銀行振込は、日本の企業間取引 (B2B) において頻繁に利用されている代表的な決済手段です。しかし、決済のたびに発生する振込手数料は、積み重なると無視できない出費となり、企業の利益を圧迫する恐れがあります。
また、振込手数料の負担だけでなく、銀行振込にともなうバックオフィス業務の負担も、事業運営の効率化を阻む深刻な課題となっています。
本記事では、特に法人企業に焦点を当て、振込手数料削減の重要性や具体的な削減方法、銀行振込が中心の取引における課題についても掘り下げて解説します。
この記事でわかること
- 振込手数料は利益圧迫を招く可能性があるため、いかに削減できるかが重要
- 振込手数料を削減するには、インターネットバンキングを活用するなどの方法がある
- 銀行振込が中心の取引では、振込手数料を負担する買い手側の課題だけでなく、売り手側にとっても消込作業に過度な負担がかかる点が課題として懸念されている
- 買い手・売り手が快適に B2B 取引を行うには、最適な決済インフラを構築することが大切
- Stripe Invoicing なら、請求業務に関するあらゆるニーズに対応可能で、自動生成機能による請求書の発行やデータ管理を適切に行える
振込手数料の削減が重要な理由
銀行振込は、B2B 取引以外でも古くから日常的に使用されている決済手段です。誰でも一度は銀行振込で商品やサービスの代金を支払った経験があるのではないでしょうか。
原則として、銀行振込手数料を負担するのは代金を支払う側と日本の民法で定められています。そのため、銀行振込で支払う際は、請求代金に加えて振込手数料が発生するケースが多々あります。
個人が大手 EC モールなどでの購入時に銀行振込を単発的に利用する場合、振込手数料の負担は一度限りとなります。
しかし企業の場合、従業員への給与をはじめ、B2B・B2C といった数多くの取引で、銀行振込が行われます。特に日本の B2B 取引においては、支払い方法として銀行振込が導入されるケースがほとんどで、1 件あたりの振込手数料の金額は少なく見えても、取引件数が多ければ多いほど毎月・年間の費用が膨れ上がるため、収益性の低下を招いてしまいます。
こうした背景から、振込手数料をできるだけ削減することは、単に経費を抑えるためだけではなく、事業者の資金繰りや財務を改善する重要な取り組みといえます。
振込手数料の相場
金融機関によっても設定は異なりますが、振込手数料は一般的に 110 円 〜 880 円が相場で、料金は以下の項目によって大きく左右されます。
- 振込金額: 3 万円未満なのか 3 万円以上か (近年では振込金額に関係なく、手数料が一律の銀行もあります。)
- 振込先の金融機関: 他行宛か同行宛か
- 振込先が同行の場合: 同支店宛か別支店宛か
- 振込方法: ATM、銀行窓口、インターネットバンキングなのか
このほかにも、ATM での振り込みの際に法人キャッシュカードを使用すると、現金よりも安くなることがあります。
一般的に、窓口での振込は手数料が最も高く、ATM は窓口より安い傾向にあり、手数料を最も安く抑えられるのが、インターネットバンキングです。
たとえば、インターネットバンキングの場合、同行なら別支店でも振込手数料がかからない銀行もあります。一方、銀行窓口で他行宛に振り込む場合は組み合わせとして最も高く、その相場は 880 円と、1,000 円近くにもなります。
取引を行う企業によって利用している銀行はさまざまです。そのため、まずは自社が利用している銀行の振込手数料の料金体系をしっかりと確認しておきましょう。
振込手数料を削減する主な方法
振込手数料を削減するには、以下のように、金融機関のサービスや支払い方法の見直しから始めてみることをおすすめします。
インターネットバンキングで振り込む
インターネットバンキングとは、実店舗を持つ銀行が提供するオンライン上の金融取引サービスを意味します。また、インターネットバンキングで行われる決済手段は「銀行ネット決済」と呼ばれることもあり、主要なオンライン決済の 1 つでもあります。
前章の解説のように、インターネットバンキングを通じて銀行振込を行うと、振込手数料が無料になったり、人手を要する窓口の利用や ATM での手続きよりも安くなったりすることがあります。そのため、自社のメインバンクが提供するインターネットバンキングを活用すれば、効果的に振込手数料を削減できるでしょう。
ネット銀行を活用する
実店舗を持たないネット銀行の法人口座であれば、振込手数料が 100 円台と割安なケースが多く、特に振込件数が多い場合に大きな節約効果が期待できます。
ただし、費用を抑えられても、振込にかかる手間が省けるというわけではありません。ネット銀行には窓口対応がないためサポートが限定されます。特に、現金を扱う取引が多い事業者にとっては、現金の直接持ち込みや大量の硬貨・紙幣の入出金に対応可能な窓口がないことから、既存のメインバンクとネット銀行を必要に応じて使い分ける必要があります。
クレジットカード決済で支払う
B2B 取引でも法人カードを活用したクレジットカード決済なら、銀行の営業時間内に振込手続きをする必要がなく、振込手数料も発生しません。
