請求プロセスは、顧客に詳細を伝え、支払いを回収すれば完了します。しかし、ビジネスにおいては、請求プロセスの処理方法の違いが顧客維持率に変化をもたらしたりしています。支払いサイクルを短縮し、支払いプロセスにおける摩擦を最小限に抑えるために、請求プロセスをできるだけ簡単にすることが企業には求められます。以下では、請求書に記載する内容、電子請求の進め方、不審請求の申し立ての処理方法など、請求処理の基本について解説していきます。
本記事の内容
- 請求書を送ることの意味、インボイスとの違い
- 請求書に記載すべき情報
- 請求書を電子送付する方法
- 受取人が請求書に不審請求を申し立てた場合の対応
- 請求書の送付に関する Stripe のサポート
請求書を送ることの意味、インボイスとの違い
多くの場合、「請求書」と「インボイス」は同じ意味で使用されています。しかし、場合によっては異なる意味で用いられることもあります。通常、請求書は未払いの料金に対する簡単な明細書のことを指しますが、インボイスはより形式的で詳細な明細書であることが多く、また指定期間内 (例: 30 日以内) に決済させるための支払い条件が設けられています。
企業は通常、売上時または商品やサービスを提供した直後に請求書を送付します。請求書は、全額がすぐに支払われる見込みのシナリオ (病院での治療やレストランでの食事など) で使用されます。対してインボイスは、項目別の記録を希望される大規模なプロジェクトを処理する場合や、支払いまたは部分支払いのスケジュールが設けられる場合 (正味 30日、正味 60 日など)、または会計基準や独自の内部プロセスにより正式な書面の証跡を残す必要がある場合に送付されます。B2B 取引ではインボイスの方が一般的に使用されますが、B2C の決済では請求書がよく用いられています。
両者の特徴には重複する点もあります。一部の企業では、支払い期日がすぐでのものあってもブランディングを一貫して保つために、すべての支払いリクエストを「インボイス」と呼んでいます。これと同様に、厳密にはインボイスに当てはまるものを「請求書」と呼ぶ企業も珍しくありません。これらの慣習は、組織や状況によって異なります。請求書を送ることは即ち、近い将来に発生するはずの支払いを要求することであり、そのため企業と顧客の間のやり取りは最小限に抑えられるべきであることを理解しておきましょう。
請求書に記載すべき情報
請求書をゼロから作成する場合は、いくつかの基本事項に留意してください。製品またはサービスのいずれに対して請求する場合も、通常次の情報を請求書に含めます。
売り手の名前 (または会社名) と連絡先情報 (電話番号、メールアドレス、郵送先住所など)
請求日
サービスに関する説明 (例: 「3 月度ニュースレターのグラフィックデザイン」)
単価
総支払額
支払い方法
請求書を電子送付する方法
一部の企業では依然として紙の請求書を使用していますが、電子送付の人気も高まっており、世界の電子請求市場は 2023 年の 137 億 4,000 万ドルから 2032 年までに 316 億 1,000 万ドルまで成長することが見込まれています。企業は、メール、テキストメッセージ、または安全な決済プラットフォームを介してデジタル請求書を送信できます。電子送付は、請求書にリンクが含まれている場合、どこにいてもメッセージを開いてその場で支払うことができるため、顧客にとっても便利です。この項目では、電子送付の処理方法ついてご紹介します。
デジタル請求方法の選択
メール:メールは、デジタル請求書を送信する方法の中でも特に簡単な方法です。請求書はメッセージに埋め込んだり、PDF として添付したりできるほか、メールを請求書テンプレートとして使用することもできます。
決済サービスプラットフォーム:決済サービスを利用する場合、プラットフォーム内で請求書や支払いリクエストを生成できることがあります。このようなプラットフォームの多くは、受取人がオンラインで直接支払うためのリンクを送信できます。
モバイルアプリ:一部のフリーランサーや中小企業は、携帯電話やタブレットの専用アプリを使用して請求書を送信しています。これらのアプリは多くの場合、決済ソリューションと連携しており、請求書の作成から支払いの承認までのサイクルをすべて処理できるようになっています。
デジタル請求書の作成
