オランダ VAT に関する手引き: 免除とゼロ税率の適用事例

Tax
Tax

Stripe Tax が国内外での税務コンプライアンス対応を一から十まで自動化するため、お客様は事業拡大に専念できます。納税義務の特定から税務登録、税額の計算と徴収、納税申告までを 1 カ所で管理可能です。

もっと知る 
  1. はじめに
  2. オランダではどのような場合に VAT なしの請求書を送付できますか?
    1. VAT が免除される活動
    2. 小規模事業者制度 (KOR)
    3. EU 中小企業制度 (EU-KOR)
    4. ゼロ税率の売上
    5. リバースチャージサービス
  3. VAT なしの適格請求書の作成方法
  4. VAT なしの請求書を発行するリスク
  5. Stripe Tax の活用方法

オランダの付加価値税 (VAT) の仕組みを理解することは、お客様が価格を設定し請求書を発行して支払いを受け取る方法と密接不可分です。VAT (オランダ語で factuur zonder btw)なしで請求書を発行することにはいくつかの正当な理由がありますが、その規則は厳格です。処理を誤ると重大な結果を招くことになります。

ここでは、VAT がゼロになる状況を取り上げ、適格請求書の作成方法および失敗を避ける方法をご説明します。

目次

  • オランダではどのような場合に VAT なしの請求書を送付できますか?
  • VAT なしの適格請求書の作成方法
  • VAT なしの請求書を発行するリスク
  • Stripe Tax の活用方法

オランダではどのような場合に VAT なしの請求書を送付できますか?

通常は、オランダの請求書にも VAT は記載されます。しかし、特定の取引では VAT を記載する必要がありません。そのような事業は次の 3 つのカテゴリーに分けられます。すなわち「免税対象となる活動」、「ゼロ税率が適用される売上」、「VAT の納税義務が顧客に移転するサービス」です。また、事業形態によっては VAT を課税しなくて良いものもあります。

VAT の請求が不要な取引の種類について、詳しくご説明します。

VAT が免除される活動

一部の業界は VAT の対象外とされています。具体的には、医療サービス、教育、スポーツクラブ、寄付活動、金融・保険サービス、築 2 年を超えた不動産の賃貸・売買、育児などがそれに該当します。このような活動に対しては VAT を請求する必要はありません。請求書にすべての一般情報を載せて送ることはできますが、VAT の部分はゼロと記載し、免税である旨の説明も追加します。それにより顧客は課税されていない理由を理解できます。

小規模事業者制度 (KOR)

売上高があまり多くない起業家は、小規模事業者制度 (kleineondernemersregeling、KOR) を利用できます。この制度は、オランダの個人事業主、パートナーシップ、財団、協会・組合、非公開有限会社 (BVs) に適用されます。このKOR が適用されている取引先には VAT を請求する必要がなく、したがって費用にかかった VAT を還付請求することもできません。収益が 年間 2 万ユーロを超えない場合、VAT 免除の請求書を発行し KOR が適用される請求書にその旨記載して、VAT の申告を停止できます。売上が 2 万ユーロを超えた場合には、税関・税務局 (Belastingdienst) に直ちに通知する必要があります。

EU 中小企業制度 (EU-KOR)

似たような制度が 2025 年 1 月 1 日から始まりました。EU 域内を拠点とする起業家でオランダでの収益が限られている人に適用されるものです。オランダ以外の EU 加盟国に拠点を持ち、オランダでの売上高が 2 万ユーロ以下、なおかつ EU 全体での総売上高が 10 万ユーロ未満の場合、オランダの VAT を除外するよう自国の税務当局に登録することができます。オランダの VAT を顧客に請求したり、費用から還付を受けたりすることはなくなりますが、四半期ごとに売上報告書を提出する必要があります。EU 域外からの輸入といった一部の取引はこの制度の対象外で、VAT が課されます。請求書には EU 中小企業制度が適用される旨を明記する必要があります。これによりオランダの顧客は税金の取り扱いについて理解することができます。

ゼロ税率の売上

その他の売上は引き続き VAT 制度の対象ですが、税率は 0% です。したがって VAT の記録を保持する必要があり、仕入VAT を控除できます。その中には、EU 域外への商品の輸出、商品の国際的な輸送などが含まれます。輸出については、ゼロ税率の法的根拠を明記し、その商品がオランダから出荷されたという証拠を保持する必要があります。配送先の証明ができない場合、オランダの VAT が課されることになります。

リバースチャージサービス

クロスボーダーの B2B サービスの多くは、VAT の納税義務が顧客に移転します。VAT を含めなくて良いのは、顧客が適格な VAT 番号を持つ事業者の場合のみです。請求書には「VAT リバースチャージ」と明記し、顧客の VAT 番号を記載します。依然としてその売上を VAT 申告書と「内訳書」 (EC 売上リストとしても呼ばれる) に報告する必要があります。規則の適用を誤ると、例えば現地のVATの対象となるのに請求しないと、オランダで納税義務に加えて罰金が科される場合があります。

