録管理

多くの企業にとって、請求処理は今でも時間がかかる手作業のプロセスであり、遅延、潜在的なエラー、管理作業を伴います。電子請求書 (e-インボイス) はこれらの問題の多くを回避するのに役立ちます。企業は、支払いを追跡したり、メールで送信される PDF の誤字脱字を修正する代わりに、財務システム間で請求書を直接転送できる、安全な自動化されたシステムを使用できます。

このガイドでは、仕組みから始め方まで、ニュージーランドの企業が電子請求書について知っておくべきことについて説明します。

この記事の内容

  • 電子請求書の概要と、従来の請求書との違い
  • ニュージーランドでは電子請求書は義務付けられているか
  • Peppol がニュージーランドの電子請求書に与える影響
  • ニュージーランドの企業にとっての電子請求書のメリット
  • 電子請求書がニュージーランドの税務コンプライアンスに与える影響

電子請求書の概要と、従来の請求書との違い

従来の請求書では、支払いに時間がかかりました。紙の請求書は印刷して郵送する必要があり、PDF 形式の請求書はメールで送信し、財務システムに手動で入力する必要があります。これらの余分な手順は、遅延やエラー、さらには請求書の紛失や見落としのリスクを招きます。

電子請求書は、企業間で請求書データをデジタルでやり取りすることを指し、会計システムが自動的に読み取ることができる形式で構造化されています。従来の請求書とは異なり、電子請求書は手動でデータを入力する必要はありません。請求書は、XML や JSON などの形式の機械可読データを使用する認定された電子請求ネットワークを介して、送信者のシステムから受取人の会計ソフトウェアに直接送信されます。買い手のシステムは、請求書を受け取り、検証し、処理します。この処理にはユーザーの介入は一切必要ありません。

電子請求書は世界的に増加傾向にあり、電子請求書市場は 2024 年から 2028 年にかけて年平均 28% の成長が見込まれています。世界中の政府も採用を推進しています。イタリアメキシコでは、すでに事業者に電子請求書が義務付けられています。

ニュージーランドでは電子請求書は義務付けられているか

いいえ、ニュージーランドのほとんどのビジネスでは電子請求書は義務付けられていません。それでも、電子請求書は徐々に標準になりつつあり、Xero や MYOB などの会計プラットフォームはすでに電子請求書に対応しています。PDF を使い続けても罰則を受けることはありませんが、よりスピーディーな支払いとより効率的な操作を逃す可能性があります。

政府機関

ニュージーランド政府は、電子請求書の採用を積極的に奨励しています。政府機関のクライアントと取引する場合は、電子請求書がリクエストされるケースが増えることが予想されます。2026 年 1 月までに、電子請求書の送受信を義務付けられる政府機関が拡大されます。つまり、これらの機関に請求書を発行する企業も電子請求書を送付しなければならなくなります。

民間企業

政府機関と提携していない民間企業の場合、電子請求書は任意です。企業に使用を義務付ける法律はなく、義務化に向けた正式な計画もありません。

一方で、企業・技術革新・雇用省 (MBIE) は、この慣行を推進しています。すでに電子請求書の受領登録を行った 5 万社を超える企業の公開リストが作成されており、すでに電子請求書を利用している取引先を探している場合に便利です。

オーストラリアとの調整

ニュージーランドとオーストラリアは、企業が国境を越えて手軽に請求書を発行できるように、共同の電子請求書フレームワークを策定しています。両国の政府は、義務化を可決する代わりに、電子請求書を有益で導入しやすくすることに注力しているため、企業は自発的に電子請求書を導入しています。

Peppol がニュージーランドの電子請求書に与える影響

ニュージーランドの電子請求書フレームワークは、企業が標準化された言語を使用してデジタルで請求書をやり取りできるようにするグローバルネットワークである Peppol を中心に構築されています。パートナーごとのカスタムの実装に対応する代わりに、企業は Peppol を汎用コネクターとして使用して、事業者、政府機関、国際的なパートナー間でより手軽に請求書を送信できます。

ニュージーランドが Peppol を採用した理由

ニュージーランドとオーストラリアは 2019 年に Peppol を採用し、PINT A-NZ 形式によるシンプルな電子請求書システムを構築しました。これにより、両国は新しいシステムをゼロから開発するのではなく、既存のグローバルスタンダードの範囲内で連携することができ、また、トランスタスマンでの請求も簡単になります。

Peppol を使用すると、ニュージーランド、オーストラリア、その他の国など、ネットワークに接続されたすべての企業が、ファイル形式、ソフトウェアの互換性、または手動のデータ入力を気にすることなく、請求書を送受信できます。Peppol は互換性のない複数の請求書フォーマットの非効率性を解消し、請求書の流れをスムーズにします。

Peppol の仕組み

Peppol は 4 コーナーモデルで運用され、請求書は構造化された安全なネットワーク内を移動します。その仕組みは次のとおりです。

  • 送信者の会計システムが、標準化された形式で電子請求書を作成し、Peppol のアクセスポイントに送信します。

  • 送信者のアクセスポイントが請求書の詳細を確認し、請求書を安全に振り分けます。

  • 受取人のアクセスポイントが請求書を受信し、受取人の会計システムに配信します。

  • 受取人のシステムが自動的に請求書を処理するため、手動でのデータ入力や検証は必要ありません。

Peppol を通じて送信される請求書には、より強力な不正利用防止というメリットもあります。ネットワークを介してやり取りされる情報は暗号化および認証され、改ざんや不正な請求書の作成が防止されます。また、Peppol はオーストラリアとニュージーランドの事業環境に合わせて特別に調整されており、PINT A-NZ 基準により、現地の物品サービス税 (GST) 申告への準拠が保証され、企業は現地の税務上の問題を心配することなく、国境を越えて請求書を送信できます。

