越境 EC は、ある国の事業者が別の国の顧客に商品を販売するプロセスです。このプロセスには、世界的に注目が集まっています。日本では、多くの事業者が越境 EC を新市場の開拓、海外の顧客向けに日本ブランドを宣伝する手段として活用しています。日本では海外からの観光客が増加しているため、日本製品にはより多くの顧客基盤を獲得する可能性があり増す。それが、日本のEC 事業者に多くの機会をもたらしています。

日本の事業者が経済的に恩恵を受けている越境 EC市場としては、アメリカと中国が突出しています。アジアでは、台湾、韓国、タイとの越境 EC への関心も高まっています。

台湾は日本と地理的にも近接しているため、日本にとっては輸出入両面で主要な貿易相手国です。この記事では、日本の事業者が台湾と越境 EC を行う際に知っておくべき重要な情報、たとえば市場規模、台湾で EC に使用される決済方法などをご紹介します。

目次

• 台湾の EC 市場について
  
• 日本の事業者が台湾で越境 EC を行う際にとるべきマーケティング戦略は何ですか？
  
• 越境 EC を行う事業者は台湾にどのように進出すればよいですか？
  
• 台湾における越境 EC ではどのような決済手段を利用すればよいですか？
  
• 台湾の越境 EC について押さえておくべき注意点
  
• 越境 EC をめぐる台湾のトレンドおよび文化への適応
  

台湾の EC 市場について

ここでは、台湾の越境 ECに関する重要なデータをご紹介します。

台湾の EC 市場に関する主要データ

• 人口: 約 2,342 万人 2023 年末時点
  
• 通貨: ニュー台湾ドル (「台湾ドル」と呼ばれることが多い。NT$ と表記) 　
  
• 小売業全体のオンライン上の販売額: 6,533億台湾ドル(経済部2024年)
  
• オンライン小売業売上高の年間成長率: 2024 年は前年比 2.65 %
  
• 16〜64才を対象とするスマートフォン所有率: 94.9%(DIGITAL2024: TAIWAN2024年1月時点)
  
• モバイルショッピングの習慣を持つ人の比率: 消費者全体の 92％ (産業情報研究所)
  

台湾では、スマートフォンの所有率が非常に高く、モバイル端末が広く普及していることがわかります。また、スマートフォンなどのモバイル端末を使用してECモールなどでショッピングをする人についても、消費者全体の割合としてはとても多く、モバイル端末は日常の購買活動においてなくてはならない存在となっています。したがって、モバイル端末の普及は、台湾のEC市場の活性化に一役買っているといえるでしょう。

台湾の EC 市場の特徴

多い独身人口

台湾では、結婚適齢期またはそれ以上の人の約半分が独身です。こうした多くの独身者が、越境 EC を含む消費活動に寄与しています。

たとえば、台湾人女性は一般に独立心が強いといわれており、国内外を問わず商品を購入しようとしています。台湾人女性はものを買うことを自分への投資と捉えています。台湾の独身者は、商品の生産国に関係なく、自分のライフスタイルやニーズに合った商品を購入することに積極的です。

日本製品への信頼

日本台湾交流協会による意識調査では、台湾人回答者の約6割が「最も好きな国」として日本を選んでいます。この影響は購買活動にも見られ、台湾における日本製品に対する需要を生み出しています。というのも、外交的および文化的にも日本と結びつきの強い台湾では、一般的に「メイドインジャパン」への信頼度と好感度が高く、「日本製品なら安心できる」という共通認識を持つ消費者が多いことが背景にあります。

インバウンド観光客という点で、アジアから日本への観光客の中でも台湾人は非常に多くを占めています。台湾からの観光客の多くはリピーターで、帰国後も越境 EC を使って日本製品を購入しています。台湾人観光客に特に人気のある商品カテゴリーは、化粧品、食品、家電、アニメ関連グッズ、ファッション商品であり、いずれもオンラインで頻繁にリピート購入されています。

