決済を各地域に対応させるベストプラクティス:決済を世界各国向けに拡張するためのガイド

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成長中のスタートアップからグローバル企業まで、あらゆるビジネスに対応できる決済ソリューションを利用して、オンライン決済、対面支払いなど、世界中のあらゆる場所で決済を受け付けます。

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  1. はじめに
  2. 決済の各地域への対応とは
  3. 購入完了率に最も大きな影響を与える各地域への対応の選択
    1. 現地の決済手段を含める
    2. 現地通貨で料金を設定する
    3. 現地の言語とユーザー操作を採用する
    4. モバイル向けに調整する
  4. 市場全体で各地域への対応にどのように優先順位を付けるか
    1. 既存のデータに基づいて着手する
    2. 各地域への対応作業を潜在的な売上にマッピングする
    3. まず範囲を広げ、次に詳細に対応する
    4. 一時点では 1 つの市場に集中する
    5. 内部の制約に向き合う
  5. 決済を各地域に対応させるすべての企業が知っておくべきベストプラクティス
    1. 適切な決済手段をリストアップする
    2. 現地通貨で料金を表示する
    3. インターフェイスを翻訳し、現地の慣習に従う
    4. モバイル体験を優先する
    5. ユーザー操作に法令遵守を組み込む
    6. 目標に合わせて拡張できるインフラを選択する
    7. 立ち上げたまま放置しない

多くのオンライン決済では、いまだに国際顧客への対応を後回しにしています。料金の通貨が間違っていたり、決済手段が現地の実情と合わなかったりすると、決済操作全体が少し的外れな印象を与える可能性があります。決済を各地域に対応させることで、顧客の所在地に関係なく、顧客が購入の準備ができた瞬間の負担がなくなり、決済プロセスがより簡単かつ直感的になります。以降では、決済を各地域に対応させるために知っておくべきこととして、最重要事項、優先順位付け方法、ベストプラクティスについて説明します。

この記事の内容

  • 決済の各地域への対応とは
  • 購入完了率に最も大きな影響を与える各地域への対応の選択
  • 市場全体で各地域への対応にどのように優先順位を付けるか
  • 決済を各地域に対応させるすべての企業が知っておくべきベストプラクティス

決済の各地域への対応とは

決済の各地域への対応とは、各地域市場の期待、習慣、制約に合わせて決済フローと決済操作を調整することです。これには、地域固有の決済手段の提供、現地通貨での料金設定から、決済インターフェイスの翻訳、現地の規制の遵守まですべてが含まれます。

見た目や感触が「どこか別の場所」のために作られたような決済フローは、顧客をためらわせる可能性があります。東京の顧客が決済ページにたどり着いたときに、外国のウェブサイトで買い物をしている感じを与えないようにする必要があります。これは、サンパウロ、アムステルダム、クアラルンプールでも同じです。静的でグローバルな 1 つの購入操作しか提供しない場合、多くの潜在顧客から敬遠される可能性があります。

世界の企業対消費者向け (B2C) 越境 E コマース市場は、2030 年までに 7 兆 9,000 億ドルの規模になると予想されています。越境 E コマースが標準になり、デフォルトで海外に進出する会社が増えるにつれて、決済を各地域に対応させることがグローバルな購入の促進に役立ちます。真に地域に対応した決済フローは、顧客をより快適にし、離脱を最小限に抑え、企業がその市場の一員であると感じさせるのに役立ちます。

購入完了率に最も大きな影響を与える各地域への対応の選択

グローバル顧客に対して決済を微調整するとき、地域対応の決断がすべて同じになるわけではありません。最も重要になる可能性が高い作業は次のとおりです。

現地の決済手段を含める

最も重要な対応策の 1 つは、顧客が求める決済手段を提供することです。オランダでは、これは iDEAL です。ブラジルでは、Pix と Boleto です。使い慣れたオプションが表示されないと、一部の顧客は簡単にカゴ落ちします。

現地通貨で料金を設定する

料金の提示は、多くの企業が予想するよりも大きな影響を与えます。外国の通過で金額を表示すると、たとえ商品の料金が適正であっても、すぐに問題が発生します。顧客は頭の中で料金を換算する必要があるため、非表示の為替手数料を心配したり、最終的な請求額がわからないままになったりする可能性があります。

