電子請求書の正当な形式の種類

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  1. はじめに
  2. 電子請求書と通常の請求書の違い
  3. 一般的な電子請求書の形式
    1. 拡張マークアップ言語 (XML)
    2. ユニバーサルビジネス言語 (UBL)
    3. 行政、商業、運輸のための電子データ交換 (EDIFACT)
    4. データ埋め込み型 PDF
    5. 汎欧州オンライン公共調達 (PEPPOL) BIS 請求書
    6. 独自形式
  4. 特定の形式を使用するケース
    1. XML
    2. UBL
    3. EDIFACT
    4. データ埋め込み型 PDF
    5. PEPPOL BIS 請求書
    6. 独自形式
  5. 特定の電子請求書形式を使用している業界
    1. 小売・消費財
    2. 製造
    3. 物流・輸送
    4. 官公庁・公共機関
    5. ヘルスケア
    6. 金融・保険
    7. テクノロジー・ソフトウェア
    8. エネルギー・公益事業
    9. 卸売・流通
  6. 規制が電子請求書の形式に与える影響
    1. 使用形式に関する規則
    2. 請求書と税制の関連付け
    3. 国際貿易の簡素化
    4. 業種固有の規則
    5. 監査と追跡の容易化
    6. セキュリティ機能の組み込み

電子請求書は、取引の詳細 (購入品、代金、支払い期日など) が記載されたデジタルドキュメントです。手作業による処理が必要な紙の請求書とは異なり、電子請求書は多くの場合、メールまたは特殊なソフトウェアを通じて、売り手と買い手の間ですばやくやり取りできように設計されています。

電子請求書を処理する場合、使用する特定の形式によって、情報の構造、共有方法、およびソフトウェアやプラットフォームで簡単に処理できるかどうかが決まります。この形式は、特に特定の業界や政府機関に属している場合、法令遵守要件にも影響を与える可能性があります。適切な形式は、誰と仕事をしているのか、取引のルールがどのようなものであるかによって選択が異なります。

以下では、一般的な電子請求書の形式、特定の形式を使用するタイミング、および規制がそれらにどのように影響するかについて解説します。

この記事の内容

  • 電子請求書と通常の請求書の違い
  • 一般的な電子請求書の形式
  • 特定の形式を使用するケース
  • 特定の電子請求書形式を使用している業界
  • 規制が電子請求書の形式に与える影響

電子請求書と通常の請求書の違い

通常の請求書は通常、紙の文書または企業が顧客に電子メールで送信する PDF の形をとります。多くの場合、手作業で記入、印刷、処理する必要があります。電子請求書は、最初から最後までデジタルで処理されます。この請求書は、システムが自動的に理解して処理できる構造化された形式で作成されます。また、最小限の介入で売り手のシステムから買い手のシステムに直接受け渡すことが可能です。

一般的な電子請求書の形式

電子請求書にはいくつか形式がありますが、それぞれシステムが請求情報を読みやすく、処理しやすく、そしてやり取りしやすくなるように設計されています。ここでは、最も一般的な形式についてご紹介します。

拡張マークアップ言語 (XML)

XMLは、電子請求書で最も広く使用されている形式の 1 つです。コンピューターが処理しやすいだけでなく、人間が判読するのも容易な形式です。XML は高度にカスタマイズ可能で、複雑な取引にも適しているため、多くの政府や業界で XML が使用されています。

ユニバーサルビジネス言語 (UBL)

UBL は、XML をベースとし、請求書などのビジネスドキュメント用に設計された特定用途の形式です。ヨーロッパを中心に国際的に使用されており、多くの国で電子請求規格として認められています。

行政、商業、運輸のための電子データ交換 (EDIFACT)

EDIFACT は古くからある形式ですが、成長企業をはじめ、配送業や小売業などの業界で特に広く使用されています。これは、広範な電子データ交換 (EDI) システムの一部であり、さまざまな種類のビジネスデータを交換できるように設計されています。

データ埋め込み型 PDF

基本的な PDF は技術的には電子請求書ではありませんが、一部のPDFには、電子システムが読み取れる形式 (XML など) の埋め込みデータが含まれています。このハイブリッド形式は、従来の請求書から完全なデジタル請求書に移行する企業でよく使用されています。

