請求書の期日は、財務計画や顧客関係などの、支払い取引のあらゆる面を決定します。期日は、支払い条件と延滞料を設定し、一緒に行っているビジネスの状況についてすべての関係者が安心感を得るのに役立ち、クライアントが評価することが多い基本的なレベルのビジネス意識を示します。
以下では、請求書の期日のしくみ、企業が選択できるさまざまな条件、支払いを処理するための戦術について説明します。
この記事の内容
- ビジネスに適した標準的な期日
- 請求書に対して適切な期日を選択する方法
- 請求書や契約書で期日を目立たせる方法
- 請求書の期日になり支払いが遅れた場合の対処方法
- 期日を調整するときと堅持するとき
ビジネスに適した標準的な期日
請求書に対して適切な期日を選択すると、支払いを受ける手間 (および時間) が大きく変わります。標準的なオプションと、それぞれが最適に機能する典型例を次に示します。
即時払い: これは、即時の支払いを希望するか、そのように期待する状況での「今すぐ支払う」選択肢です。これは、小規模なプロジェクトの場合や、素早い対応に慣れているクライアントと取引関係にある場合に適しています。すべてのクライアントが請求書を受け取った瞬間に支払うことができたり、そうすることを望んでいたりするわけではありません。これを使用するのは、この時間枠での対応が簡単にできることがわかっている場合にしてください。
Net 15: 15 日の時間枠では、クライアントが支払うまでの期間に少し余裕ができ、支払いを受けるのに待つ時間が長すぎることもありません。これは、定期的な低価格のプロジェクトの場合や、支払いが素早い中小企業と取引する場合に適しています。
Net 30: Net 30 では、クライアントが支払うまでの期間が丸一カ月あります。費用管理により多くの時間をかけられますが、待つ期間は妥当な範囲です。これは多くの企業間 (B2B) 取引の定番であり、通常、柔軟性と即時支払いの間の適切な着地点になります。
Net 60: Net 60 の条件は、大規模なクライアントや、利害関係 (および請求額) が高い大規模なプロジェクトで一般的です。大企業や政府機関と仕事をする場合はしばしば、このタイムラインが設定されます。支払いの間の休止期間が長くなっても対処できる場合には問題ありませんが、回転率を上げる必要がある場合には理想的とは言えません。
Net 90: Net 90 の条件はほとんど使用されませんが、一部の業界や大手クライアントから要求される場合があります。製造業や特定の大規模産業では、この条件が使用されることがあります。待つ期間が長いため、この選択肢を使用するのは支払いを受けるまでに数カ月待つことに問題がない場合のみにしてください。
請求書に対して適切な期日を選択する方法
請求書の適切な期日を選択するには、ビジネスの財務ニーズとクライアントの理想的な支払いスケジュールのバランスを取ります。そうすることで、支払いが予測しやすくなり、顧客との関係が強化されます。適切な期日を設定する方法は次のとおりです。
クライアントのスケジュールを把握する: 一部のクライアントは、15 日や月末などの特定の日付にのみ請求書を支払います。クライアントの通常の支払いサイクルに期日を合わせることができると、遅滞なく支払いを受けられる可能性が高くなります。
プロジェクトの規模に条件を適合させる: 小規模で単純な仕事は、Net 15 などの短期間の条件の請求に向いています。大規模で複雑なプロジェクトには、Net 30 や Net 60 などの長めの時間枠が必要になることがあります。これにより、待つ時間が長すぎることなく、クライアントに余裕を持たせることができます。
現金のニーズを考慮する: 経費をまかなうために安定して入ってくる現金に依存している場合は、短期間の支払い条件を検討してください。予定よりも支払いが遅れるリスクを避けるため、タイムラインがクライアントにとって妥当であることを確認してください。
業界標準に従う: Net 30 や Net 60 などの支払い条件がよく使用されています。クライアントが慣れていて、一般的に妥当であると受け入れられているためです。業界の標準を把握すると、クライアントにとってなじみのある条件の設定に役立ちます。
明確かつ一貫性のあるものにする: どの日付を選択するかにかかわらず、請求書で目立つようにし、必要に応じて前もって話し合ってください。そうすれば、混乱の余地はありません。
請求書や契約書で期日を目立たせる方法
請求書や契約書で期日を目立たせると、支払い遅延の回避に役立ちます。支払い期日を顧客が確実に確認し、忘れないようにする方法を次に示します。
期日を中心に配置する: 期日は、請求書の最上部または合計金額の近くに配置します。クライアントが書類を開いたときに最初に目に入るようにする必要があります。
太字のフォントや別の色を使用する: 期日に太字のテキストを使用したり、他のテキストと対照的な色を使用したりすると、目立つようになります。色を使いすぎないでください。目立つ色が 1 つあれば十分で、請求書の残りの部分を埋没させることもありません。
明確なラベルを追加する: 「Net 30」や「期日: 2023/09/15」のみを記載するのではなく、「支払期日」の後に日付を指定してみてください。こうすると、支払い予定について間違うことはありません。シンプルで直接的な言葉づかいが効果を生む可能性があります。
いくつかの場所で期日を繰り返す: 期日を複数の場所 (合計金額の近くや支払い条件の欄など) で繰り返すと、その重要性が強調されます。このようにすると、特に情報量が多いページで、クライアントが見落とす可能性も低減できます。
自動リマインドメールを使用する: 請求書作成ソフトウェアを使用している場合は、クライアントに自動リマインドメールを送信するように設定します。多くのプラットフォームでは、この予定を複数回 (期日の 1 週間前などに) 設定できるため、手動で追加確認しなくても、クライアントに期日を意識させ続けることができます。