料金を表示し、買い物客の現地通貨で請求することで、不明点が解消し、透明性が高く親しみやすい操作になります。

現地の言語とユーザー操作を採用する

決済の段階では、明瞭さが購入の完了につながります。フランスの買い物客に英語の決済フローが表示されると、すぐに切断されます。フィールドラベルやエラーメッセージの翻訳が未熟であるか、理解しづらいと、成約の瞬間にためらいが生じます。現地の言語に対応し、日付、電話番号、住所を地域の形式に設定することで、適所で購入しているという安心感を顧客に与え、とまどいによる目前での離脱を最小限に抑えることができます。

モバイル向けに調整する

モバイルファーストの市場では、簡単なモバイル決済が販売の成否を左右します。Apple Pay、Google Pay、現地通貨での同等サービス (例: 日本の PayPay など) などのデジタルウォレット決済では、カード詳細を手動で入力するプロセスが不要になります。これらの手段は多くの場合、特に小さな画面での承認率の向上と決済のスピードアップにつながります。

市場全体で各地域への対応にどのように優先順位を付けるか

ほとんどの会社は、全地域に合わせてすぐにすべてを各地域に対応させることはできないし、そうしようとすべきでもありません。目標は、最も重要な場所に適切な順序で、適切なレベルの投資により地域対応することです。言い換えると、各地域への対応が最も効果的な場所を把握し、何に最初に取り組むかを慎重に検討するということです。

既存のデータに基づいて着手する

新しい市場で何がうまくいくかを推測する前に、すでに起こっていることを確認してください。

  • サイトトラフィックのアクセス元はどこか。買い物客の離脱はどの時点で発生するか。

  • 特定の国で、購入の意思表示は多いが、完了率は低くなっていないか。

  • 決済に関するサポートチケットが特定の地域で生成されていないか。

地域ごとにセグメント化すると、購入完了率のずれがしばしば明確に現れます。ある国で大規模な需要があるにもかかわらず決済完了率が低い場合、顧客が期待する決済操作を提供できていない可能性があります。

各地域への対応作業を潜在的な売上にマッピングする

ずれが明確になったら、潜在的な成長の可能性に目を向けます。購入意欲は高いことがすでに示されているが、購入完了率が低い市場が最有力候補です。需要が対応能力を上回っている急成長地域も同様に最有力候補です。

地域対応の難しさも考慮します。地域によっては、現地通貨を有効にし、関連するいくつかの決済手段を有効にする以外の作業はほとんどありません。別の地域では、複雑な税制や規制要件の管理、国内の金融ネットワークとの統合などが求められる場合があります。

購入意欲と売上のずれが大きく、ビジネスに大きな構造変革を行わずに地域対応を達成できる市場を探してください。

まず範囲を広げ、次に詳細に対応する

次のような、すぐに複数の市場に効果がある変更から始めます。

  • グローバルなデジタルウォレット (Apple Pay、Google Pay など) のサポートを追加する

  • 主要通貨 (米ドル、ユーロ、英ポンド、日本円など) を正確な料金で受け付ける

  • よく使用されている言語 (英語、スペイン語、フランス語、北京語など) で決済フローの翻訳を提供する

これらの更新により、多くの場合ほとんど実装作業をせずに、数十の市場で顧客の操作体験を大幅に向上させることができます。そこから、個々の市場に効果がある、地域により特化した変更を加えていくことができます。

一時点では 1 つの市場に集中する

チームを対象全体に分散させると、通常、進捗が遅くなります。そうではなく、1 つの市場への地域対応を完了させ、そこで学んだことを活用して次の市場を改善してください。展開のたびに、関与するチームの選定から、規制当局による審査期間や現地の決済フローに発生するバグの把握まで、戦略が向上します。新たに市場への地域対応をするたびに、対応がよりスピーディーに (そしてより賢明に) なります。

内部の制約に向き合う

一部の更新作業は、支払いダッシュボードで設定を有効にするのと変わらず簡単です。それ以外の更新には、バックエンドロジック、法的レビュー、現地の銀行との関係の更新が必要になる場合があります。

