金融サービスを埋め込む方法: ビジネス向けのクイックスタートガイド

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Shopify や DoorDash など、世界でも有数の成功を収めているプラットフォームとマーケットプレイスも Stripe Connect を利用して決済を自社のプロダクトに導入しています。

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  1. はじめに
  2. 埋込型金融サービスとは?
  3. 埋込型金融サービスのタイプ
  4. 埋込型金融サービスの仕組み
  5. 金融サービスを埋め込むメリット
  6. 金融サービスを埋め込む方法
    1. ステップ 1: ニーズと目標の評価
    2. ステップ 2: 市場調査とパートナーの選択
    3. ステップ 3: 法令遵守と適法性
    4. ステップ 4: 技術的な導入
    5. ステップ 5: ユーザーインターフェイスのデザイン
    6. ステップ 6: テスティング
    7. ステップ 7: デプロイと立ち上げ
    8. ステップ 8: マーケティングと利用者への普及
    9. ステップ 9: モニタリングとアップグレード
    10. ステップ 10: 拡張性と将来の新機能追加

デジタルサービスに金融サービスを導入すると、ビジネスにおけるさまざまな可能性を切り拓くことができます。小売業のアプリケーションに決済機能を追加する場合でも、B2B インターフェイス内で詳細な財務分析を提供する場合でも、そのメリット (エンゲージメントの強化、収入源の追加、利用者と企業のユースケースに対応した環境など) は利便性以外にも多くあります。Statista によると、埋込型金融サービスは 2021 年だけで 42 億ドル超のベンチャーキャピタルによる資金供給を引き付けており、これらのメリットの強い魅力を示しています。

リスクと負債を最小限に抑えつつ、最大限のメリットが得られる方法で金融機能をソフトウェアアプリケーションに取り入れるには、戦略と正確さを組み合わせることが求められます。規制の遵守やデータセキュリティのほか、新しい金融機能によって複雑さが増しても、常に直感的で定着率が高い顧客体験を設計する方法などの要素を考慮する必要があります。ここでは、金融サービスをビジネスに埋め込む方法について知っておくべきことを紹介します。

この記事の内容

  • 埋込型金融サービスとは?
  • 埋込型金融サービスのタイプ
  • 埋込型金融サービスの仕組み
  • 金融サービスを埋め込むメリット
  • 金融サービスを埋め込む方法

埋込型金融サービスとは?

埋込型金融サービスは、非金融系のプラットフォームまたはアプリケーション内に導入された金融サービスです。これにより、埋込型金融サービスを導入しなければ金融セクターに関与することのないビジネスで、決済、融資、保険などのサービスを自社の独自のデジタルインターフェイス内で提供することができます。アプリケーションプログラミングインターフェイス (API) と ソフトウェア開発キット (SDK) によってこのプロセスを円滑化し、利用者による複数のプラットフォームまたはアプリ間の切り替えが不要な強化された統合型の体験を創出します。

埋込型金融サービスモデルは、金融機能への直接的なアクセスを促進し、金融サービスの範囲とリーチを広げます。さらに、これらのサービスを自社のプラットフォームに取り入れるビジネスにおいて、新しいビジネスモデルと収入源を実現するための道を開きます。

埋込型金融サービスのタイプ

埋込型金融サービスにはいくつかのタイプがあり、それぞれが非金融系のプラットフォームまたはアプリケーション内でさまざまな機能を提供しています。

  • 決済処理: 利用者をサードパーティーサービスにリダイレクトすることなく、即時の取引を行うことが可能です。ビジネスでペイメントゲートウェイや POS 販売システムを自社のデジタルインターフェイスに取り入れることができます。

  • 融資サービス: 即時融資や信用の供与を円滑に利用できるようにします。たとえば、E コマースプラットフォームで決済プロセス中に「後払い」オプションを提供してみるとよいでしょう。

  • 保険サービス: カスタマイズした保険パッケージをビジネスで利用者に提供できるようにします。これには、フライト予約アプリ内での旅行保険、E コマースポータル内での商品付帯保険などが含まれる場合があります。