簡潔な支払いポリシーを含める: 延滞料や早期支払いのインセンティブなどの支払い条件について簡潔に説明すると、期日に関する目安が明確になります。こうすることで、予定どおりに支払われるように真剣に考えていることがクライアントに伝わります。
シンプルに設計する: 請求書をすっきりと整理すると、クライアントが期日などの重要な詳細を見つけやすくなります。ページに含める情報が多くなりすぎないようにください。期日が自然に目立つすっきりとしたレイアウトをめざします。
請求書の期日になり支払いが遅れた場合の対処方法
米国では、B2B 請求書の 55% が期日を過ぎて期日超過になっています。支払いが遅延すると不満を感じますが、関係を断つことなく対処する方法はあります。期日超過した請求書に対処する方法を次に示します。
まず友好的なリマインドメールを送信する: クライアントが単に忘れている場合もあります。多くの場合、請求書、期日、金額について触れた丁寧で簡単なメールで十分です。請求書が見落とされていないことを確認するだけなので、軽い有効的な内容にとどめましょう。
電話で追加確認する: 最初のリマインドメールの後に返事がない場合は、電話をかけてみてください。メールは山積みになりがちですが、多くの場合、短い口頭でのやりとりはそうした障害物があっても届きます。友好的ではあるが率直な伝え方を心がけ、相手が請求書を受け取ったことと、何かお手伝いできることはないかを確認しましょう。
延滞料を記載した請求書を再送する (該当する場合): 条件に延滞料が含まれている場合は、ここで延滞料を丁寧に提示します。追加料金を記載して請求書を再送しますが、クライアントがこれらの条件を事前に認識していることを確認してください。追加料金でクライアントを驚かせることは逆効果になる可能性があるため、注意を喚起しておくと物事が順調に進みやすくなります。
必要に応じて、支払いプランを提供する: クライアントが行き詰まっていると思われる場合は、支払いプランの提供を検討してください。これは、全額支払いに向けて取り組みながら柔軟性を示す良い方法です。ある程度の現金を受け取るのに役立ち、かつ解決に前向きであると示すことができます。
直接訪問を検討する: よく知っている地元のクライアントの場合は、訪問することで、真剣ではあるが関係を維持する熱意もあると示すことができます。ビジネスの場に合う雰囲気を保ち、相手が困っている場合は、この訪問を問題解決の機会として活用しましょう。
正式な督促状を送付する: 督促状は、成果が得られない場合の次のステップとして役立ちます。これは、支払いが予定されていることを示す明確な最終通知です。それ以上の措置を実行する可能性があることも示します。どの程度強硬なメッセージを送るかに応じて、自分で作成することも、弁護士に処理してもらうこともできます。
回収代行業者を利用する: 他のすべてが失敗し、未払いの金額に業者を利用する価値がある場合は、回収業者が選択肢になることがあります。代行業者は通常、回収した金額の一定割合を受け取るため、通常、これは最後の手段です。しかし、未払い額が十分に大きく、他の手段を実施し尽くしても解決しない場合は、代行業者が役立ちます。
期日を調整するときと堅持するとき
どのようなときに期日を調整し、どのようなときに堅持するかがわかると、顧客との関係を管理し、キャッシュフローを安定させる作業効果が大きく変わることがあります。柔軟な対応がクライアントを大切にしていることを示す一方、堅持することは支払い条件を真剣に考えている姿勢を伝えます。結局はお客様のビジネスとクライアントのニーズの問題になります。
期日を調整するのが適切なシナリオを次に示します。
いつもは期限内に支払いを行っている長年のクライアントと取引していて、延長が求められた場合は、ほとんどの場合、期日を延長する価値があります。柔軟性は善意を示し、関係を重視する思いが伝わります。同様の期待を今後持たせることがないように、1 回限りの特別対応であると明確に伝えます。
複数のフェーズがある大規模なプロジェクトでは、遅延が発生することがあります。クライアントが原因でない場合は、支払いのタイムラインを調整するのが妥当です。支払いのマイルストーンをプロジェクトのフェーズに合わせることで、双方にとって処理が円滑になり、日付をめぐって対立することなく作業を進めることができます。
景気後退などの外的要因がクライアントに影響を与えている場合、若干の思いやりが大切です。期日を延長したり、一時的な支払いプランを導入したりすることで、困難な時期に関係を損なわずにすみ、クライアントは柔軟な対応を忘れないことでしょう。
支払い条件を堅持するのが適切なシナリオを次に示します。
新しい顧客の場合、複数回支払いを受けて履歴が構築されるまで、合意した条件を堅持するのが賢明です。期日を堅持することでそれが標準になり、支払い遅延のリスクが軽減されます。
プロジェクトの資材、時間、または労力に前もって投資している場合、期日を維持することで、それらのコストを長期間負担したままにならずにすみます。
クライアントが支払いに遅れる傾向がある場合は、通常、期日を堅持するのが最善です。遅延が常習的なクライアントのために恒常的に調整していると、パターン化されて、変えることが難しくなります。堅持し続けることで、期限内の支払いの重要性が強調され、支払いの遅れが普通ではないと示すことができます。
あるクライアントからの支払いが遅れると、それ以外の関係者への何らかの提供機能に影響を与えることがあります。このような場合は、期日を堅持して、リソースの管理、スタッフへの給与の支払い、プロジェクトの進行などができるようにしましょう。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。