台湾の消費者は、日本製品の確たる評判と安定した品質を認識しており、越境 EC 市場への参入は比較的容易だといえます。

コンビニ決済の普及

コンビニ文化が日本の日常生活に深く根付いているように、台湾でもコンビニは重要な生活の一部となっています。台湾は単位面積当たりのコンビニの数を示す「コンビニ密度」が高く、日本や韓国などとほぼ同程度です。

夫婦共働きが主流で、日中は自宅不在となることの多い台湾では、EC サイトから注文した商品をコンビニで受け取る方法が一般的となっています。また、日本でコンビニ決済が人気であるように、利便性の高いコンビニ決済は、台湾でも多くの人々によって広く活用されています。

ソーシャルメディアの活用

台湾で最も広く使用されているソーシャルメディアプラットフォームには次のものがあります。

• YouTube
  
• Facebook
  
• LINE
  
• Instagram
  

これらは日本でも頻繁に活用されているため、日本の事業者はほとんどの場合、台湾との越境 EC に日本で採用しているのと同じ販売方法とマーケティング戦略を活用することができます。

台湾では、ソーシャルメディアを活用して日本のブランドや製品に関する情報を広めることで、消費者の購入意欲を高めることができます。日本の事業者にとっては、台湾で越境 EC を始めるほうが中国やアメリカといった他の市場で始めるより容易です。

台湾の EC モール

ここでは、台湾で最も人気のある 4 つの EC モールをご紹介します。

Shopee

Shopee は台湾で最も人気のある EC モールです。このプラットフォームはシンガポールのものですが、台湾最大のショッピングサイトであり、商品の流通量の点で他の追随を許しません。

このサイトを越境 EC に利用する際、事業者は台湾の法人格を取得する必要がありません。そのため、日本の事業者は比較的容易に出店できます。しかし、偽造品が Shopee のプラットフォームで販売されているケースが多くみられるため、サイトの信頼性が低いとされています。Shopee を利用して台湾に進出することを検討している場合には、これらのリスクを認識しておく必要があります。

momo

台湾におけるもう一つの主要 EC プラットフォームは momo です。momo は、新型コロナウイルス (COVID-19) のパンデミック期に、倉庫の数を増やして物流ネットワークを大幅に拡大して多くの新規顧客を獲得しました。momo アプリは利用しやすいデザインで、顧客はその便利さを享受しています。

さらに、momo には純正品専用のセクションがあり、顧客は電子機器、家庭用品、化粧品などの偽造品を購入していないという保証を得ることができます。日本の有名ブランドは momo に出店することでメリットを得られますが、momo で事業を運営するには、台湾で法人登録をする必要があります。

PChome

PChome は、24 時間配送サービスで知られており、家電製品や電子機器を幅広く取り揃えています。多くは実店舗や通信販売よりも手頃な価格設定になっています。momo と同様に、PChome で越境 EC を行うには台湾で法人登録をする必要があります。

Yahoo! ショッピング

日本と同様に、台湾でも Yahoo! ショッピングはあらゆる種類の顧客に人気があります。台湾版 Yahoo! ショッピングは日本版と類似しており、どちらも EC モールとオークションサイトを備えています。この類似性から、Yahoo! ショッピングは台湾で越境 EC を行おうとする日本の事業者に適しています。ただし、ビジネスとして Yahoo! ショッピングを利用する際の取引条件は事業内容などによって異なります。台湾での事業に Yahoo! ショッピングを利用するには法人登録を行う必要があるかどうか事前に確認する必要があります。

台湾版 Yahoo! は、Yahoo! Japan が運営する Yahoo! オークションと提携しています。そのため、台湾の消費者は Yahoo! オークションで購入した商品を、直接現地の業者から配送してもらうことができます。また、台湾の表記言語である繁体字中国語での閲覧や検索にも対応しているため、台湾の消費者は、ゲームやアニメの公式グッズなど台湾ですぐには入手できない日本製品を簡単に見つけて購入することができます。

日本の事業者が台湾で越境 EC を行う際にとるべきマーケティング戦略は何ですか？

ソーシャルメディアとライブコマース

台湾では、多くの消費者がソーシャルメディアで商品やサービスについて購入前に調べています。これは、ソーシャルネットワークが日常生活の一部となっている若い世代に特に当てはまります。このため、LINE、Facebook、Instagram、YouTube など、台湾で普及しているプラットフォームでデジタルマーケティングを実施することが、こうした顧客にリーチする上で重要な役割を果たしています。