作業レベル別に地域への対応計画を分類し、それに応じて準備します。

  • 早期に成果が挙がる作業には、通貨の追加、グローバルデジタルウォレットの有効化、表示するエラーメッセージの翻訳などがあります。

  • 労力が中程度の作業には、新しい現地の決済手段を公開のアプリケーションプログラミングインターフェイス (API) と連携することや、商品カタログの翻訳などがあります。

  • 労力が大きいプロジェクトには、現地法人の設立、税務コンプライアンスの管理、地域固有のデータ法への対応の構築などがあります。

ロードマップには、チームが現実的にサポートし、維持できる内容を反映させる必要があります。

決済を各地域に対応させるすべての企業が知っておくべきベストプラクティス

初めて国際市場に参入する場合でも、数十市場に拡大する場合でも、購入完了につながる決済操作の構築に次のベストプラクティスが役立ちます。

適切な決済手段をリストアップする

決済オプションを 15 件含めても購入完了率が向上するとは限りませんが、特定の顧客セグメントにとって重要なものについては、2 件や 3 件でも向上します。地域やユーザーの所在地ごとに決済オプションをカスタマイズし、不要な決済手段を非表示にすると、決済フローをすっきりと的を絞った状態に維持できます。その市場で人々がオンライン取引に使用する手段を優先します。

現地通貨で料金を表示する

最終的な請求額を含め、購入フロー全体を通して、買い物客の現地通貨で料金を表示します。可能な場合は、外国取引で想定外の金額が発生しないように、同じ通貨で請求します。料金心理学などの、地域対応に関する詳細も忘れないでください。

インターフェイスを翻訳し、現地の慣習に従う

商品が英語であっても、決済フローを地域に対応させると信頼性が向上し、目前でのとまどいを最小限に抑えることができます。フィールドのラベル、エラー状態、アクションボタンには現地の言語を使用します。住所、郵便番号、日付、電話番号、通貨記号の形式を地域の標準に合わせて設定します。

モバイル体験を優先する

多くの市場では、オンライン顧客は主に携帯電話で買い物をしています。決済フローは小さな画面でもネイティブに動作する必要があります。レスポンシブレイアウト、大きなタップターゲット、モバイル対応のフォーム入力を使用します。自動入力、カードスキャン、または保存された支払い情報を使用して、可能な限りデータ入力を簡単にします。Apple Pay、Google Pay などのデジタルウォレットや、現地の同等のサービスに対応し、ワンクリックでの決済を実現します。

ユーザー操作に法令遵守を組み込む

一部の地域では、強力な顧客認証 (SCA)、3D セキュア、ワンタイムパスワード (OTP) の確認が必須です。ユーザーをサイト外にリダイレクトするのではなく、埋め込みまたはインラインのプロンプトを使用することで、これらの認証フローが操作の一部としてなじむようにします。さまざまなデバイスでテストして、負担の大きい瞬間 (モバイルでの 3D セキュア認証の失敗など) でユーザー操作が中断しないことを確認します。

目標に合わせて拡張できるインフラを選択する

地域への対応作業の多くは、決済アーキテクチャーに応じて大幅に簡単 (または困難) になります。幅広い通貨と決済手段にネイティブに対応しているプラットフォームを選択し、現地の決済手段を、カスタムの連携を毎回構築することなく、新たに有効にできるツールを探してください。レポート、照合、入金のシステムが確実にグローバルに機能するようにします。そうしないと、購入完了率の向上と引き換えに、運用が複雑になります。

立ち上げたまま放置しない

立ち上げ後もパフォーマンスの追跡を続けます。

  • 実際に使用されている決済手段は何か。

  • 特定の国やデバイスで不自然な失敗率が発生していないか。

  • 各地域に対応させた料金戦略が平均注文額や返金率に影響していないか。

ある市場ではうまくいったことが次の市場ではうまくいかないことがあります。1 年前に機能していたことでも、更新が必要になる場合もあります。目的を持って改善しましょう。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

今すぐ始めましょう

アカウントを作成し、支払いの受け付けを開始しましょう。契約や、銀行情報の提出などの手続きは不要です。貴社ビジネスに合わせたカスタムパッケージのご提案については、営業担当にお問い合わせください。
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