一括請求書と累積請求書: ドイツ企業が知っておくべきこと

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  1. はじめに
  2. 一括請求書とは
    1. 一括請求書の例
  3. 累積請求書とは
    1. 累積請求書の例
    2. 累積請求書を作成する
  4. 一括請求書と累積請求書の違い
  5. 一括請求書と累積請求書のメリット
    1. 一括請求書のメリット
    2. 累積請求書のメリット

「一括請求書」と「累積請求書」という用語は、多くの場合、同じ意味で使用されます。しかし、これは正しくありません。これらは、異なる請求書形式であり、異なる機能を果たすものです。この記事では、一括請求書と累積請求書の概要、その違い、ドイツ企業におけるそれらのメリットについて説明します。

この記事の内容

  • 一括請求書とは
  • 累積請求書とは
  • 一括請求書と累積請求書の違い
  • 一括請求書と累積請求書のメリット

一括請求書とは

一括請求書は、特定の期間内の複数のサービス、配送、または注文を 1 つの請求書にまとめた書類です。別の言い方をすると、これは「通常の」請求書であり、唯一の違いは、特定の期間内に発生した顧客の複数の注文を請求する点です。

一括請求書は、同じ顧客から定期的に注文を受ける企業に特に適しています。たとえば、毎月 10 件の商品注文を個別に請求するのではなく、1 カ月分を集計して定期的に請求します。

一括請求書の例

情報技術 (IT) サービスプロバイダー

ある IT サービスプロバイダーは、中規模企業のコンピューターとサーバーを定期的に保守しています。この作業には、軽微な修理、ソフトウェアの更新、セキュリティチェックが含まれます。各サービスを個別に請求する代わりに、その月に実施したすべてのサービスに対して、月末に 1 つの請求書を発行します。

卸売生花店

ある代理店はさまざまなイベントを開催しており、定期的に卸売生花店にフラワーアレンジメントを注文しています。注文はイベントによって大きく異なるため、卸売業者は納品書を集めて、納品したすべての商品についてイベント代理店に毎月末に一括請求書を発行します。

コピーライター

あるフリーランスのコピーライターは、業界誌に定期的に記事を書いています。記事数は月によって大きく異なるため、当事者間では一括請求書で請求することに合意しています。コピーライターは四半期に一度、過去 3 カ月のすべての記事を含めた一括請求書を提出します。

一括請求書を作成する

請求する側は、必ずしも一括請求書を使用する必要はありません。一括請求書を使用するかどうかは任意ですが、特に請求書が大量になる場合は、この方法をお勧めします。一括請求書を発行する場合は、必ず顧客の同意を得る必要があります。

また、ドイツ付加価値税 (VAT) 法 (UStG) 第 14 条に列挙されている、請求書に記載する必須情報の要件は一括請求書にも当てはまります。これには以下が含まれます。

  • 商品またはサービスの受取人の氏名と住所

  • 商品またはサービスを提供する会社の名前と住所

  • 請求書の日付

  • 商品またはサービスの引渡し日

  • 1 回限りの連続する請求書番号

  • 供給側の会社に対して税務署が発行した納税者番号、または連邦中央税務局 (BZSt) が発行した VAT 識別番号 (VAT ID)

  • 納品した商品の数量と種類、または提供したサービスの範囲と種類

  • 小計および総計の額

  • 適用される税率とそれに対応する税額、または免税の場合は免税への言及

ただし、一括請求書を作成する際に考慮が必要な特別な事項もあります。このタイプの定期請求を行うための第一の要件は、請求期間について取引先と明確に合意が取れていることです。請求期間は、それぞれのサービス提供日と合わせて請求書に記載されます。サービス提供日は、項目の時系列のリストに追加できます。各納品は、納品書と合わせて記載する必要があります。また、請求書に各サービスの金額と、最終的な請求合計額が記載されていることも重要です。

詳細については、請求書発行の記事をご覧ください。

累積請求書とは

累積請求書は、プロジェクトの一部のサービスまたは分納に対して段階的に請求する請求形式です。請求済みの合計金額が継続的に加算されます。累積請求書はそれぞれ、前回の請求書に基づいて作成され、新しい項目と、これまでに実施されたすべてのサービスや納品の合計額が記載されます。

累積請求書は、プロジェクトに含まれる部分的なサービスを実施する都度に請求する長期プロジェクトに特に便利です。たとえば、建設プロジェクト、機械製造、複雑なサービス契約などで使用されます。

累積請求書の例

建設会社

マンションを建設するために、建設会社と契約しました。建設は、基礎工事、構造物の建築、内装仕上げなど、いくつかのフェーズに分けて行われます。建設会社は各フェーズの完了時に、それまでに実施した部分的なサービスの詳細を記載した請求書を発行します。次回の請求書は前回の請求書に基づいて作成され、新しく追加されたサービスと、その時点までの合計金額が記載されます。

エンジニアリング会社

ある機械メーカーは、顧客のために特殊な機械を製造しています。生産には数か月かかるため、個々のステップ (設計、個々の部品の製造、組み立てなど) に対して順々に請求します。新しい請求書には、それぞれ新しいステップの費用が記載され、前回請求したサービスにそれらが追記されます。このようにして、顧客はそれまでに提供されたサービスの累計を常に確認できます。