中でも Facebook の利用率が突出しています。台湾企業の多くが Facebook を利用しており、自社のWeb サイトを持たず Facebook ページを利用しているところも多くあります。日本から台湾への越境 EC を検討している事業者には、公式 Facebook ページを開設することをお勧めします。こうしたソーシャルメディアプラットフォームは日台双方で普及しているため、台湾での販売戦略を立てる際にも日本市場向けの既存のソーシャルメディアノウハウを活用することができます。

その他のソーシャルメディア活用戦略案としては、現地台湾のインフルエンサーとの連携があります。インフルエンサーは製品情報を拡散したり、ライブコマースイベントを実施して台湾の消費者と交流したりしています。

日本限定商品

台湾では、家電製品を含む日本製品が高く評価されており、人気があります。しかし、台湾ですぐには手に入らない製品に対する需要が高まっています。日本でしか購入できない製品を提供することで、売上が増加する可能性があります。つまり、製品は日本製品らしい品質基準を満たすとともに、越境 EC でしか入手できないものである必要があります。

偽造品が蔓延しているため、台湾の消費者は信頼できる売り手から購入する傾向が強くなっています。そのため、越境 EC を通じて台湾の顧客に製品を販売する日本の事業者は、その製品が純正品であることを強調する必要があります。台湾の消費者に満足してもらえる日本製品を販売することで、日本の事業者全体の顧客の信頼も向上する可能性があります。

越境 EC を行う事業者は台湾にどのように進出すればよいですか？

国境を越えて EC を始める方法は数多くあります。このセクションでは、日本から台湾への越境 EC を進めるために事業者が知っておくべき主な方法をご紹介します。

EC サイトを構築する

事業者側で EC サイトを独自に開設して越境 EC を行う方法です。サイト上の機能やデザインについては、自由にカスタマイズできるため、自社の魅力をアピールしやすく、オリジナルなサイトを構築することができます。EC サイトの構築においては、サーバーや独自ドメインを準備し、基盤のシステムとなる EC プラットフォーム (ASPなど) を利用したり、フルスクラッチで構築することも可能です。

ここで忘れないでいただきたいのは、EC サイトの構築には多額の先行投資が必要だということ、そして相当な時間がかかるということです。慎重なキャッシュフロー管理と現実的なタイムラインの作成が、プロジェクトの成功のために不可欠です。

越境 EC で台湾の顧客をターゲットにする際、台湾市場に適したサイトを構築することが重要です。その中には、コンテンツを繁体字中国語に翻訳して文化的なニュアンスを表現することも含まれます。公用語である中国語と台湾方言の双方に堪能なスタッフを採用することが重要です。さらに、事業者は、日本で在庫を管理するにせよ、台湾に倉庫を建てるにせよ、在庫管理システムを導入する必要があります。場合によっては、現地の EC 事情に詳しい専門家と提携することも、台湾進出を成功させるための貴重なステップとなる可能性があります。

EC モールに店舗を開設する

台湾で商品を販売する方法の 1 つとして、楽天や Yahoo! オークションなど日本の EC モールに出店して台湾への越境EC に対応するという方法があります。また、事業者は台湾の主要なEC プラットフォーム、例えば Shopee や momo などに直接出店することもできます。これらのプラットフォームは有名で台湾の顧客に広く使用されているため、顧客を引き付けてブランド認知度を容易に高めることができます。さらに、現地の決済方法をサポートし、配送システムも充実しているため、顧客の信頼性と利便性を高めることができます。

定評のある EC プラットフォームを使用すると、独自のサイトを一から構築するよりも初期コストを削減するとともに、迅速に立ち上げることができます。ただし、どのプラットフォームでも、販売手数料やその他の手数料が請求されます。またどのマーケットプレイスにも、ショップの開設に関する独自の要件と規約があるため、事業者は時間をかけて調査し、ニーズに最も適したプラットフォームを選ぶ必要があります。

