日本の事業者が知っておくべき韓国への越境 ECの基礎知識を解説。

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  1. はじめに
  2. 韓国のEC事情
    1. 日本との比較による韓国 EC 市場の基本情報
    2. 韓国の EC における特徴
    3. 韓国の主要な EC モール
  3. 韓国に向けて越境 EC を始める方法
    1. 自社 EC サイトを開設して韓国への越境 EC に参入
    2. 韓国の E コマースサイトに出店する
  4. 韓国向けの越境ECで導入すべき決済手段
  5. 韓国向けの越境 EC で注意すべきポイント
    1. 主流な検索エンジンは「NAVER」
    2. 韓国の法人格が必要な場合がある
    3. 越境 EC では販売できないアイテムがある
  6. 韓国 EC の最新トレンド
    1. MZ世代を対象としたさまざまな取り組み
    2. 韓国ファッション・K ビューティーの海外進出
  7. 韓国 EC 市場の特徴

越境 EC は、日本国内ではなく海外に住む消費者を対象とする電子商取引のことです。日本の事業者にとって、海外に日本の製品を販売および発送する越境 EC は、ビジネスの拡大を見込むことのできる販売機会として注目を集めています。

日本から距離が近く、日本食をはじめ、邦楽や日本のTVドラマ、アニメや漫画のようなサブカルチャーなども浸透している韓国は、越境ECの進出先としても大きな可能性が期待できる国です。

本記事では、韓国への越境ECに焦点をあてながら、日本の事業者がおさえておくべき韓国のEC事情、主要な決済手段や注意点、トレンドなどの基礎知識を解説します。

目次

  • 韓国の EC 事情
  • 韓国に向けて越境 EC を始める方法
  • 韓国向けの越境 EC で導入すべき決済手段
  • 韓国向けの越境 EC で注意すべきポイント
  • 韓国ECの最新トレンド
  • 韓国EC市場の特徴と決済トレンドへの理解・対応が大切

韓国のEC事情

以下に JETRO や経済産業省、総務統計局による各資料を参考に、韓国の EC 事情について紹介します。

日本との比較による韓国 EC 市場の基本情報

上記の表のように韓国の人口は、日本の人口と比べると、2 分 の 1 程度少ないことがわかります。しかし、韓国の EC 化率は日本より遥かに高く、中国、イギリス、インドネシアに次いで世界第4位にランクインしています。また、キャッシュレス決済についても幅広く普及しており、これと並行して EC 市場の活発化がうかがえます。

なお、記事の後半の「韓国向けの越境ECで注意すべきポイント」でも詳しく解説しますが、韓国の検索エンジンについては、インターネットサービス会社の「NAVER(ネイバー)」が韓国の「国民的検索ポータル」と呼ばれているほど日常生活に欠かせない検索エンジンとなっています。これに加え、チャットアプリの「カカオトーク」は、日本人が日常で使う「LINE」のように、韓国での主要なコミュニケーションツールとなっています。したがって、韓国のネットインフラは、韓国企業が中心となって構成されていることから、自国ならではのネット基盤が確立されています。

韓国

日本

2024 年の総人口
(JETRO総務省統計局)

約 5,122 万人

約 1 億 2380 万人

2023 年の企業対個人 (B2C) Eコマース市場シェア
(経済産業省)

2.1% (世界第 5 位)

3.40% (世界第4位)

EC 化率
(eMarketer, Jan 2024)

25.1% (世界第 4 位)

13.70%(世界第9位)

キャッシュレス決済比率
(経済産業省)

93.60%

32.50%

韓国の EC における特徴

以下に韓国の EC の特徴を紹介します。

ライブコマースが販促活動として普及している

韓国の EC では、ライブコマース が人気を集めています。ライブコマースとは、消費者向けに動画をリアルタイムで配信することで宣伝効果を図る販売手法を指します。韓国の消費者は、レビューや口コミを重視する傾向にあります。ライブコマースでは、EC サイトだけでは判断できない商品の品質や使用感などについて、ライブ動画で紹介されるため、商品に対する実感がわきやすく、購入するかしないかを決める判断材料として重宝されています。