  • 投資サービス: 利用者が株式、債券やその他の金融派生商品に投資できるようにします。金融のニュースを対象に作成されたコンテンツプラットフォームで、アプリ内で適切な株式に投資できるようにしてみるとよいでしょう。

  • 個人向けの資金管理: 予算編成と出費追跡の機能を取り入れます。ビジネスでこれらの機能をさまざまなプラットフォーム (光熱費管理アプリケーションなど) に導入することができます。

  • デジタルウォレット: デジタル通貨用のストレージ機構を提供し、利用者が単一のアプリまたはプラットフォーム内で簡単にお金を管理できるようにします。

  • ピアツーピアの送金: 利用者間でお金を直接送金できるようにします。この機能はソーシャルネットワーキングまたはメッセンジャーアプリでよく見られ、送金がメッセージの送信と同じくらいシンプルになっています。

  • 外国為替サービス: リアルタイムの通貨換算を提供し、利用者が複数の通貨を保持できるようにします。こうしたサービスは、全世界に顧客基盤を持つプラットフォームにとって有益です。

  • サービスとしてのバンキング (BaaS): 口座の開設や管理といった従来のバンキング機能を他のプラットフォームに拡張します。利用者の資金のニーズに応えるオールインワンのソリューションになることを目標としているアプリで、このモデルがよく使われています。

  • 規制遵守サービス: マネーロンダリング防止 (AML) や本人認証 (KYC) など、金融サービスに関連した法的要件を遵守できるようにビジネスを支援します。

  • 請求書とサブスクリプションの管理: サブスクリプションベースのサービス向けの継続支払いを自動化し、ビジネスでの収入の管理と利用者のサブスクリプションの維持を容易化します。

それぞれのタイプの埋込型金融サービスは特定のニーズに対応しており、ビジネスでこれらの機能を単独で使用したり、組み合わせてより包括的な金融サービスを提供したりすることで、自社に固有の目標に合わせてカスタマイズできます。

埋込型金融サービスの仕組み

埋込型金融サービスでは API と SDK が使用されており、これらは金融サービスとこうしたサービスを取り入れたいビジネス間のパイプ役として機能します。これらの API と SDK は、開発者が特定の金融機能をプラットフォームに導入するために使用する構成要素として機能します。API と SDK はモジュール方式のため、ビジネスではどの金融サービス (決済処理、融資、保険など) を含めるのかを選択することができます。

ここでは、埋込型金融サービスの主な運用上の要素を紹介します。

  • API の実装: ビジネスで金融サービスプロバイダーの API を実装できます。API によって、目的の金融サービスに直接接続できるようにします。仲介用のプラットフォームは不要です。

  • データ交換: 実装後、これらの API は金融機関と非金融系プラットフォーム間で情報を円滑に移行できるようにします。たとえば、利用者が決済データを E コマースサイトに入力した場合、その情報は取引の確認と完了のために API を介して決済代行業者に送信されます。

  • ユーザー体験: 利用者はホストプラットフォームのインターフェイスを通じて金融サービスとやり取りします。たとえば、利用者が E コマースプラットフォームでデジタルウォレットでの支払いを選択した場合、当該のサイトでは、利用者を外部のサイトに再び振り分けることなく、利用者にその同一のインターフェイス内で決済を承認するように求めます。

  • サービスのカスタマイズ: 自社に特有の要件や自社の顧客基盤に特有の要件に合わせて、ビジネスで金融サービスをカスタマイズできます。特定の融資基準の選択やビジネスで提供する保険のタイプのカスタマイズがこれに該当しますが、どちらの場合でも、その目的は、プラットフォームの幅広いサービスに適合するカスタマイズされた金融サービスを提供することです。

