ショールーミングとは?対策方法や日本の事例を解説

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  1. はじめに
  2. ショールーミングとは
    1. ウェブルーミングとの違い
  3. ショールーミングに関する調査データ
    1. 経験と頻度
    2. 対象となる商品分野
    3. 購入チャネル
    4. 居住地人口密度別の傾向
  4. ショールーミングが注目される背景
    1. EC の拡大と消費行動の変化
    2. 体験価値の重要性
    3. 都市型ライフスタイルとの親和性
  5. ショールーミングの問題点
    1. コストをかけても売上につながらない
  6. ショールーミング対策
    1. オムニチャネル戦略の強化
    2. 店舗限定の付加価値
  7. 企業によるショールーミング対策事例
    1. ニトリ
    2. ビックカメラ
  8. Stripe Terminal でできること

スマートフォンの普及により、店舗で商品を確認してからインターネットで購入するショールーミングが一般的になってきました。消費者にとっては便利な行動ですが、小売業者にとっては売上流出の原因にもなり得ます。本記事では、ショールーミングが注目される背景や対策をするメリット、日本の企業事例について解説します。

目次

  • ショールーミングとは
  • ショールーミングに関する調査データ
  • ショールーミングが注目される背景
  • ショールーミングの問題点
  • ショールーミング対策
  • 企業によるショールーミング対策事例
  • Stripe Terminal でできること

ショールーミングとは

ショールーミングとは、顧客が実店舗に足を運び、商品を手に取ったり試したりしながら情報を入手し、その場では購入せずに、オンラインショップで購入する行動を指します。英語では Showrooming と書きます。

ショールーミングは、顧客が商品を安く手に入れたいと考えることから生まれる行動です。日本では、実店舗よりもオンラインの方が価格が安い傾向にあるため、顧客はインターネットで価格を比較し、最も安い EC サイトで購入しようとします。

しかし、洋服や靴、質感やサイズを実際に試着しないと分からないものは、実店舗で確認してからオンラインで購入するというのは自然な流れと言えるでしょう。家具や大型家電など自分で持ち帰ることができない商品の場合も、オンラインで注文することは理にかなっています。
また、実店舗で自分にあったサイズの在庫がない時など、オンラインで注文せざるを得ない場合もあります。

ウェブルーミングとの違い

ショールーミングと対象的な消費行動に、ウェブルーミングがあります。ショールーミングが実店舗で商品を確認してからオンラインで商品を購入するのに対して、ウェブルーミングは、EC サイトで商品の詳細を調べてから店舗で購入します。

ウェブルーミングを行う背景には、次のような理由が考えられます。

  • 最終的にスタッフと実際にやりとりして安心して購入したい。
  • EC サイトで個人情報を登録したくない。
  • 実店舗で購入した方が安くなる。
  • 配送されるまで待ちたくない。

ショールーミングに関する調査データ

公正取引委員会が 2019 年に行った消費者向け e コマースの取引実態に関する調査報告書から、次のようなことが分かっています。

経験と頻度

オンラインモールの利用者、2,000 人を対象に行った調査では、ショールーミングを行ったことがあると答えた人は 930人 (46.5%) 、ないと答えた人は 1,070 人 (53.5%) でした。また、あると答えた 930人の内、61% は月 1 回の頻度であることが分かりました。

対象となる商品分野

ショールーミング経験者にどの分野で行ったかへの質問に対する回答から、最も多いのは、生活家電、続いてアパレル、靴、ファッション小物でした。家具、インテリア、化粧品なども一定割合の利用者がいました。

高額な商品、確認が必要な商品において、ショールーミングが多い傾向が見られています。

購入チャネル

ショールーミング後、実際の購入先は、オンラインモールでそのまま購入した人が 46% と一番多く、実店舗で購入した人が 31%、メーカーや小売業者の自社サイトで購入した人が 23% となりました。多くの方はオンラインで購入を完結するものの、実店舗や公式サイトへ流れるケースも一定以上あり、無視できないことが分かっています。

居住地人口密度別の傾向

居住地の人口密度が高いほどショールーミング経験率が高いことが分かっています。

  • 人口密度が高い地域: 53%
  • 人口密度が中程度の地域: 43%
  • 人口密度が低い地域: 39%

つまり、都市部に居住している消費者の方が地方に住んでいる消費者よりもショールーミング行動が顕著であると言えるでしょう。

ショールーミングが注目される背景

EC の拡大により、顧客は価格や利便性をオンラインに求めつつも、商品を実際に体験する場としてショールームが注目されています。

EC の拡大と消費行動の変化

オンラインモールや EC サイトの普及により、顧客は検索、比較、購入をすべてオンラインで完結できるようになりました。

しかし、商品によってはオンライン情報だけでは不十分で、実物を確認したい顧客も数多く存在します。その結果、店舗は商品確認の場、購入はオンラインという行動が広がりました。

