日本の事業者が EC サイトを多言語化すべき理由とは?メリットやデメリットも解説

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  1. はじめに
  2. EC サイトにおける多言語対応の重要性
    1. 越境 EC 市場規模の拡大
    2. インバウンド旅行客の増加
  3. EC サイトで対応を検討すべき言語
    1. 英語
    2. 中国語 (簡体字・繁体字)
    3. 韓国語
  4. EC サイトを多言語に対応させるメリット
    1. 販路拡大による売上向上
    2. 信頼度と好感度のアップ
    3. 競合他社との差別化
  5. ECサイトを多言語に対応させるデメリット
    1. 翻訳の品質管理や翻訳のアップデートへのコスト
    2. 多言語によるカスタマーサポート体制
    3. 各国の法律・文化・商習慣
  6. EC サイトを多言語化する方法
    1. 翻訳専門のスタッフを起用
    2. 外部翻訳サービスへ依頼
    3. 翻訳ツールの利用
    4. 翻訳機能付き EC プラットフォームを利用
  7. EC サイトの多言語化を成功させるポイント
    1. ローカライゼーション
    2. 多言語化は必要な情報のみに絞る
  8. Stripe Checkout でできること

EC モールなどのネット通販事業が広く一般化し、あらゆる分野においてオンラインショップが利用される中、日本では EC サイトの多言語化が注目を集めています。アニメやゲームなどのサブカルチャーの人気に加え、日本の電化製品や化粧品ブランド、食品が海外からも認知されるようになり、EC サイトにおける多言語対応は新規顧客の開拓と販路拡大を目指す事業者にとって必須と考えられています。

本記事では、EC サイトの多言語化に焦点をあて、日本の事業者が多言語に対応することの重要性、対応を検討すべき言語、多言語対応のメリットやデメリットなどを解説します。

目次

  • EC サイトにおける多言語対応の重要性
  • EC サイトで対応を検討すべき言語 
  • EC サイトを多言語に対応させるメリット
  • EC サイトを多言語に対応させるデメリット
  • EC サイトを多言語化する方法
  • EC サイトの多言語化を成功させるポイント
  • Stripe Checkout でできること

EC サイトにおける多言語対応の重要性

EC サイトを多言語対応にすべき理由は以下のとおり、大きく分けて 2 つあります。

越境 EC 市場規模の拡大

越境 EC とは、国内だけでなく、国を超えて海外の消費者向けに EC サイトを展開するビジネスモデルです。購入者は、たとえ海外に住んでいても日本の商品をオンラインショップから入手できるため、日本に関心のある多くの海外ユーザーによって特に支持されています。

グローバルに EC 事業を行う越境 EC の市場規模は、世界的にみても拡大傾向にあります。経済産業省が 2025 年 8 月に公表した『電子商取引に関する市場調査報告書』によると、2024 年における世界の越境 EC 市場規模は、1.01 兆 US ドルと推計されています。この数字を前年度 (2024 年) に公表された報告書にある、2021 年のデータ (7,850 億 US ドル) と比較してみると、越境 EC の市場規模が着実に成長していることがわかります。

また、2025 年から 2034 年の平均成長率については、年間約 23.1% と推計されており、2034 年には市場規模は 6.72 兆 US ドルにものぼると予測されています。

このように越境 EC が世界的に注目されていることからも、日本の EC 事業者が広い視野をもって海外の消費者に自社商品をアピールし売上拡大を目指す価値は、十分にあると考えられます。しかし、海外顧客を対象にビジネスを行うにあたって、日本語のみに対応した EC サイトでは、海外からのアクセスは見込めません。したがって、海外顧客に快適な購入体験を提供するには、多言語化は必要不可欠といえます。

さらに、後ほど解説する中国やアメリカの消費者向けの越境 EC 事業に関しては販売額が大きいため、これらの国で使用される言語への対応は特に重要です。

インバウンド旅行客の増加

近年、世界中から多くの海外旅行客が日本を訪れるようになり、インバウンド需要これまで以上に高まっています。インバウンド事業には、主に観光業、宿泊業、飲食業などが挙げられますが、これらの業種においても年々増え続ける訪日外国人旅行客を対象にビジネスを行ううえで、多言語への対応は欠かせません。