  • 収入モデル: 取引手数料や金融サービスプロバイダーとのレベニューシェア契約など、さまざまなモデルを通じてビジネスでこうした埋込型サービスを収益化できます。

  • 規制の遵守: 一般的に、金融サービスプロバイダーによって金融規制の遵守が管理されるため、ホストプラットフォームはその中核的な機能に注力できます。

  • リアルタイムの運用: ほとんどの埋込型金融機能はリアルタイムで作動します。これにより、利用者が即時融資の承認や即時決済の確認などを受け取ることができます。

  • 拡張性: これらのサービスはモジュール方式の API と SDK で構築されています。そのため、ビジネスで必要に応じてこれらをスケールアップまたはスケールダウンして、プラットフォームが成長したり、利用者のニーズが変化したりするにつれて、サービスを容易に追加または削除することができます。

埋込型金融サービスは強化された統合型のインタラクティブな体験を利用者にもたらす一方で、従来の金融機関とその他のセクターのビジネスにとってのビジネスチャンスを切り拓きます。

金融サービスを埋め込むメリット

金融サービスをプラットフォームに埋め込むと、さまざまな利点が得られます。ここでは、金融サービスの埋め込みから得られる可能性のあるメリットを紹介します。

  • 定着率と顧客エンゲージメントの増加: 金融サービスをプラットフォーム内で提供すると、複数のアプリまたはウェブサイト間での切り替えの必要性が最小限に抑えられ、プラットフォームでの滞在時間が増えて、利用者のエンゲージメント時間を伸ばすことができます。

  • 収入の多様化: 融資、投資の助言、決済処理などの金融サービスを追加すると、ビジネスで追加の収入源を活用できるようになります。これによって単一の収入源への依存を低減し、景気後退時のバッファを確保することができます。

  • 詳細な顧客データのインサイト: ビジネスでこれらの金融取引から収集されるデータは、分析機能において高い価値を発揮することがあり、より的を絞ったマーケティングキャンペーンを策定したり、利用者の好みに合わせてより効果的にサービスをカスタマイズしたりするうえで役立つ可能性があります。

  • ユーザー体験の向上: 金融サービスを導入することで、プラットフォームを多種多様なニーズに対応したワンストップショップにすることができます。時の経過とともに、こうした利便性は顧客満足度の向上とロイヤルティの高いユーザーの増加につながります。

  • 収益化の加速: 多くの場合、金融サービスを提供すると取引手数料やコミッションを請求することができ、これらは最終的な収益に寄与する可能性があります。また、これらのサービスによって、安定した経常収益につなげられるサブスクリプションモデルを活用するチャンスがもたらされます。

  • 取引の簡素化: プラットフォーム内で取引を処理すると、財務業務の管理に関連した事務作業の負担が低減され、会計および財務レポートのシンプル化につなげることができます。

  • 利用者からの信頼とロイヤルティ: 十分に吟味した金融サービスを提供すると、利用者に価値の高いサービスを提供するというブランドの評判を高めることができます。これにより、信頼性が向上し、プラットフォームへの長期的なコミットメントが促進されます。

  • 市場のリーチの拡大: 金融サービスは幅広いデモグラフィックにとって魅力的であり、新しい顧客セグメントを引き付けるために役立つ可能性があります。たとえば、小売業のショッピングプラットフォームで個人向けの資金管理や投資に関心のある利用者を引き付けられる可能性もあるでしょう。

  • 運用コストの削減: 埋込型金融サービスをセットアップするために初期投資が発生するものの、その長期的な運用はコスト効率が高くなる可能性があります。というのも、金融サービスを自動化すると、ビジネスで管理業務に費やす時間と費用を減らすことができるからです。

  • 競争力のある差別化: 多くのプラットフォームが類似したコアサービスを提供しているため、金融サービスの追加は飽和した市場で強みとなり、周囲から抜きん出るために役立ちます。

  • 資金管理の容易化: プールした資金の管理や複雑な財務業務の処理を行いたいと考えているビジネスでは、これらのタスクを自動化するソリューションとして埋込型金融サービスを活用し、プロセスを簡素化することができます。