体験価値の重要性

家具、家電、洋服などは、画像や動画だけでは分かりにくい部分が多くあり、実際に店舗で確認しないと判断に迷うケースも多くあります。特に返品が難しい商品は、購入の失敗を防ぐためにショールーミングが行われやすくなっています。

都市型ライフスタイルとの親和性

公正取引委員会の調査でも、人口密度が高い都市部ほどショールーミングが盛んという結果がでています。これは、都市部の生活者が時間効率を重視し、買う前に一度確認してからネットで最安値で購入するという合理的な行動を取る傾向が強いからと言えるでしょう。

ショールーミングの問題点

ショールーミングは実店舗をただの商品展示の場にしてしまうリスクがあります。小売業者にとっては投資に見合う収益が得られないという課題も存在します。

コストをかけても売上につながらない

ショールーミングを行う顧客の心理は、少しでも安く商品を買いたいと思っています。つまり、実店舗は商品を実際に見たり、体験するための場でしかありません。実店舗でせっかく時間をかけて接客しても、商品を購入してもらえない場合もあります。

実店舗では、在庫を確保する必要があり、接客のための人件費もかかっていますが、商品を買ってもらえない場合は、費用対効果が悪くなってしまいます。

ショールーミング対策

ショールーミングにはなんらかの対策が必要になってきます。どのような対策が必要になるか見ていきましょう。

オムニチャネル戦略の強化

顧客が実店舗で確認し、最終的に EC で購入する行動を取るのであれば、その購入先を自社のチャネル内で完結させるようにすることが大切です。

以下のようなオムニチャネルの施策が考えられます。

  • 価格や在庫情報を統一させる
  • オンラインで注文し、店舗で受け取れる仕組みを整える。
  • 会員プログラムを実店舗とオンラインの両方で利用できるようにする。

店舗限定の付加価値

オンラインで安く買える時代だからこそ、店舗で買う意味を明確にし、顧客に「店舗で買うのがお得」と感じてもらえるように工夫する必要があります。

具体的には以下のような施策が考えられます。

  • 店舗購入限定で修理対応や保証期間を長く設定する。
  • 実店舗ですぐに持ち帰りができる体制や配送サービスを整える。
  • 店舗でしか手に入らない色、サイズ、セット商品などを取り扱う。

企業によるショールーミング対策事例

日本の企業もショールーミングを脅威と捉えるのではなく、OMO (online-merge-offline) ・オムニチャネル戦略やアプリ施策を通じて、店舗とオンライン間の顧客の流れを自社内で回遊させる仕組みを強化しています。

ニトリ

ニトリは 家具やインテリアを店舗で体験させつつ、アプリや EC で購入できる OMO 戦略を展開しています。2025 年 5 月 20 日にアプリと EC サイトをリニューアルし、店舗在庫や配送情報をひと目でわかるように一元化しました。アプリ会員で店舗・EC併用者の年間購入回数は店舗のみ利用者の 2.0 倍、年間購入金額は店舗のみ利用者の 2.5 倍になっており、アプリと EC を組み合わせる効果がはっきりと表れています。

また、近年では、オムニチャネル決済にも対応し、店舗で見た商品をそのままアプリで決済・自宅配送できる仕組みを整えています。

ニトリは、店舗で商品を確認してからネットで買うという流れを自社の中で完結させるフローを確立し、ショールーミングによる他社への流出を防いでいます。

ビックカメラ

ビックカメラは、EC と店舗の価格をそろえることで、同じビックカメラの中で EC の方が安いからといった理由による流出を防いでいます。ただし、Amazon などの他社 EC サイトの方が安いケースは完全には避けられません。そこでビックカメラは、価格以外の強みを磨いています。

たとえば、店舗受け取りサービス (BOPIS) や当日配送によるスピード感、ポイント還元によるお得感、電子棚例でその場で在庫やレビューを確認できる便利さです。このような取り組みが顧客にビックカメラで買う方がトラブルなくスムーズに購入できると感じてもらえるのではないでしょうか。

Stripe Terminal でできること

Stripe Terminal はユニファイドコマースのためのソリューションです。対面チャネルとオンラインチャネルを統合し、収益拡大を実現させます。新しい支払い方法、シンプルなハードウェア、グローバルな対応、数百の POS とのコマース連携により、理想的な決済環境を構築できます。

Stripe は、Hertz、URBN、Lands’ End、Shopify、Lightspeed、Mindbody などのユニファイドコマースを強化しています。

Stripe Terminal の特徴

  • ユニファイドコマース: オンラインと対面での決済をグローバルプラットフォームで一元管理します。
  • グローバル展開: 1 つのシステムと一般的な決済手段で、24 カ国への拡大が可能です。
  • 自社に合った導入: 独自のカスタム POS アプリを開発するか、サードパーティの POS や EC システムを使って既存のテックスタックと連携できます。
  • シンプルなハードウェア: Stripe 対応のリーダーを注文、管理、監視できます。

Stripe Terminal について詳しくはこちら をご覧ください。今すぐ開始する場合はこちら

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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