たとえば、滞在するホテルのオンライン予約や現地ツアーパッケージのオンライン申し込みをしたい場合に、より多くの言語に対応していれば、それだけ多くの外国人旅行客にサイトを利用してもらえるようになります。

さらに、日本滞在中にお気に入りの商品やブランドを見つけた場合、自国に帰国した後でも多言語に対応した越境 EC サイトを活用して商品を購入できれば、リピーターの確保にもつながります。そのため、外国人旅行客によるインバウンド消費は、後々の越境 EC への集客にもつながる可能性を持っています。

EC サイトで対応を検討すべき言語

それでは実際に、どの言語を優先して自社 EC サイトに取り入れるべきなのでしょう。日本語を話さないユーザーに自社 EC サイトで商品やサービスを購入してもらうには、以下の言語を優先的に検討してみることをおすすめします。

英語

まずはグローバルに話されている英語に対応し、全般的な市場ニーズをカバーしましょう。特にアメリカ向けの越境 EC については、先ほどの経済産業省の資料にも記されているように、2024 年における購入額は 1 兆 5,978 億円にものぼり、前年比でプラス 8.0% という結果になりました。こうした背景から、英語に対応する必要性は非常に高いと考えられます。

また、インバウンドの観点でも、アメリカは中国、韓国、台湾に次いで訪日旅行客数の多い国です。日本政府観光局のデータでは、2025 年のアメリカからの訪日旅行客数は、約 273 万人となっています。したがって、アメリカをはじめとし、あらゆる国や地域からできるだけ多くの海外ユーザーを自社 EC サイトに取り込むには、第一に英語に対応しておくことが賢明といえるでしょう。

中国語 (簡体字・繁体字)

日本から中国への越境 EC の需要は高く、先ほどの経済産業省の資料によると、2024 年の販売額は、アメリカより高い 2 兆 6,372 億円となっています。また、中国からの 2025 年の訪日旅行客数は約 820 万人 (日本政府観光局調べ) で、訪日インバウンド需要の最も高い国にランクインしています。

これらの情報からも中国語は、越境 EC とインバウンドの双方において非常にニーズの高い言語であることがうかがえます。なお、中国語を自社 EC サイトに取り入れる際は、中国本土において一般的に使用される簡体字はもちろんのこと、台湾や香港などで使用される繁体字についても対応しておくようにしましょう。

韓国語

自社 EC サイトで取り扱う商品や、各国からのアクセス状況にもよりますが、中国語以外のアジア圏であれば、韓国語への対応も検討してみるとよいでしょう。韓国は日本との距離が最も近く、邦楽や邦画の知名度が比較的高いこともあり、日本企業のビジネスチャンスとして韓国への越境 EC に期待が寄せられています。また、インバウンドにおいても、2025 年 の韓国からの訪日旅行客数は中国に次いで約 766 万人 (日本政府観光局調べ) と非常に多いことから、英語や中国語と同様に、韓国語に対応する必要性は十分にあるといえます。

EC サイトを多言語に対応させるメリット

EC サイトの多言語対応には、以下の 3 つのメリットがあります。

販路拡大による売上向上

ユーザーが言葉の壁に直面せずに日本の EC サイトを利用できれば、より広範囲にわたる新規顧客の獲得が期待できます。多言語に対応しておくことで、日本国内にとどまらず世界中の消費者を自社 EC サイトの顧客として取り込むことができ、さらなる売上の向上にもつながるでしょう。

信頼度と好感度のアップ

EC サイトの多言語化は、自社ビジネスの信頼度と好感度アップを後押しします。

たとえば、日本の化粧品やアニメグッズを購入したいけれど日本語がわからない、といった場合でも EC サイトを母国語で利用できれば、ユーザーに安心感を与えられます。それだけでなく、「海外顧客にも配慮し、柔軟で親切なサービスを提供している企業」というプラスの印象を持ってもらえるでしょう。

さらに、日本国内のユーザーに対しては「グローバルにビジネスを展開する企業」としてのイメージアップにもなり、自社ブランドの評価が上がることも期待できます。

競合他社との差別化

多言語に対応しておくことで未対応の競合他社との差別化を図ることができます。たとえば、類似商品を取り扱っている場合、多言語化されている EC サイトの方が海外ユーザーにとって利便性が高く、必然的に選ばれやすくなります。

