自分でフリーランスビジネスを運営し、いつ、どのように、誰と働くか決めると、自分の裁量で働けるようになります。2024 年の時点で、アメリカのフリーランスワーカーの数は 7,640 万人でした。2028 年にはその数が 9,010 万人にまで増加すると予想されています。

しかし、フリーランスで請け負ったプロジェクトを完了するのは仕事の一部に過ぎません。プロジェクトが終了したら、支払いを確実に受ける必要があります。配慮の行き届いた請求システムがなければ、支払いの遅延や支払い漏れの問題に遭遇する可能性があり、そうなると収益を得るまでに時間がかかって不安になります。

以下では、請求書の管理方法や支払いスケジュールの設定方法など、フリーランスの請求について知っておくべきことと、Stripe がどのように役立つかについて説明します。

この記事の内容

• フリーランサーにとって請求が重要な理由
  
• フリーランスの請求書に記載するべき情報
  
• フリーランサーが複数のクライアントの請求スケジュールを管理する方法
  
• Stripe が請求に関してフリーランサーにできる支援
  
• フリーランサーが請求で犯しがちな間違い
  
• 支払い遅延に対するフォローアップの仕方
  

フリーランサーにとって請求が重要な理由

プロジェクトが完了したら、請求を後回しにしたくなるかもしれません。しかし、しっかりとした請求プランを用意すると、さらにタイムリーな入金を実現でき、信頼できるプロであることをクライアントに示せます。フリーランサーにとって一貫した請求スケジュールが重要であるその他の理由をいくつかご紹介します。

仕事に対する自信が持てる

一貫した支払い条件とブランド名の入った請求書テンプレートを用意してクライアントとのミーティングに出席すると、クライアントが頼れる定評ある業務を遂行していることを示せます。その印象によって、クライアントはフリーランサーを短期的なリソースとしてではなく、専任のスペシャリストとして扱う気持ちになります。

誤解を減らす

請求書が遅れたり、詳細が欠落していたり、支払いスケジュールが不明瞭だったりすると混乱を招き、余分なメールのやり取りや面倒なフォローアップの電話が必要になるだけでなく、クライアントからの債務について不審請求の申し立てが発生する恐れがあります。最初から明確な計画を立てることで、仕事に集中し、クライアントに常に情報を提供することができます。

利益が安定する

フリーランスの収入は予測できないため、いつ、どのように請求書を発行するか注意することがとても重要になります。フリーランサーの中には、プロジェクトが完了するまで待ってから請求書を送付する人もいますが、その場合は次回の支払いまで数週間から数カ月待つことになりかねません。マイルストーンごと、一部前払い、または毎月の間隔になるように請求書を意図的に分散させると、収益を予測しやすくなります。

成長の余地

請求システムのパフォーマンスが良好であれば、不要な管理作業を回避できます。どの請求書を送ったか、どの請求書が支払われたか、どのクライアントの支払いが遅れているかを覚えておこうとしなくても、整理されたシステムで必要なすべての詳細情報を確認できます。そのため、より大きなプロジェクトやより多くのクライアントを引き受けることができます。

フリーランスの請求書に記載するべき情報

請求書は、実施した作業、料金、条件を記録したものです。クライアントが支払いを速やかに処理するために必要なすべての情報を提供する必要があります。請求書には次のような項目を含めるとよいでしょう。

事業情報

フリーランサーの氏名 (または該当する場合は屋号)、住所、連絡先の詳細などが含まれます。シンプルなロゴや配色など、一貫したブランディングを用いると、洗練された印象になります。

クライアントの情報

クライアントの名前または会社名と、関連する連絡先情報を含めます。特定の部門や請求担当者がいる場合は、請求書の宛先をその担当者にします。

請求書番号

各請求書に一意の番号を割り当てます。そうすると、各請求書を追跡するのが簡単になり、今後の連絡で参照しやすくなります。

発行日と支払い期日

請求書を送付する日付と支払い期日を含めます。これらの期限を明確にしてください。

サービス内容

コンサルティングパッケージ、執筆依頼、デザインの仕事など、どのような役務を提供したのか簡潔に説明します。完了したタスクの内訳を記載します (特に、プロジェクト内のタスクごとに異なる料金を請求する場合)。

料金と合計請求額

請求する料金 (時間単位、プロジェクトごとなど) をリストアップし、合計額を求める際に使用した計算式を示します。適用される税金を含めます。明確であればクライアントに喜ばれ、手数料を項目別にすると透明性が高まります。