VAT なしの適格請求書の作成方法

VAT を請求しないといっても、他の請求規則も免除されるわけではありません。オランダの税法ではVAT 税率が 21%、9%、0% あるいは免税の場合であっても、請求書に同レベルの詳細を記載することが義務付けられています。

請求書に記載すべき項目は次のとおりです。

  • 請求書発行日

  • 固有の連続した請求書番号

  • あなたの法人名、住所、VAT ID 番号 (該当する場合)

  • 顧客氏名・住所

  • 顧客の VAT 番号 (該当する場合)

  • 請求対象の商品またはサービスと販売数量

  • 納品日または履行日

  • 税抜き価格、割引額、最終的に払う総額

  • 適用される VAT 税率、または VAT が課されない場合はその理由 (例: 輸出、KOR、VAT リバースチャージなどにより 税率が 0% になる)

正確な記録をつけてください。オランダでは企業・政府間取引には電子請求書が義務付けられており、多くの企業がそれを B2B の売上にも採用するようになってきました。請求書を紙で発行するか電子請求書にするかにかかわらず、少なくとも 7 年間 (不動産取引の場合は 10 年間) 保管することが義務づけられています。こうした規則は VAT を請求するか否かを問わず適用されるものです。

VAT なしの請求書を発行するリスク

VAT を含めるべき請求書に VAT が記載されていないと、事業に支障を来す恐れがあります。オランダの税務当局は、誤りがあった場合に最大 5,278 ユーロの罰金を科し、また重大な過失に対しては本来の納税額の最大 50% を科すことがあります。税務当局が過失を不正と受け取ると、罰金は納税額の 100% になります。申告が遅れても罰金の対象になります。

また、金銭ではない罰則を受ける場合もあります。まず税務当局に対しては、誤って取引を免税またはゼロ税率に分類すると、関連費用に対する VAT の還付請求権を失う可能性があります。税務検査官は貴社の活動を分類し直し、追徴課税を求めることもあり得ます。また顧客の側は仕入 VAT の還付請求を請求書に基づいて行うので、貴社の請求書に必要な情報が欠けていたり誤った文言が含まれていたりすると、貴社が修正するまで支払いを拒否することも考えられます。リバースチャージやゼロ税率の規則を誤って適用すると (例: 顧客の VAT 番号を取得しなかった、商品がオランダから発送されたことを証明できなかった、など)、オランダまたは海外に対して追加の納税義務を負う可能性があります。

誤って VAT を請求書に記載しなかった場合、正確な税率を記載した修正版の請求書を発行し、申告書も調整して、支払うべき VAT を支払う必要があります。正確な記録を付けることで、税務当局は貴社が請求書から VAT を除外した理由を容易に理解できます。

Stripe Tax の活用方法

Stripe Tax を導入すると租税法に準拠する手間を削減してご自分の事業に集中することができます。Stripe Tax は納税義務を把握しやすくし、Stripe 経由の取引に基づいて売上税規制の基準を超えると警告してくれます。さらに、VAT を徴収すべきか否かを判断して実物およびデジタルの商品・サービスに対して、自動的に適正な VAT を計算してくれます。

貴社の既存のインテグレーションにコードをたった 1 行追加するだけで、あとはダッシュボードのボタンをクリックして Stripe の強力な API を利用すれば、世界各国の税法に準拠することができます。

Stripe Tax は、次のような場面でお客様の事業を支援します。

  • 税金を登録して徴収する必要がある場所を理解する: Stripe の取引に基づいて税金を徴収する必要がある場所を確認します。登録できたら、新しい国・地域での税金の徴収を、数秒で有効にできます。既存の Stripe インテグレーションに 1 行のコードを追加するか、Stripe ダッシュボードのボタンをクリックするだけで税金の徴収が始められます。
  • 納税登録: グローバルな税務登録の管理を Stripe に任せることで、申し込みの詳細を事前に入力する簡単なプロセスを利用できます。事業効率が上がるだけでなく、各地の法規制に効率よく対応できます。
  • 税金の自動徴収: Stripe Tax は、販売する商品や場所に関係なく、適切な税額を計算して徴収します。何百もの商品とサービスに対応しており、税法と税率の最新の変更にも対応しています。
  • 申告を簡素化: Stripe Tax は申告パートナーとシームレスに連携しているため、世界中で申告を正確かつタイムリーに行えます。当社パートナーに申告書の管理を任せて、事業の成長に集中しましょう。

Stripe Tax について詳しくはこちらをご覧ください。今すぐ開始する場合はこちらをご覧ください

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

その他の記事

  • Something went wrong. Please try again or contact support.

今すぐ始めましょう

アカウントを作成し、支払いの受け付けを開始しましょう。契約や、銀行情報の提出などの手続きは不要です。貴社ビジネスに合わせたカスタムパッケージのご提案については、営業担当にお問い合わせください。
Tax

Tax

登録が必要な場所を把握して、適切な税額を自動徴収できるほか、申告書の申請に必要なレポートにアクセスできます。

Tax のドキュメント

ローコードまたはノーコードの実装機能を利用して、消費税 / 売上税、VAT、GST の収集とレポート作成を自動化することができます。