なお、多言語化はできるだけ早めに実行しておくことが望ましく、他社より先に多言語に対応していることを海外顧客に周知できれば、大きく差をつける可能性が高くなるでしょう。

ECサイトを多言語に対応させるデメリット

多言語化への取り組みには、海外顧客の集客率アップや売上向上などのメリットがある一方、以下のようなデメリットもあるため、注意が必要です。

翻訳の品質管理や翻訳のアップデートへのコスト

多言語に対応する場合、日本語から外国語に翻訳されたコンテンツの質を管理する必要があります。もし、翻訳後の表現が不自然であったり、誤訳やスペルミスがあると、せっかく多言語化したところで、信頼性が損なわれてしまうでしょう。また、EC サイト内の情報が更新された際には、その都度各言語の翻訳内容も調整および更新しなければなりません。こうした一連の作業には時間がかかるだけでなく、対応言語が増えれば増えるほど、費用もかさみます。

また、サイトの多言語化に必要なツールの導入や、外部に翻訳業務を委託する場合にも言語ごとに費用が発生します。このように、多言語化一つをとっても、さまざまな業務を遂行しなければならず、労力とともに継続的なコストもかかることを理解しておかなければなりません。

多言語によるカスタマーサポート体制

EC サイトで多言語に対応しておくこということは、その分利用する人が増えるため、各国からの多言語による問い合わせが寄せられる確率も高くなります。そのため、EC サイト内の記載情報だけでなく、顧客からの質問やトラブルに問題なく対応できるよう、多言語によるカスタマーサポート体制を構築しておく必要があります。

具体的には、各言語の能力に優れた人材を配置したり、外部のカスタマーサポート代行事業者を利用することができます。また、各国からの問い合わせに対しては、時差の関係上返信が遅れてしまう可能性を見越して、EC サイトのお問い合わせページには、あらかじめ営業時間などを明記しておくか、可能であれば 24 時間体制を敷いておくとよいでしょう。

各国の法律・文化・商習慣

国によって定められている法律は、さまざまに異なります。また、言葉や表現についても、文化的あるいは宗教的背景によって、記載を避けるべきものもあるため、多言語に対応する際は細心の注意を払う必要があります。たとえば、医薬品の効果効能の表現方法が売り手側の国では認められていても、買い手側の国では法律に触れる場合があります。

このほか、健康食品や医薬品、化粧品については、使用成分や原材料によっては配送先の国で禁止されている場合もあるため、そもそも EC サイト上で販売ができない商品が出てくる可能性があります。

このように法的リスクや消費者トラブルを招くことのないよう、販売先の法律や文化、商習慣については、十分に理解しておくようにしましょう。そのためには、各国における事業立ち上げに詳しい専門家のアドバイスを受けてみることをおすすめします。

EC サイトを多言語化する方法

自社 EC サイトを多言語化するにあたって翻訳業務が欠かせないことはもちろんですが、具体的な対応方法としては、以下の 4 つが挙げられます。

翻訳専門のスタッフを起用

日本語から外国語への翻訳に際しては、商品名や商品説明、使用方法などの正確かつ適切な翻訳に加え、販促で用いられるキャッチフレーズなどの細かなニュアンスや表現センスが求められます。そのため、コンテンツによっては、外国語での表現が容易でないケースもありますが、高い翻訳スキルを持つスタッフを配置しておくことで、サイト内に必要なコンテンツ翻訳を安心して任せられるでしょう。専任スタッフの雇用には、コストがかかりますが、安定した質の高い翻訳を求めている場合は、言語ごとの翻訳スタッフの雇用が理想的といえるでしょう。

外部翻訳サービスへ依頼

外部の翻訳会社や翻訳者にサービスを依頼するのも、翻訳に高い質を求めている場合におすすめです。依頼する際の注意点としては、EC サイトの翻訳を専門とする翻訳会社を選ぶようにしましょう。この方法も相応のコストがかかりますが、翻訳のプロに依頼すれば、精度の高い多言語化を実現できるでしょう。

なお、翻訳にかかる料金は各言語によって異なる可能性があります。そのため、具体的にどの言語にどれくらいの費用がかかるのか、サービスを契約する前に必ず確認しておくことが大切です。

このほか、クラウドソーシングを通して個人の翻訳者に依頼する場合は、翻訳会社と比較するとコストを抑えられる傾向にありますが、人によってスキルにばらつきがある可能性も考えられるため、翻訳者の経歴や実績を確認しながら選定することが大切です。