利用可能な決済手段

銀行振込、カード支払い、デジタルウォレットなど、クライアントが支払いで利用できる決済手段をリストアップします。Stripe 経由で支払いを受け付ける場合は、さまざまな決済手段に対応できます。

支払い遅延時の条件

期日を過ぎても支払われなかった請求書に対して延滞金を請求する場合は、その旨を書面に記載します。そうすることで、早期支払いを促し、請求プロセスの格式が高まります。

フリーランサーが複数のクライアントの請求スケジュールを管理する方法

フリーランサーの場合、取引先のクライアントごとに請求スケジュールが異なるのが一般的です。クライアントによって、毎週、毎月、またはプロジェクトの特定のマイルストーンに到達した後に分割払いで支払うケースがあります。ここでは、さまざまな請求サイクルに対応する際に秩序を保つ方法をいくつか紹介します。

カレンダーでスケジュールを確保しておく

請求書発行の期限を管理する方法として、毎週または毎月、管理タスクの時間を決めて確保しておくという方法があります。たとえば、新しい請求書の送付は月曜日の午後、支払いの照合は金曜日の午前中にするように時間を確保します。カレンダーで請求作業の時間を割り当てておけば、期日を見落としたり、締め切りに驚かされたりする可能性が低くなります。

クライアントごとに段階的に請求する

クライアント数が多い場合は、請求の頻度で並べ替えることを検討するとよいでしょう。フリーランサーの中には、クライアントを「月次リテーナー契約のクライアント」、「マイルストーンベースのクライアント」、「1 回限りのクライアント」などのカテゴリに分類している人もいます。各請求書に、割り当てたカテゴリのラベルを付けると、簡単に並べ替えて確認できます。必要に応じて、各グループに色分けやタグを割り当てることができます。

自動リマインダー

支払いが遅れるのは、支払いを意図的に拒否しているのではなく、忘れてしまっているからであることが多いものです。請求システムまたは請求書発行プラットフォームを通じて自動リマインダーを導入すると、期日が近づいたときや支払いが遅れたときにクライアントに通知が届きます。このような穏やかなリマインダーで、期日どおりに収益を受け取ることができます。

大規模プロジェクトはマイルストーンで請求する

長期間にわたる大規模な案件に対応している場合は、支払いを複数のフェーズに分割することを検討してください。そうすると、フリーランスとクライアントの双方にメリットがあります。クライアントは一度に一括で支払う必要がなくなり、フリーランスはプロジェクトが終了するまで支払いを待つ必要がなくなります。フリーランサーによっては、30% を前払い、30% を途中で請求し、残りの 40% を完了時に請求するようにしている人もいます。具体的な方法はさまざまですが、主な目的は、支払いと妥当なチェックポイントに結び付けることで、双方が安心感を覚え、タイムラインも意識できるようにすることです。

Stripe が請求に関してフリーランサーにできる支援

Stripe は設定が簡単で、幅広い決済手段で支払いを受け付けられるようになり、取引量の増加に合わせて拡張できます。ここでは、Stripe が請求に関してフリーランサーにどのような支援ができるか紹介します。

シンプルな支払い

Stripe を利用すると、安全な決済ページに直接つながる固有の決済用リンクをクライアントに送信できます。クレジットカードやデビットカードなどの手段で支払うために、クライアントがアカウントを作成したり、追加の手順を実行したりする必要はありません。

継続請求

継続的な契約や長期プロジェクトがある場合、Stripe はスケジュールに合わせた継続請求をサポートします。月次または週次の請求サイクルを自動化できるため、毎回新しい請求書を作成する必要はありません。サイクルの仕組みを作っておけば、あとは Stripe が処理し、キャッシュフローが予測しやすくなります。

自動支払いリマインダー

支払い遅延時のリマインダーを送信するのは面倒なものです。Stripe は、請求書の期日の数日前や請求書が遅れた場合に自動的に通知を送信します。そうすることで、どのクライアントが支払い済みなのか、支払いが済んでいないのか手作業で確認する必要がなくなります。

詳細なレポート

Stripe ダッシュボードは、支払い、返金額 (該当する場合)、その他の指標を追跡します。この機能は、どのクライアントが安定した収益性の高い仕事をもたらしているか、どのクライアントを詳しく調べる必要があるかなどを確認するのに役立ちます。また、Stripe は取引データを 1 つのハブに整理するため、税金処理が簡単になります。