金融サービスの導入によって、ビジネスで自社のサービスをこれまで大規模な金融機関のみで可能だったレベルまで高めることができます。多くの場合、こうしたサービスに投資することで、財務上の利益と利用者のロイヤルティの両方において、コストをはるかに大きく上回るリターンが得られます。

金融サービスを埋め込む方法

初期のリサーチから継続的な管理まで、プラットフォームに金融サービスを埋め込むには、かなりの労力が必要になります。しかしながら、Stripe などのプロバイダーは導入を効率化し、可能な限りシンプルにします。このクイックガイドでは、金融サービスを埋め込む方法を紹介します。

ステップ 1: ニーズと目標の評価

技術的な側面に進む前に、実現したいと考えていることに関する明確なビジョンを持つことが重要です。利用者により包括的な体験を提供したいと考えているでしょうか?または、別の収入源を探しているでしょうか?こうした質問に答えることは、目標に最適な金融サービスのタイプを絞り込むうえで役立ちます。

ステップ 2: 市場調査とパートナーの選択

導入したいサービスを提供している潜在的な金融サービスプロバイダーについて調べます。信頼性、評判、提供されているサービスの範囲などの要素について調べましょう。プロバイダーについて十分に吟味した後、パートナーシップを確立します。(Stripe がビジネスで埋込型金融サービスを活用できるようにする方法について、詳しくはこちらをご覧ください。)

ステップ 3: 法令遵守と適法性

金融サービスプロバイダーによって法令遵守の管理が行われるものの、自社の法的義務を引き続き明確に把握する必要があります。法務専門家に相談し、パートナーシップ契約や利用者向けの規約、データ保護プロコトルについて確認しましょう。

ステップ 4: 技術的な導入

通常、金融サービスの技術的な導入には API または SDK が使用されます。ここでは、さまざまなタイプのサービス向けの手順を紹介します。

  • 決済処理: プラットフォーム内で取引を処理するためにペイメントゲートウェイ API を実装します。

  • 融資サービス: API を使用して、利用者の融資の利用資格を評価し、支払いと返済のプロセスを円滑化します。

  • 保険サービス: サードパーティー API を通じて保険の選択と請求の申し立てのケイパビリティを埋め込みます。

  • 投資サービス: API でリアルタイムの金融データを引き出し、利用者がプラットフォーム内で十分に情報を得たうえで投資の意思決定を行えるようにします。

  • 個人向けの資金管理: API とインハウスのソフトウェア開発を組み合わせることで、予算編成と出費追跡の機能を導入できます。

ステップ 5: ユーザーインターフェイスのデザイン

デザイナーと密接に連携して、ユーザーインターフェイスが直感的であることを確認します。また、金融機能が簡単にアクセス可能で、全体的なユーザー体験を妨げないことを確認します。

ステップ 6: テスティング

あらゆるバグ、セキュリティの脆弱性、ユーザー体験の問題を発見するために、厳格なテスティングを実施します。これには、新しい金融サービスがプラットフォームの全体的な運用に及ぼす影響を評価するためのパフォーマンステストが含まれます。本格的な立ち上げの前に、小規模なオーディエンスでベータテストを実行することを検討しましょう。

ステップ 7: デプロイと立ち上げ

すべてを徹底的にテストしたら、新機能を本番環境にデプロイします。

ステップ 8: マーケティングと利用者への普及

マーケティングチャネルを通じて新機能を宣伝します。これらの機能のメリットと使用方法について、顧客基盤に情報を提供しましょう。

ステップ 9: モニタリングとアップグレード

立ち上げ後は、パフォーマンス、顧客エンゲージメント、財務指標を継続してモニタリングします。また、改善のためにフィードバックを収集しましょう。

ステップ 10: 拡張性と将来の新機能追加

API と SDK はモジュール方式であるため、サービスを簡単に拡大または調整することができます。また、Stripe のソリューションはビジネスとともに成長およびシフトすることに特化して設計されています。しかし、重要なのは、埋込型金融サービス自体がすでにビジネスとともに拡大している場合でも、埋込型金融サービスに関する戦略を定期的に再調整することです。

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