そのため、実際に使ってみないと地肌との相性、効果、香りがわからない化粧品や、衣服やアクセサリーのように、肌触り、つけ心地、サイズ感がわからない商品の販促でよく用いられています。また、ライブコマースは、著名人などのインフルエンサーだけでなく、EC サイトの運営スタッフによって配信されることもあります。

各 EC サイトで実施するポイント制やクーポン配布が活発

韓国では EC サイト同士の競争が激しく、各事業者では顧客を獲得するためのさまざまなマーケティング戦略を行っています。中でも、自社 EC サイト専用のポイント制を実施したり、期間限定で利用可能なクーポンが配布されるなど、消費者の購買意欲を促すための独自のセールイベントが各 EC サイト上で盛り上がりを見せています。

大手の総合 EC モールと専門分野に特化した EC サイトがある

韓国では大きく分けて、大手の総合EC モールと、専門のカテゴリーだけを取り扱う EC サイトがあります。韓国の大手 EC モールでは、日本の楽天市場のように、化粧品、衣類、食品、日用品、家電、家具など、あらゆるものが取り揃えられています。

一方、専門分野に特化したEC サイトでは、より目的が明確化された商品をメインとしているため専門性が高く、特定の顧客層をターゲットとしています。たとえば、ファッション関連のECサイトなら、レディース、古着、フィットネスウェアのように、特定のカテゴリーに絞って商品を販売するのが一般的です。

こうした専門 EC サイトには、比較的小規模の事業者や個人が運営している場合がよくあります。しかし、たとえ小規模あるいは個人事業主によるものでも、多くの利用者によって認知されている点が韓国のECの特徴といえます。また、このように1つのカテゴリーを専門とするECサイトでは、特定のファンや顧客が定着しやすいというメリットがあります。

韓国の主要な EC モール

韓国市場における主要な EC モールは以下のとおりです。なお、いずれの EC モールにおいても、日本語には非対応となっています。

Coupang (クーパン)

Coupang (クーパン)は、韓国最大とも言われるECモールで「韓国のAmazon」として位置付けられています。取り扱うカテゴリーは、ファッションや美容関連製品、食品など多岐に渡っており、「ロケット配送」と呼ばれる注文の翌日に荷物が届けられる迅速な配送サービスが、多くの顧客から支持を得ています。

また、Coupang は、韓国国外から韓国の消費者向けの越境 EC サービスを「Rocket Overseas(ロケット越境EC)」で実施しており、同サービス内の「ジャパンストア」では、健康食品や美容アイテムなどのさまざまな日本製品が、韓国の消費者を対象に販売されています。仕組みとしては、まず Coupang が日本国内の事業者から商品を買い取り、顧客からの注文後に Coupang の倉庫から商品が発送されるようになっています。しかし、Coupang による韓国から日本向けの発送サービスについては、2023 年の 3 月で撤退しているため、日本に住む消費者が Coupang で商品を購入することはできません。

GMarket (Gマーケット)

GMarket(Gマーケット)も Coupang と同じく、韓国において最大級の EC モールとして知られています。一方 Coupang とは異なり、日本からの注文が可能となっているため、日本国内で販売されていない韓国製品でも手軽に入手することができます。また、今後の買い物に使えるポイントが付与されたり、レビュー機能も充実しているなど、日本の楽天市場のような感覚でショッピングを楽しむことができます。

11番街 (イレブンストリート)

11番街 (イレブンストリート) も、韓国の大手ECモールで、Coupang同様に豊富な商品ラインナップを取り揃えています。11番街は「11 STREET」と表記されることがあります。日本を含む海外への商品配送にも対応し、注文時には顧客が希望する通貨を選択できるようになっています。

TMON (ティモン)

TMON も韓国の代表的な EC モールの 1 つです。TMON では、他の EC モールと同じように食品やファッションアイテムなどさまざまな商品を販売するほか、旅行やレジャーのような「体験型」のサービスも多彩に取り扱っています。また、タイムセールのほか、金曜日限定の配送料無料キャンペーンなどの期間限定イベントが数多く開催されている点が特徴的です。ただし、TMON は、日本を含むグローバル配送には対応していないため、あくまでも韓国国内の消費者が対象の EC モールとなります。