電子請求書は、PDF、安全なウェブページへのリンク、または紙の請求書と同じ詳細を綴ったメールの形式で作成することができます。スマートフォン、タブレット、パソコンで読みやすいデザインになっていることを確認してください。PDF を作成する場合は、端に余白を残しておくと、小さな画面で見切れてしまう問題を防げます。
詳細の確認
送信前に受取人のメールアドレス、連絡先番号、名前、そして合計金額を再確認します。
送付
請求書ファイルを添付するか、メールまたはメッセージの本文に直接リンクを貼り付けます。受取人にはわかりやすい件名で伝え、目的を要約した丁寧なメモを一緒に渡してください (例: 「月額デザインサービスに対する請求書 - 支払期日は 14 日後です」)。
記録
送信したすべての請求書のコピーを保管します。この保管とは、PDF をクラウドフォルダに保存したり、決済システムに取引を記録したりすることを意味する場合があります。請求書を送付したことを証明する必要がある場合、請求書がいつ届いたかを示すタイムスタンプと一緒に、書類をファイルに保存しておくことができます。
受取人が請求書に不審請求を申し立てた場合の対応
最も透明性の高いプロセスを用いたとしても、不審請求の申し立ての発生は完全に防ぐことはできません。買い手がラインアイテムの記載について困惑したり、サービスのコストが低く見積もられている印象を受けたりすると、申し立てを行うことがあります。不審請求の申し立ては、必ずしも顧客が支払いを回避しようとして発生するものではなく、連絡の行き違いや細部の見落としが原因で起こる場合もあります。この項目では、冷静かつ公正に対処する方法をご紹介します。
問題を聞く
請求書のどこが間違っていると思うかを受取人に明確に説明してもらいましょう。誤った金額を請求された、違う商品の代金を請求されたなどの理由を抱えている可能性があります。
データを確認する
不審請求が申し立てられた項目を会社の記録と照合します。価格の計算方法を示すメール、提案書、その他の資料を収集します。その後、関連する部分を顧客が理解しやすい方法で共有します。
冷静に説明し、誤りを修正する
誤りがあった場合は、遅滞なく修正してください。会社の主張が正しいと思う場合は、その理由を明確に説明します。できるだけわかりやすい説明を心がけてください。
必要に応じて交渉する
状況によっては、一部返金または料金の調整が必要になる場合があります。その場合は、新しい契約を書面にし、修正後の金額を記載した請求書を送付します。
フォローアップ
修正後の金額が理にかなっているかどうか、受取人が他に何を必要としているかを尋ねます。明朗なやり取りは、長期的な関係強化にもつながります。
請求書の送付に関する Stripe のサポート
Stripe は、現在手動で行われているタスクの自動化をサポートし、会社の請求プロセスを簡素化します。また、さまざまな会計プラットフォーム、EC プラットフォームと連携しているため、データを反復的に入力しないで済みます。Stripe のサポートは、次のような場面で役立ちます。
支払いリクエスト / インボイス:Stripe ダッシュボードでは、新しい請求書または支払いリンクを生成して支払人に送信するオプションを利用できます。
支払いリマインダー:Stripe は、インボイスまたは請求書が未払いになった場合に、自動支払いリマインダーを送信します。
支払いの追跡:Stripe は、すべての請求書の支払いステータスを自動的に追跡します。
決済手段:Stripe を利用すれば、クレジットカードやデビットカード、デジタルウォレット、さらには地域の決済手段まで、事業を行う場所に応じてさまざまな決済手段を受け付けられます。つまり、受取人は自らのニーズに合ったオプションを選択できます。
継続請求:Stripe は、サブスクリプションベースのビジネスの継続請求をサポートしています。請求の頻度を指定すれば、あとは Stripe がカードの有効期限が切れた場合のリマインダーや更新などを処理します。
インサイトとデータ:Stripe ダッシュボードにはグラフ、チャート、エクスポート可能なデータが表示されます。これらを活用することで支払いの着金日を確認したり、期日どおりに支払いを行っているユーザーのパターンを調べたり、最新の財務情報をワンストップで受け取ったりすることができます。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。