拡張性

フリーランスのギグワークをさらに大きな会社に成長させることに決めた場合でも、Stripe はその成長に対応できます。チームメイトの追加、海外への事業拡大、複数のサービスラインの追加など、フリーランスのあらゆることに対応できるだけの柔軟性を備えた幅広い連携システムと機能があります。つまり、事業規模の拡大に合わせて新しいシステムに切り替える必要はありません。

フリーランサーが請求で犯しがちな間違い

経験豊富なフリーランサーであっても、請求の問題に直面します。請求プロセスでの間違いはさまざまな原因で発生する可能性がありますが、よくある原因には次のような共通する特徴があります。

支払い条件が不明瞭または設定されていない

支払いスケジュールを明確にしないと、フリーランスが NET 30 での支払いを望んでいたのに、クライアントは 60 日以内に支払いえばいいと思い込んでしまう可能性があります。または、クライアントが分割払いを希望しているが、それを受け付けるかどうか明示していない場合もあります。このような想定事項を事前に、理想を言えば簡単な契約書や書面による合意のうえで伝えるのが最善です。

文書管理が整理されていない

請求を追跡する際に、散在するメールスレッドや複数のスプレッドシートに頼っていると、ミスが発生する可能性があります。請求書を送信したかどうかを忘れたり、誤って間違った請求書番号を使用したりしてしまいがちです。クラウドベースの請求書発行ツールや構造化されたテンプレートなど、一元化されたシステムを利用することを検討してください。

フォローアップを怠る

厄介な人と思われたくないため、多くのフリーランサーは、未払いの請求書についてクライアントに連絡するのを必要以上に長く遅らせています。期日が過ぎた直後に丁寧なメールやシステム生成のリマインダーを送るだけで、多くの場合は支払いが円滑に進むようになります。長く待ちすぎるTお、クライアントが支払いを優先的に行わない可能性があります。

税金と手数料を過小評価している

取引手数料や納税義務を考慮していないと、予想よりも収入が少なくなる可能性があります。たとえば、クレジットカード支払いを常に受け付けているのに、決済処理のコストを考慮していない場合、純利益は減少します。手数料体系を把握することで、経費を考慮した料金を設定できます。

支払いオプションの融通がきかなさすぎる

クライアントが中規模や大規模の企業である場合は特に、請求書の支払いに関して固有のプロセスがあります。受け付ける決済手段が 1 つしかない場合は、支払い処理が遅くなる可能性があります。銀行振込やカード支払いなど、複数の手段を用意すると、プロセスがスムーズに進みやすくなります。

支払い遅延に対するフォローアップの仕方

強力なシステムを導入していても、期日を過ぎる請求書が発生するのは避けられません。ここでは、クライアントとの関係を損なわないように支払い遅延をフォローアップする方法をご紹介します。

丁寧なリマインダーを送る

請求書の支払い期日が過ぎてから 1 日か 2 日後に、短くてわかりやすいメールを送信します。次の例のような文章のトーンにします。

[クライアントの名前]様

お世話になっております。[日付] が支払い期日だった請求書 #[X] について、状況を確認したくご連絡いたしました。何かご不明点がありましたら、お知らせください。よろしくお願いいたします。

リマインダーは短くして、請求書へのリンクを記載し、丁寧に締めくくります。たいていはメッセージ 1 通だけで問題が解決します。

担当者に電話するか、ビデオチャットを開始する

1 週間ほど経ってもクライアントから返事がない場合は、手短な電話をかけることを検討してください。さっと会話するだけで、安定した関係を築いている場合は特に、管理面で遅れが発生しているのか、請求書に関して誤解があるのかどうかが明確になります。

支払い条件を見直す

クライアントが抵抗したり、支払い条件を満たせないと主張したりする場合は、分割払いなどの形で妥協点を見出すようにします。そうすると、仕事上の関係を修復して、クライアントから未払い額を回収できます。

延滞料を適用する

あなたが事業を運営している事業主だということをクライアントに再認識してもらう一番の方法が、支払い遅延に対する違約金を請求することであるケースもあります。この方法を選ぶ場合は、契約書または請求書にその旨を明記してください。ただし、延滞料は、丁寧に何度かお願いした後の最終的な手段としてのみ使用するようにしましょう。

慎重にエスカレーションする

未払い金額が多額で、クライアントからまったく返事がないという極端な状況では、回収代行業者または法的手段を検討することもできます。そうすると時間と費用がかかるため、軽々しく取る判断ではありません。しかし、穏やかなリマインダーを何度か送ったにもかかわらず、クライアントが払わない場合は、それが最善の手段かもしれません。後で証拠が必要になる場合に備えて、丁寧にすべてを文書に記録してください。