翻訳ツールの利用

3 つ目は、既存の EC サイトに翻訳ツールを導入する方法になります。この方法では、主に自動翻訳ツールや AI ツールを利用するため、人による翻訳サービスよりも時間やコストを省くことができます。自社 EC サイトが既に存在し、できるだけ早急に多言語に対応したい際には、この方法が向いてるといえるでしょう。

ただし、翻訳の質としては精度が低くなるケースが多く、表現が明らかに不自然であったり、意味が通じない箇所があるなど、海外顧客を混乱させてしまう恐れがあります。そのため、自動翻訳ツールを利用する場合でも、必ずその後で人の目で内容を検証し、適宜修正しなければならないケースがあります。

翻訳機能付き EC プラットフォームを利用

翻訳機能付きの EC プラットフォームであれば、比較的スムーズに多言語に対応した EC サイトを構築できます。また、翻訳機能が活用できる EC プラットフォームではほとんどの場合、日本円だけでなく海外のさまざまな通貨にも対応しているため、越境 EC 事業を始める方法としては最適といえるでしょう。

最も簡単な方法としては、越境 EC に対応している既存のモール型 EC プラットフォーム (EC モール) を利用する方法が挙げられます。特に、Amazon や楽天市場のような大手の EC モールであれば集客も比較的容易なため、出店するだけで海外顧客の目に留まりやすくなるでしょう。

また、進出先の国の主流な EC モールに出店することもできます。現地の EC モールを利用することのメリットとしては、現地でよく使用される決済手段や配送システムなどが既にサイト内に構築済みなため新規参入がしやすく、現地顧客へのアプローチも比較的容易な点が特徴です。ただし、日本語に対応していない場合もあるため、日本国内の EC モールと比べて販売を開始できるまでのハードルが高くなります。

EC サイトの多言語化を成功させるポイント

ローカライゼーション

多言語化を成功させるためには、翻訳に加え、ローカライゼーションが鍵となります。その理由は、単に日本語から外国語への言葉や表現の置き換えでは、自社 EC サイトの魅力をアピールするには不十分な場合もあるからです。したがって、翻訳よりもむしろ各国の文化や商習慣、価値観に合う表現方法、すなわちローカライゼーションテクニックが求められます。

もし、これから初めて多言語化に取り組む場合は、多言語に対応している競合他社サイトの分析から始めてみるとよいでしょう。日本語ページと比べて各言語のページがどのように表示されているか、どのような言い回しが用いられているかを理解しておくことで、それぞれの国に適したページが構築できます。

多言語化は必要な情報のみに絞る

EC サイトの隅々まですべてを多言語に対応させると、膨大な時間とコストがかかります。業務を効率的に進めるには、海外ユーザーにとって本当に必要となる情報 (商品情報、越境 EC の決済手段、国ごとの配送方法、カスタマーサポートなど) に絞りましょう。また、日本語を話さないユーザーでも日本語から各言語への切り替えがスムーズにできるよう、言語設定ボタンの表示は見やすく、わかりやすい箇所に設置しておくことが大切です。

Stripe Checkout でできること

Stripe Checkout は、ウェブサイトやアプリで簡単に決済を受け付けられる、完全カスタマイズ可能な構築済みの決済フォームです。

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  • 購入率の向上: Checkout の決済フォームはモバイル向けに最適化され、ワンクリックで完了する決済フローが構築されています。顧客は支払い情報を簡単に入力し、再利用できます。

  • 開発時間の短縮: Checkout を自社サイトに直接組み込むか、顧客を Stripe のオンライン決済ページへ誘導します。数行のコードで実行可能です。

  • セキュリティの向上: Checkout が機密性の高いカードデータを処理し、PCI 準拠を効率化します。

  • グローバルに拡大: 30 以上の言語に対応する Adaptive Pricing により、100 以上の通貨で価格をローカライズできます。また、購入完了率の向上につながりやすい決済手段を動的に表示します。

  • 高度な機能: サブスクリプションのための Billing、不正利用防止のための Radar など、他の Stripe プロダクトと Checkout を連携できます。

  • 柔軟な管理: 決済手段の保存や購入後のアクション設定など、決済体験を完全にカスタマイズできます。

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この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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