EC サイトや SNS などで新商品の販売告知を見かけた際、予約販売サービスを利用して商品を購入したことはありませんか。たとえば、数カ月後に販売が予定されている新商品の場合、発売日に向けた話題づくりの一環として予約販売が採用されるケースがよくあります。
予約販売なら消費者は話題性の高い人気商品でも、売り切れを心配することなく確実に入手できます。そのため、予約販売は顧客ニーズに応えるものとして、今日の日本において幅広く取り入れられています。
本記事では、予約販売について、受注生産との違いや EC 事業者が予約販売を行うことのメリット・デメリットなどを交えて解説します。
この記事でわかること
- 予約販売とは、商品が発売される前から予約を受け付け、発売時期に合わせて後日商品を届ける販売手法
- 予約販売を実施すると販売機会の最大化が期待できる一方、業務負担が増える点に注意が必要
- 予約確定後のキャンセル・返金対応など、バックヤード業務の効率化を図るには、一元管理システムによるサイト運用が有効
- 予約販売に適した商品属性には、話題性、希少性、季節性の 3 つの要素に加え、入荷時期が明確に決まっている商品が挙げられる
- Stripe Checkout なら、30 以上の言語と 135 種類以上の通貨に対応し、EC サイトの決済環境の最適化と簡易化を図ることができる
予約販売とは?
予約販売とは、商品の発売前に消費者からの注文を受け付け、後日商品を発送・提供する販売手法です。予約販売は、人気アパレルブランドの新作コレクション、新型ゲーム機のほか、品切れとなっている入荷待ちアイテムの販売にも用いられています。なお、予約販売は英語で「Pre-order」といい、日本語でも「プレオーダー」と呼ばれることもあります。
予約販売なら、事業者はある程度の需要を発売前に把握でき、消費者は欲しい商品を確実に入手できる点が特徴です。
予約販売の仕組みは以下の通りです。
- 商品情報の公開 (価格・発売日・予約受付期間の告知など)
- 予約販売の開始
- 商品の入荷
- 発売日または入荷日に合うよう購入者へ商品を発送
注: 英語ではこのような販売方法を「preorder」といい、日本語でも「プレオーダー」と称されることがあります。
受注生産との違い
予約販売と受注生産は、似た用語で混同されがちですが、以下の表のように生産計画の在り方が根本的に大きく異なります。
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予約販売 |
受注生産 |
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|---|---|---|
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生産開始時期 |
予約受付前から開始 |
予約受付後に開始 |
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生産数量 |
事前に決定済み (一般的に予約販売分と一般販売分に分けられる) |
注文数に応じて調整・決定 |
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過剰在庫リスク |
あり |
なし |
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納期 |
発送予定日が明確に指定されており (例: 「[月]上旬に発送」)、配達までの期間が比較的短い |
受注後の生産となるため、注文から手元に届くまでに時間がかかる |
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価格設定 |
大量生産となるため低価格や予約限定価格の設定が可能 |
生産量が少なく、価格は高めです。カスタマイズが必要な商品は高額になることがよくあります。 |
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商品例 |
これから発売予定の新商品や、在庫切れによる入荷待ち商品 |
オーダーメイド品 |
予約販売では、予定生産量が事前に決定されます。これには、予約販売分と一般販売分の両方が含まれます。さらに、通常は予約受付を開始する前に、少なくとも部分的に生産が開始されます。その結果、過剰在庫を抱えるリスクがあります。ただし、次のセクションで説明するように、予約注文を利用して正確な売上予測を立てることで、過剰在庫を防ぐことができます。
一方、受注生産では、注文を受けた後に予約された数量のみを製造します。そのため、予約販売とは異なり、過剰在庫のリスクはありません。
予約販売では、注文数によって生産量が決定されるわけではありません。しかし、受注生産では、顧客が予約した数量とまったく同じ数だけを製造します。
予約販売のメリット
予約販売を導入すると、事業者は以下のようなメリットを享受することができます。
売上を予測しやすい
予約販売を実施すれば注文数を事前に把握できるため、予約注文データから一般販売分に必要な生産量のめどを立てやすく、全体の売上をより正確に予測することができます。
また、高精度な売上予測によって生産計画が立てやすく、過剰在庫による資金繰りの悪化を防げるなど、在庫管理の改善につながります。
たとえば、アパレル商品の予約販売の場合、同じ商品でも色や模様、サイズによって注文数が異なることから、予約注文データに基づいて手応えを確かめながら一般販売分を調整できるでしょう。