韓国に向けて越境 EC を始める方法

越境 EC の始め方は、細かく分けるとさまざまな方法がありますが、ここでは、日本から韓国向けの越境 EC において知っておくべき主な方法を紹介します。

自社 EC サイトを開設して韓国への越境 EC に参入

事業者側で ECサイトを独自に開設して越境ECを行う方法です。サイト上の機能やデザインについては、自由にカスタマイズできるため、自社の魅力をアピールしやすく、オリジナルなサイトを構築することができます。ECサイトの構築においては、基盤のシステムとなるECプラットフォーム (ASPなど) を利用したり、フルスクラッチで構築することも可能です。

ただし、EC サイトの構築には通常、高額な費用が発生するほか時間もかかります。そのため、資金繰りには十分注意し、費用対効果を視野に入れたうえで社内のエンジニアチームや外部の協力会社との強固な連携体制を敷いておく必要があります。

また、韓国の消費者を対象とする越境ECでは、韓国語に対応したサイトの構築が求められることから、韓国語が堪能な人材や、韓国のEC市場に詳しい専門家によるアドバイスなども必要となるでしょう。

韓国の E コマースサイトに出店する

韓国にあるE コマースサイトを使用して出店することも、国境間E コマースの 1 つの選択肢です。前述のように、韓国の市場は、専用の E コマースサイトとより一般的な E コマースモールの両方を備えているため、企業はどちらか一方または両方で販売できます。既存の E コマースモールを使用するメリットは、すでに一定の顧客層を持っているため、比較的簡単に顧客を引き付けることができる点です。ただし事業者は、出店に伴う手数料やその他の費用、出店時の規約や要件について、事前に各 E コマースモールに確認する必要があります。

企業が EC モールを使用して商品を販売したくない場合は、より専門的なサイトを開設してターゲット層にリーチすることができます。

韓国向けの越境ECで導入すべき決済手段

韓国の消費者に商品を販売するにあたって、韓国国内で広く利用されている決済手段の導入は欠かせません。

高度なネットインフラとキャッシュレス化が進んでいる韓国では、クレジットカード決済とモバイル決済が主流となっています。また、韓国政府による決済のデジタル化への支援も行われており、キャッシュレス決済は今後もさらに普及すると考えられています。

以下は、韓国の EC で用いられている主な決済手段となります。

  • Visa / Mastercard
  • KakaoPay
  • Naver Pay
  • Samsung Pay
  • PAYCO
  • Toss

このように、韓国のECで利用されている決済にはさまざまなものがありますが、日本の事業者が韓国に向けて越境ECを行う場合は、上記のうち、できるだけ多くの決済手段について対応可能にしておくことが望ましいといえるでしょう。

韓国向けの越境 EC で注意すべきポイント

ここでは、韓国向けの越境 EC における課題ともいえる注意点について解説します。

主流な検索エンジンは「NAVER」

日本で多くの人が利用する検索エンジンとしては、Google や Yahoo!JAPAN が主流です。一方、韓国では「NAVER(ネイバー)」が圧倒的シェアを誇る検索エンジンとなります。NAVER の検索アルゴリズムは、Google と異なるためGoogle 向けの SEO 施策の効果は薄く、NAVER ではほとんど通用しません。したがって、韓国の EC 市場での情報配信では、NAVER に適したマーケティング戦略が求められます。

たとえば、ブログ配信を行う場合、NAVER ブログを用いることで上位に表示される可能性が高くなることから、SEO 対策にもつながるでしょう。また、NAVER ではリスティング広告が効果的なため、ページタイトルや始まりの文章にも気をつけることが重要です。

韓国の法人格が必要な場合がある

よくあるケースとして、EC サイトの立ち上げまたは EC モールへの出店に際し、韓国の「法人格」が求められます。韓国の法人格の取得には、韓国語による書類作成と手続きが必須となるため、代行サービスの利用を検討するのもよいでしょう。また、法人格の取得後は、収益に応じて税金が発生する可能性もあるため、納税に関する詳細については、専門家に相談することをおすすめします。