ニュージーランド政府は Peppol を政府のシステムに統合しており、中央省庁が Peppol の電子請求書を受信できるようになりました。これによりネットワーク効果が生まれ、より多くの政府機関が電子請求書を利用するようになると、民間企業での導入が加速すると予測されます。

ニュージーランドの企業にとっての電子請求書のメリット

電子請求書は、企業が支払いを処理し、法令遵守を維持する方法を根本的に改善します。効率性の向上は、支払いのスピードアップ、コストの削減、セキュリティ基準の向上を意味します。ここでは、電子請求書がニュージーランドの企業にもたらすメリットをご紹介します。

支払いの迅速化とキャッシュフローの改善

手作業による処理、詳細の不足、承認サイクルの遅さなどが決済の遅れにつながります。MBIE では、電子請求書の導入後、平均してサプライヤーへの支払い日数を 3 日短縮できたことがわかりました。数日の差はわずかなようですが、1 年以上経つと、企業のキャッシュポジションは大幅に改善されます。これは、利益率の低い事業運営をしている企業にとって特に有益です。

処理コストの削減

請求書の処理は無料ではなく、請求書を手作業で処理するための人件費は、特に毎月大量の請求書を処理する企業では、すぐに積み重なります。

誤りと不審請求の申し立ての削減

単純な入力ミスで、支払いが数週間遅れることがあります。請求書に関する不審請求の申し立ての多くは、金額や計算の誤り、または発注書番号の不一致に起因していて、フォローアップが必要です。電子請求書は、再入力する必要がなく、財務システムから別の財務システムに直接データが流れるため、このような誤りを排除できます。

事務作業と事務処理の軽減

従来の請求書発行を使用している企業は、請求書の生成、送付、コピーの提出、ベンダーから受け取った請求書の手作業による記録にかなりの時間を費やしています。電子請求書は、これらのプロセスの多くを自動化します。デジタル請求書は作成と送信がスピーディーであり、会計システムに届いた請求書を簡単に確認できます。

セキュリティの強化

請求書の不正利用は、特にメールで送信される請求書で大きな問題となります。よくある詐欺には、不正利用者が銀行口座の詳細を変更する PDF の改ざんや、企業が知らず知らずのうちに支払う偽の請求書などがあります。電子請求書は、以下により、改ざんが非常に困難になっています。

  • 取引は安全な暗号化されたネットワークを通過する

  • すべての請求書には、検証済みの送信者と受信者の識別子が含まれている

  • 請求書の経路の監査証跡が残る

これらの保護は、不正利用のリスクを軽減し、請求書が正当で信頼できるサプライヤーから発行されたことを確認するのに役立ちます。高額な取引を扱う企業にとって特に価値があります。

手軽な記録管理

ニュージーランドの企業は、税務上の目的で請求書の記録を少なくとも 7 年間保存する必要があります。電子請求書は、請求書を会計ソフトウェアに自動的にアーカイブし、重要な詳細情報 (サプライヤー、日付、GST など) にインデックスを付けて素早く取得できるようにすることで、このプロセスをより簡単にします。

可視性の向上

電子請求書によって、アカウントをリアルタイムで可視化できます。どの請求書がシステムで配信、表示、承認、または支払われたかを即座に確認し、構造化データを使用して支払いサイクル、滞納者、キャッシュフローの傾向を分析できます。

電子請求書がニュージーランドの税務コンプライアンスに与える影響

電子請求書は、GST 規則に簡単に準拠できるようにし、事業記録を向上させ、脱税のリスクを軽減します。内国歳入庁 (IRD) の規制は電子請求書に対応しているため、企業は追加の事務処理なしで法令遵守を維持できます。ここでは、電子請求書が企業の税務コンプライアンスにどのように影響するかについて説明します。

GST 記録

従来、ニュージーランドの企業は、請求を裏付けるために、サプライヤーの GST 番号、請求日、GST 金額などの詳細が記載された「タックスインボイス」の書類を提出する必要がありました。ニュージーランドは 2023 年 4 月に税法を改定し、従来のタックスインボイスの要件を「Taxable supply information」(課税供給情報) と呼ばれるより柔軟な概念に置き換えました。これにより、企業はより幅広い記録または記録の組み合わせ (発注書、元帳、サプライヤー契約、契約書など) を使用して、GST 申告を裏付けることができます。この変更では、電子請求書は有効な GST 記録と見なされます。

GST 申告

電子請求書は会計システムと直接連携し、次のデータを自動的に取得します。

リアルタイムで精度が維持されるため、タイプミスや請求書の不足などの一般的な申告ミスが最小限に抑えられます。企業によっては、GST 申告プロセスの一部を自動化することもできます。

監査に備える

電子請求書の導入により、税務申告と記録管理がシンプルになるだけでなく、監査への対応も向上します。すべての電子請求書はデジタル監査証跡を残すため、取引を簡単に検証できるようになります。ニュージーランドがリアルタイムの GST 申告に移行する場合、電子請求書を使用している企業ではすでに準備が完了することになります。

記録管理

ニュージーランドの法律では、企業は請求書の記録を少なくとも 7 年間保存することが義務付けられています。電子請求書は、以下の点で記録管理がはるかに簡単になります。

  • 電子請求書は、書類のファイルやスキャンした PDF よりも保存が簡単で安全です。

  • 過去の書類を手動でかき分けるのではなく、請求書を即座に検索して取得できます。

  • 紙の請求書のように紛失したり、色あせたり、損傷したりするリスクがありません。

  • 企業がソフトウェアやプロバイダーを切り替えた場合でも、請求書データをエクスポートして、納税のために保存することができます。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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