カリフォルニア州には、アメリカで最も複雑な売上税法がいくつか存在します。同州は、ハイブリッドソーシングの売上税ルールを導入している数少ない州のひとつであり、起点ベースの郡および州売上税と仕向地ベースの地区売上税が適用されます。

このような複雑さにより、タイムリーで正確な売上税の申告が大きな課題となります。カリフォルニア州で売上税を正しく申告するためには、事業者はまず、申告頻度と申告期限を特定し、次に申告書を作成し、最後に申告書を提出して売上税を納める必要があります。

この記事の内容

• カリフォルニア州の申告期限の確認
  
• カリフォルニア州売上税申告書の作成準備
  
• カリフォルニア州売上税申告書の作成と提出
  

カリフォルニア州の申告期限の確認

申告のタイミングは月平均の売上税負担額によって異なります。ほとんどの事業者は、カリフォルニア州売上税申告書を四半期ごとに提出しますが、売上税の納税額が月平均 $100 以下の事業者は、提出を年 1 回にすることができます。カリフォルニア州の売上税許可証を登録すると、州から申告回数が指定されます。最新の申告期限は、カリフォルニア州税金管理局 (CDTFA) のウェブサイトで確認できます。

カリフォルニア州の有効な売上税許可証を持つ事業者は、申告する売上税がない場合でも、期限ごとに売上税の申告をする必要があります。その場合、事業者は売上税申告書を作成しますが、納税は行いません。

カリフォルニア州売上税の前払い

一部の事業者は、カリフォルニア州売上税申告書を四半期ごとに提出した上で、毎月前払いする必要があります。カリフォルニア州売上税・利用税法の第 6471 条によると、売上税の納税額が月平均 1 万 7,000 ドル以上の事業者は、前払いする義務があります。

この場合、申告書の提出時に売上税を納税するのではなく、四半期申告書の提出より前に売上税を毎月納付します。前払いの期限は翌月 24 日までです。つまり、1 月分の前払いは 2 月 24 日まで、2 月分の前払いは 3 月 24 日までに行い、3 月分の納付は 4 月末にある第 1 四半期の売上税申告書の提出時に行うことになります。

毎月の前払いは、その月の納税額の 90% 以上でなければなりません。
ただし、第 2 四半期の前払いについてはルールが異なります。第 2 四半期最初の 4 月分の前払いは、90% という通常のガイドラインが適用されます。ただし、2 回目の 5 月分の前払いは、実際には 5 月 1 日から 6 月 15 日までの前払いとみなされます。したがって、次のいずれかの金額に等しくなる必要があります。

• 5 月分の納税額の 90% + 6 月前半分の納税額の 90%
  
• 5 月分の納税額の 90% + 5 月分の納税額の 90 % の 50%
  

カリフォルニア州売上税申告書の作成準備

売上税申告書の作成に取り掛かる前に、課税期間の売上情報を収集する必要があります。必要な詳細情報については、CDTFA オンライン納税申告システムで確認できますが、申告書の提出には通常、次の情報が必要になります。

販売取引

カリフォルニア州の売上税申告書の作成には、売上高 (総売上高および課税売上高) と販売先の 2 つの情報が必要です。

また、若干の例外はあるものの、カリフォルニア州の居住者に販売された動産についても、売上税を徴収して納付する必要があります。例外としては、買い手が再販証明書を持っている場合や、その商品がカリフォルニア州で課税対象とみなされない場合などがあります。

また、カリフォルニア州における総売上高も報告します。これは、カリフォルニア州内の買い手からの売上の総額で、課税対象か否かは問われません。

売上税の申告では、総売上高に加えて、以下の販売取引情報が必要となります。

• 種類別の課税売上高: 商品の種類によって異なる税法と税額が適用されるため、課税売上高の内訳を把握する必要があります。
  
• 種類別の非課税売上高: 非課税売上高の例としては、再販業者への売上高、非課税人件費、非課税食品などがあります。
  
• 控除額: これには配送料などが含まれる場合があります。
  
• 合計徴収売上税額: これは、申告期間中に顧客から徴収した売上税の総額です。
  

課税売上高がカリフォルニア州におけるエコノミックネクサスのしきい値に達しない場合、売上税の申告が不要となる場合があります。エコノミックネクサスのしきい値の要件を満たし、従業員、事務所、または倉庫がカリフォルニア州に存在し、課税対象となる商品やサービスを販売している場合、すべての課税取引について売上税を徴収して申告を行い、しかるべき金額の売上税をカリフォルニア州に納める必要があります。申告期間中に売上がなかった場合でも、事業者は $0 で申告を行う必要があります。

特別課税管轄区域

カリフォルニア州の事業者は州の売上税の納付に加え、地区の売上税も管理しなければなりません。州の基本税率よりも高い税率を課す都市に所在する買い手に販売する場合は、その地区の追加税を徴収する必要があります。たとえば、ロサンゼルスの買い手には、7.25% のカリフォルニア州税に加え、2.25% の地区税が課せられます。ロサンゼルス居住者に商品を販売すると、合計 9.5% の売上税が課せられることになります。

カリフォルニア州には何百もの売上税地区が存在するため、カリフォルニア州の売上税申告書の作成を準備するのは大変です。地区税の仕組みの詳細については、Publication 44 を参照してください。

その他の必要な情報

一部の事業者は、消費税申告書を作成する際に、追加の情報を記入する必要があります。たとえば、州外の事業者がスケジュール B を記入するには、郡別の全売上高のリストが必要となります。さらに、毎月の前払いを行った場合は、申告書を提出するときに四半期の残りの納付額を確認できるように、これらの金額がわかるようにしておく必要があります。

カリフォルニア州内で営業するすべての事業者には、スケジュール C の記入が義務付けられています。これには、販売許可が発行されたすべての事業所の住所が記載されます。それぞれの場所での課税対象販売金額を記載する必要があります。

カリフォルニア州売上税申告書の作成と提出

カリフォルニア州の売上税申告の最終ステップは、申告と納税です。CDTFA にはオンライン申告システムがあり、情報を入力して申告書を作成することができます。

申告が完了したら、計算された売上税の総額からこれまで月々前払いした税額を差し引いた金額を納付する必要があります。CDTFA のウェブサイトを通じて電子納付することができます。