汎欧州オンライン公共調達 (PEPPOL) BIS 請求書

PEPPOL は、電子請求書とデータ交換をサポートする安全なネットワークであり、PEPPOL BIS 請求書はそのネットワークで使用される形式です。PEPPOL はヨーロッパが起源であり、その後、オーストラリア、ニュージーランド、アラブ首長国連邦、およびアジア全域の国々に拡大していきました。

独自形式

一部の企業や業界では、システムに合わせてカスタマイズされた独自の形式を使用しています。これらはクローズドネットワーク内ではうまく機能しますが、他のシステムで処理するには変換ツールを必要とすることがよくあります。

特定の形式を使用するケース

電子請求書の形式を選択するときは、ビジネスのニーズ、使用しているシステム、および従う必要のある規制を考慮してください。適切な形式を選ぶことにより、取引が円滑になり、エラーが減り、法務および業界標準への法令遵守が保証されます。ここでは、電子請求書のそれぞれの形式がどのような場面で使用されるかについて詳しくご紹介します。

XML

システム間でやり取りする場合、柔軟性と互換性が必要です。XML は適応性が高く、さまざまな取引を処理する企業や国際的に事業を展開している企業に適しています。

UBL

ヨーロッパで活動しているか、国際的な電子請求基準に準拠している企業に適しています。UBL は、EU 内の政府契約や越境取引に関与している場合に特に有用です。このような状況では、UBL が要件となるケースがよくあります。

EDIFACT

小売、物流、製造など、大量かつ大規模な取引を扱う業界で使用されます。EDIFACT は、会社がすでに EDI システムを使用して取引先とデータを交換している場合に最適です。これは、自動化されたプロセスを確立している企業にとって信頼できる選択肢です。

データ埋め込み型 PDF

紙の請求書または通常のデジタル請求書から、完全な電子請求書に移行している企業にとって最適な形式です。この形式は、人間が読みやすく、自動データ抽出も可能なため、中間的な選択肢になり得ます。また、取引パートナーが完全に構造化された電子請求の準備ができていない場合にも役立ちます。

PEPPOL BIS 請求書

公共機関と取引する場合や、PEPPOL ネットワークを通じて請求書を送信する必要がある場合に使用されます。PEPPOL BIS 請求書は、国境を越えて請求書を受け渡すことに特化した、標準化された安全な方法です。

独自形式

特定の業種や標準化された内部システムを持つサプライチェーンなど、クローズドネットワーク内で事業を展開している企業が使用しています。内部プロセスは容易になりますが、外部パートナーと提携してコンバーターを確保しなければならない場合があります。

特定の電子請求書形式を使用している業界

さまざまな業界が、独自のニーズ、取引量、規制環境に応じて特定の電子請求書形式を使用しています。たとえば、小売業や物流などの取引量の多いセクターでは、大量のデータを適切に処理できる形式が好まれる傾向がある一方、政府機関は法令遵守のために UBL や PEPPOL BIS などのあらかじめ義務付けられた形式の請求書をよく使用しています。

ここでは、業界ごとに一般的に使用されている形式を詳しく見ていきます。

小売・消費財

小売業者や消費財企業は、多くの場合、大量の取引と複数のサプライヤーを管理しています。EDIFACT は、大規模なデータ交換を処理できるため、長年にわたって人気があります。XML は、その適応性と最新のシステムへの導入性から注目を集めています。

製造

製造業者は、複雑なサプライチェーンを管理し、調達プロセスを自動化するために、EDIFACT を頻繁に使用しています。独自形式は、緊密に統合されたサプライヤーネットワーク内でも一般的に使用されています。

物流・輸送

物流は、出荷情報や通関書類などのデータに依存しています。EDIFACT は広く使用されている形式であり、UBL は 越境取引のため、特にヨーロッパなどの地域で使用されています。

官公庁・公共機関

多くの場合、政府機関は商品やサービスを提供する企業に対して特定の電子請求書形式の使用を義務付けています。UBL はヨーロッパで必須とされているケースが多く、PEPPOL BIS 請求書は多くの国で公共調達の電子請求における標準的なフレームワークになっています。