台湾における越境 EC ではどのような決済手段を利用すればよいですか？

台湾では、フィンテック企業と政府との協力により、デジタル決済が着実に普及しています。前述のように、スマートフォンの所有率が高く、多くの消費者がモバイル端末での買い物を好んでいます。

台湾で利用されている主な決済方法は以下の通りです。中でもコンビニ決済は特に人気があり、同国の幅広いコンビニネットワークに支えられています。

• Visa または Mastercard
  
• LINE Pay
  
• JKOPay
  
• コンビニエンスストアでの決済
  

越境 EC を通じて台湾で商品を販売する場合、台湾の消費者に広く利用されている決済方法に対応することが重要です。台湾との越境 EC を目指す日本の事業者は、クレジットカード払いを含むこれらの決済方法をすべて提供するとよいでしょう。

台湾の越境 EC について押さえておくべき注意点

ここでは、日本の事業者が台湾との越境 EC に取り組む前に押さえておくべき重要なポイントをご紹介します。

関税

国境を越えて商品を輸出入する場合、越境 EC 事業者には関税が課されます。日本から台湾に商品を輸出する際に適切な手順に従えば、事業者は輸入時に発生する関税を処理することができます。事業者は通関に必要な書類と許可証を確認し、それらを準備する必要があります。

台湾の関税は、相手国や品目などで細かく区分されています。関税率を調べるには、JETRO が提供するWorldTariffを活用することをおすすめします。

JETRO によると、台湾では 2,000 台湾ドル以下の取引金額となる少額輸入貨物については、関税が免除されます。ただし、「30 日以内に 2 回以上送付された場合」や「6 カ月以内に 6 回以上送付された場合」のように頻繁に郵送されるものは、免税規定が適用されません。

通常、関税は買い手が支払います。つまり、海外から購入すると関税が課されるため消費者が支払う総コストが増加するということです。事業者は価格に見合う製品を提供することが重要です。そうすれば顧客は越境 EC での購入の価値を理解することができます。

売り手が関税を支払う場合もあります。誤解を避けるために、買い手と売り手のどちらが関税を負担するのかを EC サイトに明記することが重要です。

EZ WAY

越境 EC の場合に一般的な商品の配送方法は、民間国際宅配便を利用することです。これはよく「クーリエ」と呼ばれます。このサービスは、台湾では簡易通関の対象となっていますが、受取人は EZ WAY アプリを使用して本人確認を行う必要があります。EZ WAY は、台湾の財務省が提供する本人確認アプリです。EZ WAY は、通関手続きを簡略化し、輸入品がスムーズかつ合法的に税関を通過できるようにする目的で導入されました。

過去には、顧客が偽名で商品を輸入したり、他人の ID を使用して関税を回避したり、配送先を分割して免税のしきい値を超えないようにしたりする事例が多く見られました。EZ WAY アプリはこれらの問題に対処するために開発されたもので、顧客が簡単かつ安全に本人確認できるようになっています。

この本人確認要件は、小型荷物の簡易通関を使用する民間のクーリエにのみ適用されます。Express Mail Service(EMS) や通常のエアメールなどのサービスには適用されないため、既存の通関手続きで配送されます。

買い手が EZ WAY アプリで必要な申告と本人確認を完了しない場合、台湾税関が輸送品を返送する可能性があります。したがって、売り手は顧客に対して、注文品を正常に受け取るためにプロセスを完了する必要があることを明確に知らせる必要があります。

サブスクリプションサービス

日本では、食品や飲料水、美容関連製品など消耗品の定期購入(サブスク)が広く普及していますが、台湾では定期購入はあまり一般的ではありません。そのため、意図せずにECサイトの商品ページ上でサブスクプランを誤って選択してしまった場合、以前購入したものが再び届いたり、クレジットカードから自動的に代金が引き落とされることで、消費者が困惑し、クレームにつながることがあります。また、自身のクレジットカードが不正利用されていると判断した場合、自らカードの利用を停止するケースも考えられます。

サブスクリプションベースの購入には継続的な収入が得られるというメリットがありますが、現地のビジネス慣行や顧客の習慣を考慮することが重要です。台湾では、サブスクリプションベースの購入サービスはまだ十分に確立されていません。そのため、EC サイトでは次の 2 点を明確に説明する必要があります。