在庫切れでもサイト離脱を避けられる
顧客が EC サイトを訪問したときに商品が一時的に品切れ中でも、予約販売が可能であれば販売機会を確保できます。また、注文状況を確認しながら追加生産を進められるため、余剰在庫のリスクも軽減できます。
なお、在庫切れ商品の再入荷が決定している場合は、次回入荷予定日などの情報を明記し、入荷待ち期間中も定期的に情報を配信するなど、顧客の関心を持続させるための工夫が求められます。これにより単発の購入だけでなく、リピーターの確保も期待できます。
季節商品の販売機会を最大化できる
冬物のコートやセーターのように、季節によって販売期間が限られる商品の場合、短期間での売上拡大に向けた取り組みが欠かせません。予約販売を行えば、商品の販売開始前に顧客を取り込むことができます。
さらに「会員限定の先行予約」や「特典付き」の予約販売なら、顧客に特別感を与えることができ、購買意欲の向上につながります。
予約販売のデメリット
予約販売にはさまざまなメリットがある一方で、注意しなければならないデメリットも存在します。
業務負担が増えるためミスが生じやすい
予約販売では、予約期間中に受けた注文商品を一斉に出荷するため、大量の在庫を同時に保管・処理する倉庫スペースと、これにともなう追加人材の確保が不可欠です。
また、十分な人材を確保したとしても、業務負担の急増による誤配送や品質管理ミスが発生する可能性があります。こうしたミスが顧客トラブルに発展すると、顧客満足度の大幅な低下を招いてしまいます。よって、予約販売を実施する際は、手配可能な時間、スタッフ、保管スペースに基づいて、予約数の上限を設けることも検討しましょう。
キャンセル発生のリスクがある
さまざまな理由によって、予約後に購入者の気が変わってしまうことがあります。特に、予約期間が長期化するほど、キャンセル率が高くなる傾向にあります。そのため、予約販売を行う際は、予約商品のキャンセル率をある程度予測したうえで生産準備を進めることをおすすめします。
顧客は事前注文したことを忘れてしまう可能性があるため、商品が入荷した際に通知メールを送信することも重要です。「事前注文いただいた商品は [月] [日]に発送予定です」といったシンプルなメッセージが効果的です。
支払いトラブルのリスクがある
予約販売の場合、支払い方法によっては決済と発送の時期に開きがあります。そのため、支払いトラブルが生じるケースも少なくはありません。
たとえば、クレジットカード決済であれば、商品の発送時に売上が確定します。したがって、予約から発送までの期間が長いと、予約時には有効だったカードが売上確定時には期限切れとなっていたり、カードが解約されていたりすることがあります。このような場合、商品発送前の売上請求ができなくなります。したがって事業者は、支払いトラブルを回避するために、顧客への事前の注意喚起に努める必要があります。
また、代金引換 (代引き) の場合、顧客側の都合で受け取りを拒否されることがあります。この場合、配送・返送費用は事業者側が負担することになり、損失を招いてしまいます。そのため、予約販売では代引きは不可とするほか、代金の回収率が高い支払い方法を検討するのが望ましいでしょう。
予約販売のやり方
EC サイトに予約販売を導入するための主なステップは、以下の通りです。
特設ページの作成
予約販売を行うためのページを作成します。特設ページには、該当する商品の詳細情報をはじめ、予約開始日や実際の発売日、発送予定時期を記載します。
ここでの重要ポイントは、予約開始前から顧客に「欲しい」と思ってもらえるページづくりです。特に、先行予約対象の特典がある場合は、その情報も明記しておきましょう。
一元管理システムの導入
複数の EC モールや自社 EC サイトで商品を販売している場合、顧客情報や売上データの一元管理が可能なシステムを導入しておくことをおすすめします。これにより、複数の販売チャネルを利用している場合でも、ひとつのシステム上でリアルタイムに統合管理ができるようになり、業務の効率化を実現できます。
支払い方法の選定
予約販売で利用可能な支払い方法を決めます。クレジットカード決済、銀行振込、コンビニ決済が代表的で、これら複数の支払い方法を用意することが顧客満足度の向上につながります。
予約の開始・締切日時を設定
予約可能な期間を設定します。自社 EC サイトやメルマガ、SNS で告知する際は、予約期間を過ぎると予約受付が不可となる点も同時に周知しておきましょう。
予約確認メールの配信設定
予約完了後に予約確認メールを顧客に自動送信できるよう設定します。また、予約から商品の発送までの期間が大きく空く場合は、発送予定日が近くなってきたタイミングで改めて発送に関するメールを自動送信できるように設定しておきましょう。
予約販売を成功させるポイント
予約販売を成功させるには、顧客の不安を取り除き、信頼感を高める工夫が必要です。
事前告知による集客
予約販売では、発売前の段階でできるだけ多くの潜在顧客に知ってもらうための集客が欠かせません。SNS やメルマガ、Web 広告などを活用して、予約販売ページへの効果的な集客を目指しましょう。
- SNS: ハッシュタグによる拡散効果が期待できます。
- メルマガ: 過去の購入履歴データを活用すれば、関心の高い顧客層への効果的なアプローチができます。
- Web 広告: 認知度の向上による新規顧客獲得が期待できます。
予約特典の用意