ヘルスケア

医療用品、医療機器、医療サービスの請求書には、XML、Health Level 7 (HL7)、または医療システム用にカスタマイズされた独自の形式がよく使用されます。これらの形式は、厳しい規制に準拠しながら正確なデータ処理を保証します。

金融・保険

金融および保険セクターは、正確性、セキュリティ、および法令遵守を確保するために、XML や UBL などの構造化された形式を優先して使用しています。また、金融機関どうしでの取引では ISO (国際標準化機構) 20022 も使用されています。

テクノロジー・ソフトウェア

テクノロジー企業は、XML や JavaScript Object Notation (JSON) などの最新の柔軟な形式を電子請求書で使用しています。これらはクラウドベースのシステムやアプリケーション・プログラミング・インターフェイス (API) に適しているため、電子請求によく使用されます。

エネルギー・公益事業

エネルギープロバイダーや公益事業会社は、多くの場合、EDIFACT を使用して、大規模な顧客ベースやサプライチェーン全体の請求処理を管理しています。XML の使用は比較的新しく、より適応性の高いシステム向けに使用されています。

卸売・流通

卸売業者は EDIFACT を使用して大量注文を処理し、小規模な流通業者は XML またはハイブリッド PDF 形式を使用して多様な顧客ニーズに対応しているケースが良く見られます。

規制が電子請求書の形式に与える影響

政府や業界は、請求書の形式設定に関して特定の規則を設けています。請求書がこれらのルールに準拠していない場合、請求書は拒否され、さらに罰則まで科せられる可能性があります。またこれにより、顧客からの支払いが遅くなる事態も生じ得ます。法令遵守を確保するために、次のことに従ってください。

  • 規則を守る: 規制は国や業種によって異なり、頻繁に変更されるため、変更についての情報は常に入手するよう心がけてください。

  • 柔軟なソフトウェアを利用する: 優れた請求処理ソフトは、さまざまな形式を処理し、規則の変更にも適応できます。

  • 必要であれば助けを求める: 税理士や法令遵守の専門家と協働することで、時間やフラストレーションを節約・軽減できます。

ここでは、規制が電子請求書の形式に与える影響について説明します。

使用形式に関する規則

一部の地域では、政府が企業に特定の電子請求書形式の使用を義務付けています。以下はその例です。

  • 公共セクターのクライアントと取引しているヨーロッパ企業は、UBL や PEPPOL BIS 形式の請求書がよく必要になります。

  • ラテンアメリカでは、ブラジルなどの国が独自の XML ベースの形式を採用しており、それらは税制に直接結びついています。

請求書と税制の関連付け

現在、多くの国では、税務報告制度の一環として電子請求書が使用されています。つまり、請求書の形式は、政府のシステムが処理できるものと一致している必要があります。以下はその例です。

  • インドでは、企業は請求書を JSON 形式で作成し、物品・サービス税 (GST) プラットフォームに直接アップロードすることを義務付けられています。

  • イタリアでは、企業は請求書を政府の取引システムに報告できるように、FatturaPA 形式で請求書を作成することを義務付けられています。

国際貿易の簡素化

国境を越えてビジネスを行っている場合、規制により、外国でも機能する形式を使用することを求められる場合があります。UBL や PEPPOL BIS 形式の請求書は、二国間での請求書のやり取りを容易にするように設計されています。

業種固有の規則

特定の業界は他の業界よりも厳しく規制されているため、従うべき特定の形式がある場合があります。以下はその例です。

  • ヘルスケア業界では、セキュリティを強化するために請求書を HL7 で作成することを義務付けられている場合があります。

  • 物流業界では、通関や配送にかかる煩雑な手続きを処理するため、請求書は EDIFACT 標準に従って作成されることがよくあります。

監査と追跡の容易化

多くの場合、政府は請求書に具体的な情報を含めることを望んでいます。これにより、支払いの追跡、エラーの発見、不正利用の特定などが可能になります。XML や UBL などの形式は内容が詳細で、かつ検索も簡単なため、この用途にうまく適合します。

セキュリティ機能の組み込み

一部の規制では、請求書が本物であることを確認するために追加のセキュリティが要求されます。たとえば、PEPPOL BIS の請求書にはデジタル署名が必要です。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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