なお、EC モールの中には、法人格が必要でない場合もあるため、出店前に規約などをしっかりと確認しておくことが大切です。

越境 EC では販売できないアイテムがある

越境 EC で取り扱う商品については、進出先の国に向けて輸出できるかどうかを把握しておく必要があります。たとえば、酒類もそのうちの 1 つで、韓国では越境 EC による酒類の輸入はできません。韓国では、海外からの輸入品であろうと韓国の国産であろうと、酒類は必ず問屋を通さなければ販売できない構造となっているからです。そのため、越境 EC を通じて直接消費者に酒類を販売することはできないのです。

これは韓国国内の大手 EC モールでも同じで、先ほど紹介した GMarket でも、国内で生産された韓国焼酎 (Soju) やマッコリなどが一切販売されていないように、韓国では一貫して酒類をオンラインショップから購入できないことがわかります。

このように、越境 EC では取り扱うことができない品目があることから、事前にどのような品目が越境 EC で販売可能か不可能かを調べておきましょう。

韓国 EC の最新トレンド

EC サイトの普及は、韓国の消費者の日常的な購買活動にも大きな影響を与えています。ここでは、そんな韓国の EC 市場では現在どのような傾向にあるか、最新トレンドを 2 つ紹介します。

MZ世代を対象としたさまざまな取り組み

韓国では、多くのEC運営事業者が MZ 世代 (ミレニアル世代とZ世代) を対象とする販売戦略を行っています。デジタル化が当たり前なMZ世代にとって、オンラインショッピングや、SNS の利用は日々の生活上で欠かせません。そのため、韓国のMZ世代が求めるECサイトを提供することは、ECサイトを運営するうえで重要な要素となります。

たとえば、先ほど解説したライブコマースも、MZ 世代を中心とするアプローチの一環となっています。このほか、OMO戦略(オンラインとオフラインの融合) による、顧客への快適なショッピング体験の提供も、EC における MZ 世代への取り組みとして重要視されています。このような戦略については、中国越境 EC におけるトレンドにも共通している点と言えるでしょう。

さらに、韓国の大手チャットアプリのカカオトークが提供するオンラインギフトサービス、「カカオギフト」も、MZ 世代からの人気を集めています。これは、チャットで気軽に商品券などの E ギフトを、家族や友人同士で送信しあえる機能となっており、コミュニケーションツールとECの連携サービスとして韓国国内で広く普及しています。

韓国ファッション・K ビューティーの海外進出

韓国のファッションや美容関連製品は、韓国以外の国々でも注目を集めています。中でも、美容、すなわちKビューティー (韓国コスメ) の分野は、世界中で高い人気を誇っており、日本でもさまざまなKビューティーブランド製品が越境ECを介して販売されています。

韓国の化粧品および美容関連製品は、その高い品質に関わらず、商品価格がリーズナブルであるという点がメリットとして挙げられます。このようにコストパフォーマンスの高い韓国製品は、多くの消費者から好評を得ている理由の 1 つと言えるでしょう。また、新設の K ビューティーブランド企業の多くは、初期の段階から海外進出を視野に入れることが多く、越境EC市場にもインパクトを与えています。

韓国 EC 市場の特徴

この記事では、韓国向けの越境 EC を開始する際に知っておくべきこと、具体的には市場規模、特徴、主要な決済手段その他注意点を解説しています。日本から距離が近く、アジア圏の中でも訪日インバウンドの需要が高い韓国では、日本ブランドや日本製品に関心のある消費者も多く、越境 EC ビジネスの進出先として、大きな可能性を秘めています。

韓国に向けた越境 EC に参入するには、韓国国内の EC 事情を把握したうえで、MZ 世代をはじめとする消費者ニーズをしっかりとおさえることが大切です。また、「韓国向けの越境 EC で導入すべき決済手段」で解説したように、韓国で日常的に使用されている決済手段を提供することは、韓国への越境ECにおいて欠かせません。そのため、クレジット決済をはじめとする、多様なキャッシュレス決済についても、柔軟に対応するようにしましょう。

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この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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