デンマークの付加価値税 (VAT) 税率はヨーロッパで 3 番目に高い水準です。2024 年には、デンマークは国内総生産 (GDP) の 9.1% を VAT で徴収しました。デンマークで事業を行う、またはデンマークに販売する企業は、価格設定から法令遵守、キャッシュフローまで影響を及ぼす可能性のある VAT 規則に細心の注意を払う必要があります。
以下では、デンマークの VAT 税率の概要、課税される商品およびサービス、デンマークで VAT 登録が必要な対象者、デンマークにおける VAT の法令遵守と還付が実際にどのように機能するかについて説明します。
目次
- デンマークの VAT 税率とは
- デンマークで VAT の対象となる商品およびサービス
- デンマークの VAT 番号とは
- デンマーク所在企業の VAT 登録要件
- 外国企業のデンマーク VAT 登録要件
- デンマークにおける VAT 法令遵守の仕組み
- デンマークでの VAT 還付の仕組み
- Stripe Tax でできること
デンマークの VAT 税率とは
デンマークでは、ほぼすべての課税対象の商品およびサービスに一律 25% の VAT 税率が適用されます。軽減税率、特別区分、カテゴリ別税率はありません。ゼロ税率や免除の取引も一部ありますが、デンマークで VAT の対象となる取引であれば、原則として 25% で課税されると考えて問題ありません。
デンマークで VAT の対象となる商品およびサービス
デンマークの VAT 制度では、商品とサービスを標準税率、ゼロ税率、または VAT 免除に分類しています。各区分の概要は次の通りです。
標準税率
物品、デジタル商品、およびサービスの大部分は、小売商品、専門サービス、ソフトウェア、サブスクリプション、ホスピタリティ、公共料金、食品などを含め、25% の標準 VAT 税率の対象です。商品またはサービスが商業的に提供され、法律で明示的に例外とされていない場合は、通常この区分に該当します。
ゼロ税率
一部の取引は 0% の税率で課税されます (VAT 免除ではありません)。つまり、VAT は請求されませんが、仕入 VAT は還付請求できます。ゼロ税率は主に、EU 域外への商品の輸出、VAT 登録事業者への EU 域内供給、国際輸送サービス、新聞や書籍などの特定の文化的商品に適用されます。
VAT 免除
一部の活動は VAT 制度の対象外となるため、VAT は請求されず、通常、仕入 VAT も回収できません。一般的な免除には、医療および医療行為、教育、住宅用不動産の賃貸、旅客輸送、および特定の非営利活動または文化活動が含まれます。
デンマークの VAT 番号とは
デンマークの VAT 番号は、事業者をデンマークの VAT 制度に紐付ける識別子です。請求書、VAT 申告書、EU 向けの申告、および税務当局とのあらゆるやり取りで使用されます。VAT 番号がない場合、事業者は法的に VAT を請求できず、VAT 申告書を提出したり、費用にかかる VAT の還付を受けたりすることもできません。
デンマークの VAT 番号は 8 桁で構成され、越境利用では国コード「DK」を付けて表示されるのが一般的です。国内では同じ番号が会社の Central Business Register (CVR) 番号と呼ばれます。登録事業者が発行する VAT 請求書にはこの番号を記載する必要があります。これにより、顧客は VAT の登録状況を確認でき、EU の越境取引ではリバースチャージの適用有無を判断できます。VAT のリバースチャージは、売り手ではなく買い手が税務当局に VAT を申告して直接納付する責任を負う場合に発生します。これは、EU 域内の越境 B2B 取引で一般的です。
デンマークの VAT 番号は検証可能であり、EU の VAT 情報交換システム (VIES) を通じて確認できます。公開されている CVR 記録でも企業の VAT 登録状況を確認できるため、商取引関係の透明性が高まります。
デンマーク所在企業の VAT 登録要件
デンマーク所在の企業は、過去 12 か月のいずれの連続期間でも課税対象売上高が 50,000 デンマーククローネ (DKK) を超えると、VAT を納付する必要が生じます。その時点で VAT 登録が義務となり、登録の有効開始日から VAT を請求しなければなりません。
売上が 50,000 DKK を超えると見込まれる場合、企業はしきい値を超えてからではなく、事前に登録する必要があります。これにより、遡及的な VAT の納付義務や罰則を回避できます。しきい値未満の企業でも、登録を選択できます。これは、VAT がかかる費用が多く、仕入 VAT を費用として負担するのではなく還付を受けたい場合によく見られます。
課税対象でゼロ税率の供給 (例: 輸出) を行う場合、すべての売上が 0% で課税されるとしても VAT 登録は必要です。一方、すべての取引が VAT 免除の場合、通常は VAT 登録は不要です。
外国企業のデンマーク VAT 登録要件
デンマークで B2C 販売を行う外国企業は、EU のワンストップショップ (OSS) (オンラインの VAT 納付ポータル兼管理システム) を利用しない限り、課税対象となる初回販売時点から VAT 登録が必要です。OSS を利用しない場合は、デンマークで現地 VAT 登録を行う必要があります。
サードパーティーの倉庫やフルフィルメントセンターなどを通じてデンマークで商品を保管する場合、課税対象となる初回販売時点から VAT 登録が義務付けられます。この場合、売上高のしきい値はありません。イベント、ケータリング、建設、現地提供サービスなど、提供地で課税されるサービスについても、現地 VAT 登録が必要です。外国企業が自社名義で商品をデンマークに輸入して販売する場合は、輸入 VAT とその後の売上 VAT を申告するために登録しなければなりません。