顧客の興味をひく特典を用意すれば、予約販売を利用することのお得感が増すため、注文数を伸ばすことができます。具体的には、予約限定価格での提供、ポイントプレゼント、予約者限定特典品の付与などが挙げられます。
特典品の場合、自社で販売している商品のサンプル (お試しサイズの化粧品や香水など) を提供すれば、予約商品に加えて、他の商品の宣伝にもなります。
顧客との継続的なコミュニケーション
予約期間中はもちろん、期間終了後も継続的に情報発信を行うことで、顧客の期待感を維持でき、結果として顧客満足度が向上するため、キャンセルの防止につながります。
予約完了メールだけで顧客とのコミュニケーションを終わらせるのではなく、製造・発送の進捗状況や、開発チームの想い・メッセージをメールや SNS で共有するなど、顧客との関係維持に努め、安心感を提供し続けることが重要です。
なお、商品の入荷や発送に遅延が生じた場合は、その理由と新しい配達予定日を速やかに誠意をもって伝えましょう。
快適な決済体験の提供
せっかく予約販売に興味を持ってもらえたとしても、支払い方法の種類が少なかったり、購入画面がわかりにくかったり、決済実行のタイミングに柔軟性がなかったりすると、顧客の購入意欲が損なわれ、コンバージョン率が下がる可能性があります。
そのため、広く一般的に使われている支払い方法を複数用意することはもちろん、購入画面をシンプルで見やすくするなど、予約販売での決済環境を整えることが不可欠です。また、「代金の一部は前払い・残額は納品前までの支払い」のように、支払いタイミングに選択肢を持たせることでカゴ落ちの防止と利便性の向上につながります。
予約販売に向いている商品
予約販売は、特に以下のような特徴を持つ商品との相性が良いとされています。
話題性の高い新商品
これまで市場になかった新商品の場合、販売実績がないため、需要予測が難しい点が課題でもあります。予約販売なら、過去の販売データがなくてもある程度の需要を測ることができ、新商品の開発において大きなメリットといえます。
商品の具体例には、ファッションブランドの新作やパソコン・スマートフォンの最新機種などが挙げられます。
特に、話題のスマート家電や、人気の高いゲーム機のように発売前からのトレンド性が高く、メディアで話題となっている商品ほど、予約販売を適切に活用することでその効果を最大限に発揮できるでしょう。
希少性の高い限定商品
人気キャラクターとの限定コラボレーションや、アーティストの一点物のように、市場の需要に対して供給が追いつかないことが予想される商品は、予約販売が適しています。これらの希少性の高い商品の場合、顧客の「絶対に逃したくない」という気持ちが強いため、積極的に予約購入が選ばれるケースがほとんどです。
季節性の高い商品
季節性の高い商品も、販売時期がほぼ確定しており、集客性が高いため、予約販売との相性が良いです。代表的な季節商品には以下のようなものが挙げられます。
- おせち料理
- バレンタインデーのチョコレート
- 母の日のカーネーション
- お中元・お歳暮ギフト
- クリスマスケーキ
日本ではゴールデンウィークや年末などの大型連休に合わせて大規模なセールが開催されるため、これらの時期に予約販売が実施されるケースもよく見られます (ゴールデンウィークのお取り寄せセールや、年末のグルメ食材・福袋の予約など)。
入荷時期が決まっている商品
入荷時期が決まっている一時品切れ中の商品や、収穫時期が決まっている農産物 (5 月が旬の新茶など) も予約販売に向いています。通常、顧客は販売開始時期よりも前からその商品を「早く手に入れたい」と心待ちにしています。
具体的な配達予定を告知し、事前注文を受け付けることで、商品の到着を心待ちにしている顧客を引きつけることができます。この告知には、「[月] [日]頃に到着予定」などのメッセージを含めることができます。特に果物や海産物などの旬の食材では、旬の時期に味わいたいという強い思いが事前注文を促進する重要な要因となります。
Stripe Checkout でできること
Stripe Checkout は、ウェブサイトやアプリで簡単に決済を開始できる完全カスタマイズ可能な事前構築済みの決済フォームです。
Checkout の特徴
購入完了率の向上: Checkout の決済フォームはモバイル向けに最適化され、ワンクリックで完了する決済フローが構築されています。顧客は支払い情報を簡単に入力し、再利用できます。
開発時間を短縮: Checkout を自社サイトに直接組み込むか、顧客を Stripe のオンライン決済ページへ誘導します。数行のコードで実行可能です。
セキュリティの向上: Checkout が機密性の高いクレジットカードデータを処理し、PCI 準拠を効率化します。
グローバルに拡大: Adaptive Pricing で 100 以上の通貨および 30 以上の言語に対応し、各地域に合った決済フォームを提示。購入完了率を向上させる決済手段を動的に表示します。
高度な機能: サブスクリプションのための Billing、不正利用防止のための Radar など、他の Stripe プロダクトと Checkout を連携できます。
柔軟な管理: 決済手段の保存や購入後のアクション設定など、決済体験を完全にカスタマイズできます。
Checkout を活用した決済フローの最適化について、詳しくはこちらをご覧ください。今すぐ開始する場合はこちら。
よくある質問 (FAQ)
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