ただし、法人カードも個人カードと同様に利用限度額が定められているため、利用限度額の範囲内で利用するよう注意が必要です。
振込代行サービスを利用する
振込代行サービスとは、事業者に代わって取引先への買掛金の支払いや、従業員への給与支給といった各振込先への振込業務をインターネット経由でまとめて行うサービスです。
振込代行サービスを利用すれば、複数の振込を一括して依頼できるため、銀行へ直接振り込む件数を減らせます。その結果、自社が負担する振込手数料の削減だけでなく、経理業務の負担軽減にもつながります。
銀行振込中心の取引における請求側の課題
振込手数料の削減を考えるうえでは、手数料による利益圧迫という課題を抱える支払う側 (買い手側) の「銀行選び」だけでなく、銀行振込が引き起こす請求側 (売り手側) の入金確認・消込フローの課題にも着目することが大切です。
たとえば、銀行振込の件数が多ければ多いほど請求側の業務が複雑化することから、入金確認や消込を行う経理担当者への過度な業務負担が懸念されています。特に、これらを手動で行っている場合、見落としが発生しやすく、未入金・過少入金などの入金エラーの発見や督促が遅れてしまう可能性もあります。
したがって、B2B 取引上で「代金の請求 (売り手) → 支払い (買い手) → 入金確認・消込・督促 (売り手) 」といった決済フロー全体をスムーズに完結させるには、売り手側・買い手側の双方が、お互いにとって最適な決済インフラの構築に努めることが大切です。これにより、長期的・継続的な取引が期待でき、相互の信頼関係をより強固なものにできるでしょう。
B2B 取引上で決済インフラの最適化を目指すためには
では、買い手 (支払う側) と売り手 (請求する側) の双方が快適に取引を行うために、売り手はどのように決済インフラの最適化を実現すべきでしょうか。そのためには、まず決済フローを全体的に見直し、データ管理の自動化・一元化が可能なシステムを導入したうえで、以下の運用を図ることが重要です。
銀行振込だけでなくその他の決済手段の導入を検討する
銀行振込に加え、クレジットカード決済をはじめとする複数の決済手段を導入することは、買い手の振込手数料負担の軽減につながり、取引における利便性とブランドイメージの向上が期待できます。
また、将来的に海外へのビジネス展開を検討している事業者の方であれば、日本国内だけでなく海外で普及しているキャッシュレス決済にも対応しておくことで、海外顧客獲得の機会が広がります。
スムーズな支払い導線を設置する
決済代行業者が提供する決済管理の自動化システムを利用し、スムーズな支払い導線を用意しておけば、銀行振込やその他の決済手段を利用する場合でも、買い手に快適な決済体験を提供できます。その結果、顧客満足度と好感度が高まるため、買い手との良好な関係維持につながります。
このほか、手作業による決済情報の入力ミスの防止にもなり、バックオフィス業務の負担軽減が実現できます。
請求データを一元管理する
請求や回収に紐づくデータを単一のシステムでまとめて管理することで、請求書の宛名などの記載ミスや入金後の消込ミスを防げるだけでなく、売上管理の透明性が高まり、経理作業を大幅に効率化できます。
また、一元管理システムなら、入金の遅れや未払いをシステム上でリアルタイムに把握できることから、早期の督促や対応が可能になり、未回収リスクの低減にもつながります。
Stripe Invoicing でできること
Stripe Invoicing は、請求書の作成から支払い回収まで、売掛金プロセスをシンプルにします。単発請求でも継続請求でも、Stripe はビジネスが支払いを受けるまでの時間を短縮し、業務の効率化をサポートします。
売掛金処理の自動化: コーディング不要のプロフェッショナルな請求書を簡単に作成、カスタマイズ、送信。Stripe は請求書のステータスを自動で追跡し、支払いリマインダーの送信や返金処理も行うため、キャッシュフローの管理がスムーズになります。
キャッシュフローを改善: 統合されたグローバル決済、自動リマインダー、AI を活用した督促ツールにより、売掛金回収期間を短縮し、より早く入金を得られます。
顧客体験の向上: 25 以上の言語、135 以上の通貨、100 以上の決済手段をサポートする最先端の決済体験を提供。請求書へのアクセスは簡単で、セルフサービスのカスタマーポータルから支払うこともできます。
バックオフィスの負担軽減: 数分で請求書を作成し、自動リマインダーや Stripe が提供するオンライン請求書決済ページで回収にかかる時間を削減します。
既存システムとの接続: Stripe Invoicing は、主要な会計ソフトや ERP (企業資源計画) ソフトと接続でき、システム間の同期を保ちつつデータの手入力を減らします。
Stripe では、売掛金プロセスの簡素化を支援しています。詳しくはこちらをご覧ください。今すぐ開始する場合はこちら。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。