会社が VAT 登録済みのデンマーク企業にサービスを提供し、リバースチャージ方式が適用される場合、通常は VAT 登録は不要です。代わりにデンマーク側の顧客が VAT を申告して納付します (すべての法的要件を満たす場合に限ります)。通常、EU 域外で設立された事業者は VAT 登録時にデンマークの税務代理人を任命する必要があります。代理人は法令遵守について連帯責任を負い、税務当局との現地窓口として機能します。
デンマークにおける VAT 法令遵守の仕組み
登録が完了すると、デンマークの VAT は継続的な義務となります。ここでは、法令遵守を維持する方法をご紹介します。
VAT の請求
請求する VAT に特に注意を払い、金額が正しいことを確認してください。多くの場合、25% を請求します。VAT 請求書には、事業者名、住所、デンマークの VAT 番号、請求書日付、請求書番号、商品またはサービスの明確な説明、適用 VAT 税率、VAT 金額、VAT を含む合計金額を記載する必要があります。請求書の記載内容が不足している、または誤っている場合、顧客側での VAT 控除が認められず、税務調査リスクも高まります。
VAT 申告書の提出
申告頻度は売上高によって異なります。小規模事業者は四半期ごとまたは半年ごとに申告することが多く、大規模事業者は毎月申告します。申告書の提出と納付はデンマーク税務当局のポータルを通じて電子的に行われ、期限は厳格に適用されます。
申告の遅延、納付の遅延、または VAT の過少申告は、罰金や利息の対象となる可能性があります。通常、誤りは修正申告で訂正できますが、税務調査を待つよりも、早期に自主的に修正する方が安全です。
適切な記録の保持
企業は、VAT 記録、請求書、および裏付け書類を少なくとも 5 年間保管する必要があります。記録はデジタルでも構いませんが、確認に備えて、完全性、正確性、およびアクセス可能性を確保する必要があります。
越境報告の管理
EU 域内で取引を行う企業は、取引量や活動の種類に応じて、EC Sales List や Intrastat 申告などの追加報告書を提出する必要がある場合があります。
デンマークでの VAT 還付の仕組み
還付は、VAT 登録済みのデンマーク企業に加え、デンマークで VAT を負担しているものの登録していない外国企業も利用できます。還付金は銀行口座に直接振り込まれるか、他の税負担と相殺されます。高額または通常と異なる還付請求は支払前に審査される場合がありますが、日常的な還付は一般的であり、とくに成長中の企業や投資負担の大きい企業でよく見られます。
ここでは、各事業形態が VAT の還付を受ける方法を説明します。
VAT 登録済みのデンマーク企業
申告期間中に事業上の購入で支払った VAT が、売上で受け取った VAT を上回る場合、その差額は還付可能な税額控除となります。還付は VAT 申告書で直接請求し、通常は申告書の処理後に入金されます。
EU 所在の外国企業
他の EU 加盟国で設立された企業は、自国の EU VAT 還付制度を通じてデンマークの VAT の還付を受けられます。還付を申請するには、自国の税務当局に電子的な還付請求を提出します。当局が請求の妥当性を確認したうえで、VAT が発生した加盟国の当局へ転送します。
EU 域外の事業者
EU 域外の事業者は、専用の還付申請書を使用してデンマークの税務当局に直接申請できます。これらの申請には期限、最低金額、有効な請求書を含む書類要件があります。
すべての VAT が還付対象となるわけではありません。交際費や特定の車両関連費用は、デンマークの VAT 控除規則により、一部または全額が控除不可となる場合があります。
Stripe Tax ができること
Stripe Tax は、複雑な税務コンプライアンスへの負担を軽減し、事業成長に集中できるようにするためのツールです。Stripe Tax は、Stripe の取引をもとに、納税が必要な場所やタイミングをモニタリングし、売上税登録の閾値を超えた場合には通知します。さらに、アメリカのすべての州と 100 カ国以上で、物理的な商品とデジタルの商品およびサービスの両方に対する売上税、VAT、GST を自動的に計算して徴収します。
貴社の既存のインテグレーションにコードをたった 1 行追加するだけで、あとはダッシュボードのボタンをクリックして Stripe の強力な API を利用すれば、世界各国の税法に準拠することができます。
Stripe Tax でできること:
納税義務がある場所を把握: Stripe 上の取引をもとに納税義務がある場所を確認します。登録後、新しい州または国での税金の徴収を、数秒で有効にできます。コードを 1 行追加するか、Stripe ダッシュボードで有効化することで、簡単に徴収を開始できます。
税務登録: グローバルな税金登録の管理を Stripe に任せることで、申し込みの詳細を事前に入力する簡単なプロセスを利用できます。事業効率が上がるだけでなく、各地の法規制に効率よく対応できます。
税金の自動徴収: Stripe Tax は、販売する商品や場所に関係なく、適切な税額を計算して徴収します。何百もの商品とサービスをサポートしており、最新の税法と税率に対応しています。
申告を簡略化: Stripe Tax は申告パートナーとシームレスに連携するため、世界中の申告を正確かつタイムリーに行えます。パートナーに申告書の管理を任せて、事業成長に集中できます。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。