• サブスクリプションとは、商品を定期的に配送するということである。
  
• 定期配送が行われるごとに、その料金が顧客のクレジットカードに自動的に請求される。
  

返品・交換ポリシー

台湾と日本のどちらの国でも、顧客はオンラインで購入した商品を受け取ってから 7 日以内に気が変わった場合、返品して返金を受ける権利があります。

ただし、台湾の顧客は、日本の顧客よりも返品に抵抗がない傾向があります。そのため、事業者は返品・交換ポリシーを事前に明確にまとめ、顧客からの問い合わせや返品要求を処理するシンプルなプロセスを確立することが重要です。顧客の満足度と信頼を維持するためには、以下の重要なポイントを有効に管理するシステムを構築しておく必要があります。

• 返品と交換のリクエストをスムーズに処理するための専用ページを設定する。
  
• 顧客サービスを現地の言語で提供し、コミュニケーションを明確にする。
  
• 製品および状況ごとに異なる条件 (たとえば顧客が配送料を支払うか否か) を設定する。
  

現地の法規制

台湾を進出先として越境ECを行う場合、製品ラベルなどの表記についても気をつけましょう。その際、台湾の言語(繁体字中国語)で表示することはもちろん、化粧品やサプリメントなどの健康食品、医薬品や健康器具などを販売する場合、薬機法と独占禁止法に違反することのないよう十分注意が必要です。

薬事法は、化粧品、健康器具、医薬品、サプリメントなどの健康食品の販売を規制する法律です。この法律は、病気の治療や治癒を謳うこと、医療アドバイスなどの誤解を招く表現、または有効性に関する誇張された主張を禁止しています。したがって企業はこの法律をよく理解しておく必要があります。事業者が薬事法を遵守しない場合、このような違法行為に対して懲戒処分を受けます。

公正取引法は、事業者が商品やサービスを販売する際に、虚偽または誤解を招く広告を行ったり、過度な報酬を提供したりすることを禁止する法律です。

こうした行為に関連する問題は、台湾のメディアで頻繁に報道されています。不祥事に関与したとしてメディアで非難されると、事業者のブランドイメージが損なわれ、顧客の信頼も失う可能性があります。日本の事業者は台湾市場向けの越境 EC を行う際はこうしたことに留意する必要があります。

また、事業者は製品のラベルや宣伝文句が台湾の法律に従っているか、専門家のアドバイスを受けることもできます。

越境 EC をめぐる台湾のトレンドおよび文化への適応

我々は台湾の越境 EC 市場を調査しました。この記事では、台湾の EC 市場規模、独特の性質、物流やオペレーション上の重要ポイントなど、日本の事業者が台湾でのEC事業で成功するために必要な検討事項に焦点を当てています。

台湾と日本には、ビジネス以外でも文化的に強いつながりがあります。台湾から日本へのインバウンドの数は常にアジア諸国中上位にランクしており、台湾人は日本のブランドや製品に対しても高い関心を持っています。こうしたの文化的なつながりが、日本から台湾への越境 EC に有利な環境を作り出しており、台湾の消費者の需要喚起に役立っています。

台湾向けの越境 EC を成功させるには、現地の EC 事情を理解することが重要です。その中には、台湾の顧客、特にデジタルネイティブ世代の好みや購買習慣を理解し、日本独自の商品を効果的に宣伝することが含まれます。馴染みがあり信頼できる決済オプションを提供することは、良好な顧客体験を提供する鍵を握っています。事業者はクレジットカードに対応するだけでなく、現地で広く使用されている他の決済手段との互換性を確保し、顧客の期待に応える必要があります。

Stripe では、クレジットカード決済をはじめとするキャッシュレス決済の導入や、情報処理および収益管理など、決済業務の効率化を後押しする機能を幅広く提供しています。たとえば、Stripe Checkoutは 30 カ国以上の言語と 135 種類以上の通貨に対応し、越境 EC サイトの決済ページの最適化と簡易化を図ることができます。また、これによって、スムーズで快適な支払い体験の提供が実現できるため、購入完了率の向上にもつながります。