ソフトウェア開発フリーランサー

あるフリーランサーは、スタートアップ企業向けのカスタムソフトウェアを開発しています。プロジェクトの請求は段階的に行われます (各モジュールの完了後など)。それぞれの累積請求書には、現在の段階の費用が記載され、それ以前のすべての段階の合計が表示されます。

累積請求書を作成する

一括請求書の作成と同じく、累計請求書の作成も任意です。この場合も、取引先の同意を得ることが特に重要です。前述の UStG 第 14 条に準拠した請求書の必須情報は、累積請求書の場合も必須です。

累計請求書の特徴は、実施済みの部分的なサービスと支払いそれぞれの詳細な内訳を示すものであることです。それには、以前の累積請求書で請求された金額に加えて、新たに提供されたサービスの費用が、正味金額、VAT、合計請求額とともに記載されます。わかりやすくするために、項目は時系列順に記載し、以前の請求書の参照番号などの参照情報を提供する必要があります。二重請求を避けるために、すでに請求済みの金額を明確に識別できるようにし、合計金額から差し引く必要があります。

たとえば、ある企業が IT プロジェクトの一環として、正味価格が 1 台あたり 10,000 ドルの新しいサーバーを 10 台設置したとします。プロジェクトは 5 つのフェーズに分かれており、各フェーズの後に請求書を発行します。

第 1 フェーズでは、2 台のサーバーを設置します。請求書には、これら 2 台のサーバーを税込 23,800 ドルの 1 つの項目として記載します。第 2 フェーズでは、さらに 2 台のサーバーを設置します。請求書では、これら 2 台のサーバーのみを請求するのではなく、これまでに納入した 4 台のサーバーをすべて記載します。最初の請求書の金額を合計の下に記載し、差し引きます。

プロジェクトの第 3 フェーズと第 4 フェーズの後の請求書についても同じ手順に従います。第 5 フェーズの後の最終請求書には、10 台のサーバーすべてを記載します。合計の下に、前の 4 つの分割請求書の金額をそれぞれの請求書番号とともに記載し、差し引きます。

一括請求書と累積請求書の違い

一括請求書と累積請求書は、機能、用途、構造が異なります。最も重要なポイントを以下にまとめました。

Collective invoice vs. cumulative invoice - Differences between collective and cumulative invoices, including function, application, structure, and billing.

一括請求書と累積請求書を作成するのは、標準の単一請求書を作成するよりも複雑です。請求書発行をシンプルにして自動化するには、Stripe Invoicing をご利用ください。Invoicing を利用すると、一括請求書、累積請求書、個別の請求書を、法令に準拠した方式でスピーディーかつ簡単に作成して送信できます。

一括請求書と累積請求書のメリット

一括請求書と累積請求書は、発行者と受取人の双方にとってメリットがあります。ここでは、主なポイントを大まかにご紹介します。

一括請求書のメリット

  • 管理の軽減: 個別の請求書を複数発行するのではなく、1 つの請求書を作成します。そのため、会計取引の数が少なくなり、互いに時間の節約になります。作成、確認、管理する必要がある書類が少なくて済みます。

  • コスト削減: 請求書の発行者は時間の短縮になり、(請求書を郵送する場合は) 郵送費用が不要になるため、コストを削減できます。

  • 透明性: 複数の納品やサービスが 1 つの請求書にまとめられているにもかかわらず、一括請求書では透明性も確保されます。すべての項目が詳細に記載されており、時系列順であれば理想的です。請求書が明確でわかりやすいので、顧客にもメリットがあります。請求側の会社が追跡する必要があるアカウント取引が少なくなるため、財務をより適切に処理できます。

  • 支払いが簡単: 請求書の受取人は、個別に何度も送金する必要がなく、一度に多額の金額を送金できます。それによって時間の節約になり、計算ミスが発生しにくくなります。さらに、手間が減るため、顧客満足度が向上し、ビジネス関係にプラスの影響があります。

累積請求書のメリット

  • 明瞭さ: 累積請求書には、すべての成果物とそれまでに支払われた金額が明確に記載されるため、プロジェクトの進捗状況を明確に示す書類となります。また、以前の請求書を参照することによって追跡しやすくなり、誤解を最小限に抑えることができます。双方の当事者が、プロジェクトの現在のステータス、総コスト、支払い履歴を総合的に把握できます。予算が超過した場合もすぐに判明します。

  • エラーの減少: 累積請求書では、以前のすべての支払いを考慮して、合計から差し引きます。こうすることにより、サービスに対して二重に請求したり、請求漏れが発生したりするリスクが軽減されます。そのため、累積請求だと、請求者と受取人の双方にとってミスが発生しにくくなります。

  • 財政面の負担の分散: 複数のマイルストーンがある長期プロジェクトや長期契約の場合、累積請求によって段階的な請求が可能になります。そのため、顧客は柔軟に支払うことができます。全額を一度に支払う必要がないため、財政面の負担が分散されます。

  • 法的および契約上の確実性: 契約で分割払いが定義されているプロジェクトの場合、累積請求書だと、正確かつ法令に準拠した方法で契約を書面に記載するのに役立ちます。その書類は、紛争が発生した場合の証拠として使用できます。以前のサービスに関する質問や不明点があっても、累積請求書が完全な履歴になるため、それを参考にして直接解決できます。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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